サルミアッキの味?うまいだろ?【正気かよ】(おいしい理由)
サルミアッキは、フィンランドで非常に人気のある伝統的なお菓子です。
その一方で「世界一まずい飴」とも評されるほど、味の評価が二極化することで知られています。
この記事のタイトルにあるように、サルミアッキの味を「うまい」と断言する人々は存在します。
なぜこれほど賛否が分かれるのか、その味覚の構造と、熱狂的な支持が集まる理由を客観的に分析します。
サルミアッキってうまいだろ?
サルミアッキは、個人の味覚経験や慣れによって評価が全く異なります。
好きな人にとってはたまらない味であり、苦手な人にとっては不快な刺激でしかありません。
「うまい」と感じる人がいる理由:中毒性のある風味
サルミアッキを好む人々は、その複雑な味のバランスを評価しています。
彼らが感じる魅力は、いくつかの要素で構成されています。
独特な「刺激」と「塩味」の調和
サルミアッキ特有の強い塩味は、甘さを引き立てるアクセントとして機能します。
これは、塩キャラメルやダークチョコレートの苦味が味全体を深めるのと似た効果です。
口の中に広がるピリッとした心地よい刺激も、サルミアッキ特有の中毒性につながっています。
幼い頃からの「懐かしの味」
フィンランドをはじめとする北欧諸国では、サルミアッキは幼い頃から親しまれている国民的なお菓子です。
現地の人々にとって、サルミアッキの味は単なるお菓子ではなく、幼少期の記憶と結びついた「懐かしの味」として認識されています。
この文化的な背景が、熱狂的な支持の土台となっている側面は大きいと言えます。
「まずい」と感じる人がいる理由:強烈な成分のインパクト
サルミアッキを苦手とする人々は、主にその主要成分から来る強烈な刺激に戸惑います。
違和感をもたらす成分の組み合わせ
サルミアッキの味の基礎となるのは、リコリス(甘草)の独特な風味です。
このリコリスに、強い塩気と刺激をもたらす塩化アンモニウムが組み合わされています。
この組み合わせが、慣れていない人にとっては「ゴムに塩と砂糖をまぶしたよう」と表現されるほどの違和感となります。
医薬品としての歴史が持つ風味
サルミアッキの塩化アンモニウムは、もともと去痰薬(痰を切りやすくする薬)として使われていた成分です。
この薬のような風味が、お菓子として受け入れられないと感じる人が多くいます。
慣れない味の強烈なインパクトが、拒否反応を引き起こす主な原因です。
サルミアッキの味を構成する二大要素
サルミアッキの味覚を客観的に理解するには、その二つの主要な要素について知ることが重要です。
リコリス(甘草)の独特な風味と香り
リコリスは、アジアからヨーロッパにかけて広く自生するマメ科の植物です。
その根には、グリチルリチンという強い甘みを持つ成分が含まれています。
サルミアッキのリコリスは、一般的な飴とは異なる、漢方薬やハーブのような独特の土っぽい風味と香りが特徴です。
塩化アンモニウムがもたらす「塩辛さと刺激」
塩化アンモニウムは、サルミアッキの味の鍵となる成分です。
通常の塩(塩化ナトリウム)とは異なる、非常に強い塩味と、舌や喉にピリピリとした刺激をもたらします。
この強い刺激が、サルミアッキの味を決定づけています。
近年では、この塩化アンモニウムによる味が「甘味、塩味、苦味、酸味、うま味」に続く「第6の味覚」ではないかとする研究も出てきています。
サルミアッキの楽しみ方と初めての挑戦への心構え
サルミアッキは、その味の是非に関わらず、世界中で話題になる存在です。
国民的お菓子としてのフィンランドでの位置づけ
サルミアッキは、フィンランドの人々にとっては欠かせない文化の一部です。
キャンディだけでなく、チョコレートやリキュール、アイスクリームのフレーバーとしても広く愛されています。
これは、日本の梅干しや納豆のように、外国人には理解されにくいが国民には深く根付いた食品と同じ位置づけです。
初めての人が試す際の心構え
サルミアッキを初めて試す場合は、心構えが必要です。
最初は、刺激の少ない「マイルド」と表記されたものを選びましょう。
また、いきなり噛まずに、ゆっくりと舌の上で溶かしながら味の変化を楽しむのが、上級者の楽しみ方です。
このユニークなお菓子を試すことは、単に「まずい」か「うまい」かを決めるだけでなく、文化的な体験となります。





