【2026年1月】菓子市場の拡大要因と今後の展望
菓子市場の成長実績
2024年の生産金額と小売金額
| 項目 | 金額 | 前年比 | 記録 |
|---|---|---|---|
| 菓子生産金額 | 2兆7886億円 | 4.1%増 | 過去最高 |
| 小売金額 | 3兆8785億円 | 5.3%増 | 過去最高 |
全日本菓子協会が公表した2024年の菓子生産金額は前年比4.1%増の2兆7886億円、小売金額は同5.3%増の3兆8785億円と過去最高を更新した。この成長は価格改定による金額での成長側面があるものの、数量が大きく落ち込まなかった点が特徴となっている。
2025年から2026年の市場見通し
| 期間 | 状況 |
|---|---|
| 2025年1~10月 | 店頭データで成長基調を維持 |
| 2025年通年見通し | 4兆円突破が視野 |
| 2026年以降 | 成長継続の見込み |
KSP-POSによる2025年1月から10月の店頭データでも成長基調は変わらず、2025年の市場規模は4兆円突破が視野に入った。この勢いは2026年以降も継続するとみられる。
菓子が持つ情緒的価値
| 価値の種類 | 内容 |
|---|---|
| 食事代替 | 手軽で腹持ちが良い |
| 手頃なご褒美 | 自分へのプチ贅沢 |
| リラックス | 気分転換や癒やし |
| 生活のメリハリ | 日常の中の特別な時間 |
節約志向の中でも数量が大きく落ち込まなかったことは、菓子が生活者にとって必要な嗜好品となったことを示している。食事代替としての実用的価値と、情緒的価値の両面が市場を支えている。
世帯構造の変化と菓子の役割
2024年6月時点の世帯構成
| 世帯タイプ | 構成比 | 順位 |
|---|---|---|
| 単独世帯 | 34.6% | 1位 |
| 夫婦のみ世帯 | 24.7% | 2位 |
| 夫婦と未婚の子のみの世帯 | 24.1% | 3位 |
厚生労働省の調査では、2024年6月時点の最多世帯は単独世帯で34.6%となっている。続いて夫婦のみ世帯が24.7%、夫婦と未婚の子のみの世帯が24.1%となった。単独世帯が3割を超えている状況は、菓子市場の商品展開に大きな影響を与えている。
単身化による食行動の変化
| 変化の内容 | 詳細 |
|---|---|
| タイムパフォーマンス重視 | 調理時間をかけない傾向 |
| 個食の日常化 | 一人で食事を取る機会の増加 |
| 食のシームレス化 | デスクワーク中の「ながら食べ」など |
単身世帯と共働き世帯の増加や生活スタイルの変化によって、タイムパフォーマンスを重視する購買行動が浸透した。同時に、一人で食事を取る個食が日常化している。デスクワーク中の「ながら食べ」など食のシームレス化も進んでいる。
食事代替としての菓子の評価
腹持ちが良く手軽なスナックやビスケットはコストパフォーマンスの高さも評価され、食事代替として選ばれている。
商品パッケージの対応
| パッケージタイプ | 特徴 |
|---|---|
| 1人用サイズ | 食べきりやすい分量 |
| パウチ包装 | 簡便性に優れ喫食場所を選ばない |
こうした背景から、1人用サイズや簡便性に優れ喫食場所を選ばないパウチ包装の商品が多く投入され、支持を得ている。パッケージ形態の工夫によって、単身世帯のライフスタイルに対応した商品が増えている。
高齢化と菓子市場の構造変化
高齢者世帯の割合
| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 65歳以上がいる世帯 | 50.3% |
65歳以上がいる世帯は全体の50.3%に達している。日本の菓子市場は従来の「子どものおやつ市場」から「大人が日常的に楽しむ市場」へと重心が移っている。
現在のシニア層の喫食習慣
現在のシニア層は、ポテトチップスやクッキーが普及した時代を若年期に経験しており、和菓子中心だった従来の高齢者とは喫食習慣が異なることも市場成長に寄与している。この世代交代は、菓子市場の商品構成に影響を与えている。
シニア層向け商品の展開方向
