【完全解説】サルミアッキとは何か?|どんな味・食感・臭い・形・大きさ

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目次

サルミアッキとは

サルミアッキは、フィンランドをはじめとする北欧諸国で広く食べられている黒いです。

日本では「世界一まずいとして話題になり、その独特すぎる味わいから、一度食べたら忘れられない衝撃的な存在として知られています。

近年は、フィンランド旅行帰りのお土産としてもブームになっていますが…

「少なくともその存在を知らない人が突然口にしたら、どんな悪い冗談か、はたまた『私はあの人に憎まれているのか……』と疑ってしまう危険もあるので、手渡す際の前置きやアフターケアは欠かせない」

とまで言われています。

それでもフィンランドを訪れた観光客の多くが、現地の人に連れられてサルミアッキ専門店を訪れます。

サルミアッキの味

日本人の意見

  • トイレ臭い:「後味がトイレ臭いような気がしてきました」
  • 男性用便器の味: 「男性用便器にはねたおしっこが乾いたのを舐めた味という感じです」
  • 薬っぽい: 「鼻を近づけて匂いをかいでみると薬っぽく、食べると嫌な薬のような味がずーーーっと口の中に残り続けます」
  • 気とハッカ感: 「ミントのハッカ感と、気が一緒に飛び込んできました」
  • 自信がある不味さ: 「力強い不味さがある。自信がある不味さだ。溶ければ溶けるほど力を発揮してくる」
  • 中華のスパイ: 「中華屋の味わかる…中華のスパイス」

「臭い、しょっぱい、辛い、中華、出汁のよう…頭の中で具体的な味を思い描けないまま、食前の人々がひとしきり困惑している」とあるように、サルミアッキの味は人によって全く異なる表現がされます。

「死ぬまで味を知らずにいられるならその方がいいタイプの食べ物」という厳しい評価も存在しています。

「日本人の口にはちょっと合わない味だなという印象です」というのが大方の評価です。

一部で見られる前向きな意見

「海外の人が梅干しを食べたときみたいな、慣れないものを食べた時の違和感があるのかな。あ、でも慣れたらいける。ちょっとこれクセになる感じわかる」という意見もあります。

SNSでは「はじめて食べたときは激臭で違和感しかなかったサルミアッキが今はすっかり気に入ってウマイウマイ言って食べてる。好きになるプロセスは納豆やビールとかと同じなんだな」というコメントも見られます。

食感

サルミアッキの食感は、少し独特です。

種類によっては硬く仕上げられたものもあれば、グミのように柔らかいタイプもあります。

硬いタイプは噛むとカリッとした歯ごたえがあり、まるでのように割れる感覚があります。

柔らかいタイプは弾力があり、じわっと伸びるような食感です。

口の中で溶けていくうちに、強い味と刺激が広がります。

このしょっぱさは、化アンモニウムという成分によるものです。

形状

形は製品によってさまざまです。

もっとも多いのは丸型で、次いで小さな四角形や棒状のタイプがあります。

中には、星やハート、文字などをかたどったものもあります。

表面はツルツルと滑らかなものもあれば、ざらつきや凹凸があるタイプも見られます。

大きさ

大きさは一口で食べやすいサイズが一般的です。

丸いタイプの場合、直径はおよそ1センチ前後のものが多く、小粒タイプは数ミリ程度です。

棒状や大きめの形になると、3〜5センチほどの長さがあるものもあります。

メーカーや商品によってサイズに違いがあるため、パッケージで確認しておくと安心です。

サルミアッキを食べる国

サルミアッキはフィンランドを中心に、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、オランダ、北ドイツなどで食べられています。

フィンランドではスーパーマーケットやキオスクで必ず見かけるほど普及しており、「常に手元にないと禁断症状まで出てくる人もいるほど、日常のお供になってしまった」とされています。

一方で、日本のように北欧以外の地域では「世界一まずい」として認識されており、受け入れられにくい状況です。

サルミアッキの原材料

成分役割特徴
コリス抽出物甘味・風味甘草の根から抽出した成分
化アンモニウム味・特有の風味サルミアッキの名前の由来となった成分
砂糖甘味基本的な甘味料
増粘剤(E414)食感グミのような質感を作る
馬鈴薯澱粉食感でんぷん質による食感調整
グルコースシロップ甘味・食感柔らかさを保つ
光沢剤(E903)表面処理表面をサラッとさせる

