ハロハロとは
ハロハロは、フィリピンで生まれた特別なデザートです。
「ハロハロ」という名前は、フィリピンの公用語であるタガログ語で「混ぜる」という意味の「ハロ」を重ねた言葉です。
日本語では「ごちゃ混ぜ」や「混ぜこぜ」という意味になります。
ハロハロの「混ぜこぜ」という概念は、フィリピンの多文化的な社会のあり方を食べ物という形で表現しているとも考えられます。
ハロハロの構造
ハロハロは、かき氷とパフェを組み合わせたような構造をしています。
透明なグラスの底に様々な具材を入れ、その上にかき氷を載せて作られます。
日本のかき氷のように単純にシロップをかけるだけではなく、多くの材料が使われます。
主な具材
ハロハロには、練乳やココナツミルクで味付けしたかき氷が使われます。
その上に、甘く煮た豆類、色とりどりのゼリー、タピオカ、ナタデココなどが載せられます。
さらに、ウベと呼ばれる紫芋のアイスクリームや、レチェフランというフィリピン風のプリンなども使われます。
ハロハロの食べ方
ハロハロは、提供された時点では各具材が層状にきれいに並んでいます。
しかし、食べる前にスプーンで底から上まで全体をよくかき混ぜてから食べるのが正しい方法です。
混ぜることで、甘いもの、酸っぱいもの、様々な食感が一度に口の中で混ざり合い、複雑な味わいになります。
ハロハロの歴史
ハロハロの誕生には、フィリピンの気候と歴史が深く関わっています。
フィリピンは一年を通して気温が高い熱帯の国であり、冷たいデザートが求められていました。
日本とのつながり
ハロハロの誕生には、実は日本との深いつながりがあります。
20世紀初頭にフィリピンに移住した日本人が、日本の甘味文化、特にかき氷や蜜豆を持ち込みました。
彼らが営む店で販売されていた「モンゴ・コン・イエロ」(緑豆と氷)というデザートが、ハロハロの直接的な起源とされています。
普及の転機
1950年代にフィリピンの電力事情が改善し、氷の製造が容易になりました。
これにより、ハロハロは安価に手に入るようになり、庶民的なデザートとして全国に広まりました。
ハロハロが食べられている地域
ハロハロは、フィリピン国内で広く親しまれています。
フィリピンは7000以上の島々からなる国であり、地域によってハロハロの材料や作り方に違いがあります。
例えば、セブ地域ではウベアイスやフィリピン風プリンが定番ですが、他の地域ではマンゴーやコーンフレークなどが使われることもあります。
日本のハロハロ
日本でもハロハロは知られています。
1995年から、コンビニエンスストアチェーンのミニストップが、夏季限定商品として日本風にアレンジしたハロハロを販売しています。
しかし、本場フィリピンのものとは構成や盛り付け方法が異なります。
日本版はかき氷の上に具材を載せますが、本場では具材を底に入れてからかき氷を載せるのが一般的です。
まとめ
ハロハロは、フィリピンの歴史、気候、文化が詰まったデザートです。
その「混ぜる」という行為は、多様性を楽しむという考え方にも通じる、フィリピンを代表する食文化の一つです。