ファーブルトンとは|基本レシピ、名前の由来や発祥起源

目次

ファーブルトンとは

ファーブルトンはフランスのブルターニュ地方で昔から親しまれてきた焼き菓子です。

プリンやカスタードに似た見た目ですが、食べるともちもちとした独特の食感が感じられます。

小麦粉や牛、卵を使い、ドライプルーツを入れて焼き上げるシンプルなお菓子です。

昔は家庭で気軽に作られる郷土料理としても楽しまれてきました。

ファーブルトンの名前の由来

ファー(far)ラテン語由来で「おかゆ」を意味する。小麦粉を牛乳で煮た料理を指す。
ブルトン(Breton)フランス語で「ブルターニュ地方の人」や「ブルターニュの」という意味。

このように「ファーブルトン(Far Breton)」は、ブルトン語(ブルターニュ地方の言葉)とフランス語が組み合わさった名前です。

「ファー(far)」はラテン語に由来し、昔は小麦粉を牛乳で煮て作る“おかゆ”のような料理を意味しました。

一方、「ブルトン(Breton)」はブルターニュ地方の人々やその地域に関することを表します。ブルターニュはフランスの西端に位置し、独自の文化や言語を持つことで知られています。

つまり、「ファーブルトン」とは「ブルターニュ人のおかゆ」という意味があり、もともとはデザートではなく、食事の一部として家庭で親しまれていた料理でした。

時代とともに卵や砂糖、ドライフルーツが加わり、現在のような焼き菓子へと変化しています。

ファーブルトンの発祥起源

ファーブルトンの発祥起源は、フランスのブルターニュ地方にある農村の家庭料理にさかのぼります。

もともとは小麦粉を牛乳でじっくり煮て作る素朴な「おかゆ」のような料理でした。甘みがなく、日々の食事の一部として親しまれていたものです。

やがて、その基本のレシピに卵が加えられ、しっとりとした食感を持つようになりました。さらに、砂糖を加えて甘みを出し、保存性や風味を高めるためにプラムやレーズンなどのドライフルーツが取り入れられました。

こうした改良を重ねることで、単なるおかゆから焼き菓子へと進化し、現在のようなもっちりとした独特の食感と甘さを持つファーブルトンが誕生したのです。

農村の家庭で生まれたこの素朴な料理は、地域の気候や文化、食材の豊かさを反映しながら、時代とともに洗練された伝統菓子へと発展していきました。

ファーブルトンが生まれた土地

ファーブルトンが生まれたブルターニュ地方は、フランスの西部に位置し、大西洋に面した風の強い地域です。

この場所は独特の気候と自然環境に恵まれていますが、同時に厳しい海風や寒さが農作物の育成に影響を与えてきました。

そのため、地元の人々は保存性が高く、栄養価のある食事を重視してきました。

また、ブルターニュ地方はフランスの他の地域と異なる独自の文化や言語を持つブルトン人が多く暮らしています。

ファーブルトンの日本での認知度

ファーブルトンは日本での認知度がまだそれほど高くありませんが、1998年にブルターニュ地方の代表的な銘菓である「クイニーアマン」と一緒に紹介されたことで、一時的に注目を集めました。

この時期は「フランス地方菓子ブーム」と呼ばれる現象が起きており、全国の洋菓子店やパン屋で様々なフランス伝統菓子が販売されるようになりました。

クイニーアマンはその中でも特に人気が高く、広く知られる存在となったのに対し、ファーブルトンはその独特の食感や味わいのためか、話題としてはやや控えめでした。

結果として、現在でも一般的な洋菓子のラインナップにはあまり登場せず、知名度は限定的にとどまっています。

多くの人は名前を聞いたことがなかったり、商品を見かけたことがあっても実際に食べた経験はないかもしれません。

このため、ファーブルトンはまだまだ日本国内でこれから広まる余地がある、隠れた魅力を持つ伝統菓子と言えるでしょう。

今後、地方菓子への関心や本場の味を求める動きが強まることで、徐々に認知度が高まっていく可能性があります。

ファーブルトンの特徴

食感もっちり・ねっとりとした独特の食感。
甘さ甘さ控えめで素朴な味わい。
香りバニラやラム酒の香りが加わることが多い。
見た目茶色く焼き色がつき、厚みのある焼き菓子
材料小麦粉、牛、卵、砂糖、ドライフルーツ(プラムやレーズンなど)が主に使われる。

