「爽」の種類(ラクトアイス)やカロリー|歴史・メーカー情報

1999年、ロッテから登場したカップアイス「爽(そう)」は、乳固形分3%以上のラクトアイスに微細氷を加える独自技術で、“シャリッと軽やか”な新食感を実現しました。従来の氷菓やアイスクリームとは異なるこの口あたりは、発売後瞬く間に人気商品に。カロリーも190mlあたり230kcalと控えめで、暑い季節にぴったりの清涼感を提供。その誕生から製造会社の変遷、バズを巻き起こしたキャッチコピーやマーケティング戦略まで、爽が教えてくれるヒット商品誕生の秘訣を詳しく掘り下げます。
爽とは
カップアイス「爽」は、1999年にロッテから発売された商品です。
「爽」は、乳固形分3パーセント以上を含むラクトアイスをベースに、独自の技術で微細な氷の粒を均一に混ぜ込んでいます。
商品名は「そう」と読み、食べた時の爽快感を直接的に表現したものです。
口に入れた瞬間のシャリシャリとした食感と、すっと溶ける口どけを両立させており、特に清涼感を求める消費者に向けて展開されています。
「爽」は発売以来、日本のカップアイス市場で定番商品の一つとして人気を博しています。
「爽」が分類されるアイスの種類
「爽」について理解を深めるには、まず日本におけるアイスの分類体系を知っておく必要があります。
「爽」は、日本におけるアイスの分類上、ラクトアイスという種類に分類されます。
日本のアイスの分類体系
| 種類別名称 | 乳固形分 | 乳脂肪分 | 主な特徴 |
| アイスクリーム | 15%以上 | 8%以上 | 最も乳成分が多く、濃厚な味わいです。 |
| アイスミルク | 10%以上 | 3%以上 | アイスクリームより乳成分が少なく、軽やかな口あたりです。 |
| ラクトアイス | 3%以上 | 規定なし | 乳固形分が比較的少なく、軽い食感となります。 |
| 氷菓 | 3%未満 | 規定なし | 乳成分がほとんど含まれないか少なく、かき氷やアイスキャンディーなどが該当します。 |
日本では食品衛生法に基づき、アイスは乳固形分の含有量によって明確に区分されています。
乳固形分が最も多い順に、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、そして氷菓という4つのカテゴリーが存在します。
「爽」が該当するラクトアイスの定義
「爽」はこの分類の中で、乳固形分3パーセント以上を含むラクトアイスに該当します。
ラクトアイスは、乳固形分や乳脂肪分の割合がアイスクリームやアイスミルクと比べて少ないため、比較的軽やかな味わいになることが一般的です。
ただし、「爽」は単にラクトアイスとして分類されるだけでなく、製造方法に独自の工夫が施されています。
「爽」のキャッチコピー
ロッテは「爽」の魅力を消費者に端的に伝えるため、「口溶けスッと爽快」というキャッチコピーを掲げました。
このフレーズは、微細氷がもたらす独特の口溶けと、食べた後のさっぱりした感覚を短い言葉で表現しました。
キャッチコピーは、商品の特徴を消費者に理解してもらう役割を果たしてきました。
「爽」の独特な食感の秘密
「爽」の食感は、口に入れた瞬間に微細な氷の粒が歯に当たってシャリシャリとした歯触りがある点が特徴です。
その直後、ベースのラクトアイス部分が舌の上でなめらかにスッと溶けていくことで、爽快感が広がります。
この二段階の食感が、「爽」の特徴的な口あたりを形成しています。
独自の微細氷混合技術
「爽」のシャリシャリ感は、ラクトアイスに微細な氷の粒を均一に混ぜ込むという独自の技術によって生まれます。
この製造方法により、なめらかなラクトアイスの中に細かな氷の粒が分散した状態が作り出されます。
製造工程において、氷の粒の大きさや分散の均一性は、食感に大きく影響を与えます。
氷の粒が大きすぎると食感が粗くなり、小さすぎると特徴的な歯触りが生まれません。
この微細氷の製造と混合の技術が、「爽」の口あたりを支えています。
従来の氷菓との食感の違い
この食感は、氷を主体とする従来の氷菓とは異なる性質を持っています。
氷菓は乳成分が少ないため、シャリシャリ感はあってもなめらかに溶ける感覚は生まれません。
一方、通常のラクトアイスはなめらかに溶けますが、微細氷がないためシャリシャリした歯触りはありません。
「爽」は、氷菓のシャリシャリ感とラクトアイスのなめらかな溶け方という、本来は別々のカテゴリーに見られる特徴を一つの商品内で実現しています。
「爽」(バニラ味)のカロリー
「爽 バニラ」 190ml 215~230kcal
(商品改良や季節限定品で変動)
「爽 バニラ」は、190ミリリットルの容量で販売されています。
カロリーは、190ミリリットルあたり215から230キロカロリーとなっています。
この数値は、商品改良や季節限定品によって多少変動する可能性があります。
カロリーが抑えられた理由
「爽」は、一般的なアイス類と比較して、約25パーセントカロリーが抑えられた設計となっています。
この理由は、製品に微細氷を多く含んでいることにあります。
氷は水分が凍ったものであり、カロリーを持ちません。
そのため、製品全体に占める氷の割合が多いほど、相対的にカロリーが低くなるという関係があります。
「爽」を製造・販売してきた企業の歴史
「爽」は1999年に誕生して以来、製造販売はロッテグループ内の企業で引き継がれてきました。
発売当初の担当企業「ロッテ」
「爽」は1999年に、菓子メーカーであるロッテから誕生しました。
当時のロッテは、ガムやチョコレートといった菓子製品だけでなく、アイスクリーム事業にも取り組んでおり、「爽」はその事業の一環として開発されました。
製造担当企業の変遷
1999年の発売当初以降、ロッテグループ内での事業再編により、製造担当企業が変わりました。
2002年に製造を担当したロッテスノー
2002年になると、ロッテグループ内の事業再編により、ロッテスノーが「爽」の製造を担当するようになりました。
ロッテスノーは、乳製品とアイスクリームの製造に関する知識と設備を持つ企業であり、この移管により製造体制が整備されました。
2010年以降の製造担当企業ロッテアイス
その後、2010年からは、アイスクリーム事業を専門とするロッテアイスが「爽」の製造を引き継ぎました。
これにより、「爽」はアイスクリーム事業の主力商品として、より戦略的に展開されることになります。
製造担当企業は変わりましたが、「爽」の基本的な特徴は一貫して維持されています。
「爽」発売から現在までの展開
「爽」は発売当初から、その斬新な食感が市場で反響を呼びました。
従来のアイスにはなかった爽快感が多くの消費者に受け入れられ、着実にファンを獲得していきました。
特に夏の暑い日には、その清涼感が選ばれる要因となり、消費者に定着しました。
現在では、基本のバニラ味に加えて複数のフレーバーが展開されており、季節限定品も定期的に発売されています。
こうした展開により、「爽」はロッテのアイス事業において主力商品の一つとして位置づけられ、カップアイスの定番商品となっています。
まとめ
カップアイス「爽」は、1999年の登場以来、その独自の食感と爽やかな味わいで、日本の氷菓市場に確固たる地位を築きました。
乳固形分3パーセント以上のラクトアイスに微細氷を混ぜ込むという技術が、シャリシャリ感となめらかな口どけを両立させています。
カロリーが抑えられた設計となっている点や、キャッチコピーによる的確な訴求も相まって、多くの消費者に支持され続けています。
製造担当企業は時代と共に変わりましたが、「爽」が提供する「シャリッとした爽快感」は、発売から20年以上にわたり継続的に提供されています。






