チップスターは、その独特な味とサクサクした食感で多くの人に愛されています。
しかし、おいしさだけでなく、パッケージにも他のお菓子にはない特別な工夫が詰まっているのをご存知でしょうか。
その最も特徴的な点が、筒型のパッケージです。
この筒型は、見た目のインパクトだけでなく、使いやすさや環境への配慮まで深く考えられて設計されています。
チップスターが筒型パッケージにしている理由・メリット
チップスターの筒型パッケージには、多くの優れた点があります。この独特の形が、ポテトチップスを美味しく、そして快適に楽しむための工夫につながっています。
スペースを無駄にしない効率性
チップスターの筒型パッケージは、中のポテトチップスがまるでコインのようにきれいに縦に積み重ねて収納されています。これにより、箱や袋タイプのスナック菓子と比べて、容器の中にできる「無駄な空間」がほとんどありません。ポテトチップスが隙間なく効率的に詰められているため、パッケージ全体のサイズをコンパクトに抑えることが可能になります。この効率的な収納方法は、お店での陳列スペースの節約にもつながりますし、消費者が持ち帰る際にもかさばりにくいというメリットを生み出します。
割れにくく、持ち運びやすい強度
筒状の容器は、構造的に非常に強度が高いという特徴があります。この丈夫な筒が、中のデリケートなポテトチップスを外からの衝撃からしっかりと保護します。例えば、スーパーから家へ持ち帰る途中や、カバンに入れて移動する際に揺れても、ポテトチップスが容器の中で動き回って崩れたり、割れたりするリスクが格段に少ないのです。また、筒の形はカバンの中の隙間にすっきりと収まりやすく、リュックサックや手提げカバンに入れても邪魔になりにくい形状です。遠足やピクニック、職場でのおやつなど、
食べやすさを追求した設計
チップスターの筒型パッケージは、食べる時の快適さも追求しています。開封した後も、ポテトチップスはきれいな円形を保ち、きちんと積み重なった状態が維持されます。これにより、手を容器の中にスムーズに入れて、1枚ずつ簡単に取り出すことができます。袋タイプのお菓子のように、底に砕けたカスがたまって手が汚れたり、取り出しにくかったりする心配がありません。ポテトチップスが少なくなっても、底までスムーズに食べ進められるため、最後の1枚までストレスなく楽しむことができます。この「食べやすさ」は、特に小さなお子さんからお年寄りまで、幅広い層にとって嬉しいポイントです。
チップスターのパッケージが辿った進化の歴史
1992年 紙製パッケージへの切り替え
1992年、チップスターは環境への配慮から、パッケージの素材を大きく見直しました。それまでのプラスチックなどの素材から、すべてを紙素材へと変更したのです。これは、当時のスナック菓子業界において、非常に先進的な取り組みでした。
リサイクル性の向上
紙素材に変わったことで、使い終わったチップスターの容器は、家庭から出る資源ごみとして回収・再利用(リサイクル)がしやすくなりました。プラスチックと比べて、分別が簡単で、多くの自治体で紙資源として回収されています。これにより、使用済みの容器がただのゴミとして捨てられるのではなく、新しい紙製品へと生まれ変わる可能性が高まり、資源の有効活用に貢献しています。
石油資源の使用を削減
従来のプラスチック容器の多くは、石油を主な原料としています。石油は、地球の限りある資源であり、採掘や加工の際に環境に大きな影響を与えることが懸念されています。チップスターがパッケージを紙に切り替えたことで、石油などの化石燃料への依存を減らすことができます。これは、地球の資源を守り、持続可能な社会(将来の世代も安心して暮らせるように、地球の資源を大切に使い続ける社会)の実現に貢献する大切な一歩と言えます。
廃棄時の環境負荷を軽減
紙は自然に分解されやすい特性を持つ上、燃やしたときにも有害なガスが出にくいという利点があります。そのため、使い終わったパッケージを廃棄する際も、地球環境にかける影響が少ないと言えます。これは、ゴミの処理という最後の段階まで、環境への優しさを考慮している証拠です。
2016年 ユニバーサルデザインへの進化
2016年には、チップスターのパッケージがさらに良くなりました。これは、「子どもからお年寄りまで、誰もが使いやすい容器にする」という目的があったからです。
開けやすく、捨てやすい工夫
新しいパッケージには、容器の底に切れ込みが追加されました。この切れ込みがあることで、食べ終わった後に容器を簡単に潰せるようになっています。また、開けるときに必要な力の加減も考えられています。手が小さい子どもや、力の弱い人でも開けやすいです。
特許取得の独自設計
これらの改良は特別な技術として特許も取得しています。特許とは、新しく発明された技術やデザインを独り占めできる権利のことです。
チップスターのパッケージは、使いやすさと見た目の良さを両立させたユニバーサルデザインとして、多くの人に支持されています。ユニバーサルデザインとは、年齢や能力に関わらず、すべての人が使いやすいように考えられたデザインのことです。
まとめ
チップスターは「おいしさ」や「楽しさ」だけでなく、「環境への優しさ」や「誰でも使えるデザイン」にも真剣に取り組んでいます。これらの活動は、SDGs(持続可能な開発目標)という国連が世界に向けて提唱している目標にも合っています。
SDGsとは、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓った、2030年までの世界共通の目標のことです。貧困をなくしたり、地球環境を守ったり、平和な社会を作ったりするための17の目標があります。
毎日食べるお菓子が、このような持続可能な社会づくりに貢献しているという事実は、私たち消費者にとっても新しい発見になるのではないでしょうか。