サルミアッキの異質な味のベースになっているのは、実は欧米諸国では昔から好んで食べられている「リコリス菓子」です。

とても食べ物とは思えないほど真っ黒でつやつやしていて、甘ったるい漢方薬のような風味が後を引き、食べ慣れていない日本人にとっては、まずこの段階で好き嫌いが分かれます。

リコリス

正式名称をスペインカンゾウ(学名Glycyrrhiza glabra)といい、その名前は「甘い根」を意味するギリシャ語に由来しています。

地中海沿岸が原産地で、古くから薬草として用いられてきました。漢方では咳止めや喉の炎症改善として使われる「甘草湯」をはじめ、約7割の漢方薬に配合されています。

この甘草の根に含まれるグリチルリチンという成分は、ショ糖のおよそ150倍の甘味を持つとされています。

塩化アンモニウム

さらに、サルミアッキの主犯格と言うべき特有の成分が、っ辛くて鼻を突く刺激臭をもつ化学物質「化アンモニウム」です。サルミアッキに含まれる化アンモニウム含有量は70g/kg(約7%)とされています。

サルミアッキが黒い理由

実際サルミアッキの原材料である化アンモニウムは無色の白い粉です。

通常店で売っているサルミアッキはリコリスを加えて食べやすく作られています。

そんなリコリスキャンディーは炭を使い黒く着色されています。

黒色のサルミアッキのほうがよりおいしく感じると製菓工場でのテストで明らかになりました。

サルミアッキの名前の由来

言語呼び方意味
フィンランド語salmiakki化アンモニウム
スウェーデン語・デンマーク語・オランダsalmiak化アンモニウム
ノルウェー語salmiakk化アンモニウム
英語salty licorice辛い甘草
ラテン語(語源)sal ammoniac化アンモニウム

サルミアッキという名前は、ラテン語で化アンモニウムを意味する「sal ammoniac(サルアンモニアック)」に由来しています。つまり、名前そのものが主要成分を表しているわけです。

北欧周辺では化学物質としての化アンモニウム自体も同じ名前で呼ばれています。

サルミアッキの発祥起源

医療品としての起源

サルミアッキに含まれる化アンモニウムは本来肥料や医薬品として輸入されていたもので、今でもフィンランドの薬局では、喉の痛み止めとしての元祖「サルミアッキタブレット」が売られています。

数十年から数世紀に渡って薬局で使用されているもので、例としては咳止めの薬の不快な味を隠すために使用されてきました。

元々はパウダー状のものが小さなロール紙に詰められていたのですが、それがいつしか「トローチ」として固形状になったものが登場しました。

お菓子としての起源

1930年頃からサルミアッキはおやつ感覚で楽しむ嗜好品に姿を変えました。

サルミアッキのグミとして爆発的にフィンランドで人気になったのは意外にもそう遠くない1970年からです。

2000年に入り、「グミ」「」以外にも色々な種類のサルミアッキ味が登場したことにより、更に人気が高まり、サルミアッキの幅も広がりました。

サルミアッキを作っているFazer(ファッツェル)社は1891年に創業されたフィンランドを代表するお菓子メーカーで、中でもFazerのチョコレートはフィンランド土産の定番です。

決して初めからゲテモノ感を楽しむために作られたお菓子ではありません。

サルミアッキの主要メーカーと製品

Fazer社

フィンランドの大手食品メーカーFazer(ファッツェル)社は、サルミアッキの製造において最も有名な企業です。

Fazer社のサルミアッキ製品はすべてフィンランドのラッペーンランタで生産されています。

目玉のようなデザインのパッケージが特徴的で、40g入りの箱タイプが最も広く販売されています。

1891年に創業されたフィンランドを代表するお菓子メーカーで、チョコレートメーカーとしても知られています。中でもFazerのチョコレートはフィンランド土産の定番です。

