子どもに言葉を覚えさせるコツ「相互排他性原理」と「共同注意」

小さなお子さんをお持ちの親御さんにはいろんな願いがあることでしょう。

例えば「早くおしゃべりできるようになってほしい」や「たくさんの言葉を覚えてほしい」といったこと。

お子さんの言語習得にはさまざまな方法や考え方があります。

今回は意外に知られていない方法を2つご紹介するのでぜひ、お子さんの言語成長のヒントにしてください。

目次

子どもに言葉を覚えさせるコツ1「相互排他性原理」

「相互排他性原理」という言葉をご存じでしょうか?

言葉は少し難しく見えますが、じつはとても簡単な原理なんです。

例えば「ねずみのぬいぐるみ」を取り出したとき、皆さんはそれを何と呼びますか?

ある方は「ねずみ」と答えるでしょうし、また別の人は「ぬいぐるみ」と言うかもしれません。あるいは特定のキャラクター名を挙げる方もいるかもしれませんね。

それでも違和感を感じないのは、大人が物に対して複数の名前が存在することを理解しているからです。

しかし、特に一歳前後の幼い子供たちは「相互排他性原理」によって物一つに一つの名前しかないと認識しています。

例えばぬいぐるみを「ねずみ」と覚えた子供がいるとしましょう。

もしもそんな子供にある日、パパが「それはぬいぐるみだよ」と言ったら、子供は混乱してしまうのです。

ねずみのぬいぐるみはそのお子さんにとって「ねずみ」であって「ぬいぐるみ」ではないので、近くにある別のものをぬいぐるみだと認識しだすかもしれません。

相互排他性原理のメリット

上記のように「相互排他性原理」を聞くと「何だか不便な力」と思うかもしれません。

しかしこれが実は子供の言語獲得に大きなメリットがあります。

例えば先ほどの例で、パパがもしもねずみのぬいぐるみを「鳥だ」と言った場合。

子供は「これはねずみだから、じゃあ、そっちが鳥かな?」と新しい言葉を学ぶことができるのです。

つまり相互排他性原理のおかげで、子供は新しい物と新しい言葉をどんどん結びつけ、爆発的に言語を獲得していくことができるのです。

言葉の混乱を防ぐ工夫

繰り返しの体験を通じて、子供たちはいずれ「これはねずみでもあり、ぬいぐるみにもなる」ことを自然と学んでいきます。

しかし、特に相互排他性原理が働いている時期の子供に犬を見せて、例えばママが「ワンワン」と言い、パパが「犬」と呼ぶと混乱が生じやすいです。

ですので、日常会話での言葉の使い方について、お父さんとお母さんの間で「ウチではあえて犬と言おう」や「言いやすいからワンワンにしよう」といったルールを決めておくと、子供の言葉の発達にとってスムーズになります。

子どもに言葉を覚えさせるコツ2「共同注意」

「同注意」いう言葉を聞いたことがありますか?

これも少し難しい言葉ですが、要点だけを押さえれば大丈夫。

「共同注意」は、親子が同じものを見て、同じものに意識を向ける状態のことです。

共同注意の例

例えば、親が子供にネズミを指さして「これはネズミだよ、ネズミ」と教える場面を考えます。

もし子供がこのネズミに興味を持っていればいいのですが、子供の視線や意識が他のもの、例えば鳥に向いている場合、大人が「これはネズミだよ、ネズミ」と言っても、子供は鳥を見ながら「これがネズミ?」と混乱してしまうのです。

つまり、大人と子供が同じものに意識を向けている「共同注意」の状態で「これ、ネズミだよ」と教えないと、子供は正しくねずみをねずみと解釈できません。

逆にしっかり共同注意ができている状態で言葉を教えられれば、より効果的に子供の言葉を習得させることができるでしょう。

共同注意を意識した教え方

小さなお子さんが興味を持ったものを指差しながら「あっ!あっ!」と言うことがありますよね。

子供は「あっ!あっ!」と指差すことで、大人の意識がその物に向き「あれはネズミだよ」と言葉を教えてもらえることを知っています。

そのため、子供が指差して興味を示したものには、積極的に「これはネズミだよ」「これは鳥だね」と教えてあげることが非常に重要です。

こうすることで、子供はよりスムーズに言葉を覚えることができるでしょう。

ぜひ、この「共同注意」を意識して、子供とのコミュニケーションに取り入れてみてください。

子どもの言語学習の一番のコツ「楽しませる」(まとめ)

今回は、お子さんの言語習得や言葉の覚え方についてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか?

言語を学ぶ方法にはいろいろな考え方やアプローチがあります。

例えば絵本を一緒に読む、お父さんやお母さん、先生から楽しいお話をたくさん聞くなど、さまざまな方法が挙げられます。

今日お伝えしたポイントも有効ですが、最も大切なのはお子さんが楽しみながら自然に学べる環境を作ることです。

熱心になりすぎて「これは犬!これは猫!これはネズミ!これは新幹線!」と次々に教えるのは、お子さんにとってストレスになりますし、何より教える側の大人も大変です。

一番大事なのは、大人も子供も楽しみながら言葉を学べる環境を意識すること。大人も一緒に、そして何よりお子さんが楽しみながら学ぶことで、自然に言葉が身についていきます。

ぜひ、日常生活の中に楽しい学びの瞬間を取り入れてみてください。

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