福砂屋とは
福砂屋は、1624年に長崎で創業したカステラの老舗です。
創業以来、福砂屋で400年にわたる伝統的な製法で生み出されたカステラは長崎を代表するお土産になりました。
福砂屋は日本国内だけでなく海外でもその名を知られています。
特にアジア圏での人気が高く、福砂屋のカステラを求める観光客も多いです。
公式サイトでは英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語での情報提供もして、海外からの注文にも対応しています。
福砂屋は地元長崎での観光名所としての評価も高いです。
しかも全国菓子大博覧会での金賞など、多くの賞を受賞しています。
多くのメディアで取り上げられて、その味と品質が認められています。
福砂屋の経営者
福砂屋の社長:殿村育生
殿村育生さんは福砂屋の16代目の社長です。
「ゆっくりと未来へ」というスローガンを掲げ、福砂屋の歴史と伝統を大切にしながらも、新しい挑戦を続けています。
殿村社長は家業だけでなく地域活動にも積極的に取り組み、スポーツや地域の産業が繁栄するように尽力してきました。
長崎県サッカー協会の会長や観光連盟の理事、福砂屋のある船大工町の自治会長など、地域活動に携わる役職も務めています。
福砂屋の跡継ぎ:殿村修司
殿村育生さんの長男である修司さんは幼い頃から父親の背中を見て育ち「周りへの感謝を忘れないように」と教えられました。
将来、家業を継ぐ予定の修司さんは「自分だけ良ければいい」という考えを持たず、周りの人々と共に良くなる関係を築くことを大切にしています。
修司さんは福砂屋の未来を担う存在として、これからも多くの挑戦を続けていくことでしょう。
福砂屋の社史
創業時である江戸時代は度重なる飢饉、冷害、干ばつ、水害、火山噴火などに見舞われました。
その後では倹約令で、南蛮菓子の製造販売が禁止された時期もありました。
近年では自然災害やコロナ禍になるなど、困難のない時代はありませんでした。
そんな中で福砂屋は事業を急拡大したり過度な設備投資をしない「身の丈経営」を続けながら、代々、決して味を落とさないという自負と責任を持ち、地域や取引先、顧客らから多くの信頼獲得しています。
そしてその信頼によって、次の100年へと道は続いていくのです。
福砂屋は江戸時代の3代将軍徳川家光の時代に創業しました。
福砂屋のカステラはポルトガルから伝わった南蛮菓子の一つです。
ふっくらとした食感としっとりとした味わいが特徴のカステラ。
初代の福砂屋の主人はポルトガル人からこのカステラの作り方を学びます。
その技術を日本に伝えたところ、当時の日本では珍しい南蛮菓子として人気を博しました。
12代目の清太郎は、明治時代の始まりとともに多くの新しいことを取り入れました。
彼の功績はなんといっても「福砂屋特製五三焼カステラ」を考案したこと。
この時、中国で縁起が良いとされるコウモリを新しい商標にしました。
洋菓子なども含めて60種類もの新商品を展開し、福砂屋の事業を大きく発展させています。
戦時中はカステラの生産が中止されていました。
しかし14代目の時代に天皇陛下への献上品としてカステラが使用されます。
これをきっかけにして、再びカステラがつくられるようになりました。
戦後の復興とともに1952年には東京に進出し、1983年には福岡市にも支店を設立。
福砂屋のカステラは全国的に知られるようになり、多くの人々に愛されるようになりました。
福砂屋のカステラづくり
- 卵を手で割って白身と黄身を分けます
- 白身をしっかりと泡立てます。
- 泡立てた白身に黄身とザラメ糖を加えます。
- 小麦粉を入れて全体をよく混ぜます。
福砂屋のカステラは職人たちの長年の経験と技術によって作られています。
白身の泡立ての加減はカステラの食感を左右するため、何気に職人の技術が試される工程です。
福砂屋では、材料を一気に混ぜる方法(共立法)ではなく、ひとつひとつの材料を丁寧に混ぜる方法(別立法)によって、ふっくらしっとりした生地をつくっています。
カステラづくりでは、毎日の気温や湿度に合わせて材料を混ぜる時間やオーブンの温度を調整しなければいけません。
そんなカステラを上手に作れるようになるには、3年もの修行が必要と言われています。
福砂屋の商品
- カステラ
- 福砂屋特製五三焼カステラ
- オランダケーキ
- フクサヤキューブ
- 手づくり最中
- ビスコチョ
- 千代香
カステラ
福砂屋の基本商品であるカステラは、ふっくらとした食感としっとりとした味わいが特徴です。
