チョコレート菓子市場調査|女性がチョコ好きって本当?

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日本におけるチョコレート菓子の消費実態について、LINEリサーチが10代から60代までの男女を対象とした調査を実施しました。この調査では、チョコレート菓子を食べる頻度や好きな商品について詳しく聞き取りが行われています。本記事では、その調査結果から見えてきた日本人のチョコレート菓子に対する嗜好と消費パターンについて、データに基づいて解説していきます。

目次

調査概要

今回の調査は、LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査として実施されました。

調査の詳細は以下の通りです。

好きなチョコレートのお菓子TOPは「キットカット」!男女・年代でランキングに違いがみられる(リンク)

調査対象日本全国の15歳〜64歳の男女
実施時期2024年3月4日〜2024年3月6日
有効回収数5257サンプル
調査方法スマートフォンWeb調査

調査データは性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバックが施されています。これにより、特定の年代や性別の意見が過度に反映されることなく、バランスの取れた調査結果が得られます。

なお、表やグラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります。

ウェイトバックとは

調査回答者の構成比を実際の人口構成比に合わせて調整する統計処理のことです。例えば、調査では20代女性の回答が実際の人口比より多く集まった場合、その回答に軽めの重みづけを行い、逆に回答が少なかった層には重めの重みづけを行うことで、日本全体の実態により近い結果にする手法です。

LINEリサーチは600万人を超えるモニターを擁する調査サービスです。トレンドや業界別の動向に加えて、若年層を対象にした調査を多く実施しており、エリアや年代に絞った調査などもしてくれます。

チョコレート菓子の性別による消費頻度

調査対象者に対してチョコレート菓子を食べる頻度を尋ねたところ、「まったく食べない」と回答した人の割合はわずか4%に留まりました。つまり、96%の人が何らかの頻度でチョコレート菓子を食べていることになります。

最も多かった回答は「週に1〜3日」で、全体の4割超を占めました。これに「ほぼ毎日」と「週に4〜5日」を合わせた週に1日以上食べる人の割合は、全体で7割を超える結果となっています。

この数字が示すのは、チョコレート菓子が日本人の生活に深く浸透しているという事実です。特別な日に食べるものではなく、日常的に消費される食品として定着していることが分かります。

女性のほうがチョコレート菓子を好む傾向にある

頻度区分男性女性
週に1日以上6割超8割弱女性のほうが10%以上高い
ほぼ毎日1割超2割超女性のほうが約10%高い

週に1日以上チョコレート菓子を食べる人の割合を男女別に見ると、明確な差が現れました。

女性のほうが男性と比較して、チョコレート菓子を食べる頻度が高いことが分かります。

原因の考察

この男女差には、いくつかの要因が考えられます。

男女別の嗜好の違い

チョコレート菓子を食べる頻度が高かった女性は、男性よりもこれらTOP3の商品を好きだと回答する割合が全般的に高くなっています。これは消費頻度の高さと嗜好の強さが連動していることを示唆しています。

また、以下の商品では「好きなチョコレート菓子」として挙げた人の割合が、女性のほうが男性より約10%高くなりました。

女性に支持される商品の特徴

女性に特に支持されている商品を分析すると、いくつかの共通点が浮かび上がります。

キットカットやパイの実は、サクサクとした食感が特徴的な商品です。このような軽い食感は、満腹感を感じさせすぎずに楽しめるという点で、間食として選びやすい商品特性を持っています。

マカダミアチョコやルマンドは、ナッツやクッキーチョコレートの組み合わせによって、やや高級感のある味わいを実現しています。自分へのちょっとしたご褒美として選ばれやすいという側面があるのかもしれません。

また、これらの商品はいずれも個包装されているものが多く、持ち運びやすさや食べる量をコントロールしやすいという実用的なメリットもあります。

女性は男性と比較して、カロリー管理や食べ過ぎ防止への意識が高い傾向にあるため、このような商品特性が支持につながっている可能性があります。

一つは、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールやテオブロミンといった成分が持つリラックス効果を、女性がより積極的に求めている可能性です。仕事や家事、育児などの日常的なストレスを和らげる手段として、チョコレート菓子が活用されているのかもしれません。

また、女性のほうが間食文化に対してより寛容であったり、小腹が空いた時の選択肢としてチョコレート菓子を選びやすかったりする傾向があることも影響していると推察されます。