ファーブルトンの特徴として、最大の魅力はそのもっちりとした食感にあります。

表面はしっかりと焼き色がついて香ばしさが感じられますが、中はねっとりとした柔らかさが残ります。

この食感は、日本の蒸しパンやういろう、プリンのようにしっとりしているものと似ている部分もありますが、ファーブルトン独特のほどよい重みと弾力があり、他にはない味わいを生み出しています。

甘さは控えめで、素朴な風味が特徴です。香りにはバニラがよく使われ、ラム酒を加えるレシピも多く、これらが深みとアクセントを与えています。

材料は基本的に小麦粉、牛、卵、砂糖が使われ、そこにプラムやレーズンなどのドライフルーツを加えることで味に変化をつけています。全体として、家庭的で懐かしい味わいが楽しめる伝統菓子です。

ファーブルトンの作り方

ファーブルトンの作り方はシンプルで、基本的には以下の手順です。

材料(基本)

小麦粉生地の主成分。もっちり食感のもとになる。
生地を柔らかくし、しっとり感を出す。
生地をふんわりさせる。つなぎの役割も。
砂糖甘み付け。全体の味を引き締める。
ドライプルーンまたはレーズン食感と風味のアクセント。ラム酒に漬けて香りづけする。
バター(型に塗る用)型に塗って生地がくっつかないようにする。
ラム酒(好みで)ドライフルーツの風味を豊かにする。

作り方の流れ

STEP
ドライフルーツをラム酒に漬け込む
  • 風味をしっかりつけるため、最低30分以上漬けると良い。
  • 時間があれば数時間~一晩漬けることもある。
STEP
生地を作る

小麦粉、卵、牛砂糖をボウルでよく混ぜ合わせる。

ダマができないように滑らかにすることがポイント。

STEP
型の準備

型にバターをたっぷり塗り、生地がくっつくのを防ぐ。

バターを塗ることで香ばしい風味もプラスされる。

STEP
ドライフルーツを敷く

ラム酒に漬けたドライフルーツを均等に型に入れる。

STEP
生地を流し入れる

ドライフルーツの上から滑らかな生地を流し込む。

STEP
焼く

180℃に予熱したオーブンで40〜50分焼く。

表面がきれいな焼き色になるのを確認。

STEP
冷ます

焼きあがったら型から外し、粗熱をとる。

しっかり冷ますことで生地が落ち着き、味がなじむ。

STEP
切り分けて完成

冷めたファーブルトンを好みの大きさに切って提供する。

ドライフルーツはラム酒に漬け込むことで香りが豊かになり、味わいが深まります。

生地を作る際は、小麦粉や卵、牛乳をよく混ぜて滑らかにし、ダマをなくすことが重要です。これによりもっちりとした食感が生まれます。

また、型にバターをたっぷり塗ることで、生地が型にくっつかず、焼き上がりがきれいになるだけでなく、香ばしさも加わります。

焼きあがった後は、すぐに食べるよりも少し冷ましてから切り分けるほうが、生地の味が落ち着き、全体の風味がより楽しめます。

これらのポイントを押さえることで、本場のファーブルトンに近い味わいを家庭でも再現できます。

まとめ

ファーブルトンは、フランス・ブルターニュ地方に根付く素朴で伝統的な焼き菓子です。

もともとはおかゆのような料理から進化し、もっちりとした独特の食感と、ラム酒に漬けたドライフルーツの豊かな香りが魅力となっています。

日本ではクイニーアマンほどの知名度はないものの、フランス地方菓子としての深い歴史と味わいを持ち、根強いファンがいます。

ブルターニュ地方を訪れる機会があれば、本場のファーブルトンを味わってみることをおすすめします。優しい甘さとほっとする食感が、心に残る特別なひとときを届けてくれるでしょう。

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