オレオとは|発祥起源や日本での歴史、そして食べ方・楽しみ方

目次

オレオとは

オレオは、世界中で広く知られ、多くの人々に愛されているクリームサンドクッキーです。

その最も大きな特徴は真っ黒なココアビスケットと、その間に挟まれた真っ白なクリームの鮮やかなコントラストにあります。

オレオのビスケットは、ココアパウダーをふんだんに使用することで、独特のほろ苦さと深いコク、そして印象的な黒い色合いを生み出しています。一方、サンドされているクリームは甘くまろやかな味わいです。

このビスケットのほろ苦さとクリームの甘さの絶妙なバランスが、オレオならではの美味しさを作り上げています。

オレオの食べ方・楽しみ方

オレオはそのままでも十分に美味しいクッキーですが、少し工夫するだけで様々な味わいや食感を楽しむことができます。

定番の食べ方から驚きのアレンジレシピまで、オレオの魅力を最大限に引き出す楽しみ方を詳しくご紹介します。

そのまま味わう

まずは、袋から出してそのまま食べる、最もシンプルな方法です。サクサクとしたほろ苦いココアビスケットと、甘く滑らかなクリームの絶妙なバランスをダイレクトに感じることができます。オレオ本来の味をじっくりと味わいたい時におすすめです。

ひねって、なめて、食べる (Twist & Lick)

これはオレオの食べ方として最も象徴的な方法の一つです。

  1. ひねる (Twist): オレオの両側のビスケットを持ち、反対方向にゆっくりとひねって二つに分けます。どちらのビスケットにクリームが多く残るか、ちょっとした運試し気分も味わえます。
  2. なめる (Lick): ビスケットについた白いクリームだけを先に舐めて楽しみます。クリームの濃厚な甘さを存分に堪能できます。
  3. 食べる: クリームを舐め終わったビスケット、またはクリームがついていない方のビスケットを最後に食べます。

この一連の動作は、食べる動作そのものを楽しむことができ、子供から大人まで多くの人に親しまれています。

牛乳にダンク! (Dunk in Milk)

オレオと牛乳の組み合わせは、まさに王道中の王道です。

ほんの数秒だけ浸すと、ビスケットの表面が少し柔らかくなり、中はサクサク感が残ります。

牛乳に数秒~十数秒しっかり浸すと、ビスケット全体がしっとりと柔らかくなり、口の中でとろけるような食感に変化。クリームも牛乳と混ざり合い、ミルキーな味わいが増します。

普通の牛乳だけでなく、低脂肪乳、濃厚な牛乳、豆乳、アーモンドミルクなど、使うミルクを変えることで、また違った風味の組み合わせを発見できます。

指が牛乳に浸かるのを避けたい場合は、フォークでオレオを刺して浸したり、専用のダンク用トングを使ったりするのも良いでしょう。

オレオに合う飲み物

オレオと一緒に飲むとおいしさがさらに広がる飲み物は、牛乳だけではありません。

いろいろな飲み物と合わせて楽しむことで、オレオの新しい魅力を発見できます。

コーヒーと合わせる

ブラックコーヒー(砂糖もミルクも入れないコーヒー)は、苦味が強い飲み物です。オレオの甘さとココアビスケットのほろ苦さが、この苦味とよく合います。口の中で甘さと苦さがバランスよく広がるので、大人にも人気の組み合わせです。

また、カフェラテやカプチーノのように、ミルクがたっぷり入ったコーヒーと一緒に食べるのもおすすめです。ミルクのやさしい甘みが、オレオのクリームと相性ぴったりで、ほっとする味わいになります。

紅茶と合わせる

紅茶にもいろいろな種類があります。ストレートティー(ミルクや砂糖を入れない紅茶)は、すっきりとした後味で、オレオの甘さを引き立ててくれます。

ミルクティー(紅茶に牛乳を加えたもの)とオレオを合わせると、まろやかな味わいが広がり、クリーミーなオレオの味ととてもよく合います。甘いものが好きな人には特におすすめです。

