最近はテクノロジーの進歩で字を書く機会は少なくなっています。
しかし、美しい字を書けるという技術は今でもとても価値の高いものです。
字を書くお稽古と言えば習字と書道。この2つには道具や考え方など、意外な違いがあるんですよ。
習字と書道の違い
1.目的の違い
習字は文字の学習、書道は自己表現や芸術作品の創作が目的です。
習字は文字を正しく習得することに焦点を当てており、正確な書き順や美しい字を学びます。
対して、書道は文字を通じた自己表現を主眼に置いており、文字の美しさを探求します。
習字
習字は主に小中学生に対して国語科で行われ、漢字の学習や文字の書き方を学ぶ授業の一環として行われます。
文字のバランスを整える指導があり、毛筆だけでなく鉛筆やペンなども使われることがあります。
習字は文字を正確に書く技術を学べます。
書く道具が限定されず、現代でも手紙や履歴書などで字を書く機会は多いため、習字を学ぶ優位性を感じれる機会はとても多いでしょう。
書道
書道は対象者が幅広く、自己表現を求める人が趣味として楽しんでいます。
イメージとしては美術に該当しており、紙と筆を使って自分の芸術性を表現することが目的です。
基本的な字の技術は教えられますが、最終的な目標は個性豊かな作品を創り上げること。
習字同様に基礎的な字の技術を身につけられますが、本来の目的は実用性よりも自己表現と芸術性にあります。
2.筆記用具の違い
習字と書道は、使う筆記用具が異なる点も大きな違いです。
習字では『毛筆』の他に『硬筆』も使用されることがあります
それに対して書道では『毛筆』が主流です。
硬筆
硬筆は、鉛筆やボールペンなどをのことです。
その名の通りペン先が固い素材でできています。
筆圧で線の太さや色の濃さを変えるのが難しいのですが、代わりに一定の太さと濃さで文字を書けます。
使いやすく、紙とペンだけあれば誰でも使える手軽さが魅力です。
日常生活でよく使われるため、馴染み深い道具と言えます。
硬筆の学習内容
硬筆は基礎的な文字の形、骨格を学べます。
個性やエモーショナルな字ではなく、きちんと正しい形に添って書くのが硬筆です。
線の角度や部首の大きさを学ぶと、キレイで正確な文字を書けるようになります 。
硬筆は線の太さと濃さをキープしやすいため、子どもからお年寄りまで使いやすです。
そのため毛筆に比べてテクニカルな要素が少なく、文字のバランスを整えることに集中できます。
毛筆
毛筆は毛先が柔らかく、筆圧次第で線の太さや色の濃さが大きく変わります。
硬筆とは持ち方が異なり、60度から70度程度の角度にたてて使います。
筆のしなりによって生まれる濃淡や太細、跳ねや曲線は独特の味を生み、滲みやかすれにも芸術的な価値を見出されています
自由度が高い反面、技術や熟練を要しますが、だからこそ極める楽しみがあります。
毛筆の学習内容
毛筆は個性や感性を表現することも良いとされており、基本的に正解の形というものはありません。
毛筆は文字の形だけでなく持ち方・姿勢・筆さばきなども重要です。
筆の扱い方には作法というものがあるため、硬筆よりも文字の構造とは違う学びの範囲があります。
ペンだけでなく他の道具での書き方も学べる点も魅力です。
書道と習字、どちらを習うと良い?
誰が見ても綺麗で読みやすい字を書けるようになりたいなら習字がおすすめです。
型に縛られず自由に個性も出してほしいなら書道も選択肢としていれると良いでしょう。
ただしどの習い事も、指導する先生によって方針が異なるため、名前だけで判断するより口コミや評判も確認しておくことが大事です。
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