チョコレート菓子の年代別による消費頻度

40代女性の消費頻度

40代女性では「ほぼ毎日」食べると回答した人が3割弱、「週に4〜5日」が2割弱となっており、他の年代と比較して高頻度でチョコレート菓子を消費していることが明らかになりました。

原因の考察

この年代の女性が特に高頻度でチョコレート菓子を消費している背景には、いくつかの要因が考えられます。

40代は仕事でのプレッシャーや家庭での責任が重なる時期であり、手軽にストレスを緩和できる方法としてチョコレート菓子が選ばれている可能性があります。

また、この年代は経済的にも比較的余裕があり、自分へのご褒美として日常的にチョコレート菓子を購入することへの抵抗が少ないことも影響しているかもしれません。

さらに、40代女性は健康意識も高い傾向にあり、カカオポリフェノールの抗酸化作用など、チョコレートの健康面でのメリットについての情報に触れる機会も多いと考えられます。

健康効果を期待しながら楽しめるという点も、消費頻度の高さにつながっている可能性があります。

10〜20代女性の消費頻度

10代から20代の女性では「週1〜3日」の割合が最も高くなっています。特に10代女性では約5割がこの頻度で食べていると回答しました。若年層は毎日食べるというよりも、週に数回程度の頻度で楽しんでいる様子が見て取れます。

原因の考察

若年層の消費パターンが40代と異なる理由として、経済的な制約が挙げられます。学生や社会人になりたての若年層は可処分所得が限られているため、毎日チョコレート菓子を購入することは難しい面があります。

また、若年層は体型や美容への関心が高く、糖分や脂肪分の摂取に対してより慎重になっている可能性も考えられます。

一方で、週に1〜3日という頻度は決して低くありません。友人との交流の場や、勉強や仕事の合間のリフレッシュタイムなど、特定のシチュエーションでチョコレート菓子を楽しむという消費スタイルが定着していることが伺えます。

人気のチョコレート菓子ランキングTOP3

順位商品名メーカー
1位キットカットネスレ
2位アルフォートブルボン
3位たけのこの里明治

スーパーやコンビニなどで販売されている市販のチョコレート菓子について、好きな商品を複数回答可能な形式で聞き取りました。なお、味が異なる場合でも同じ商品であれば一つのブランドとして回答してもらう形式が取られています。

上位3商品はいずれも4割台で並ぶ結果となり、これら3商品が特に広く支持されていることが分かります。

この3商品に共通するのは、いずれも長年にわたって販売されてきたロングセラー商品であるという点です。

キットカットは1935年にイギリスで誕生し、日本では1973年から販売。アルフォートは1994年の発売、たけのこの里は1979年の発売されています。

数字の差はあれど、調査時の2024年から見るとそれぞれ長い歴史を持っています。

これらの商品が長期にわたって支持され続けている理由として、まず味のクオリティの高さと安定性。そしてコンビニやスーパーなど、どこでも手に入る流通網の広さも支持率の高さに寄与していると考えられます。

CMや店頭での露出機会の多さによって、消費者の認知度が高く保たれていることも見逃せません。

年代別の人気チョコレート菓子

年代によってランキングの上位5商品がすべて4割台で並んでいたり、それぞれの差が小さいケースも多く見られました。

これは、チョコレート菓子が特定の年代に偏ることなく、幅広い年代に支持されていることを示しています。

この結果から読み取れるのは、日本のチョコレート菓子市場の成熟度の高さです。

各メーカーが長年にわたって商品開発とマーケティングを積み重ねてきた結果、どの年代にも響く商品ラインナップが構築されていると考えられます。

幅広い年代の支持『キットカット』

全体で1位となったキットカットは、10代を除くすべての年代でランクインしており、男女ともに40代から60代ではトップとなりました。

特に40代から50代の女性では約6割がキットカットを好きな商品として挙げており、この年代の女性に強く支持されていることが分かります。

原因の考察

キットカットがこれほど幅広い年代に支持される背景には、商品戦略の巧みさがあります。

基本となるオリジナル味に加えて、季節限定フレーバーや地域限定フレーバーなど、常に新しい味を提案し続けることで、飽きられない工夫がなされています。

また、「キットカット」という名前が「きっと勝つ」という語呂合わせから受験生の応援商品として定着したことも、世代を超えた認知度の向上に寄与しています。

中高年層での支持率が特に高い理由としては、キットカットが日本で本格的に普及し始めた1970年代に、ちょうど子ども時代や青春期を過ごした世代であることが関係しているかもしれません。

