新潟県生まれの人気米菓「バカうけ」。
そのユニークな名前に、思わず笑ってしまう方も多いかもしれません。
一方で、「バカ」という言葉に否定的なイメージを持つ人も少なくないでしょう。
しかし、この「バカ」には、実は地域の歴史や文化が深く関係しています。
今回は「バカうけ」の名前に込められた意味や誕生のエピソード、さらには方言としての使い方について、分かりやすく解説します。
ばかうけとは
「バカうけ」は、薄く焼き上げたサクサクの食感が特徴です。
口どけが軽く、子どもから大人まで幅広い世代に人気があります。
原料には100%国産米が使われており、新潟県の米文化を感じられる商品です。
「バカうけ」は1980年代に登場し、発売から40年以上経った今でも親しまれ続けています。
フレーバーも下記のように多種多様です。
- 塩味(オリジナル)
- のり味
- コンソメ味
- チーズ味
- 期間限定(梅味、カレー味など)
さらに、地域限定の味も登場することがあり、たとえば「新潟限定 笹団子風味」なども過去に販売されました。
また、パッケージには大きく商品名が書かれており、店頭でも目を引くデザインが消費者の印象に残りやすい要因となっています。
ばかうけのメーカー「栗山米菓」とは
「バカうけ」を作っているのは、新潟県新潟市に本社を構える「栗山米菓(くりやまべいか)」という会社です。1949年に創業し、70年以上にわたり米菓づくりを続けてきました。
新潟は日本有数の米どころとして知られており、栗山米菓はその土地の恵みを活かした商品開発を得意としています。また、地域の言葉や文化を商品に取り入れる姿勢も特徴です。
「バカうけ」は1980年代に登場し、発売から40年以上経った今でも親しまれ続けています。
ばかうけの名前の由来
「バカ」は新潟の方言で「とても」「すごく」の意味
まず注目すべきは、「バカ」という言葉の意味です。
新潟県では「バカ」は侮辱ではなく、「とても」「ものすごく」といった強調の意味を持つ方言として使われてきました。
たとえば、新潟では次のような言い回しが日常的に使われます。
- バカうまい(とてもおいしい)
- バカでかい(ものすごく大きい)
- バカ寒い(かなり寒い)
つまり、「バカうけ」とは「とてもウケる」「すごく人気が出る」という願いを込めた名前なのです。
「バカ」を強調語として使う地域は他にもある?
新潟だけでなく、東北地方の一部でも「バカ」が強調の意味で使われることがあります。
たとえば宮城県や山形県では、「バカ強い」「バカ高い」といった言い回しが確認されています。
現在では「バカ売れ」「バカ高い」など、全国的に「バカ」を強調表現として使う例が見られるようになりました。
ただし、これが新潟方言から広がったのか、それぞれの地域で独自に発展したのかは明確ではありません。
テレビ番組からの影響
「バカうけ」という名前が誕生した背景には、テレビ番組の影響もあります。
1970年代に放送されていたバラエティ番組「金ちゃんのドンとやってみよう」では、視聴者からの投稿に対して「バカうけ!」と評価するシーンが登場しました。
この表現は「大爆笑」「とてもウケた」という意味で、当時の流行語となっていました。
この言葉のインパクトが、商品名のアイデアに影響を与えたとされています。
つまり、「バカうけ」は新潟の方言とテレビ文化が融合して生まれたネーミングなのです。
まとめ
「バカうけ」という名前には、新潟方言の「すごく」「とても」という意味が込められています。
決してネガティブな言葉ではなく、商品がたくさんの人に“ウケて”ほしいという前向きな気持ちから生まれたネーミングです。
また、1970年代のテレビ番組の影響もあり、時代の空気と地域の文化が合わさって誕生したお菓子だといえます。
栗山米菓は、地元の言葉や素材を大切にした商品づくりを続けており、「バカうけ」はその象徴ともいえる存在です。
方言と食文化の融合が、国民的米菓を生み出した好例といえるでしょう。