フワフワかき氷の流行|美味しさの理由や誕生した背景

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かき氷は、長い間日本人の夏の風物詩として親しまれてきました。多くの人が思い浮かべるのは、お祭りの屋台で売られている、ガリガリとした食感の氷にカラフルなシロップをかけたものでしょう。しかし、2014年頃から日本で注目を集めたのは、従来の常識を覆す「フワフワかき氷」という新しいスタイルでした。この新しいかき氷は、日本の食文化に大きな変化をもたらしたのです。

目次

フワフワかき氷の誕生

この新しいスタイルのかき氷は、一年を通して温暖な気候で氷菓子の文化が発達していた台湾が発祥です。台湾では、氷を薄く削る独自の技術が発展しており、それがフワフワかき氷の誕生につながりました。この革新的なかき氷が日本に伝わると、その斬新な食感と見た目の美しさで、瞬く間に多くの人々の注目を集めることになったのです。このブームは、長年愛されてきた「ガリガリ君」のような、ガリガリとした固い食感の氷菓とは正反対の特性を持っていました。

フワフワかき氷の特徴

フワフワかき氷の最大の魅力は、その驚くほど繊細な食感と美しい見た目にあります。

驚きのフワフワ食感

従来のかき氷は、氷を粗く削るため、口の中でゴリゴリとした感触があり、溶けるまでに時間がかかりました。一方、フワフワかき氷は、純氷を極めて薄く、まるで雪のように繊細に削ることで作られています。この独自の削り方により、口に入れた瞬間にほとんど噛む必要もなく、舌の上であっという間に溶けていくという、これまでにない体験を生み出しました。

カラフルなトッピング

フワフワかき氷の魅力は、食感だけではありません。見た目の美しさも、ブームを後押しする大きな要因となりました。ふわふわと削られた真っ白な氷の山の上には、マンゴーやイチゴといった色鮮やかで新鮮なフルーツが贅沢に盛り付けられます。これらのフルーツは単なる飾りではなく、氷と一緒に食べることで味わいに深みを加える重要な役割を果たしていました。特に、写真映えする華やかな外見は、スイーツ好きな人々、特に若い女性たちの心を強く引きつけました。

驚きの高価格かき氷の登場

フワフワかき氷ブームが最高潮に達した頃、驚くべき現象が起こりました。

一杯5000円の高級かき氷

なんと一杯5000円という、これまでの常識では考えられないような高価格のかき氷が登場したのです。この高級版フワフワかき氷には、イチゴ、フランボワーズ、ブルーベリーといった高品質なベリー類がふんだんに使われ、特製のシロップがたっぷりとかけられていました。その姿は、まるで宝石箱のようにカラフルで豪華な装いを見せていました。

価格が象徴するもの

5000円という価格は、確かに驚くべき金額です。この値段を聞いて「あっという間にお金が溶けていくようだ」と感じる人もいれば、「でも一度は食べてみたい」と好奇心をそそられる人もいるでしょう。このような極端な価格設定も、当時のブームの熱狂ぶりを象徴する出来事だったと言えます。

繰り返し起こるフワフワかき氷ブームの背景

フワフワかき氷のブームは、一度きりで終わったわけではありませんでした。

2017年になると、今度は韓国発として再び「フワフワかき氷」が話題になりました。しかし、その起源をたどると、やはり台湾に行き着きました。これは、タピオカドリンクなどにも見られるように、一度消えたかのように見えた流行が、実は静かにくすぶり続けていて、何かのきっかけで再び燃え上がるという現象でした。この再燃は「第二次フワフワかき氷ブーム」と呼ぶべきものだったのかもしれません。

日本の伝統的なかき氷文化

台湾発のフワフワかき氷が注目される一方で、日本国内でも独自のかき氷文化が発展していました。特に埼玉県では、秩父地方の天然氷を使ったかき氷が有名です。この天然氷は、人工氷よりも透明度が高く、溶けにくいという特徴があります。今日のかき氷ブーム全体の発祥地は、実は埼玉なのではないかという説もささやかれています。これは、台湾の技法と日本の伝統的な天然氷の技術が組み合わさることで、さらに新しいかき氷の形が生まれた可能性を示唆しています。

フワフワかき氷のブームは、食べ物というものが、単に味だけでなく、食感や見た目、そして文化的な背景が複雑に絡み合うことで、全く新しい価値を生み出すことができるということを教えてくれました。

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