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わたパチとは|綿菓子とパチパチ弾けるキャンディー

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わたパチとは

わたパチは、1988年に明治製菓(現在の株式会社明治)から発売された、綿菓子とパチパチ弾けるキャンディーを組み合わせたお菓子です。口に入れるとまず綿菓子が「ふわっ」と溶け、その後に隠されたキャンディーが「パチパチ」と弾ける、二段階のユニークな食感が最大の特徴でした。見た目は普通の綿菓子でしたが、食べた時の意外な驚きが子どもたちの間で大人気となり、グレープ、コーラ、メロンソーダなどのフレーバーで多くの人に親しまれました。残念ながら2016年に製造・販売が終了しましたが、その独特の体験は多くの人の記憶に強く残っています。

昭和から平成にかけて、多くの子どもたちを驚かせ、魅了し続けたお菓子の一つに「わたパチ」があります。一見すると普通の色付き綿菓子に見えますが、口に入れた瞬間に予想もしない驚きを与えてくれる、まるで魔法のような存在でした。

フレーバーの種類

わたパチのフレーバーは時代とともに様々なものが登場しました。中でも最も代表的だったのがグレープ味でした。その他にも、コーラ味メロンソーダ味ヨーグルト味など、子どもたちが大好きな味が次々と開発され、どの味も独特の色合いで視覚的にも楽しませてくれました。

当時の価格

当時の価格は1個30円から50円程度と、子どもたちのお小遣いでも手が届く駄菓子の範疇に収まっていました。そのため、多くの子どもたちが駄菓子屋やコンビニで気軽に購入することができました。

わたパチの発祥起源

発売年

わたパチは、現在の株式会社明治である当時の明治製菓が、1988年(昭和63年)に発売した画期的なお菓子です。

製造会社

明治製菓は、1926年に明治製菓株式会社として設立され、長年にわたりチョコレートビスケットスナック菓子など、数々の人気商品を世に送り出してきました。「チョコレートは明治」というキャッチコピーは、多くの人に親しまれてきましたね。菓子業界のリーディングカンパニーとして、常に新しいお菓子を開発し、子どもたちの心を掴んできました。わたパチも、そんな明治製菓の挑戦的な姿勢から生まれた商品の一つでした。

二段階の食感

この商品の最大の魅力は、その二段階の食感にあります。まず口に入れると、ふわふわの綿菓子が舌の上で「ふわっ」と溶けていきます。そして、綿菓子が溶けきったと思った瞬間、今度は中に隠されていたキャンディーが「パチパチ」と激しく弾け始めるのです。

当時の評判

この驚きの食感は、当時の子どもたちにとって衝撃的な体験でした。見た目はごく普通の色付き綿菓子なので、初めて食べる人は何の予備知識もなく口に入れることになります。そのため、突然始まるパチパチという刺激に、多くの子どもたちが目を丸くして驚いたものです。「何これ、口の中がすごい!」「パチパチする!」といった興奮の声が、駄菓子屋や学校の休み時間で聞かれました。この意外性こそが、わたパチが多くの人の記憶に深く刻まれた理由の一つでした。子どもたちの間で、わたパチを食べた時の驚きや感想を語り合うことが一種の流行のようになり、その人気はあっという間に広がっていきました。

わたパチがパチパチ弾ける仕組み

では、なぜわたパチの中のキャンディーはあのようにパチパチと弾けるのでしょうか。この現象の秘密は「ポッピングキャンディ」という特殊な製造技術にあります。

まず、通常のキャンディーと同じように砂糖などの原料を高温で溶かします。そこに高圧の炭酸ガスを吹き込み、そのまま急速に冷却して固めるのです。この過程で、キャンディーの内部には無数の炭酸ガスの細かい気泡が閉じ込められた状態になります。

口の中で弾ける原理

このキャンディーが口の中に入ると、体温と唾液によって徐々に溶け始めます。キャンディーが溶けることで、それまで固体の中に閉じ込められていた炭酸ガスが一気に放出されます。この時に発生する小さな爆発のような現象が、口の中での「パチパチ」という音と刺激を生み出すのです。まさに科学の力を利用した、子どもたちにとって魔法のような仕組みでした。

わたパチは販売が終了している

販売終了時期

わたパチは発売から約28年間という長期間にわたって愛され続けましたが、2016年8月末をもって製造・販売が終了となりました。

この発表は、わたパチを愛する多くのファンにとって大きなショックでした。特に、1980年代後半から2000年代初頭に子ども時代を過ごした世代にとって、わたパチは忘れることのできない思い出の味だったのです。

販売終了の理由

販売終了の理由について、明治からは公式な発表はありませんでした。しかし、一般的に長期間販売されていた商品が終了する背景には、いくつかの要因が考えられます。

  • 製造コストの上昇
  • 製造設備の老朽化
  • 消費者の嗜好や市場環境の変化
  • 原料調達の問題

わたパチの場合、製造に特殊な技術と設備が必要であったことも、継続的な生産の障壁となった可能性があります。炭酸ガスを高圧で注入し、急速冷却する工程は、通常のキャンディー製造とは大きく異なる専用設備を必要とします。こうした設備の維持管理費用や、技術を習得した作業員の確保なども、商品継続の判断に影響を与える要因となります。

販売終了後の反響

アニメ登場による話題

わたパチの人気がいかに高かったかは、販売終了後の反響からもうかがえます。2021年に放送されたアニメ「ましろのおと」の作中にわたパチが登場した際、SNS上で大きな話題となり、「わたパチ」がTwitterのトレンド入りするほどの反響がありました。