幼少期や若い頃に慣れ親しんだ味への愛着が、現在も続いていると考えられます。

10代女性の支持『カントリーマアム』『ポッキー』

10代女性では以下の2商品が他の年代よりも高い割合でトップ2となりました。

  1. カントリーマアム(不二家)
  2. ポッキー(グリコ)

カントリーマアムは20代女性や10代から20代の男性でも割合が高めとなっており、若年層全体に支持されている傾向が見られます。

原因の考察

カントリーマアムとポッキーが10代女性に特に人気がある理由として、これらの商品が持つ親しみやすさと手軽さが挙げられます。両商品とも価格帯が比較的手頃で、コンビニやスーパーで気軽に購入できます。

また、カントリーマアムのしっとりとした食感や、ポッキーのシェアしやすさといった商品特性も、若年層のライフスタイルにマッチしています。友人との集まりや学校での休憩時間など、複数人で楽しむ場面での選択肢として適しているのです。

若年層の支持『ブラックサンダー』

ブラックサンダー(有楽製菓)は10代から30代で人気が高く、以下のような結果となりました。

  • 20代男性:4割台後半でトップ
  • 10代から20代の女性:5割前後

若年層、特に20代以下の層で高い支持を得ていることが特徴的です。

原因の考察

ブラックサンダーは「一目で義理とわかるチョコ」というユニークなキャッチコピーや、30円という低価格設定によって、若年層に強くアピールすることに成功しました。

特に経済的な制約がある学生層にとって、この価格帯は大きな魅力となっています。

また、ブラックサンダーはインターネット上での口コミによって人気が広がった商品でもあります。SNSやネット掲示板での話題性が、特にネットリテラシーの高い若年層の購買行動に影響を与えていると考えられます。

20代男性でトップになっている点も注目に値します。男性は女性と比較してチョコレート菓子の消費頻度が低い傾向にありますが、ブラックサンダーのようなコストパフォーマンスに優れ、かつボリューム感のある商品は、男性にも選ばれやすいのかもしれません。

全年代・性別からの支持『アルフォート』

アルフォートはすべての年代・性別でランクインしており、特に10代から40代の女性では5割を超える高い割合となりました。この商品は年代や性別を問わず広く親しまれている様子が伺えます。

アルフォートは、チョコレートビスケットの組み合わせという王道の構成に、船の刻印というデザイン的な特徴を加えた商品です。味のバランスの良さと、見た目の印象深さの両方を兼ね備えています。

原因の考察

すべての層でランクインしているという結果は、この商品が特定のターゲットに偏ることなく、幅広い層に訴求できる普遍的な魅力を持っていることを示しています。

甘すぎず、かといって物足りなさもない味のバランスが、多くの人に受け入れられる要因となっているのでしょう。

また、個包装でありながら一つあたりのサイズがやや大きめという特徴も、満足感を得やすいという点も支持されている可能性があります。

40代から60代の女性の支持『ナッツ系チョコレート』

アーモンドチョコレートとマカダミアチョコは、年代が上がるにつれて割合が高くなる傾向が見られました。40代から60代の女性では4割前後の支持率となっています。

原因の考察

ナッツ系のチョコレートが年代とともに支持率が上がる傾向には、いくつかの要因が考えられます。

まず、ナッツに含まれる栄養素への関心が、年代とともに高まることが挙げられます。アーモンドやマカダミアナッツには、ビタミンE、食物繊維、良質な脂質などが含まれており、健康意識の高い中高年層にとって魅力的な要素となっています。

また、ナッツの食感や風味は、年齢を重ねるとともに好まれる傾向があります。若年層は甘さや柔らかさを重視する傾向がある一方、中高年層は複雑な味わいや歯ごたえのある食感を好む傾向が見られます。ナッツとチョコレートの組み合わせは、このような嗜好の変化にマッチしているのです。

