子どもは何度も約束をして覚えていくもの
約束にはいろいろな種類があります。
例えば、人には優しくしようとか、車が通るところでは遊ばないようにしようなどです。
これらは人として大切なことや命を守るうえで大切なお約束です。
しかしお約束をしたからといって、すぐにできるようになるとは限りません。
何度も教えていくことでお子さんは本当に大切な時に親の言葉を思い出して、良い行動を覚えていきます。
約束を守らない子によくあること
例えば、朝の忙しい時間に「〇〇時までに食べないとフルーツが食べられないよ」とか、「〇〇分までに準備しないと楽しみなテレビが見れないよ」といった約束。
子どもは返事はするものの全く急がないことがありますよね。
結果として時間になっても食べ終わらず、準備が遅れて親が食事を片付けようとすると、子どもが急に泣き叫んだり、癇癪を起こしたりします。
こういったことは多くの家庭で見られると思います。
約束を守る子どもの家庭とそうでない家庭がある
実は日常の中の小さな約束をすればするほど、子どもが行動を改善していく家庭と、逆にひどくなって無責任になる家庭があります。
それを知らないがゆえに、親が子どもを急かそうと声を荒げて、ストレスが大きくなる。
そんな親御さんもいらっしゃるでしょう。
これからお伝えする内容を見て、良ければご自身の対応と照らし合わせて、取り入れられる部分があれば取り入れてください。
約束を守る子どもに育てる家庭
結論ですが、約束を通じて子どもが行動を改善するようになる家庭は、最終的な約束の責任を子どもに取らせるようにしています。
例えば「〇〇しないと〇〇できないよ」という約束をした時点で、その約束を守る責任は子どもにあります。
約束を守ったかで結果をきちんと変える
時間を守れるか守れないかで、子どもがしたいことをできるかできないかの結果をきっちりと変えましょう。
子どもが約束を守るためにどう過ごすか、どう準備をどうするかは自分で決められます。
約束を守るまでの過程には口出ししない
できないことやサポートが必要なことは別ですが、交わした約束が子ども自身で実行できることなら、約束を守る・破るまで、それまでの過程に一切口出しはしません。
最終的に子どもが時間を守って行動できればそれで良いです。
しかし反対にできなかった場合、その時にきちんと落とし前を付けさせます。
「約束を守らなかったら〇〇禁止だよ」と約束していたなら、本当にそれを禁止しましょう。
親は「子どもに罰を与える」という約束を守る
厳しく感じるかもしれませんが、約束が果たせない子になっているのは親の責任でもあります。
約束は双方に責任が発生する行為です。
親は約束の責任を果たすために、「〇〇禁止」という約束をしっかり実行しなければいけません。
子どもが泣くことも怒ることもあるでしょう。
親も心苦しいと思うかもしれませんが、気にせず「それはできないよ、約束したからね」と言うべきと思います。
なぜなら約束したのですから。
これが約束を通じて子どもが行動を改善するようになるご家庭の親御さんのスタイルです。
約束を破る例
「今、〇〇をしないとテレビが見れないよ」
これを伝えた途端に子どもが泣き出します。
そんな子どもの姿を見て、「じゃあ10分だけ待つよ」と言って、親が約束を破ってしまいます。
「子に罰を与える」という約束を破り続けた結果
子どもが悲しそうなのに約束を守らせるのも厳しそうに見えるかもしれませんが、子どもとした約束を親が果たさないと何が起こるでしょうか。
子どもは「どうせ約束しても最後はママがOKしてくれる」と思うようになり、「約束だよ」と言っても「とりあえず返事しておけばいいや」と考えるようになります。
これは約束に対して無責任な考えです。
残念ながらこのケースで悪いのは子供ではなく大人です。
約束を守らないでOKする環境を与えれば、子どもはそれに順応するのは当然でしょう。
約束の効果が薄れていき、結果的に辛くなるのは親です。
よくある親が約束を破るパターン
約束をしても一向に動かない、もしくはぐずる子どもを見て、親は「間に合うかなぁ」とか「このペースだと間に合わないかも」などと思います。
子どもの行動を気にしながらソワソワしたりイライラ。
まだ時間が来ていないうちから「あと10分だよ」とか「もっと早くしないと間に合わないよ」と言うこともあるでしょう。
