カルビー株式会社とは何か
カルビーは、スナック菓子とシリアル食品を専門に製造・販売している会社です。
スナック菓子とは、主食ではなく間食として楽しまれる軽い食べ物のことを指します。
また、シリアル食品とは、穀物を加工して作られた食品で、牛乳をかけて食べるグラノーラなどが代表的な例です。
カルビーの会社の規模
カルビーの会社の規模は、数字で見るとその大きさが分かります。
従業員数
従業員数は1,500人を超えており、関連会社も含めると3,500人を超える人々が働いています。
これは日本の製造業の中でも、大企業に分類される規模です。
市場シェア
カルビーは、日本国内のスナック菓子市場において一定のシェアを占めており、多くの人が一度は同社の商品を食べたことがあるでしょう。
カルビーの代表的な商品
カルビーが製造している商品には、多くの人に知られているものがあります。
スナック菓子
かっぱえびせん
最も広く知られている商品の一つに「かっぱえびせん」があります。
これは小海老の風味が特徴的なスナック菓子で、細い棒状の形をしています。
ポテトチップス
「ポテトチップス」は、じゃがいもを薄くスライスして揚げた菓子です。
うすしお味、のり塩味、コンソメパンチ味などが定番として販売されています。
ポテトチップスだけでも地域限定商品を含めると、年間で約200種類もの商品が販売されています。
これは、地域ごとの味覚の違いや季節に応じた商品展開が行われているためです。
じゃがりこ
「じゃがりこ」は、じゃがいもを加工してスティック状にした商品で、カップに入って販売されています。
外側はカリッとしているが噛むとサクサクした食感が楽しめます。
サッポロポテト
「サッポロポテト」は、北海道産のじゃがいもを使用した商品で、つぶつぶとした独特の形状をしています。
シリアル食品
シリアル食品では「フルグラ」(正式名称はフルーツグラノーラ)が主力商品です。
これは穀物にドライフルーツやナッツを混ぜ合わせた食品で、牛乳やヨーグルトをかけて朝食として食べられることが多くなっています。
カルビーの生産体制
カルビーは、高品質な商品を安定して供給するために、全国に工場を展開しています。
工場数と配置
自社工場だけで11箇所、協力工場も含めると14箇所で生産を行っています。
スナック菓子は製造から消費者の手に渡るまでの時間が短いほど美味しさが保たれるため、全国に工場を配置しています。
主原料であるじゃがいもは重量があるため、産地に近い場所で加工することで輸送コストを抑えることができます。
地域密着型の生産
カルビーの工場は、北は北海道の千歳市から南は鹿児島県まで配置されています。
例えば、北海道工場では地元で収穫されたじゃがいもを使い、主に北日本地域に供給しています。
一方、鹿児島工場では九州・沖縄地域への供給を担当しています。
このような地域密着型の生産体制により、消費者により新鮮な商品を届けています。
カルビーの原料へのこだわり
カルビーの事業を理解する上で、原料に対する強いこだわりは欠かせません。
じゃがいもの専門会社
主力商品の原料となるじゃがいもについては、単に市場から購入するのではなく、自社で品質管理を行う体制を築いています。
1980年に設立された「カルビーポテト株式会社」というグループ会社が、この原料調達の中心的役割を担っています。
契約栽培の取り組み
カルビーポテト株式会社は、北海道の農家と直接契約を結び、カルビーの商品作りに適したじゃがいもを専門に栽培してもらっています。
現在では1,300もの契約農家がカルビー向けのじゃがいもを生産しており、これは北海道のじゃがいも生産の大きな部分を占めています。
農家との連携
契約農家との関係は単純な売買関係ではありません。
カルビーは農家に対して栽培技術の指導を行い、必要な資材の提供なども行っています。
これにより、安定した品質のじゃがいもを継続的に確保することができます。
輸送方法
収穫されたじゃがいもを本州の工場まで運ぶために、「ポテト丸」という専用の運搬船が活躍しています。
現在使用されているのは2017年に就航した3代目で、北海道から本州の各港まで大量のじゃがいもを効率的に運搬します。