さらに、経済的な余裕も関係していると考えられます。ナッツ系チョコレートは他のチョコレート菓子と比較してやや価格が高めに設定されていることが多いため、可処分所得の高い中高年層のほうが購入しやすいという側面もあるでしょう。

30代から40代の女性の支持『チョコパイ』

チョコパイ(ロッテ)は30代から40代の女性に特に人気があり、この年代で割合が高めとなりました。

原因の考察

チョコパイがこの年代の女性に支持される理由として、懐かしさという要素が考えられます。30代から40代の女性が子どもだった頃、チョコパイは子ども向けのお菓子として広く親しまれていました。

この世代にとって、チョコパイは子ども時代の思い出と結びついた商品である可能性が高く、そのノスタルジーが現在の購買行動に影響を与えているのかもしれません。

また、チョコパイは一つあたりのボリュームがあり、満足感を得やすい商品です。

家事や育児、仕事などで忙しい30代から40代の女性にとって、短い休憩時間でしっかりとした満足感を得られるという点も、支持される理由の一つと考えられます。

調査結果から見えるチョコレート菓子市場の特徴

成熟度の高さ

この調査から、日本のチョコレート菓子市場が高度に成熟していることが明らかになりました。

96%の人が何らかの頻度でチョコレート菓子を食べており、週に1日以上食べる人が7割を超えるという数字は、チョコレート菓子が日本人の生活に深く浸透していることを示しています。

また、上位にランクインした商品の多くが長年にわたって販売されてきたロングセラー商品であることも、市場の成熟度を物語っています。

新商品が次々と登場する中でも、確立されたブランドが安定した支持を集め続けているのです。

多様なニーズへの対応

年代や性別によって好みの商品に違いが見られる一方、多くの商品が複数の層に支持されているという結果は、各メーカーが多様なニーズに対応できる商品ラインナップを構築していることを示しています。

若年層向けには手頃な価格帯でシェアしやすい商品、中高年層向けには健康面も考慮した高品質な商品というように、それぞれのライフステージやニーズに合わせた商品展開がなされていることが、調査結果から読み取れます。

役割の変化

現代において、チョコレート菓子は単なる嗜好品以上の役割を果たしていることが、この調査から伺えます。

40代女性の高頻度消費が示すように、日常生活の中でのストレス緩和やリフレッシュの手段として活用されている側面も強いのです。

また、カカオに含まれる栄養成分への注目度が高まる中、チョコレート菓子は健康的な側面も持つ食品として認識されつつあります。

中高年層がナッツ系チョコレートを好む傾向も、このような認識の変化を反映しているかもしれません。

今後の市場展望

今回の調査結果を踏まえると、今後のチョコレート菓子市場では、さらなる多様化と高機能化が進むと予想されます。

例えば健康志向の高まりに応じて、糖質オフや機能性成分を配合した商品の需要が増加する可能性など

また、若年層のSNS文化に対応した、視覚的な魅力を持つ商品や、シェアしやすいパッケージングの商品も、今後さらに展開されていくでしょう。

一方で、ロングセラー商品の根強い人気は今後も続くと考えられます。慣れ親しんだ味への愛着や、ブランドへの信頼感は、新商品では簡単に置き換えられない価値を持っているからです。

性別による嗜好の違い

女性のほうが男性よりもチョコレート菓子を好む傾向が強いという結果は、マーケティング戦略を考える上で重要な示唆を与えています。

女性向けには、個包装やカロリー表示の見やすさ、持ち運びやすさなど、実用的な側面を重視した商品設計が求められるでしょう。

一方、男性市場の開拓余地もまだ大きいと言えます。ブラックサンダーのようなコストパフォーマンスに優れた商品や、ボリューム感のある商品は、男性にも支持されやすいことが分かりました。今後、男性の嗜好により特化した商品展開も期待しましょう。

まとめ

今回のLINEリサーチによる調査は、日本人のチョコレート菓子に対する深い愛着と、市場の成熟度の高さを明らかにしました。幅広い年代の人々が日常的にチョコレート菓子を楽しんでおり、それぞれのライフステージやニーズに応じた商品が選ばれています。

チョコレート菓子は、味わいを楽しむだけでなく、食べることによるリラックス効果や、カカオに含まれる栄養成分による健康面でのメリットも注目されています。今後も、日本人の生活に欠かせない食品として、さらなる進化を遂げていくことでしょう。

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