冷菓とは|意味する食べ物や法律上の分類

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冷菓とは

冷菓は、冷やして食べるお菓子の総称です。

この言葉には、アイスクリームかき氷シャーベットなど、様々な冷たいデザートが含まれています。

暑い時期に涼しさを得るために食べることが多く、夏の風物詩としても知られています。

常温で保存できるものから、冷凍庫でしっかり冷やす必要があるものまで、種類も多様です。

冷菓の法律上の分類

私たちが普段食べている冷たいデザートは、法律によって明確に分類されています。

この分類を理解すると、商品の値段や味が異なる理由がわかります。

日本の法律では、冷菓乳成分の含有量によって厳密に分けています。

この分類には、乳及び乳製品の成分規格に関する命令食品、添加物等の規格基準という2つの法律が関わっています。

分類の基準となる成分

冷菓を分類する上で基準となるのは、乳固形分乳脂肪分です。

これらの成分の量によって、製品の味わいや食感、そして価格が変わってきます。

乳固形分

乳固形分は、牛乳から水分を取り除いたすべての成分を指します。

これには、タンパク質、乳糖、ミネラル、ビタミンなどが含まれています。

乳脂肪分

乳脂肪分は、牛乳に含まれる脂肪分のことです。

これらの成分の割合によって、冷菓は大きくアイスクリーム氷菓に分けられます。

冷菓と氷菓の違い

冷菓という大きなカテゴリーの中に、「アイスクリーム類」と「氷菓」という2つのグループがあります。

この2つのグループを分ける基準は、乳固形分が3.0%以上含まれているかどうかです。

アイスクリーム類|乳固形分が3.0%以上

アイスクリームは、乳固形分が3.0%以上含まれている冷菓です。

このグループはさらに乳成分の量によって、以下の3つに分けられます。

アイスクリーム

乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上と定められています。

乳成分が最も多く、濃厚でクリーミーな味わいが特徴です。

製造コストが高くなるため、他の分類より高価な商品が多いです。

アイスミルク

乳固形分10.0%以上、うち乳脂肪分3.0%以上です。

アイスクリームに比べると乳成分は少ないですが、牛乳と同じくらいの成分が含まれています。

そのため、あっさりしながらもクリーミーな味わいが楽しめます。

コストを抑えるために、乳脂肪の代わりに植物からとれる油が使われることもあります。

ラクトアイス

乳固形分3.0%以上必要ですが、乳脂肪分についての規定はありません。

乳脂肪の代わりに植物の油を多く使う傾向があります。

植物の油は、牛乳の脂肪より安価で加工しやすいという特徴があります。

手頃な価格でありながら、クリーミーな食感の商品が多いです。

これらの3つは、法律上「アイスクリーム類」として扱われます。

ミルクの風味が感じられる点が共通の特徴です。

氷菓|乳固形分が3.0%未満

氷菓は、乳固形分が3.0%未満の冷菓です。

法律では、アイスクリーム類とは別の分類とされています。

このグループには、かき氷や果汁を凍らせたアイスキャンディーなどが含まれます。

氷菓には乳成分がほとんど入っていません。

そのため、主に水や果汁が主原料となります。

乳成分が少ないことから、さっぱりとしたやかな味わいが特徴です。

牛乳や乳製品にアレルギーがある人でも、安心して食べられる商品が多いです。

アイスクリーム類と氷菓の製造方法

アイスクリーム類と氷菓は、その作り方や食感が大きく異なります。

この違いが、それぞれの製品の個性を作っています。

アイスクリーム類の製造工程

アイスクリーム類は、原材料を混ぜてから、いくつかの複雑な工程を経て製造されます。

まず、原料を混ぜ合わせ、殺菌、均質化を行った後、エージングという工程に入ります。

エージングでは、混ぜた原料を低温で一定時間保管します。

この工程により、原材料がしっかりと混ざり、製品の食感を滑らかにする効果があります。

エージングが不十分だと、食感がざらついたり、溶けやすくなったりすることがあります。

次に、フリージングという工程で、専用の機械を使って急速に温度を下げます。

同時に空気を混ぜ込むことで、きめ細かい気泡が均等に分散します。

この工程が、アイスクリーム類特有のふんわりとした滑らかな食感を生み出します。

最後に、硬化の工程で、フリージング後の製品を急速に凍結させます。

通常、マイナス30度未満の極低温の風を使って凍らせます。

この工程により、氷の結晶が大きく成長するのを防ぎ、滑らかな食感を保つことができます。

氷菓の製造工程

一方、氷菓の製造はより単純な工程になります。

基本的には、水や果汁などの材料を混合し、急速に凍結させる方法が一般的です。

かき氷は、専用の機械で氷を細かく削って作られます。

アイスキャンディーは、型に材料を流し込んでそのまま凍らせます。

氷菓は、牛乳の脂肪分がないため、アイスクリーム類のようなクリーミーさはありません。

代わりに、氷の結晶が大きくなることで、シャリシャリとした食感が生まれます。

この食感が、やかさを感じさせる特徴になっています。

アイスクリーム類と氷菓の栄養の違い

アイスクリーム類の栄養

アイスクリーム類は、乳製品が主成分です。

そのため、タンパク質や脂質、カルシウム、ビタミンAといった栄養素を多く含んでいます。

エネルギー補給だけでなく、栄養補給の面でも価値があります。

ただし、糖分や脂質も多いため、摂取量には注意が必要です。

氷菓の栄養

氷菓は、主に水分と糖分で構成されています。

そのため、カロリーは比較的低めです。

乳成分をほとんど含まないため、さっぱりとした味わいが楽しめます。

暑い季節の水分補給を兼ねたデザートとしての役割も果たします。

ただし、栄養価はアイスクリーム類と比較すると限定的です。

冷菓の種類の確認方法【パッケージ表示】

商品を購入する際には、パッケージに記載された表示を確認すると良いでしょう。

この表示を見ることで、その商品がどの分類に属しているか、またどのような特徴を持つかを知ることができます。

パッケージ表示の見方

パッケージの種類別名称を見ることで、その商品がどの分類に属しているかを把握できます。

種類別名称と併せて、無脂乳固形分乳脂肪分の数値も表示されています。

これらの数値が高いほど、濃厚な味わいが期待でき、価格も高くなる傾向にあります。

冷菓の楽しみ方

冷菓という大きなカテゴリーの中で、乳成分の量によって細かく分類されている仕組みを理解すると、自分の好みや目的に合った製品を選ぶことができます。

暑い日にはさっぱりとした氷菓を、疲れたときには濃厚なアイスクリーム類をと、気分に合わせて選ぶことができます。

果物やナッツ、チョコレートなど、様々な食材と組み合わせることで、無数のバリエーションが生まれます。

冷菓は、私たちの食生活において大切なデザートの一つです。

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