アポロチョコとは?|発祥起源や人気の理由

アポロチョコとは
アポロチョコは、1969年に明治製菓、すなわち現在の株式会社明治から発売されたチョコレート菓子です。
この商品は、発売年と同時期に行われたアポロ11号の月面着陸ミッションから着想を得て開発されました。
宇宙船をモチーフにした円錐形(えんすいけい)のデザインが採用されており、その形状がアポロチョコを象徴する特徴となっています。
アポロチョコは、発売から50年以上の長きにわたり販売が継続されているロングセラー商品の一つです。
アポロチョコのメーカー
アポロチョコを世に送り出した企業は、明治製菓株式会社です。
明治製菓は、後に株式会社明治へと社名が変更され、現在に至るまで同商品の製造・販売を続けています。
この会社は、日本における菓子製造業の主要な企業の一つとして知られています。
アポロチョコの発祥起源・歴史
アポロチョコは、1969年に明治製菓から発売されました。
1969年はアメリカのアポロ11号という宇宙船が、7月20日に人類として初めて月面着陸に成功しています。
この偉業は世界中の人々に衝撃と感動を与え、特に日本では多くの人々がテレビの前でその歴史的な瞬間を見守ったと記録されています。
明治製菓は、この時代の宇宙への期待感を商品に反映させたいという考えから企画を進めました。
アポロチョコの名前と形の由来
商品名は、月面着陸を成し遂げた宇宙船の計画名である「アポロ」から直接取られています。
このお菓子は、宇宙開発の夢とロマンを形にするという目的で開発されました。
アポロチョコの円錐形のデザインは、宇宙船のロケットや司令船の姿から着想を得ています。
この宇宙船のようなシルエットは、当時の人々が抱いていた宇宙への憧れを身近なものとして表現するために採用されました。
アポロチョコの構造
アポロチョコは、底部の幅広い部分と上部の尖った部分で、異なる種類のチョコレートが使用されています。
この二層構造は、見た目のデザインを実現すると同時に、他商品との味の差別化にも貢献しています。
一つのお菓子を食べると、ミルクチョコレートの濃厚さとイチゴチョコレートの軽やかさという、二つの異なる味が口の中で混ざり合います。
この二つの味覚が同時に感じられることで、食べる人に複層的な味覚体験を提供しています。
この組み合わせが、発売当初から現在まで続く、アポロチョコの基本的な味わいとなっています。
底部に使われているチョコレート
底部の幅広い部分には、ミルクチョコレートが使われています。
ミルクチョコレートは、牛乳の成分が含まれているため、甘さに加えてコクのある、まろやかな味わいが特徴です。
この層は、お菓子全体の土台としての役割も果たしています。
上部に使われているチョコレート
上部の尖った部分には、イチゴ味のチョコレートが使われています。
イチゴの風味が加えられたこのチョコレートは、フルーティーでさわやかな味がします。
この層の色合いが、アポロチョコの外観に視覚的なアクセントを与えています。
アポロチョコのバリエーション
発売当初はイチゴ味とミルクチョコレートの組み合わせが基本でしたが、アポロチョコは長い販売の歴史の中で、多様なニーズに応えるためのバリエーションも生み出してきました。
発売当初からの基本の組み合わせ
アポロチョコの基本となる組み合わせは、前述の通り、ミルクチョコレートとイチゴ味のチョコレートによる二層構造です。
この組み合わせは、アポロチョコのアイデンティティとして、長年にわたり定番の味として提供され続けています。
期間限定ブルーベリー味
基本の味の他に、季節やトレンドに合わせて期間限定のフレーバーが発売されることがあります。
一時期、イチゴ味に代わってブルーベリー味のアポロチョコが発売されたことがありました。
ブルーベリーもイチゴと同じく果物ですが、酸味と甘みのバランスが異なるため、イチゴとは違ったフルーティーな風味を提供しました。
特別サイズ&特別デザイン「赤富士」
アポロチョコには、通常のサイズやデザインとは異なる、特別なバージョンも登場しています。
特別なバージョンの一つとして「赤富士」と呼ばれる商品が登場しました。
これは通常のアポロチョコとは異なり、サイズが特大サイズになっています。
「赤富士」に使われたホワイトチョコレート
「赤富士」では、上部にイチゴ味ではなくホワイトチョコレートが使用されました。
赤いイチゴ味の部分と白いホワイトチョコレートの部分が重なる様子が、日本の富士山の雪景色を思わせるデザインとなっています。
この商品名とデザインは、特に朝焼けなどで赤く染まった富士山を指す「赤富士」という言葉から着想を得て付けられました。
アポロチョコのパッケージデザイン
アポロチョコのパッケージデザインは、発売されてから50年以上が経過する中で、時代に合わせて何度も変更されてきました。
初代のパッケージから始まり、時代ごとのデザイントレンドに合わせて細部が更新されています。
商品の形状や基本的なコンセプトは変わっていませんが、パッケージの色使いやグラフィックは変化しています。
こうした変更によって、長年販売されている商品でありながらも、常に時代に合った印象を保つことが試みられています。
アポロチョコが影響を与えたお菓子
アポロチョコの製造工程で開発された技術やノウハウは、このお菓子だけに留まらず、後に明治の他の主力商品の開発においても重要な役割を果たしました。
きのこの山
アポロチョコのの技術応用の代表例が「きのこの山」という商品です。
きのこの山は、傘の部分にチョコレートを使い、軸の部分にクラッカーを使うという構造になっています。
この独特な形状を作る技術は、アポロチョコで確立された二層構造の製造方法から発展したものです。
アポロチョコで成形技術が確立されていたからこそ、きのこの山のような複雑な形状の商品を安定して製造することが可能になったのです。
たけのこの里
きのこの山の成功を受けて、「たけのこの里」という商品も誕生しました。
こちらはサクサクとしたクッキー部分とチョコレートを組み合わせた商品で、きのこの山とは異なる食感と味わいを持っています。
たけのこの里もまた長年にわたって販売され続けている商品です。
このように、アポロチョコで始まった製造技術と商品開発の流れが、明治の他の主力商品の基礎となったという側面があります。
まとめ
アポロチョコは、1969年という歴史的な年に、アポロ11号の月面着陸から着想を得て開発されたチョコレート菓子です。
このお菓子は、宇宙船をモチーフにした円錐形という独創的なデザインを持ちます。
また、ミルクチョコレートとイチゴ味のチョコレートという二層構造により、独自の味わいを提供しています。
発売から50年以上が経過した現在でも、アポロチョコは継続して販売されており、世代を超えて親しまれる商品となっています。
このお菓子は、1960年代の宇宙開発への情熱を反映した商品であり、その後の明治の菓子開発技術の基礎を築いた商品として、日本のお菓子文化における一定の位置を占めています。




