「トゥンワッフル」は、韓国で流行し、日本に上陸した新しいスタイルのワッフルです。その名前は「太っちょワッフル」という意味で、見た目の可愛らしさと食べ応えのあるボリューム感が特徴です。韓国の食文化の中で生まれたこのスイーツは、日本に伝わる過程で独自の進化を遂げ、多くの人々を惹きつけています。
トゥンワッフルとは
トゥンワッフルは、韓国で「太っちょ」や「ぷっくりした」を意味する「トゥン」とワッフルを組み合わせた造語です。この命名からも分かるように、従来は薄く焼かれることが多かったワッフルとは異なり、ふっくらと厚みのあるボリューム感のある外見が特徴です。
トゥンワッフルの発祥起源
トゥンワッフルは、近年の韓国の食文化における「キュートで可愛らしい食べ物」のトレンドから生まれました。
「トゥン」を冠するスイーツの共通点
実は、このような「トゥン」という名前を冠したスイーツは、ワッフルだけではありません。同様のコンセプトで作られた「トゥンカロン」というスイーツも存在します。こちらは「太っちょマカロン」という意味で、通常のマカロンよりもクリームをたっぷりと挟んだボリュームのあるマカロンを指します。これらのスイーツに共通するのは、従来のスイーツよりも「ぷっくり」とした見た目の可愛らしさと、食べ応えのあるボリューム感です。
トゥンワッフルの作り方と特徴
同じ「トゥンワッフル」という名前でも、韓国と日本では作り方や特徴に違いが見られます。
韓国オリジナルのトゥンワッフル
韓国で売られているオリジナルのトゥンワッフルは、サクサクとした軽やかな口当たりのワッフル生地を使います。この生地の間に、泡立てた生クリームやリンゴのジャムといったシンプルな具材を挟むのが一般的です。味わいはどちらかというと上品で控えめで、日本人が想像する「ボリューム満点のスイーツ」とは少し異なる印象です。
日本バージョンのトゥンワッフル
このトゥンワッフルが日本に伝わる過程で、興味深い変化が起こりました。日本では、韓国のオリジナルスタイルから大きくアレンジされた「日本バージョン」のトゥンワッフルが主流となっています。日本版はまず、顔ほどの大きさにまでワッフル生地が拡大され、見た目のインパクトが大幅に向上しています。
インスタ映えするトッピング
日本版のトゥンワッフルは、挟まれる具材も大きく進化しました。
韓国のシンプルなスタイルとは対照的に、日本では泡立てた生クリームはもちろんのこと、新鮮な果実やチョコレート、時にはアイスクリームまで、非常にボリュームたっぷりの具材が贅沢に挟まれています。この変化の背景には、日本特有の「インスタ映え」文化があると考えられます。SNSで写真を撮って共有することが当たり前になった現代の日本において、より視覚的にインパクトのあるスイーツへとアレンジされたのです。
このように、同じ「トゥンワッフル」という名前でありながら、韓国のオリジナルと日本版では、大きさも具材も大きく異なっています。これは食文化が国境を越えて伝わる際によく見られる現象で、それぞれの国の好みや文化に合わせて独自の進化を遂げることを示す興味深い例といえるでしょう。
トゥンワッフルの今後の展開
トゥンワッフルは、日本での展開がまだ発展途上といったところです。
韓国での普及状況
韓国でのトゥンワッフルの普及状況を見てみると、その人気の高さがうかがえます。韓国国内では、この種のワッフル専門店がすでに200店近くまで展開されており、しっかりとした市場を形成しています。この数字は、トゥンワッフルが韓国の消費者に深く受け入れられていることを物語っています。
日本上陸後の展望
2022年夏の時点では、主に東京の新大久保周辺の韓国カフェで味わうことができる程度でした。新大久保は日本最大のコリアタウンとして知られ、韓国の最新トレンドが最初に上陸する場所です。しかし、日本での本格的な普及に向けた動きも既に始まっています。韓国のワッフル専門店最大手「ワッフルカーン」が2021年に東京と大阪への進出を果たしたことで、トゥンワッフルの本格的な市場参入が始まりました。
まとめ
トゥンワッフルは、韓国で生まれた「ぷっくり」とした可愛らしいワッフルです。シンプルさが特徴の韓国版に対し、日本に上陸したトゥンワッフルは、見た目のインパクトと豪華なトッピングが加わり、独自の進化を遂げました。韓国での成功事例を考えると、日本でも大きな広がりを見せる可能性を秘めていると言えるでしょう。