カルビーの事業運営の部門
カルビーの事業運営は、4つの主要な部門によって支えられています。
生産部門
「安全・安心・美味しい」という基本方針のもと、厳格な品質管理体制を構築しています。
工場では国際的な食品安全基準に基づいた管理が行われ、原材料の受け入れから製品の出荷まで、全工程で品質チェックが実施されています。
研究開発部門
栃木県宇都宮市にあるR&Dセンターが中心となり、新商品の開発、既存商品の改良、原料の有効活用方法の研究などを行っています。
じゃがいもの品種改良に関する研究もここで行われています。
営業部門
製造された商品を消費者に届けるための販売戦略を立案・実行しています。
小売店との交渉、商品の配置提案、販売促進活動の企画などが含まれます。
また、市場調査を通じて消費者のニーズを把握し、商品開発部門にフィードバックする役割も担っています。
企画部門
市場のトレンドを分析し、将来の商品戦略を考える仕事をしています。
健康志向の高まりや環境への配慮などを踏まえ、どのような商品を開発すべきか検討しています。
カルビーの企業の歩み
カルビーは小さな会社から始まり、日本の食品業界を代表する企業に成長しました。
創業
カルビーの歴史は1949年、広島県広島市で設立された「松尾糧食工業株式会社」から始まります。
創業者の松尾孝は、「健康に役立ち、安全で安価な商品づくり」という理念を掲げていました。
また、「未利用な食料資源を活かした商品づくり」という理念も掲げており、これが後のカルビーの商品開発の基本的な考え方となっています。
社名と理念
1955年に社名を「カルビー製菓株式会社」に変更しました。
「カルビー」という名前は、当時の日本人に不足しがちとされていたカルシウムの「カル」と、ビタミンB1の「ビー」を組み合わせた造語です。
これは、人々の健康に貢献したいという創業者の思いを表しています。
商品の発売
かっぱあられ
1955年には、日本で初めて小麦粉を使って作られたあられ「かっぱあられ」が発売されました。
かっぱえびせん
1964年に発売された「かっぱえびせん」は、会社の運命を大きく変えることになります。
当時、商品価値が低いとされていた小海老を小麦の生地に練り込むことで、えび本来の風味を活かした全く新しいスナック菓子が誕生しました。
じゃがいも系スナック
1972年には、生のじゃがいもを使用した初めての商品「サッポロポテト」が発売されました。
1975年には「カルビーポテトチップス」が発売され、日本の味覚に合うよう独自の改良が加えられました。
カルビーの経営の転換
本社移転
1973年には経営の中心を広島から東京に移し、社名も「カルビー株式会社」に変更しました。
専門経営者への移行
2009年には3代続いた同族経営体制を終了し、外部から専門経営者を招く体制に移行しました。
これは、より専門的で客観的な経営判断を行うための決断でした。
現代のカルビー
カルビーは、健康志向や環境への配慮など、現代のニーズに応える取り組みを続けています。
健康への取り組み
健康志向の高まりを受けて、機能性表示食品という制度を活用した商品開発を進めています。
フルグラシリーズでは、食物繊維やビタミンを豊富に含む商品を展開し、美味しさと健康面の価値の両立を図っています。
海外展開
カルビーの海外進出は1970年のアメリカ進出から始まりましたが、2010年代以降はアジア諸国を中心に展開を加速させています。
各地域の食文化や消費者の嗜好に合わせた商品開発と販売戦略により、世界各地でカルビーブランドの認知度向上を図っています。
長期ビジョン
長期ビジョンとして「Next Calbee 掘りだそう、自然の力。新しい食の未来をつくりだす。」を掲げています。
この言葉には、創業以来の理念である自然の恵みを活かした商品づくりを継承しながら、新たな価値を創造していくという決意が込められています。
まとめ
カルビーは、小さな地方の菓子製造業から始まり、日本を代表する総合食品企業へと発展を遂げてきました。
その過程では、常に消費者のニーズに応える商品開発、品質へのこだわり、新しい技術への挑戦、そして社会的責任への取り組みが企業の成長を支えてきたのです。