紙ふうせんとは
紙ふうせんは、金沢の老舗和菓子店「菓匠高木屋」が誇る、球体でカラフルな見た目が特徴の革新的な和菓子です。最中の皮の中に、色とりどりの小さな寒天ゼリー(錦玉)が詰められており、振ると可愛らしい音がします。見た目の美しさ、食べる際の楽しい食感と音が大きな魅力です。
菓匠高木屋とは
菓匠高木屋は、大正14年(1925年)創業の老舗和菓子店です。初代から受け継がれてきた伝統的な和菓子の技術を大切にしながらも、三代目によって現代の感覚に合った紙ふうせんのような新しいお菓子を開発するなど、革新的な挑戦を続けています。その確かな技術と品質は、数々の賞によっても評価されています。

紙ふうせんの誕生背景
紙ふうせんは、どのようにして生まれたのでしょうか。その背景には、高木屋の確かな歴史と、新しい挑戦がありました。
菓匠高木屋は、大正14年(1925年)に初代の外吉氏によって創業されました。その後、二代目の一成氏が金沢菓子名工に選ばれるほどの高い技術を培い、お店の礎を築き上げました。そして現在の三代目である慎司氏と、その実弟である英八氏が、伝統の味を守りながらも、現代のニーズに応える新しいお菓子の開発に力を注ぐ中で、この紙ふうせんが誕生したのです。
紙ふうせんは、伝統的な和菓子の枠にとらわれない、非常に革新的な商品として開発されました。特にその見た目と食感は、従来の和菓子の常識を覆すもので、高木屋の新しい挑戦を象徴するお菓子となっています。
紙ふうせんの魅力
紙ふうせんの魅力は、その可愛らしい見た目、聞こえてくる音、そして食べた時の楽しい食感にあります。
完璧な球体の美しさ
この和菓子の最も印象的な特徴は、その完璧な球体の美しさです。白、ピンク、黄緑の淡い3色で作られたまん丸の最中(もなか)は、まさに名前の通り、紙風船のようにふわりと浮かびそうな愛らしい見た目をしています。通常の最中が平たい形をしていることを考えると、これほど美しい球形を実現する技術力の高さには驚かされます。手に取って軽く振ってみると、中からカラカラという可愛らしい音が聞こえてきますが、この音こそが紙ふうせんの秘密を物語っています。
宝石箱のような中身
最中の皮を割って中を覗いてみると、まるで宝石箱を開けたかのような美しい光景が広がります。鮮やかな色彩を放つ小さなサイコロ状の寒天ゼリー(錦玉/きんぎょく)がぎっしりと詰め込まれており、これらが動くことで先ほどの音が生まれているのです。
洋風の味わい
赤い錦玉はぶどう味、黄色はレモン味、そして緑は白ワイン味となっており、それぞれが異なる洋風の風味を持っています。これらの錦玉を球形の最中にいっぱいに詰め込む作業は、機械では難しく、職人の手作業による繊細な技術が必要とされています。
楽しい三重奏の食感
食べてみると、まずパリッとした最中の皮の軽やかな食感が口の中に広がります。そして噛み進めると、中の錦玉から甘い果汁がじゅわりと溢れ出し、口の中に洋風の香りが広がります。最中の皮のサクサク感、錦玉のプルプル感、さらに外側にコーティングされた砂糖のシャリシャリとした食感が三重に重なり合い、「ガリガリ、ザクザク」という独特の音とともに楽しい食体験を演出します。この特徴的な食感と音は、現代のASMR(エーエスエムアール)文化でも注目を集めており、元乃木坂46の松井玲奈さんをはじめとする多くの人がSNSや動画サイトで紹介しています。
紙ふうせんの原材料
紙ふうせんは、その美味しさだけでなく、品質においても高い評価を受けています。使用されている原材料にも、高木屋のこだわりが息づいています。
製造に使用される原材料にも、創業当時からのこだわりが受け継がれています。主な材料は砂糖(国内製造)、最中種(もち米)、寒天、水飴(みずあめ)、洋酒、白ワインなどで、香料や着色料としては天然由来のコチニール色素やクチナシ色素を使用しています。アレルギーの心配はなく、100グラムあたりのカロリーは315キロカロリー、脂質は0.2グラムと控えめになっており、健康面でも配慮された商品となっています。
紙ふうせんの商品展開
現在販売されている紙ふうせんは、基本の3色(ピンク、白、緑)に加えて、季節限定の味も展開されています。苺味やみかん味といったバリエーションもあり、繰り返し購入する方々にも新鮮な驚きを提供し続けています。9個入りで756円(税込)という価格設定で、日持ちは25日間と比較的長く、金沢のお土産や贈り物として多くの人に選ばれています。
紙ふうせんの食べ方・楽しみ方
多様な食べ方
食べ方についても様々な楽しみ方が推奨されています。常温でそのまま食べるのが基本的な楽しみ方ですが、冷蔵庫で冷やして食べるとまた違った美味しさを味わうことができます。最中の皮がやや硬めに作られているため、温かいお茶やコーヒーと一緒に食べることで、皮が程よく柔らかくなり、より食べやすくなります。また、サイダーや炭酸飲料と合わせると、爽やかな味わいが楽しめるという意外な組み合わせも人気があります。
折り紙を楽しむ
商品として販売される際の包装にも、高木屋の細やかな心遣いが表れています。9個入りの商品には、5色の折り紙が付属しており、紙ふうせんの折り方まで丁寧に説明されています。これは店主の遊び心の表れで、お菓子を食べ終わった後も楽しめるような配慮がなされています。子供から大人まで、久しぶりに折り紙を折ることで童心に返ることができ、商品名の「紙ふうせん」という名前により深い意味を与えています。
紙ふうせんの評判
金沢を代表する銘菓
この紙ふうせんは、単なる和菓子を超えた存在として多くの人に愛されています。伝統的な和菓子の技術に洋風のエッセンスを巧みに取り入れ、見た目の美しさ、食感の楽しさ、味わいの豊かさを兼ね備えた新感覚の和菓子として、金沢を代表する銘菓の地位を確立しました。その革新性と品質の高さは、40年という長い時間を経ても色あせることなく、むしろ現代のSNS文化の中で新たな注目を集めているのです。
全国菓子大博覧会での受賞歴
紙ふうせんの優れた品質は、全国的にも高く評価されています。お菓子のオリンピックとも称される「全国菓子大博覧会」において、第22回大会では大臣栄誉賞を、第25回大会では茶道家元賞を受賞するという輝かしい実績を持っています。これらの賞は、単に味が優れているだけでなく、見た目の美しさや革新性、技術力の高さが総合的に評価された結果です。
紙ふうせんの購入方法
紙ふうせんは、高木屋の本店(金沢市本多町)をはじめ、金沢駅内の支店、石川県観光物産館、小松空港、北陸自動車道のサービスエリアで購入することができます。さらに、東京にあるアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」でも手に入れることができます。また、全国配送も行っており、15,000円以上の購入で送料が無料になるサービスも提供されています。