Fazer社の主な製品

Fazer Salmiakki(オリジナル)最も有名な基本製品
Super Salmiakkiより強い味わい。何十年にもわたりフィンランド人に愛されている
Salmiakki Mix3種類のサルミアッキを組み合わせた製品(Strong Ruutusalmiakki、Soft Ruutusalmiakki、Super Salmiakki)
Tyrkisk Peberデンマーク発祥で1977年から販売。ペッパー風味の効いた辛い甘草キャンディ
Salmiakkisuklaaサルミアッキ入りのミルクチョコレート

Fazer社の製品は決して初めからゲテモノ感を楽しむために作られたお菓子ではありません。フィンランドでは伝統的な国民的お菓子として製造・販売されています。

その他の主要メーカー

サルミアッキはFazer社だけでなく、フィンランド国内の複数のメーカーが製造しています。ここでは代表的な3つのメーカーを紹介します。

Panda(パンダ)

Pandaはフィンランドで2番目に大きい製菓メーカーです。

Orkla Confectionery & Snacks(フィンランド)が製造しており、ヴァーヤコスキに工場と直売店があります。

様々なフレーバーの甘草菓子を製造しているブランドで、柔らかいタイプのリコリスが特徴です。

代表的な商品には「Panda Pepe Salmiakki」(サルミアッキ味のリコリスバー)や「Panda Lakupala Salmiakki」(柔らかいサルミアッキキャンディ)、「Panda Choco & Lakrits Salmiakki」(サルミアッキ入りチョコレート)などがあります。

Pandaのリコリスは「フィンランドの象徴的な国産リコリス」として知られています。

Halva(ハルヴァ)

Halvaは1960年から続くフィンランドの伝統的なサルミアッキブランドです。

「本物のサルミアッキの味 – 1960年以来のオリジナル・フィンランドのサルミアッキ」というキャッチフレーズで知られています。

より甘めの味わいが特徴で、ストロベリーやラズベリーなどのフレーバーも展開しています。

代表的な商品には「Halva Salmiakki Ruutu」(ダイヤモンド型のサルミアッキ)や「Halva Finnish Soft Salty Licorice」(柔らかい味リコリス)などがあります。

中程度の硬さで一口サイズのひし形ピースが特徴的です。

Sisu(シス)

Sisuは強い甘草味の小さな硬いキャンディを製造しているブランドです。

サルミアッキフレーバーも展開しており、フィンランド国内で広く販売されています。

Sisuという名前はフィンランド語で「忍耐力」「根性」を意味する言葉で、その名の通り強烈な味わいが特徴です。

サルミアッキの種類と派生商品

サルミアッキは、フィンランドを代表する独特な風味のお菓子として知られています。

一般的には「世界一まずい」として話題になることが多いですが、実際にはキャンディだけでなく、グミチョコレートアイスクリーム、さらにはお酒にまで派生した多彩なラインナップがあります。

その多くはリコリス(甘草)と化アンモニウムを組み合わせたもので、独特のしょっぱさと苦味を持っています。

好みが分かれる味ではありますが、その強烈な個性こそがフィンランド文化を象徴する一面といえるでしょう。

種類によって味の強さや香り、食感が異なるため、サルミアッキ初心者でも挑戦しやすい製品も存在します。

キャンディ・グミのバリエーション

製品タイ特徴
ハードキャンディ古くから親しまれている硬めのタイプ。しっかりした噛みごたえと強い味が特徴です。
ソフトキャンディやや柔らかめで食べやすく、口の中でゆっくり溶けていくタイプです。
グミもちもちとした弾力があり、リコリス独特の風味をより軽く楽しめます。
フィルド(詰め物入り)レモンやベリーなどの甘酸っぱいフレーバーが中に入ったタイプです。
パウダーコーティング外側にサルミアッキパウダーをまぶしたタイプで、最初のひと口から強烈な味が広がります。
ミントミントと組み合わせたタイプで、快感の中にしょっぱさが際立ちます。

サルミアッキの中でも最も身近なのがキャンディタイプです。伝統的なハードキャンディから、柔らかいグミタイプまで幅広く展開されています。

同じサルミアッキでも食感や風味の強さが異なります。中にはフィンランドの人でも「これは強すぎる」と敬遠するほど刺激が強いものもあり、現地の人にとってもやや上級者向けといえる味わいもあります。