ホットチョコレートと合わせる

寒い日には、あたたかいホットチョコレートとオレオの組み合わせもぴったりです。ホットチョコレートにオレオを少し浸して食べると、ビスケットがしっとりして、とろけるような口あたりになります。まるで、特別なデザートを食べているような贅沢な気分が味わえます。

オレオをイベントやデコレーションに活用

オレオは、見た目もかわいく、アレンジしやすいお菓子です。

イベントやパーティーで使うとテーブルがパッと華やかになります。

ケーキやカップケーキの飾り付けに

市販のケーキや手作りカップケーキに、オレオを丸ごと乗せるだけで、一気におしゃれな見た目になります。

さらにオレオを手で小さく砕いて、ケーキの上にふりかけるだけでも豪華な仕上がりに変身します。

砕いたオレオはチョコレートケーキやチーズケーキなど、どんな種類のケーキともよく合うのでとても便利です。

季節イベントのスイーツ作りに

ハロウィンには砕いたオレオを「土」に見立てたデザートが人気です。

たとえばプリンやムースの上にオレオをふりかけて、お墓のチョコレートプレートやおばけのマシュマロを飾ればハロウィンらしいスイーツが完成します。

また、ホワイトチョコペンでオレオに目を描けばモンスター風のかわいいデコレーションも作れます。

クリスマスには、砕いたオレオをケーキの飾りに使って、雪が積もったツリーやリースのようにデザインすることもできます。

カラフルなチョコスプレーやアラザン(銀色の小さな丸い砂糖菓子)を一緒に使うとさらに華やかになりますよ。

オレオを使った手作りアレンジスイーツ

オレオはそのままでも美味しいですが、お菓子の材料としても非常に優秀です。

砕いたり、混ぜ込んだり、飾ったりするだけで、いつものスイーツが格段にレベルアップします。

オレオチーズケーキ

砕いたオレオをバターと混ぜて土台(クラスト)にし、クリームチーズ生地を流し込んで作るチーズケーキは、濃厚で満足感たっぷり。

レアチーズケーキ

ゼラチンなどで冷やし固めるタイプ。オレオのザクザク感と、ひんやり滑らかなチーズ生地のコントラストが楽しめます。

ベイクドチーズケーキ

オーブンで焼き上げるタイプ。香ばしく焼けたオレオと、濃厚なチーズの風味がたまりません。生地の中に砕いたオレオを混ぜ込んだり、焼き上がりに丸ごとトッピングしたりするのも人気です。

オレオマフィン

ホットケーキミックスを使えば、思い立ったらすぐに作れるオレオマフィン。生地の中に砕いたオレオを混ぜ込むと、どこを食べてもオレオの風味が楽しめます。

マフィンの上に丸ごと、または半分に割ったオレオを乗せて焼くと、見た目も可愛らしく、サクサクとした食感がアクセントになります。チョコレート生地や抹茶生地のマフィンにアレンジするのもおすすめです。

オレオアイスクリーム(クッキー&クリーム)

もはや定番フレーバーとなったクッキー&クリームアイスも、お家で簡単に作れます。

市販のバニラアイスクリームを少し柔らかくして、砕いたオレオを混ぜ込むだけで完成!

オレオの砕き方を粗めにするとザクザク食感が、細かくするとアイス全体に風味が馴染みます。

もちろん、手作りアイスクリームのベースに混ぜ込んでも絶品です。

オレオブラウニー

チョコレート好きにはたまらないブラウニーにも、オレオは相性抜群。

濃厚なチョコレートブラウニー生地に、砕いたオレオを混ぜ込んで焼いたり、生地の上にオレオを並べて焼いたりします。

しっとりとしたブラウニーと、オレオの食感・風味が加わり、さらにリッチな味わいになります。

オレオトリュフ

プレゼントにもぴったりの可愛いトリュフも、オレオを使えば驚くほど簡単に作れます。

細かく砕いたオレオとクリームチーズをよく混ぜ合わせ、小さく丸めて冷蔵庫で冷やし固めます。

溶かしたチョコレートでコーティングし、乾かせば完成。

お好みでさらに砕いたオレオやナッツをトッピングしても良いでしょう。

オレオシェイク・フラッペ

暑い日には、オレオを使った冷たいドリンクがおすすめです。

牛乳(または豆乳)、アイスクリーム(バニラが定番)、オレオ、氷をミキサーにかけるだけで、カフェで出てくるような美味しいオレオシェイク(フラッペ)が簡単に作れます。

