吉田菊次郎はパティスリー界のレジェンド
吉田菊次郎(1944年9月24日生まれ)は、日本の著名なパティシエです。
フランスやスイスで修行を積み、1973年に渋谷でブールミッシュを創業しました。
ブールミッシュは、渋谷から銀座、そして世界へとその広がりを見せています。
吉田菊次郎は、伝統を大切にしながらも、新しいお菓子作りに絶えず挑戦しています。
美味しいお菓子を作り、人々に幸せなひとときを提供するという目標を持ちながら、吉田菊次郎の創造的な菓子作りは、ブールミッシュの発展を支える重要な要素となっています。
生い立ちと家族背景
吉田菊次郎は東京都で生まれました。
彼の両親は菓子店を営んでいましたが、大学生の頃に父親の事業が倒産します。
この出来事が吉田菊次郎の人生に大きな影響を与え、後にヨーロッパでの製菓修行へとつながっていきました。
フランス菓子の技術を学ぶ
明治大学商学部を卒業後、吉田菊次郎はフランスやスイスで製菓技術を学びました。
特に伝統的なフランス菓子の技術を習得は、その後のキャリアに多大な影響を与える経験となります。
吉田菊次郎はブールミッシュの創業者
1973年、29歳の時に吉田菊次郎は渋谷で「ブールミッシュ」を創業しました。
ブールミッシュは、日本で本格的なフランス菓子を提供する先駆けとして知られる存在です。
1982年には株式会社ブールミッシュを設立し、銀座に本店を構えました。
フランスで学んだ伝統技術を基に、吉田菊次郎は新しいお菓子作りにも挑戦し続けています。
ブールミッシュの代表的な菓子には、トリュフケーキやシブーストなどがあり、多くの人々に愛されています。
ブールミッシュの製品ラインナップ
- トリュフケーキ
- シブースト
- ミルフレット
- ガトー・オ・マロン
- グランリュクスマカロン
トリュフケーキ
トリュフケーキは、ブールミッシュを代表する創作菓子の一つです。
このケーキは、中にまるごと一粒のトリュフチョコレートを忍ばせて焼き上げられています。
トリュフチョコレートの濃厚で滑らかな口当たりが特徴です。
ケーキの中に隠れているため、食べる際には驚きと喜びを提供します。
トリュフケーキは、その独創性と美味しさから、モンドセレクション最高金賞を受賞したこともあり、世界的に認められた逸品です。
シブースト
シブーストは、吉田菊次郎がフランスでの修行中に再現した宮廷菓子の一つです。
このデザートは、カスタードクリームとメレンゲを組み合わせた伝統的なフランス菓子です。
シブーストの上部はキャラメリゼされ、パリッとした食感と滑らかなクリームの甘さを楽しむことができます。
150年ぶりに再現されたレシピを、現代に伝える形でブールミッシュで提供しています。
ミルフレット
ミルフレットは、ワッフル状の生地にクリームをサンドしたお菓子です。
バニラ、チョコレート、フランボワーズの3種類があり、それぞれ異なる風味を楽しめます。
サクサクとした食感とクリームの滑らかさが特徴です。
ガトー・オ・マロン
ガトー・オ・マロンは、栗をふんだんに使ったケーキです。
マロンペースト、細かく刻んだ栗の甘露煮、マロングラッセの3種類の栗を使用しており、奥深い味わいが楽しめます。
オーブントースターで軽く焼くと、焼き栗の風味が引き立ちます。
グランリュクス
グランリュクスは、ブールミッシュの伝統的な技術とレシピの集大成です。
フィナンシェ、マドレーヌ、メープルアーモンドケーキ、チョコオレンジケーキ、いちごバターケーキ、りんごバターケーキなど、8種類の焼き菓子が詰め合わせになっています。
贅沢な時間を提供するギフトセットとしても人気です。
マカロン
マカロンは、色とりどりの可愛らしいお菓子です。
フランボワーズ、ヴァニーユ、シトロン、ショコラ、ピスタチオの5種類があり、それぞれ異なる風味を楽しめます。
外はサクサク、中はしっとりとした食感が特徴です。
ブールミッシュの社会貢献活動
ブールミッシュは、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。
例えば、地域のイベントやチャリティー活動に参加し、売上の一部を寄付するなどの活動を行っています。
また、環境に配慮した製品作りやパッケージの使用にも力を入れており、持続可能な社会の実現に貢献しています。
吉田菊次郎の受賞歴
吉田菊次郎は、1971年の第一回菓子世界大会で銅メダルを獲得。
2004年にはフランス政府から農事功労章シュヴァリエを受勲しました。
また、厚生労働省から「現代の名工」に選ばれるなど、多くの栄誉を受けています。
これらの受賞歴は吉田菊次郎の技術と創造力が国際的に認められている証です。
彼の受賞歴は、ブールミッシュのブランド価値を高める重要な要素となっています。
第一回菓子世界大会
1971年、吉田菊次郎は第一回菓子世界大会で銅メダルを獲得しました。
この大会は世界中のパティシエが集い、製菓技術を競う国際的なイベントです。