チョコレート

フィンランドの有名メーカー、Fazer(ファッツェル)社からは、サルミアッキ入りチョコレートも登場しています。

代表的なのが、青いパッケージで知られる「Fazer Blue(ファッツェル・ブルー)」シリーズのミルクチョコレートです。

なめらかなチョコの甘さの中にサルミアッキの味と苦味が広がり、独特の対比を楽しめます。

アイスクリーム

フィンランドでは、サルミアッキ味のアイスクリームも人気があります。

開けると黒い色をしたアイスが現れ、その見た目のインパクトは抜群です。

味わいは、ほんのりとした甘さに強めの気、そして薬草のような風味が長く口に残ります。

好みは分かれますが、一度食べると忘れられない印象を残すデザートです。

リキュールとウォッカ

お菓子だけでなく、サルミアッキの風味をお酒に応用した製品もあります。

代表的なのが「Salmiakki Koskenkorva(サルミアッキ・コスケンコルヴァ)」というウォッカです。

フィンランドの伝統的な蒸留酒にサルミアッキを加えたもので、黒い液体と濃厚な甘み、そして強烈なしょっぱさが特徴です。

冷やして飲むと、より香りが際立ちます。

サルミアッキパウダー

サルミアッキはお菓子以外の用途にも使われています。

サルミアッキパウダーを使えば、パン生地に風味を加えたり、デザートや飲み物に混ぜたりすることも可能です。液体タイプのサルミアッキもあり、料理の隠し味に使う人もいます。

ただし、その風味は非常に強烈です。実際に天ぷらやお茶に加えてみたところ、「口に近づけただけでサルミアッキ特有の匂いが鼻を突き抜けた」「飲もうとしても香りが強すぎて難しい」という体験談もあります。

まさに“チャレンジ系”の食材として、話のネタにもなる存在です。

薬局で売られているサルミアッキ

サルミアッキはフィンランドではお菓子店だけでなく、薬局でも販売されています。

薬局で売られているタイプは、レトロな小箱に入った小粒のハードグミで、見た目はかわいらしいですが、味は非常に濃厚です。

スーパーで売られているものよりも化アンモニウムの刺激が強く、「薬のような味わい」と感じる人も少なくありません。

さらに上級者向けとして、1950年代のレシピを再現した「サルミアッキパウダー」も存在します。粉状になっているため、料理や飲み物に混ぜて使うこともできます。

サルミアッキに対する世界各国の反応

北欧

フィンランド国民的なお菓子。スーパーで棚の一列を占めるほど種類が豊富
スウェーデン広く親しまれている
デンマークTyrkisk Peberの発祥地
ノルウェー普通に販売されている
オランダ“zoute drop”として独自の文化がある

サルミアッキは主に北欧諸国で口にされることが多く、その他では一部のヨーロッパでも食べられることがありますが、フィンランドでは特にサルミアッキの消費が多く、そして身近にサルミアッキがある国です。

フィンランドでは小学校ないし、中学校でサルミアッキを作る化学の授業が絶対にあるほどです。

フィンランド人は幼い頃、学校の化学実験授業で作ったのは黒い色のものではなく、白い粉を作っていました。

それほどフィンランド人にとって身近な存在なのです。

日本

日本では「世界一まずいお菓子」として話題になりました。

旅行で来た方はもちろん、お土産を受け取った人や留学生が挑戦して「まずい!」となってるのは鉄板ネタです。

ちなみにフィンランド人にとっても有名になっています。外国人に食べさせると面白いぞ的な意味で。

日本でもわずかながら「サルミアッキ、不味くない」「何かに似てる味」という方もいらっしゃいますが、やっぱり多くの人は一度食べたら二度とお金を出してまで食べたいと思うことはないでしょう。

サルミアッキとシュネッケンの比較

共通点と相違点

スクロールできます
項目サルミアッキシュネッケン
製造国フィンランド(他の北欧諸国でも)ドイツ
主要メーカーFazer社などHARIBO社
形状小粒のキャンディ(ひし形が伝統的)渦巻き状のグミ
コリス(甘草)使用使用
化アンモニウム使用(約7%)不使用
主な特徴強烈な味とアンモニア臭タイヤのような独特の風味

