チョコレートと準チョコレートの違いとは?わかりやすく解説

お菓子売り場でよく見かける「チョコレート」と「準チョコレート」。見た目はそっくりでも、実は中身には大きな違いがあります。この記事では、両者の成分や味わいの違い、選び方のポイントまで、わかりやすくご紹介します。

目次

チョコレートと準チョコレートの定義とは?

日本では、「全国チョコレート業公正取引協議会」がチョコレート製品の表示ルールを定めています。この基準によって、製品が「チョコレート」として販売できるか、「準チョコレート」として区分されるかが決まります。

カカオ分とは?

まず、「カカオ分」とは、チョコレートの原料となるカカオ豆から作られた成分の総称です。
以下の3つが主なカカオ由来成分です:

  • カカオマス(焙煎したカカオ豆をすりつぶしたもの)
  • ココアバター(カカオマスから取り出された油脂)
  • ココアパウダー(ココアバターを除いた粉末)

これらのカカオ成分がどれだけ含まれているかによって、「チョコレート」か「準チョコレート」かが判断されます。

チョコレートの基準

次の条件を満たしたものは「チョコレート」として表示できます。

  • カカオ分が35%以上、または
  • カカオ分21%以上かつ、乳製品の固形分と合わせて35%以上
  • ココアバターが18%以上含まれていること
  • 製品の60%以上がチョコレート生地であること

このようなチョコレートは、カカオの風味がしっかりしており、なめらかでコクのある口どけが特徴です。
特にココアバターは、体温で溶ける性質があり、上質な口あたりを生み出します。

準チョコレートの基準

「準チョコレート」は、チョコレートに似た風味や食感をもたせつつ、原料の一部を安価な材料に置き換えた製品です。次のような基準があります:

  • カカオ分が15%以上、または
  • カカオ分7%以上かつ、乳製品の固形分12.5%以上
  • ココアバター3%以上
  • 製品の60%以上が準チョコレート生地であること

チョコレートでは、ココアバターの代わりに「植物油脂」が多く使われていることが多いです。

チョコレートと準チョコレートの特徴とは?

特徴チョコレートチョコレート
風味カカオの味が濃く、香りも豊か風味はあっさりしている
食感なめらかで口どけがよい軽めで、少しかため
原材料ココアバターが多い植物油脂が多い

チョコレートの特徴

なめらかな口どけ

チョコレートの主な原料には「ココアバター」という天然の油脂が含まれています。ココアバターは人の体温(約36〜37℃)に近い温度でゆっくりと溶ける性質を持っています。このため、チョコレートを口に入れると、体温でじんわりと溶けていきます。この「ゆっくりとろける感覚」が、チョコレート特有のなめらかな口どけを生み出します。

本格的なカカオの風味

チョコレートには、カカオマスというカカオ豆をすりつぶした成分がたっぷり使われています。このカカオマスには、カカオの苦み・香ばしさ・甘さのもととなる成分が凝縮されています。特に「ダークチョコレート」などはカカオ分が多く、苦みがしっかりあり、大人っぽい深い味わいが特徴です。カカオ好きの人が「本物のチョコ」と感じるのは、この本格的な風味のおかげです。

準チョコレートの特徴

コストを抑えられる

チョコレートには、チョコレートで使われる高価な「ココアバター」の代わりに、植物性油脂(パーム油・なたね油など)が使われることが多いです。植物油脂は安くて手に入りやすいため、原材料のコストを大きく下げることができます。このため、スーパーやコンビニで売られている安価なチョコ風お菓子には、準チョコレートがよく使われています。メーカーにとっては、品質と価格のバランスを取りやすく、大量生産にも向いている素材です。

加工しやすい

植物油脂には、溶けやすさや固まるスピードを調整しやすいという特徴があります。たとえば、アイスクリームのパリッとしたチョココーティングには、準チョコレートが使われることが多いです。なぜなら、冷たいアイスにチョコをかけてもすぐ固まり、くっつきやすいからです。また、焼き菓子のデコレーションやチョコチップにも使いやすく、熱に強い加工もできます。この「扱いやすさ」は、製菓工場にとって大きなメリットとなります。