大会では氷細工、チョコレート細工、アメ細工の三部門で競われ、総合得点での優勝を目指します。
農事功労章シュヴァリエ
2004年、吉田菊次郎はフランス政府から農事功労章シュヴァリエを受勲しました。
この勲章はフランス農産物の輸出促進や食文化の普及に貢献した人物に与えられるものです。
1883年に創設されたこの章には、下記のの三段階があります。
シュヴァリエ (騎士) | 農事功労章の最初の段階であり、フランス農業や食文化の発展に貢献した個人に与えられます。 |
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オフィシエ (将校) | シュヴァリエよりも高い評価を受けた個人に与えられ、さらなる貢献が認められた場合に昇進します。 |
コマンドゥール (司令官) | 最高位の段階であり、非常に卓越した貢献をした個人に与えられます。 |
現代の名工
2004年、吉田菊次郎は厚生労働省から「現代の名工」にも選ばれました。
この表彰は、卓越した技能を持つ職人に与えられる栄誉です。
技能者の地位向上と技能水準の向上を図る目的で毎年約150名が選出されます。
表彰者には表彰状、卓越技能章、褒賞金が贈られます。
吉田菊次郎はメディアでも活躍している
吉田菊次郎はテレビやラジオでも幅広く知られています。
なんとあの「キユーピー3分クッキング」にも出演。これにより一般の人々にもその名が浸透しました。
また、大手前大学の客員教授として教壇に立ち、多くの著書も執筆しています。
こうしたメディアや教育活動を通じて、後進の育成に力を入れている点も注目すべきところです。
吉田菊次郎の著書
吉田菊次郎は多くの著書を執筆しています。
製菓技術に関する本やエッセイなども多くの読者に親しまれています。
また、彼は俳人としても活動しており、俳号は「南舟子」です。
この文筆活動は、彼の多才さと深い知識を示すものであり、多くの人々に影響を与えています。
著書の一例
- 日本人の愛したお菓子たち 明治から現代へ
- 万国お菓子物語 世界をめぐる101話
- 歴史を知ればもっとおいしい!洋菓子を楽しむ教科書
日本人の愛したお菓子たち 明治から現代へ
明治時代から現代に至るまでの日本のお菓子の歴史と文化を詳細に解説した本です。
2023年3月9日に講談社から出版されました。
この本は、各時代のお菓子の誕生ストーリーや時代背景を豊富なビジュアルとともに紹介。
読者は日本のお菓子文化の発展を一冊で理解できます。
吉田菊次郎の専門知識と経験に基づいた解説は非常に信頼性が高く、文化史としての価値も高い一冊です。
万国お菓子物語 世界をめぐる101話
世界各地のお菓子の誕生秘話や歴史を紹介する本です。
1998年に晶文社から初版が刊行されましたが、2021年に講談社で文庫化され、新たに9話が追加されています。
この本では、マカロンやカステラ、ザッハートルテなど、101種類のお菓子が取り上げられています。
それぞれのお菓子がどのようにして生まれ、どのように広まったのか、歴史的背景や文化的なエピソードを交えて詳しく解説されています。
歴史を知ればもっとおいしい!洋菓子を楽しむ教科書
洋菓子の歴史や各国のお菓子の特徴を詳しく解説した本です。
2024年にナツメ社から出版されました。
この本では、古代から現代に至るまでの洋菓子の歴史を追いながら、各国の代表的なお菓子を120種類以上紹介しています。
それぞれのお菓子の誕生背景や名前の由来、知られざるエピソードが豊富に盛り込まれており、読むだけでお菓子への理解が深まります。
また、季節やイベントに関連するお菓子のエピソードや、パティシエールによる本格スイーツレシピも掲載されており、実際にお菓子作りを楽しむためのヒントも満載です。
吉田菊次郎の俳句活動
吉田菊次郎は俳人としても活動しており、俳号「南舟子」として多くの作品を発表しています。
彼の俳句は、自然や季節の移ろいを繊細に捉えたものが多く、製菓とはまた異なる一面を見せています。
父の後ろ姿
吉田南舟子が父親との思い出や、俳句を通じて出会った達人たちとのエピソードを綴ったものです。
加藤楸邨や石田波郷などの著名な俳人たちとの交流が描かれています。
流離(さすらい)
吉田南舟子の俳句とエッセイを交えた作品で、彼の波乱万丈な人生を描いています。
特に平成から令和への移り変わりや、パリでの製菓修業時代のエピソードが印象的です。
左見右見(とみこうみ)
吉田南舟子が様々な視点から見た社会や文化についての考察をまとめたエッセイ集です。
彼の多彩な経歴を反映し、パティシエとしての経験やメディアとの関わり、社会活動についてのエピソードが豊富に含まれています。
吉田菊次郎という人物
吉田菊次郎は有名なパティシエであり、ブールミッシュの創業者です。
吉田菊次郎とブールミッシュは、今も伝統を大切にしながら新しい挑戦を続けています。
彼の創造的な菓子作りは、これからも多くの人々に幸せと喜びを届け続けることでしょう。