サルミアッキと並んで「まずいお菓子」として知られるのが、ドイツのHARIBO社から販売されている「シュネッケン(Schnecken)」というグミです。

両者とも甘草(リコリス)という共通の原材料を使用していますが、サルミアッキには化アンモニウムが加わることで、より独特で強烈な味わいになっています。

両方を食べ比べた結果、サルミアッキの方が口に合わなかったという意見もあります。サルミアッキは初めから強烈な味とアンモニア臭が前面に出るため、より衝撃的に感じられるようです。

日本でのサルミアッキ入手方法

実店舗での購入

IKEAスウェーデン発祥の家具店IKEAのお菓子コーナーに「ソルティーフィッシュ」という魚の形をしたサルミアッキが置かれている
輸入雑貨店一部の輸入雑貨店で取り扱いがある
ヴィレッジヴァンガード期間限定で販売されることがある
ドン・キホーテ一部店舗で取り扱いがある

2023年以降、一般的なスーパーやコンビニでの取り扱いは非常に少なくなっています。実店舗での購入は難しい状況ですが、上記の店舗であれば比較的見つけやすいかもしれません。

オンライン通販

Amazon様々な種類のサルミアッキが購入可能。Fazer社の製品が中心
楽天市場複数の販売店がサルミアッキを取り扱っている
フィンランド雑貨専門通販サイトより多様な種類のサルミアッキを見つけることができる
海外の通販サイトFazer社の公式オンラインストアなど、一部日本への郵送も可能

オンライン通販が最も確実な入手方法です。Fazer社の40g入りの箱タイプが最も一般的で、価格は700円〜1,500円程度です。

サルミアッキ購入時の注意点

賞味期限通販サイトでは通常2〜3ヶ月以上先の商品が送られてくる
保存方法常温保存可能
内容量一般的な製品は40g入り
(小さな粒が複数個入っている)
種類の選択初めての場合は、マイルドな種類から始めることをおすすめ
(ただしマイルドでも日本人には十分衝撃的)

サルミアッキを初めて食べる人へのアドバイス

覚悟を決めよう予想外の味に驚かないよう、心の準備をしておく
少量から始めよう最初は1粒だけ試してみる
友人や家族と一緒にお互いの反応を楽しみながら食べると盛り上がる(ただし事前に警告すること)
水を用意しよう口直しのために飲み物を準備しておく
温度を調整しよう冷やすと硬く、常温だと柔らかくなる

サルミアッキはパーティーで大活躍!?

サルミアッキは日本でパーティー用の罰ゲームや話題作りに使われることも多いです。

参加者が一粒だけ食べて反応を見る、という遊び方が定番です。

初めての人には驚きが強く、笑いや盛り上がりのシーンとなることも。

渡すときは「一口で試してみてください」と声を添えるなど、軽い前置きを用意します。

アフターケアとして水だけでなく牛乳やヨーグルトを用意すると口内の刺激を和らげやすいです。また、息を整えるためのミントガムを用意しておくと親切です。

ただし、無理に食べさせると嫌な思いをさせる可能性があるため、事前に了承を得ることが大切です。

また、小さな子どもや妊婦、味に敏感な人には勧めない方が無難です。

量は一粒か二粒にとどめ、食べ合わせで更に強く感じることがある点にも注意します。

サルミアッキの栄養情報

栄養成分(100gあたり・Fazer社製品の例)

成分含有量
エネルギー275-320kcal
たんぱく質0-1.1g
脂質0-0.5g
炭水化物58-76g
糖質46g
相当量2.1-4.2g

サルミアッキは高カロリーで糖質が多いお菓子です。また、食相当量が比較的多いことにも注意が必要です。

サルミアッキは体に悪い?【注意事項】

注意すべき人

条件理由
高血圧の人グリチルリチンが血圧を上昇させる可能性がある
心臓病の既往歴がある人不整脈やうっ血性心不全のリスクが高まる
腎臓病の人化アンモニウムの影響を受けやすい
水分・分バランスに問題がある人症状が悪化する可能性がある
妊娠中・授乳中の女性胎児や乳児への影響が懸念される
利尿薬を服用している人低カリウム血症のリスクが高まる
高齢者低カリウム血症に対して特に敏感な可能性がある

