カジッテとは
ロッテのカジッテは、株式会社ロッテが開発したハードグミの新しいブランドです。
グミとは、ゼラチンや寒天などを主原料として作られる、弾力のある食品です。
一般的にはやわらかい食感のものが多く販売されていますが、ハードグミは通常のグミよりも硬く、噛み応えがあって口の中で長時間楽しめる特徴を持っています。
カジッテの開発背景
ロッテがこのカジッテを開発することになった背景には、消費者への調査結果があります。
ターゲット層の行動
同社がハードグミを食べるシーンについて調べたところ、多くの人が仕事中や勉強中、または休憩時に食べていることが分かりました。
この調査から、1粒で長時間楽しめるハードグミが選ばれる傾向があることも判明しました。
市場のニーズ
消費者は、ジューシーで果物らしい味わいを好む傾向にあります。
一方で、市場にはハードタイプでフルーツ系の味わいを持つグミは数が限られていました。
こうした消費者のニーズと市場の空白を埋めるために、ハードな食感とフルーツの味わいを両立させた商品としてカジッテが開発されました。
カジッテの核となる技術
この商品の核となる技術が「果実感引き立て製法」と呼ばれる、ロッテ独自の製造方法です。
この製法は3つの柱から構成されており、それぞれが異なる角度から果実感を高める役割を担っています。
第一の柱:香りの技術
第一の柱は香りの技術です。
通常、ハードグミは硬い食感を作るための特定の製造方法が用いられますが、この方法では香りが十分に広がりにくいという課題がありました。
そこでロッテは、硬い食感を保ちながらも一口目から最後まで果実の香りが口の中に広がるよう、ハードグミ専用の香料を新たに開発しました。
第二の柱:食感の調整技術
第二の柱は食感の調整技術です。
グミの主要原料であるゼラチンは、その種類や配合量によって最終的な食感が大きく変わります。
カジッテでは、このゼラチンの選択と配合にこだわるだけでなく、組み合わせる他の原料についても細かく検討が重ねられました。
ここで、ロッテが長年チューインガム製造で培ってきた技術的な知見が応用されています。
第三の柱:原料の選定
第三の柱は原料の選定です。
果実の味わいを最大限に引き出すため、他の味が邪魔をしないよう雑味の少ないゼラチンが選ばれました。
さらに、それぞれの味わいに応じて最適な素材を組み合わせることで、フルーツ本来の味が際立つ工夫が施されています。
カジッテの商品種類
現在販売されている商品は2種類あり、それぞれ異なるフルーツの組み合わせです。
カジッテ〈グレープ&マスカット〉
「カジッテ〈グレープ&マスカット〉」は、同系統でありながら異なる特徴を持つ2つの味が1つの商品に入っています。
このうちグレープの部分には、果汁が6%、ピューレが5%使用されています。
また、グレープにのみ特別に雑味の少ないゼラチンが配合されています。
カジッテ〈ミカン&レモン〉
「カジッテ〈ミカン&レモン〉」は、ミカンとレモンという対照的な味わいが組み合わされています。
こちらには果汁が3%、そしてピール素材も使用されています。
同様に雑味の少ないゼラチンが採用されています。
カジッテの商品形式
1つの商品に2つの味が入っている形式は「アソートタイプ」と呼ばれます。
この形式は、消費者が一度に複数の味を楽しめるという特徴を持っています。
同じ商品を購入するだけで複数の味わいを体験できるため、飽きることなく食べ続けることが可能になります。
カジッテの商品容量
商品の容量は80グラムに設定されており、これは一般的なグミ商品と比較すると大容量にあたります。
例えば、一般的なグミ商品の容量は50グラム前後であることが多いです。
この容量設定の背景には、仕事中や勉強中に食べられることが多いハードグミでは、小腹を満たすことができる分量が求められていることがあります。
カジッテの販売価格
販売価格についてはオープン価格制が採用されており、想定される小売価格は237円前後(税込)とされています。
オープン価格制について
オープン価格制とは、メーカーが小売価格を固定せず、販売店が自由に価格を設定できる制度のことです。
これにより、各店舗の事情や販売戦略に応じた価格設定が可能になります。
カジッテの販売スケジュール
販売スケジュールは段階的に展開される計画です。
2025年9月16日からはコンビニエンスストアと駅売店での先行発売が開始され、その約1ヶ月後の10月14日からは全チャネルに販売が拡大される予定です。
先行発売を行う理由は、まず限定的な販路で消費者の反応を確認し、その結果を踏まえて全国展開を行うという戦略によるものです。
カジッテのパッケージデザイン
商品のパッケージデザインには、ブランドコンセプトを視覚的に表現する工夫が凝らされています。
キャッチコピー
「カジる、果実感。」というキャッチコピーは、消費者が思わずかじりつきたくなるような果実が大きくダイナミックにデザインされることで体現されています。
フルーツのデザイン
フルーツの一部にポリゴン表現という幾何学的なデザインが加えられています。
これは、カジッテの四角い形状と、フルーツの視覚的な関連性を表現するものです。
商品名の文字デザイン
商品名の「KAZITTE!」は、パッケージの目立つ上部に大きく配置されています。
この文字デザインには、かじり取られたような「A」の形にすることで、商品名である「カジッテ」を視覚的に表現するという工夫が施されています。
色彩
パッケージ全体の色調は、フレッシュなフルーツを連想させる明るい色合いで統一されています。
この明るい色合いは、フルーツが持つみずみずしさや爽やかさを表現する役割を担っています。
加工
大きく描かれたフルーツの一部には光を反射するメタリックな加工が施されています。
この加工は、商品を陳列棚で目立たせるだけでなく、高級感や特別感を演出する役割も果たしています。
デザインの目的
このパッケージデザインには複数の目的があります。
商品名の認知度を高めること、フルーツの美味しさを視覚的に伝えること、そしてハードな食感があることを表現することです。
これらの要素を組み合わせながらも、店頭で商品のコンセプトが一目で伝わるデザインを目指して制作されています。
カジッテのブランド展開
カジッテは単なる新商品ではなく、ロッテにとって新しいブランドの立ち上げでもあります。
このブランド展開に合わせて、2025年9月3日には専用のウェブサイトも公開される予定となっており、消費者は商品情報やブランドの詳細についてより詳しく知ることができます。
カジッテのまとめ
カジッテは、消費者調査に基づいた明確な市場ニーズの把握、独自技術による製品開発、段階的な販売戦略、そして視覚的に訴求力のあるパッケージデザインを組み合わせています。
これにより、ハードグミ市場において新たな選択肢を提供する商品として位置づけられています。