長崎を代表するお土産としても知られており、多くの人々に愛されています。
福砂屋のカステラは伝統的な製法を守りながら、まだまだ常に品質の向上を目指しています。
福砂屋特製五三焼カステラ
福砂屋特製五三焼カステラは、卵と砂糖の割合が高い特別なカステラ。
ふっくらとした食感と濃厚な味わいが特徴です。
このカステラは生地作りが難しく、熟練の職人のみが担当します。
オランダケーキ
オランダケーキは、ココア、クルミ、レーズンを加えたカステラです。
独特の風味が楽しめるこのケーキは、福砂屋の人気商品の一つ。
オランダケーキはカステラの伝統を守りながらも、新しい味わいを提供しています。
フクサヤキューブ
フクサヤキューブはカステラを2切れずつ小箱に入れた商品です。
核家族化や個食化に対応した新商品として開発され、大ヒットしました。
手軽に楽しめるカステラとして多くの人々に愛されています。
手づくり最中
福砂屋の最中は、上品な甘さのあんを薄い皮で包んだ和菓子です。
皮はサクサクとした食感でありながら、あんは甘さ控えめで上品な味わいをしています。
口の中でとろけるような美味しさがうれしく、贈り物にもおすすめです。
ビスコチョ
カリカリとした食感と甘さが特徴の商品です。
カステラの製造過程で切り落とす端の部分や規格外の部分を2度焼きしてラスクのように仕上げています。
ビスコチョはフードロスを減らす取り組みとして開発されました。
千代香
千代香は薄い生地であんを巻いた伝統的な和菓子です。
1969年に製造されていましたが、カステラ製造に専念するために販売を中止しました。
しかし創業400年を記念して、55年ぶりに復刻されることになりました。
当時の工場長のメモには、製造中止を残念がる思いと将来また作れる時代が来るだろうという希望が書かれていました。
これを見た副社長の殿村洋司さんは、いつか千代香を復刻させたいと考えており、そして400周年を迎えた今、その夢がなんと実現することに。
復刻にあたっては90代と80代になる当時の職人を探し出して焼き方を習い、現場の職人たちは1年をかけて練習を繰り返し、完全再現を目指しました。
手間を惜しまぬ努力と熱い想いによって千代香は期間限定で復刻され、10月2日から8日まで東京の伊勢丹新宿店で実演販売が行われました。
福砂屋の工場
福砂屋は400周年を機に長崎県諫早市と東京都町田市に新工場を建設予定です。
「伝統的な製造方法は決して変えないが、従業員が働きやすい環境の整備と原材料の調達から出荷までの流通プロセスの効率化による改革を進める」と殿村社長は述べています。
例えば、重量計測マットを使用して在庫を自動管理するシステム、資材を自動発注する仕組みを取り入れることなどを検討しています。
また、福砂屋は製造過程でのエネルギー効率の向上や廃棄物の削減など、環境保護にも積極的に取り組み、地元の農家と協力しながら持続可能な農業を支援する取り組みも行っています。
福砂屋の行事
卵供養
福砂屋には明治時代から続く「卵供養」という行事があります。
毎年5月に全社員が正覚寺に集まり、カステラ作りに欠かせない卵に感謝の気持ちを込めて手を合わせます。
殿村社長はこの日を「心の修養日」として大切にしています。
商売はもともと物々交換から始まりました。
素材があるから製品ができるのです。
周囲の人や素材への感謝、自然に対する畏敬の念を持ち、心をリセットしてまた明日から仕事に励みましょう
卵供養では殿村社長が社員に向けてこのように語りかけます。この行事は福砂屋の社員にとって大切な日であり、心を新たにする機会となっています。
長崎くんち
福砂屋は地域の伝統行事にも積極的に参加しています。
長崎市の諏訪神社で行われる「長崎くんち」というお祭りでは、船大工町の山車を回し、子どもたちが「網打ち」の演技を行います。
殿村社長は70代になった今でもこの役を担う小学生に自ら指導をして、地域の伝統を守りながら次世代に伝えることを大切にしています。
福砂屋のカステラの評価
ふわっとした食感としっとりとした味わいが絶妙
ザラメの食感がアクセントになっていて美味しい
福砂屋のカステラは多くの顧客から高い評価を受けており、贈答品としても非常に人気です。
福砂屋のカステラの購入方法
福砂屋の商品は公式オンラインストアで購入することができます。
カステラ以外の商品も取り揃えられており、全国どこからでも注文可能です。
支払い方法もクレジットカードや代金引換、Amazon Payなど多岐にわたります。
ぜび福砂屋の味を実食して楽しんでください!