不二家の代表的お菓子であるカントリーマアムといえば、多くの方に愛されるロングセラーのクッキーです。
不二家は和菓子の技術を洋菓子に応用する研究を進め、カントリーマアムはその技術を活かした商品として長く愛され続けています。
そして1983年の発売以来、日本を代表するクッキーブランドとして確固たる地位を築いてきました。
さて、この人気のカントリーマアムに「あんこ」が使われていることをご存知でしょうか？
バニラ味やココア味といった表の顔の裏で、日本の伝統的な食材が大きな役割を果たしているのです。
カントリーマアムには「あんこ」が入っている
カントリーマアムには主に白練りあんが使用されています。
白練りあんは、小豆の皮を取り除いて作られる白いあんこで、クセが少なく他の素材との相性が良いことが特徴です。
製品内での割合は公表されていませんが、風味を主張しない程度の量が配合されていると考えられます。
カントリーマアムに使われている「あんこ」は、和菓子のようにたっぷりと主役として入っているわけではありません。
しかし、この隠し味こそが多くの人を虜にするしっとりとした食感を生み出す重要な要素です。
カントリーマアムにあんこが入っている理由
それはあんこが持つ優れた補水力が、カントリーマアムのしっとり感を支えているから。
焼き上げる過程で通常であれば失われてしまう水分を、あんこが効果的にキープするのです。
あんこでしっとりする理由
あんこに含まれるでんぷん質や食物繊維は、水分を保持する性質があります。
これらの成分が生地中の水分を捕捉し、焼成時の高温でも水分が蒸発しにくい状態を作り出します。
他の保湿剤との違い
一般的なクッキーでは、バターや油脂類が保湿剤として使われることが多いです。
しかしあんこを使用すると、脂肪分を抑えつつしっとりとした食感を実現できるという利点があります。
カントリーマアムの製造工程
不二家のカントリーマアムの製造工程においても、あんこの特性を最大限に活かす工夫がなされています。
あんこの保湿効果を最大限に引き出すためには、焼成温度と時間の精密な管理が必要です。高すぎる温度や長すぎる焼成時間は、せっかくのあんこの効果を損なう可能性があります。
不二家では独自の焼成方法を採用し、外はさくっと、中はしっとりとした食感のバランスを実現しています。この製法により、カントリーマアム特有の食感が生まれるのです。
あんこを入れたクッキーは他にもいろいろ
この「あんこ」を活用した製法は、不二家のカントリーマアムだけではありません。
他のメーカーの商品にも応用されています。
日本の伝統的な食材「あんこ」と洋菓子の技術が融合することで生まれる独特の食感は、日本ならではの菓子開発の一例と言えます。
日本の洋菓子メーカーは、しばしば和菓子の材料や技法を取り入れることで、日本人の嗜好に合った独自の商品を開発してきました。カントリーマアムもその成功例の一つです。
海外では、この「和と洋の融合」という日本独自のアプローチが注目されており、カントリーマアムも日本のユニークなお菓子として認知されつつあります。
栄養面から見たあんこの価値
あんこは単なる保湿剤としてだけでなく、栄養面でも価値があります。
小豆を原料とするあんこには、食物繊維、たんぱく質、ポリフェノールなどが含まれており、単なる甘味料以上の栄養価があります。
近年の健康志向の高まりの中で、天然素材であるあんこを使用していることは、添加物を減らしたい消費者のニーズにも合致しています。
まとめ
あんこを使用した独自の製法をベースに、不二家のカントリーマアムは時代とともに進化を続けています。
カントリーマアムを次に食べる際には、そのしっとりとした食感の裏に隠された「あんこの力」を意識してみましょう。
不二家が開発したこの日本の伝統食材の知恵が活かされた洋菓子の魅力を、改めて味わってみてください。