グリチルリチンと血圧への影響

甘草(リコリス)に含まれるグリチルリチンという成分は、血液中のカリウム濃度を低下させる作用があります。

カリウムが減少すると、一部の人は不整脈、高血圧、浮腫(むくみ)、無気力、うっ血性心不全などの症状を経験することがあります。

アメリカの食品医薬品局(FDA)は、黒い甘草菓子に含まれるグリチルリチンについて警告を発しています。

40歳以上の人々、特に心臓病や高血圧の既往歴のある人々において、黒い甘草と健康問題との関連が複数の医学雑誌で報告されています。

妊娠中の摂取に関する注意

フィンランドの研究チームは、妊娠中の甘草摂取について複数の研究を発表しています。

妊娠中に大量の甘草を摂取した女性において、胎児に悪影響が及ぶ可能性が示されています。

妊娠中の甘草摂取は「発育中の子孫に害を及ぼす可能性がある」と報告されており、妊娠中および授乳中の女性には甘草ベースの製品は推奨されていません。

塩化アンモニウムの規制と警告表示

化アンモニウム含有量必要な警告表示
20g/kg以上「大人向け甘草 – 子供向け甘草ではありません」
44.9〜79.9g/kg「特に強い、大人向け甘草 – 子供向け甘草ではありません」
79.9g/kg超上記に加えて「過度の摂取は健康に有害な場合があります、特に腎臓疾患のある人は注意してください」

EUの規制では、サルミアッキキャンディには最大79.9g/kg(約7.99%)までの化アンモニウムが許可されています。

ドイツでは2022年10月から新しい規制が施行され、化アンモニウムの含有量に応じた警告表示が義務付けられています。

大量の化アンモニウムは代謝性アシドーシスやミネラルバランスの障害を引き起こし、吐き気や嘔吐などの症状が現れる可能性があります。

歯への影響

サルミアッキは粘着性があり、高い糖分を含んでいることが多いです。

粘着性により有害な細菌が歯に付着しやすくなり、虫歯の原因となる可能性があります。

さらに、高い糖分含有量は歯の腐敗のリスクをさらに高めます。

どれくらい食べても安全か

個人によってグリチルリチンへの反応が大きく異なるため、安全な摂取量を決定することは困難です。

一部の人は非常に敏感で、2週間に1回程度少量の甘草を摂取するだけで血圧が上昇し続けることがあります。

高血圧を専門とする医師は、甘草の影響についてよく知っており、継続的に甘草の摂取歴を確認することもあります。

フィンランドの高血圧治療ガイドラインでは、甘草について詳しく議論されており、高血圧患者には甘草の摂取を中止することが推奨されています。

サルミアッキのフィンランドでの位置づけ

サルミアッキは、フィンランドの文化を象徴する存在として広く知られています。

単なるお菓子ではなく、「生活の一部」として根付いており、日常生活の中で欠かせない存在とまで言われています。実際に、「手元にないと落ち着かない」「常に持ち歩いている」という人も少なくありません。

それほどまでに、フィンランド人にとってサルミアッキは特別な意味を持っています。

驚くことに、フィンランドでは小学校や中学校の授業でサルミアッキを作る実験を行うこともあります。化学の授業の一環として、化アンモニウムの働きを学ぶ題材に使われているのです。

幼い頃から身近にあるため、フィンランドの人々にとってサルミアッキは「懐かしい味」や「おふくろの味」のような存在として親しまれています。

文化の違いを知る

サルミアッキは、まさに食文化の違いを体現するお菓子です。

日本で言う納豆のように、フィンランドでは日常的に食べられています。現地の人々にとっては「子どもの頃から慣れ親しんだ味」であり、家庭や学校などさまざまな場面で自然と口にする機会があります。