| 商品タイプ | 訴求ポイント |
|---|---|
| プレミアムな商品 | 大人の嗜好に寄り添った品質 |
| 健康的価値を訴求した商品 | 栄養面や機能面での配慮 |
今後はより大人の嗜好に寄り添ったプレミアムな商品や健康的価値を訴求した商品の展開拡大が見込まれる。高齢化が進む中で、シニア層のニーズに応える商品開発が進んでいる。
国際化による市場拡大
在住外国人とインバウンドの状況
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 日本在住外国人 | 3年連続で増加 |
| インバウンド需要 | 2024年に最高記録 |
| 輸出額 | 2024年に過去最高を更新 |
日本在住外国人は3年連続で増加している。2024年に最高記録となったインバウンド需要増も市場成長を支える要素となっている。
国際的視点の開発ニーズ
| 対応項目 | 内容 |
|---|---|
| 宗教的配慮 | ハラル対応など |
| 多様な味覚対応 | 各国の嗜好に合わせた味付け |
宗教的配慮や多様な味覚対応など、国際的視点の開発ニーズの高まりも予想される。在住外国人やインバウンド客の増加により、日本の菓子メーカーは国内市場においても国際的な視点が求められるようになっている。
ジャパンブランドの海外展開
ジャパンブランドの確かな品質は土産物としての需要を押し上げ、2024年の輸出額も過去最高を更新した。地方メーカーから大手メーカーまで日本の菓子の多様性と品質の高さが世界に認められることで、海外市場のさらなる成長の期待も膨らんでいる。
商品戦略の二極化
大容量商品の展開
| 商品タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 大容量パック | 値頃感がある |
| 個装の大袋商品 | 分けて食べやすい |
菓子全体の傾向としては、値頃感ある大容量パックや個装の大袋商品が引き続き売場で存在感を示すことになる見込みとなっている。
ブランド戦略の両輪展開
| 戦略タイプ | 背景 | 対応商品 |
|---|---|---|
| 安価なロングセラーブランドへの回帰 | 節約志向からの手堅いおいしさを求める消費行動 | 既存の定番商品 |
| 既存ブランドから派生した付加価値商品 | 新しい価値提案へのニーズ | ブランド拡張商品 |
節約志向からの手堅いおいしさを求める消費行動によって、安価なロングセラーブランドへの回帰と既存ブランドから派生した付加価値商品の両輪戦略は長期化するとみられる。この二つのアプローチは相反するものではなく、消費者の異なるニーズに応える形で共存している。
カテゴリー別の動向
グミ市場の展開
| 展開内容 | 詳細 |
|---|---|
| 食感の多様化 | ソフト、ハード、形状、透明感など |
| 機能性商品の展開 | コラーゲンやビタミン配合 |
| 支持の広がり | 全世代で定着 |
| 情報拡散の手段 | SNSを通じた支持 |
引き続きグミが市場をけん引している。ソフト、ハード、形状、透明感など多様化する食感がSNSを通じて支持され、全世代で定着した。その勢いはますます加速しており、コラーゲンやビタミン配合といった機能性商品も新たなジャンルとして存在感を高めている。
キャンデー・タブレット・ガムの用途
| カテゴリー | 主な用途 | 市場状況 |
|---|---|---|
| キャンデー | エチケット、乾燥対策 | 安定基調 |
| タブレット | エチケット、乾燥対策 | 安定基調 |
| ガム | エチケット | 安定基調 |
キャンデーやタブレット、ガムはエチケットや乾燥対策用途で安定基調を維持している。これらのカテゴリーは従来から一定の需要があり、季節や流行に左右されにくい特性を持っている。
ビスケット市場の拡大要因
ビスケットはカカオショックでチョコレート価格が上昇した影響により代替購買が進行し、売場拡張が進んだ。チョコレート製品の価格上昇によって、相対的に手頃な価格帯のビスケットに需要が流れる動きが見られている。
スナック市場の展開