この時、多くの視聴者が「懐かしい」「また食べたい」といったコメントを投稿し、わたパチへの愛情の深さを示しました。

明治の異例の告知

この異例の反響を受けて、明治は公式ウェブサイトで「わたパチは2016年に販売を終了しております」という告知を掲載するという、企業としては珍しい対応を取りました。これは、問い合わせが殺到したことを物語っており、わたパチがいかに多くの人々の心に深く刻まれているかを示すエピソードでもあります。

再販を望む声

現在でも、明治の問い合わせ窓口には、わたパチの復活を望む声が継続的に寄せられているといわれています。これだけ長期間にわたって愛され続け、販売終了後も惜しまれている商品は決して多くありません。わたパチは、多くの人々の大切な思い出として記憶されています。

わたパチの代替品と類似商品

わたパチが手に入らなくなった現在、似たような食感を楽しめる代替商品がいくつか存在します。

パチパチパニック

明治産業株式会社が製造・販売している「パチパチパニック」があります。これは弾けるキャンディーとラムネ、ラムネ菓子を組み合わせた商品で、わたパチのパチパチ食感を部分的に再現しています。「お口の中が大さわぎ!」というキャッチコピー通り、口に含むとパチパチとした刺激を楽しむことができます。現在はコーラ味ソーダ味グレープ味の3種類が販売されており、わたパチのファンにとっては貴重な代替品となっています。

ポッピングシャワー

サーティワンアイスクリームの人気フレーバー「ポッピングシャワー」も、わたパチと同様の技術を使用した商品です。ミントとチョコ風味のアイスクリームの中に弾けるキャンディーが入っており、冷たいアイスクリームと温かい口の中の温度差によって、より一層激しいパチパチ感を楽しむことができます。

海外製パチパチキャンディ

ASMR動画の流行などの影響もあり、海外製の同様のポッピングキャンディも輸入雑貨店やネット通販で入手可能になっています。

わたパチの自作方法

それでも、わたパチを自宅で再現しようとする熱心なファンも存在します。市販の色付き綿菓子と、パチパチキャンディー(パチパチパニックなど)を購入し、それらを混ぜ合わせることで、わたパチに近い食感を楽しむことができます。

完全に同じ味わいを再現することは困難ですが、あの懐かしいパチパチ感を部分的に味わうことは可能です。インターネット上では、こうした手作りレシピや、様々なパチパチキャンディーを使ったアレンジレシピが数多く紹介されており、わたパチへの愛情の深さを物語っています。

駄菓子が生産終了する理由

駄菓子業界全体を見渡すと、わたパチのような長期間愛された商品が突然販売終了となるケースは決して珍しいことではありません。2022年11月には、老舗お菓子メーカーの佐久間製菓が廃業を発表し、映画「火垂るの墓」でも馴染み深い「サクマ式ドロップス」の生産が終了となりました。

佐久間製菓は廃業の理由として、コロナ禍による売上不振、原材料やエネルギー価格の高騰、従業員不足を挙げており、これらは多くの食品メーカーが直面している共通の課題でもあります。

人気商品であっても生産終了となってしまう背景には、様々な複合的な要因が存在します。

  • 原材料の供給停止
  • 生産工場の閉鎖
  • 製造コストの上昇
  • 競合他社による新製品の影響
  • ブランド戦略の変更
  • 製造技術の陳腐化
  • 需要の減少
  • 健康や環境問題への配慮
  • 販売店舗の減少

これら企業を取り巻く環境は常に変化しています。特に近年は、世界情勢の不安定化により原材料価格が急激に変動したり、パンデミックの影響で消費行動が大きく変化したりと、予測困難な要因も増加しています。

まとめ

わたパチが多くの人々に愛され続ける理由は、その美味しさだけではありません。それは、子ども時代の純粋な驚きと喜びを思い出させてくれる、特別な記憶として残っているからです。初めてわたパチを食べた時の驚き、友達と一緒に「パチパチするよ!」と言いながら食べた楽しさ、駄菓子屋で迷いながらも結局わたパチを選んだ記憶、そうした一つ一つの思い出が、わたパチを特別な存在にしているのです。

現代の子どもたちは、わたパチを知らない世代になりつつあります。しかし、インターネットやSNSを通じて、わたパチの存在を知り、「食べてみたかった」と感じる若い世代も増えています。これは、わたパチが持っていた独特の魅力が、時代を超えて人々を引きつける普遍的なものであることを示しています。

お菓子の歴史を振り返ると、時代とともに消えていく商品がある一方で、長く愛され続ける商品も存在します。わたパチは残念ながら前者となってしまいましたが、その記憶は多くの人々の心の中で生き続けています。そして、その記憶こそが、わたパチの最も価値ある遺産なのかもしれません。

もしかすると、将来的に技術の進歩や市場環境の変化により、わたパチが復活する日が来るかもしれません。または、わたパチにインスパイアされた新しいお菓子が登場し、新たな世代の子どもたちに同じような驚きと喜びを与えてくれるかもしれません。そうした可能性を期待しながら、私たちはわたパチの記憶を大切に保ち続けていくのです。

わたパチは、お菓子が食べ物だけではない意味を持つことを教えてくれた存在でした。その小さなパッケージの中に込められていたのは、驚きと喜び、そして何より子どもたちの笑顔だったのです。たとえ現在は手に入らなくても、わたパチが与えてくれた感動と思い出は、これからも多くの人々の心の中で、パチパチと弾け続けることでしょう。

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