ピノの意味は「松ぼっくり」|名前の由来や歴史を大解剖

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目次

「ピノ」とは

ピノは、森永乳業1976年から製造・販売している一口サイズのアイスクリームです。

日本のコンビニエンスストアやスーパーマーケットの冷凍ケースには、様々なアイスクリームが並んでいます。

その中でも、ピノは長年にわたり日本の多くのアイスクリーム消費者に親しまれているロングセラー商品です。

ピノは、一口サイズのバニラアイスクリームチョコレートでコーティングした独特の形状をしています。

ピノの形をよく見てみると、完全な球体ではなく、やや平らな面がある台形に近い形をしています。

この丸みを帯びた台形のデザインは、手で持ちやすく、見た目にも親しみやすい印象を与えます。

ピノの製造メーカーは森永乳業

ピノという商品は、森永乳業という日本の乳製品メーカーが製造・販売しています。

森永乳業は牛乳やヨーグルトチーズなど、様々な乳製品を生産している企業です。

日本の食卓に馴染み深い企業の一つとして知られています。

ピノの発祥起源|1976年に誕生

ピノが初めて店頭に並んだのは1976年のことでした。

この発売年は、今から約50年近く前になります。

当時の日本は高度経済成長期を経て、人々の生活が豊かになっていました。

様々な新しい食品が次々と登場していた時代です。

そうした時代背景の中で、ピノは一口サイズという新しいスタイルを持つアイスクリームとして誕生しました。

ピノの名称の由来|イタリア語で「松ぼっくり」

「ピノ」という名前は、実は日本語ではありません。

「ピノ」という名前は、イタリア語の「pigna」(ピーニャ)に由来しています。

この言葉は「松ぼっくり」を意味します。

松ぼっくりは、松の木にできる実のこと。丸みを帯びた形状に、規則正しく鱗のような部分が並んでいる自然の造形物です。森永乳業がこのイタリア語を商品名に選んだのは、ピノの形状がこの松ぼっくりを思わせるデザインになっているためだとされています。

ピノを作る独自の製造技術

バニラアイス

ピノの中心部分は、バニラ味のアイスクリームでできています。

バニラアイスクリームは、牛乳や生クリームなどの乳製品砂糖を加え、バニラという植物から取れる香料で風味をつけて作られるものです。

このアイスクリームが、口に入れやすい大きさに成形されています。

チョコレートコーティング

アイスクリームの外側は、チョコレートで均一に覆われています。

アイスクリームチョコレートでコーティングする作業は、実は技術的に難しいものです。

アイスクリームは非常に冷たく凍っている状態です。

一方、チョコレートは温かい液体状にしないと、食品の表面を均一に覆うことができません。

冷たいアイスクリームに温かいチョコレートをかけると、温度差によってチョコレートがうまく固まらなかったり、アイスクリームの表面が溶けてしまったりする可能性があります。

森永乳業は、この温度管理と速度の調整によって、アイスクリームの品質を損なうことなくチョコレートで包む技術を開発しました。この技術は、後の商品開発にも活かされています。