スナックも高付加価値商品と値頃感ある定番品やコーンスナックの二極化が続いている。各社のアレンジ提案やおつまみ訴求によって喫食シーンは広がりを見せている。
生産体制の強化
供給キャパシティーの推移
| 年 | 状況 |
|---|---|
| 2024年 | キャンデーとスナックの生産キャパシティー不足が課題 |
| 2025年 | 各社が相次いで設備投資し供給力を強化 |
| 結果 | 需要に応えられる供給基盤が整った |
2024年に課題となっていたキャンデーとスナックの生産キャパシティー不足は、2025年に各社が相次いで設備投資し供給力を強化した。需要に応えられる供給基盤が整ったことで、市場拡大にさらなる弾みがつく見通しとなっている。
供給力強化の効果
生産能力の増強は、単に数量を増やすだけでなく、安定供給を実現することで小売店との信頼関係を構築し、売場の確保にもつながっている。供給が不安定な商品は小売店が売場を割くことをためらうため、安定供給の実現は市場拡大の基盤となる。
販売チャネルの拡大
小売業態別の状況
| 業態 | 状況 | 特徴 |
|---|---|---|
| スーパーマーケット | 従来からの主要チャネル | 幅広い品揃え |
| コンビニエンスストア | 従来からの主要チャネル | 利便性重視 |
| ドラッグストア | 売場拡張が顕著 | 健康志向商品と相性が良い |
| ディスカウントストア | 売場拡張が顕著 | 大容量商品の販売に適している |
小売ではスーパーマーケット、コンビニエンスストアに加え、ドラッグストアやディスカウントストアでの売場拡張が顕著となっている。プライベートブランドとナショナルブランド、共同販促を含む競争環境で、売場の活性化が期待できる。
業態特性に合わせた商品展開
ドラッグストアは健康志向の商品展開と相性が良く、ディスカウントストアは大容量商品の販売に適している。それぞれの業態特性に合わせた商品展開が進んでいる。各業態が持つ顧客層や購買目的に応じて、メーカーは商品の投入先を使い分けている。
デジタル化と購買行動の変化
世代別のデジタル接点
| 世代 | 状況 |
|---|---|
| 若年層 | 従来からデジタル接点が主流 |
| シニア層 | 情報接点がオンラインへ移行しはじめた |
若年層に限らずシニア層の情報接点もオンラインへ移行しはじめた。これまでシニア層は実店舗での購買が中心だったが、スマートフォンの普及やECサイトの使いやすさ向上により、デジタルチャネルの活用が進んでいる。
オムニチャネル型購買の効果
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 消費者との密な対話 | 双方向のコミュニケーション |
| 商品価値への理解促進 | 詳細な情報提供が可能 |
リアル店舗とデジタルを横断するオムニチャネル型の購買行動は消費者との密な対話を醸成し、商品価値への理解が進んでいる。これを契機に、全く新しいブランド・商品の投入も期待される。
今後の市場拡大に向けた施策
世代別・文化別のアプローチ
| 対象 | 重視する価値 | 施策の方向性 |
|---|---|---|
| シニア層 | 健康・栄養志向 | 健康価値を訴求した商品展開 |
| 若年層 | 体験・話題性 | SNS映えや新しい体験の提供 |
| 外国人 | 味覚や文化への配慮 | 多様な味覚や宗教的配慮への対応 |
今後の市場拡大には、各世代や文化への対応、価値軸の多様化が不可欠となっている。シニアには健康・栄養志向、若年層には体験・話題性、外国人には味覚や文化を踏まえた、ニーズに合わせた施策が求められる。
すべてに共通する価値提供
| 共通価値 | 内容 |
|---|---|
| 手頃な幸福価値 | 価格が手頃であること |
| 気軽に楽しめること | |
| 小さな幸せを感じられること |
すべてに共通する「手頃な幸福価値の提供」によって、菓子市場の持続的成長が期待できる。世代や文化が異なっても、菓子に求められる本質は変わらない。この普遍的な価値を提供し続けることが、菓子市場の持続的な成長につながる。