一方で、初めて食べる外国人にとっては、強烈なしょっぱさと薬のような風味が衝撃的に感じられることも多いようです。「フィンランド人の友達に勧められて食べてみたけれど、正直おいしくはなかった」という声も少なくありません。しかし、フィンランドの人々にとってはこれがまさに「故郷の味」であり、安心感を覚える味でもあります。

サルミアッキは、寒い国で暮らす人々の生活に寄り添うお菓子です。リラックスしたい時やちょっとした間食として親しまれ、身体を温める意味も込められています。

このようにサルミアッキは、単なる珍味ではなく、文化や味覚の違いを理解する上での重要な手がかりとなります。「なぜこの味が愛されているのか」を知ることで、異なる文化への理解が深まり、世界の食の多様性を感じることができるでしょう。

なぜフィンランド人はサルミアッキが好きなのか

「なぜこのお菓子が人気なのか」という疑問を持つ人は多くいます。

実際、外国人にとっては強烈すぎる味に感じられることもありますが、フィンランドでサルミアッキが愛されている理由の一つは「幼少期から慣れ親しんでいること」にあるとも考えられています。つまり、味の刷り込みによって自然と受け入れられるようになっているのです。

「日本で言う納豆のようなもの」といえば分かりやすいでしょうか。日本人にとって納豆は小さい頃から食卓に並ぶ当たり前の食品であり、同じようにフィンランドの子どもたちもサルミアッキを通して“慣れ”を身につけていくのです。

とはいえ、面白いことに「フィンランドの子どもにサルミアッキは人気か?」という調査では、「いいえ」と答える子が多かったという報告もあります。つまり、最初は苦手でも、大人になるにつれてその味わいを理解し、徐々に好きになっていく人が多いようです。

サルミアッキは、子どものお菓子というよりも、大人の嗜好に近い“ acquired taste(後天的に好きになる味)”といえるでしょう。

フィンランド旅行でのサルミアッキ

現地では「せっかくフィンランドに来たからには一度は挑戦したい」と思う旅行者も多いようです。

しかし、実際に口にしてみると、「一度食べたらもう十分」と感じる人がほとんどです。

さまざまな角度から紹介されるサルミアッキですが、やはり日本人にとってはなかなか受け入れがたい味であるというのが正直なところです。

専門店に訪れる

フィンランドを訪れると、首都ヘルシンキにはなんと91種類ものサルミアッキを扱う専門のキオスクがあります。

店内ではサルミアッキを使ったドリンクアイスなども販売されており、その独特な味をさまざまな形で楽しめます。

サルミアッキが苦手な人でも、甘草(リコリス)だけを使ったお菓子も用意されているため、気軽に立ち寄れるスポットです。

お土産の定番

旅行者にとって、サルミアッキは定番のお土産のひとつになっています。

お土産として受け取った人や、留学生が挑戦して「まずい!」と驚く光景はフィンランドの“あるある”として知られています。

実はフィンランド人の間でも有名で、「外国人に食べさせると面白い」というちょっとしたジョークにもなっています。

サルミアッキを知らない人にいきなり渡すのは注意が必要です。何の説明もなく口にした人は、「これは冗談?」と戸惑ったり、「嫌われているのかも」と誤解してしまうこともあります。

手渡す際には、必ず一言説明を添えるのがマナーといえるでしょう。

まとめ

サルミアッキは、「世界一まずい」として日本では認識されていますが、フィンランドでは国民的なお菓子として親しまれています。もともとは咳止め薬として開発されたという歴史的背景、化アンモニウムと甘草という独特の原材料の組み合わせ、そして地域によって全く異なる受け入れられ方など、文化的な食の違いを象徴する存在です。

日本人にとっては「死ぬまで味を知らずにいられるならその方がいいタイプの食べ物」という評価が多数を占めますが、フィンランド人にとっては幼少期からの記憶と結びついた文化的なアイデンティティの一部です。健康上の懸念もあるため、特に高血圧や心臓病の既往歴がある人は注意が必要です。

「やっぱりサルミアッキは日本人のほとどが受け付けない味」ではありますが、「海外の人が梅干しを食べたときみたいな、慣れないものを食べた時の違和感」として理解すれば、異文化体験の一つとして楽しめるかもしれません。

ただし、無理に好きになる必要はまったくありません。

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