団子とお餅、何が違う?
日本の食卓に古くからある団子とお餅。
どちらもお米からできていて、もちもちした食感が似ていますよね。
でも、実は作られ方や使われ方が大きく違います。
このふたつの和菓子は、見た目が似ていても、全く別の食べ物として発展してきました。
一番大きな違いは「お米の形」
お餅と団子の最も基本的な違いは、原料であるお米の形です。
- お餅は、お米のつぶから作られる食品
- 団子は、お米のこなから作られる食品
この根本的な違いが、食感、使われ方、保存方法など、さまざまな違いを生み出しています。
お餅とは
お餅は、蒸したもち米を、つぶつぶのまま杵(きね)と臼(うす)でついて作られる食べ物です。
この「おもちつき」が、お餅の最大の特徴です。
お餅の作り方
お餅を作るには、まずもち米を水につけてから、蒸し器でふかふかに蒸し上げます。
その後、熱いうちに臼と杵を使って、もち米のつぶつぶがなくなるまで力強くついていきます。
もち米には、アミロペクチンという、ねばねばのもとになる成分がたくさん入っています。
お米をつぶすことで、このアミロペクチンが力を発揮して、独特の強いねばりと、びよーんと伸びる弾力(だんりょく)が生まれます。
団子とは
団子は、お米をこなにしたものを主な材料として作られます。
お餅のように、お米のつぶつぶが残ることはありません。
団子の作り方
団子を作るには、まずもち米やうるち米を細かくくだいて、こな(上新粉など)にします。
そのこなに水やお湯を加えて、やわらかくこねてから、小さく丸めます。
最後にの歴史
それぞれ、とても古い歴史を持っていますが、日本での役割は少し違います。
お餅の歴史
お餅の歴史は、今から2000年以上も前の縄文時代からあると考えられています。
昔から、神様へのお供え物として神聖な食べ物とされてきました。 お正月にお家に飾る鏡餅(かがみもち)も、神様へのお供えものです。
お餅は、お正月やお祭りなど、日本の行事(ぎょうじ)と深い関係がある食べ物として発展しました。
団子の歴史
団子は、奈良時代に遣唐使(けんとうし)という人たちが中国から伝えた「団喜(だんき)」というお菓子が始まりとされています。
最初は仏教(ぶっきょう)の儀式(ぎしき)で使われるお供え物でした。
今でも、十五夜(じゅうごや)のお月見団子や、お墓参りの時にお供えする団子として、大切な意味を持っています。
江戸時代になると、串にさした団子が、誰でも手軽に食べられるおやつとして広まりました。
食感と食べ方の違い
お餅と団子は、口に入れたときの食感も大きく違います。
お餅の食感と食べ方
お餅は、とても強いねばりがあり、びよーんと伸びるのが特徴です。
加熱するとさらにやわらかくなり、雑煮(ぞうに)やおしるこに入れるととろけます。
時間がたつと固くなってしまいますが、また焼いたりゆでたりすれば、やわらかくもどります。
お餅は、きな粉やあんこをつけたり、お雑煮のようにしょっぱい味つけにしたり、お好み焼きに入れたり、主食や料理の一部としても使われます。
団子の食感と食べ方
団子は、お餅ほど強くねばねばしていませんが、しっかりとした弾力があります。
噛んだときの歯切れが良く、冷めても固くなりにくいので、食べやすいのが特徴です。
団子は、みたらし団子のように甘いタレをつけたり、きなこやあんこをまぶしたりして、お菓子として楽しまれることが多いです。
また、白玉団子のように、あんみつやかき氷の具材として使われることもあります。
現代の進化
時代が進んで、お餅も団子も、さらに便利でおいしくなりました。
現代のお餅
今では、機械を使ってお餅が大量に作られるようになりました。
真空パックされたお餅は、カビが生えにくく、長い間保存することができます。
スーパーやコンビニで、一年中、いつでも買うことができます。
お雑煮やおしるこ、お好み焼きの具など、たくさんの料理に使われています。
現代の団子
団子は、基本的な作り方は変わらないものの、味や見た目がとても豊かになりました。
よもぎの入った緑色の団子や、ごまの入った黒い団子など、カラフルな団子や、季節限定の味が楽しめるものもあります。
コンビニでも手軽に買えるようになり、毎日のおやつとしても身近な存在になっています。
まとめ
お餅と団子は、どちらもお米から作られますが、お米の「つぶ」を使うか「こな」を使うかという、作り方の違いが一番大切です。
お餅は、行事や食事として大切にされ、団子は、お供え物や手軽なおやつとして愛されてきました。
みなさんは、お餅と団子、どちらが好きですか?