ホイップクリームやチョコレートソースをトッピングすれば、さらに豪華になります。

オレオの発祥起源

オレオは100年以上の長い歴史を持つお菓子です。

その起源はアメリカにあり、日本でも独自の展開を経て、多くの人々に親しまれるようになりました。

アメリカでの誕生 – 1912年

オレオが最初に誕生したのは、1912年のアメリカです。

ナショナルビスケット社(National Biscuit Company、現在のナビスコ Nabisco)によって製造・販売が開始されました。

原型は「ハイドロックスクッキー」

興味深いことに、オレオの誕生には先行する類似商品が存在したと言われています。

1908年にサンシャインビスケット社(Sunshine Biscuits)が発売した「ハイドロックスクッキー(Hydrox)」がそれにあたり、オレオはこのハイドロックスクッキーの模倣品、あるいは影響を受けて開発されたという説があります。

ハイドロックスクッキーも、チョコレート風味のビスケットでクリームをサンドした形状でした。

日本での展開の始まり – ヤマザキナビスコ時代

日本においてオレオ、およびその前身となる商品が登場したのは、山崎製パンとアメリカのナビスコ社が業務提携して設立した「ヤマザキナビスコ株式会社」(現・ヤマザキビスケット株式会社)によってでした。

初期の商品「ナビィ」と「オレオスイス」

ヤマザキナビスコは、まず1971年(昭和46年)に「ナビィ」という名前のクリームサンドビスケットを発売しました。

翌年の1972年(昭和47年)には、「オレオ」ブランドのビスケットと、バニラ風味のビスケット「スイス」を組み合わせた「オレオスイス」という商品を発売しました。

しかし、「ナビィ」および「オレオスイス」は、いずれも1970年代後半には販売を終了しています。

日本における本格的な普及 – 1987年の再発売

日本の市場で「オレオ」が広く知られ、定番商品として定着するきっかけとなったのは、1987年(昭和62年)のことです。

ヤマザキナビスコが、改めて「オレオ」という商品名でクリームサンドクッキーを発売しました。

この再発売されたオレオは、多くの消費者に受け入れられ、その後30年以上にわたって販売され続けるロングセラー商品となりました。

日本におけるオレオの歴史を語る上で、この1987年は重要な起点とされています。

日本におけるオレオの歴史

長年ヤマザキナビスコによって販売されてきた日本のオレオですが、2016年に大きな転換点を迎えます。

ライセンス契約の終了と販売権の移行

2016年をもって、ヤマザキナビスコ(当時)とナビスコブランドのライセンス元であるモンデリーズ・インターナショナルとのライセンス契約が終了しました。

モンデリーズ・ジャパンによる販売継承 (2016年〜)

ライセンス契約終了に伴い、日本における「オレオ」の製造・販売権は、モンデリーズ・インターナショナルの日本法人である「モンデリーズ・ジャパン株式会社」に引き継がれました。