健康面での注意点

カロリーと脂肪分の違いに注意

チョコレートと準チョコレートでは、使われている原料に違いがあります。そのため、カロリーや脂肪分の含有量にも差が生じます。

チョコレートにはカカオマスやココアバターが多く使われており、脂肪分の多い食品です。ただし、カカオに含まれる脂肪は「ステアリン酸」など、体に比較的やさしいとされる脂質が多く含まれています。

一方、準チョコレートは、ココアバターの代わりに「植物油脂」を使うことが一般的です。この植物油脂の種類によっては、健康に注意すべき脂肪が含まれていることがあります。

トランス脂肪酸が含まれる可能性がある

特に注意したいのが「トランス脂肪酸(トランス脂肪)」です。トランス脂肪酸は、液体の植物油を加工して固形にする過程(※部分水素添加)で生まれる人工的な脂肪酸です。マーガリンやショートニングなどによく含まれており、心臓病などの生活習慣病リスクを高める可能性があるといわれています。

チョコレートに使われる植物油脂には、このトランス脂肪酸が含まれていることがあります。すべての準チョコレート製品に含まれているわけではありませんが、安価な製品や大量生産向けのチョコレート菓子では注意が必要です。

一方、本格的なチョコレートは、植物油脂ではなく天然のココアバターを使用しているため、トランス脂肪酸は基本的に含まれていません。健康面が気になる方は、原材料欄をチェックし、「植物油脂」「ショートニング」などの表示があるかどうかを確認しましょう。

商品選びのポイント

チョコレートを買うときは、見た目だけでなく、「中身」がとても大切です。チョコレートにはいくつか種類があり、それぞれ使われている材料や特徴がちがいます。自分の目的に合ったものを選ぶために、次のポイントをチェックしてみましょう。

種類別名称を確認しよう

お店で売っているチョコレートのパッケージを裏返すと、「種類別名称」という表示があります。そこに「チョコレート」または「準チョコレート」と書かれています。

  • チョコレート」と表示されていれば、カカオの成分がしっかり入っていて、ココアバターもたっぷり使われている証拠です。
  • 「準チョコレート」と書かれていれば、ココアバターの代わりに、植物油脂(パーム油など)が使われていて、カカオ成分が少なめのチョコ風製品だとわかります。

この表示を見ることで、そのチョコがどんな材料で作られているか、おおまかに判断できます。値段だけで選ばず、中身もチェックするのが大切です。

カカオ分を見て選ぶ

チョコレートのパッケージには、「カカオ70%」などの数字が書かれていることがあります。これは**「カカオ分(ぶん)」**といって、カカオの材料がどれくらい使われているかを示しています。

  • カカオ分が高い(70%以上)チョコは、苦みが強く、甘さは控えめです。いわゆる「ビターチョコレート」と呼ばれるもので、甘さを抑えたい人や大人向けの味が好みの方にぴったりです。
  • カカオ分が低め(40〜60%前後)なら、甘みもあり、苦すぎないマイルドな味になります。子どもや甘いものが好きな人に向いています。

また、カカオ分が高いほど、ポリフェノールという健康成分も多く含まれています。健康を意識したい人にもおすすめです。

使い方に合わせて選ぶ

チョコレートは、食べるだけでなく、お菓子作りにも使われます。用途によって、選ぶべき種類が変わります。

●お菓子作り(製菓)に使うなら

チョコレート」がおすすめ
本物のカカオの香りや、ココアバターによるなめらかな口どけが、お菓子の仕上がりをグッと引き立てます。溶かして使う時も、風味が豊かで、しっかりとチョコらしさを出せます。

すばやく簡単に使いたいとき

「準チョコレート」が便利
植物油脂が使われている準チョコレートは、溶けやすく、固まりやすいという特徴があります。アイスのコーティングや、トッピングなど、作業しやすいのがメリットです。手作りお菓子を子どもと一緒に楽しむときなどにも使いやすいでしょう。

まとめ

チョコレートと準チョコレートは、カカオの量や使われる油脂の種類によって区別されます。

健康面も考えながら、目的に合ったチョコレート製品を選びましょう。

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