チョコレートコーティングの二つの役割

このチョコレートのコーティングは、味だけでなく、商品の品質を保つ役割も持っています。

チョコレートの層が外側にあることで、アイスクリームが外気に直接触れることを防ぎます。

チョコレートの殻が断熱材のような働きをすることで、中のアイスクリームの温度上昇を遅らせることができます。

これにより、アイスクリームが溶けにくく、美味しさを長く保つ工夫が施されています。

ピノの「手を汚さない」食べ方

パッケージに付属する爪楊枝

ピノは、食べる人の利便性を考えた設計がされています。

ピノのパッケージを開けると、小さな爪楊枝が入っています。

爪楊枝とは、木や竹などで作られた細い棒状の道具です。

ピノの場合は、この爪楊枝を刺して持ち上げ、食べるための道具として付属しています。

爪楊枝を使うメリット

手で直接アイスクリームを持つと、体温で溶けたアイスクリームが手に付くことがあります。

また、チョコレートが手の温度で溶けて指が汚れてしまうことがあります。

爪楊枝を使うことで、こうした問題を避けることができます。

爪楊枝を使うことで、食べ終わった後に手を洗う必要がありません。

すぐに手を洗えない外出先や車の中など、様々な環境でアイスクリームを食べたい時に便利な設計です。

ピノのブランド名称の変遷

ピノは、長い歴史の中でブランド名が変化してきました。

森永pino→富士pino→エスキモーpino→森永pino

ピノが誕生した1976年の発売当初は、「森永pino」という名称で販売されていました。

その後、一時的に「富士pino」という名前に変更されました。

そして1979年からは「エスキモーpino」として販売されるようになります。この名称は、30年以上にわたって非常に長い期間使われ続け、多くの消費者に親しまれました。

しかし、後に「エスキモー」というブランド自体が廃止されることになりました。それに伴ってピノの名称も変更され、現在では発売当初と同じ「森永pino」という名前に戻されて販売されています。

エスキモーというのは、当時森永乳業が使用していたアイスクリームのブランド名の一つでした。

ピノの技術が応用された関連商品

ピノの製造で培われた技術は、同社の他の商品に生かされています。

森永乳業は、ピノの製造を通じて、アイスクリームチョコレートでコーティングする技術を確立しました。

この技術は、同社のその後の商品開発の基盤となりました。

「PARM(パルム)」が2005年に誕生

ピノで確立した技術を応用し、さらに発展させることで、2005年に「PARM」(パルム)という新しいアイスクリーム商品が発売されました。

パルムは、ピノとは異なり棒状のバータイプのアイスクリームです。

しかし、やはりアイスクリームチョコレートでコーティングするという基本構造を持っています。

ピノの市場での地位と継続性

6メガブランドの一つ

ピノは、長年にわたり日本の多くのアイスクリーム消費者に支持されてきました。

日本のアイスクリーム業界には、「6メガブランド」と呼ばれる主要な商品群が存在します。

メガブランドとは、非常に大きな市場シェアを持ち、多くの消費者に認知されている主要なブランドのことを指します。

ピノはこの6メガブランドの一つに数えられています。

40年以上のロングセラー商品

ピノは1976年の発売から40年以上が経過した現在でも、安定した販売を続けています。

一つの商品が数十年にわたって市場で支持され続けることは、容易なことではありません。

ピノが長く愛され続けている背景には、複数の世代にわたって受け入れられてきたという事実があります。

子供の頃にピノを食べた人が大人になり、今度は自分の子供のためにピノを購入するという、多世代にわたる購入の循環が生まれているためです。

ピノのフレーバー展開

ピノは基本的にバニラ味のアイスクリームチョコレートでコーティングした商品です。この定番の味が、商品の中心的な存在となっています。

これまでに、定番のバニラ味に加えて様々な味のバリエーションが販売されてきました。

たとえば、抹茶味、ストロベリー味、キャラメル味といった異なる風味のアイスクリームを使ったピノが、期間限定で販売されたことがあります。

こうした味の展開により、いつも同じ商品を買っている消費者にも新しい体験を提供します。

新しいフレーバーの登場は、商品を継続的に話題にする効果も持っています。

ピノのブランド戦略

森永乳業は、ピノというブランドを長期的に維持していくために、様々な工夫を続けています。

その一つがパッケージデザインの更新です。

商品の外箱のデザインは、消費者が店頭で商品を選ぶ際の第一印象を左右するため、時代に合わせてデザインを見直す配慮がなされています。

また、広告やプロモーション活動を通じて、新しい世代の消費者にもピノの存在を知ってもらう取り組みも行われています。

ピノという商品は、食べやすい形状、品質を保つための技術、時代に応じた味の展開といった多くの配慮が積み重なって、現在も日本の家庭で親しまれています。

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