これにより、2016年9月以降、日本で販売されるオレオはモンデリーズ・ジャパンが供給するものとなり、生産国も変更されました(一部商品は国内製造の場合あり)。

ヤマザキビスケットによる後継商品「ノアール」

一方、ヤマザキナビスコは社名を「ヤマザキビスケット株式会社」に変更しました。

そして長年培ってきたビスケット製造のノウハウを活かし、オレオの後継ともいえる新しいクリームサンドクッキー「ノアール(Noir)」を開発・発売しました。

ノアールとは

「ノアール」は、オレオと同様に、黒いココアビスケットで白いクリームをサンドした形状をしています。

ヤマザキビスケットは、オレオの製造で培った技術を基に、独自の風味や食感を追求してノアールを開発しました。

現在もヤマザキビスケットの主力商品の一つとして販売されており、日本の消費者に親しまれています。

「オレオ」の名前の由来にまつわる諸説

「オレオ(Oreo)」という特徴的な名前の由来については、いくつかの説が存在しますが、公式に確定されたものはありません。

主な説としては以下のものが挙げられます。これらの説はいずれも興味深いものですが、真偽のほどは定かではありません。

フランス語「金 (or)」説

一つは、初期のオレオのパッケージデザインが金色(ゴールド)を基調としていたことから、フランス語で「金」を意味する「or(オール)」に由来するという説です。

高級感や品質の高さを表現しようとしたのかもしれません。

ギリシャ語「美しい/素晴らしい/よくやった (oreo)」説

別の説として、ギリシャ語の「oreo(オレオ)」が語源であるというものがあります。

この言葉には、「美しい」「素敵な」「素晴らしい」、あるいは「よくやった」といった肯定的な意味が含まれています。

商品の魅力や完成度の高さを表現したネーミングと考えられます。

ギリシャ語「山 (ores)」説

さらに、試作品の開発段階で、ビスケットが山のように積み上げられた様子から、ギリシャ語で「山」を意味する「ores(オレス)」が転じて「オレオ」になったという説もあります。

開発の苦労や、完成した商品の豊富さを物語るエピソードとして語られています。

オレオがもたらした影響

食品において「黒」という色は、食欲をそそる色として認識されにくい傾向がありました。

しかし、オレオの真っ黒なビスケットが広く受け入れられ、「美味しい」と認識されるようになったことで、黒い食品に対するイメージが変わる一助となりました。

オレオの成功は、食品の色に対する既成概念を打ち破り、味覚文化の多様性を広げる上で貢献したと言えます。

また、オレオの独特な風味、特にココアビスケットのほろ苦さとクリームの甘さの組み合わせも、多くの人々にとって新しい味覚体験となりました。

また、前述のような独特の食べ方が広まったことも、食の楽しみ方を多様化させる一因です。

多様化するオレオの世界

発売から100年以上が経過した現在も、オレオは進化を続けています。

オリジナルの味だけでなく、様々なバリエーション展開や、他の食品とのコラボレーションを通じて、新たな魅力を発信し続けています。

様々なフレーバーとバリエーション

定番のオリジナルフレーバーに加え、世界各国で、また日本国内でも様々な味のオレオが登場しています。

  • チョコレートコーティング: ビスケット全体をチョコレートで覆ったタイプ。
  • フレーバークリーム: ミント、ストロベリー、チョコレート、ピーナッツバターなど、クリームの味が異なるタイプ。
  • 薄型タイプ: 通常より薄い「オレオ クリスピー」などのシリーズ。
  • サイズバリエーション: 一口サイズの「オレオ ビッツサンド」など。
  • 季節限定フレーバー: 桜風味、抹茶風味、ハロウィン向けなど、期間限定で特別な味のオレオが登場することもあります。

これらの多様なバリエーションは、消費者を飽きさせず、常に新しい発見を提供しています。

まとめ

オレオは、1912年にアメリカで誕生して以来、1世紀以上にわたって世界中で愛され続けている稀有なお菓子です。

日本においても、1987年の本格的な再発売以降、ヤマザキナビスコ(当時)の手によって長らく親しまれ、2016年以降はモンデリーズ・ジャパンがその販売を継承し、今なお多くのファンを持つ定番クッキーとしての地位を確立しています。

その成功の理由は、単に美味しいだけでなく、黒いビスケットと白いクリームという記憶に残る特徴的なビジュアル、ほろ苦さと甘さの絶妙なコンビネーション、「ひねって、なめて、浸して」といった食べる楽しみ、そして時代に合わせて進化する多様なバリエーション展開にあると言えるでしょう。

これからもオレオは、新しいフレーバーや楽しみ方を提供し続け、世代を超えて多くの人々に愛され続けることでしょう。

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