ヤキモキして結局「お母さんがやってあげるから」と言って、なんとか親が「子どもが行うはずの約束」実行しようと躍起になるのです。
最終的に「子どもに約束を守らせること」と「〇〇をさせない」という約束の両方を破ってしまい、子どもは約束を守らなくても困らないという状況が生まれます。
なぜ親が「子どもが行うはずの約束」をしてしまうのか
「〇〇をしないと〇〇させないよ」
上記は子どもが「〇〇をする」、親が「〇〇をさせない」という2つの約束が交わされています。
しかし、親が「〇〇をする」という行動に対して手や口を出していくと、この時点で疲れてしまいます。
さらにそれで間に合ったとしても、以降は「自分は急がなくてもお母さんがなんとかしてくれるんだ」と子どもが理解してしまうでしょう。
間に合わなかったとしても親が疲れきっていますよね。
基本的に、約束の時間が来るまでは子どもに任せておきましょう。
約束を守らせるために怒ることや叱る必要はありません。
親が動くのは約束を守ったとき、もしくは約束を破ったときです。
親は、親がやるべき約束を果たすことにエネルギーを使いましょう。
全ての約束を守らせられる家庭など少ない
全ご家庭が、約束を有限実行できるわけではないでしょう。
しかし、ここで話していることを真剣に取り組んだご家庭からは、むしろ楽になったという声もよく聞きます。
親は子どもが約束の時間になるまで気を使わなくて良いので余計なパワーを使いません。
最終的に約束を守れるかどうかというタイミングで淡々と守らせる、もしくは守らない子に約束通りの罰を与えるだけでいいのです。
約束を守らないと自分が嫌な思いをすると理解することで、徐々に責任ある行動が子どもから増えていきます。
最終的には子育てが楽になるでしょう。
しなくてもいい約束はしない
「○○しないと○○できないけどいいの?」と聞いて約束をしては、すぐに親がその約束を破るなんてことはよくあります。
これはお子さんの成長の面でとてももったいないことです。
どうせ約束しても最後は親が破るという状況が常態化しているのであれば、約束しなくても同じです。
しかしあまりにも細かな約束を交わしすぎると把握するのも大変で、親が破っていることにも自分で気づきにくいでしょう。
約束は連発しなくても、一つ一つきちんと意味を持たせて実行してもらえてば充分です。
これから約束の在り方を考えるなら、しなくてもいい約束をしすぎていないかということもぜひ振り返っておきましょう。
約束を守らせていくポイント3つ
1つ目: まだできないことはサポートする
約束を自分で守るようになるには、お子さんが自立している状態であることが前提です。
体力的にも精神的にも、約束を守る準備が十分にできるようになってから、約束を交わして守ってもらいましょう。
できないことや、まだ練習が必要なものは、当然サポートが必要です。
親が手や口を出しながらサポートして、一緒に練習してあげましょう。
2つ目: 時間感覚を養うサポートをする
約束した時間までに自分のやるべきことをコントロールできない子には、時間を認識できるようなサポートが必要です。
時間タイマーを使うことがあります。
自分で時間を管理するには時計が必要です。
時計が読めるようになったばかりの子供では、まだ時計を意識しづらかったりします。
「何分からだっけ?」「何分までだっけ?」
これがわからなくなることがあります。
それをサポートするために、タイマーなども使って時間の経過や残り時間を体感させて、時間間隔を養いましょう。
3つ目: 約束を守らせる時は淡々と
「はい時間だね、残念」と言いながらも軽快に、しかし淡々と行動します。
子供を泣き止ませてから「よし出よう」とするのではありません。
子どもがぐずって動かない場合でも、必要なものを準備して「はい行こう」と進めます。
家では泣いていたけど外に出ればケロッとするタイプの子には、淡々と進める方が親子共に楽な場合も多いです。
ご家庭に合う場合は、淡々とした約束を守らせる関わり方を試してみてください。
約束を守ったときに褒めるも忘れずに
約束は破ったときにどうするかだけでなく、約束を守れた時に褒めて成功体験を積み重ね、モチベーションを上げることで自発的に約束を守る子へ導く方法もあります。
決して、約束が子どもの行動を縛るだけのものにならないようにしてください。