ゴディバのドバイチョコレート商品｜再販と今後の予定

ゴディバのドバイチョコレート商品

ゴディバは2025年6月、ドバイチョコレートにインスパイアされた商品を期間限定で発売しました。

これらの商品は、オリジナルのドバイチョコレートをそのまま再現するのではなく、ゴディバならではのアレンジを加えたものとして位置づけられました。

今回は、ゴディバがどのような商品を発売したのか、その詳細を解説します。

ゴディバが発売した商品

ゴディバが発売したドバイチョコレート関連商品は、期間限定の3種類です。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

ドバイチョコレート ショコリキサー

最初に発売されたのは、ゴディバが展開するチョコレートドリンクの代表的な商品ラインである「ドバイチョコレート ショコリキサー」でした。

この新しいフレーバーは、ドバイチョコレートの要素を飲み物の形で再現することに挑戦したものです。

滑らかなチョコレートとピスタチオの風味を組み合わせたベースに、カダイフの代わりとして揚げ麺を加えて食感のアクセントとしました。

この揚げ麺は、飲み物の中でもザクザクとした食感を維持できるよう工夫されていました。

仕上げには、チョコホイップを上に乗せ、その上にローストしたピスタチオを散らして、見た目にもドバイチョコレートらしさを表現しています。

価格設定は、レギュラーサイズが810円、ラージサイズが920円でした。

ドバイチョコレート パフェ

同時期に発売された二つ目の商品が「ドバイチョコレート パフェ」でした。

この商品は1890円という価格で、ゴディバが運営するGODIVA cafeでのイートイン専用商品として提供されました。

パフェという形態を活かして、濃厚なチョコレートとピスタチオの風味を基調としながら、カダイフをイメージしたサクサクの揚げ麺、滑らかなムース、アイスクリームなど、複数の異なる食感を一つの器の中で楽しめるよう構成されていました。

販売期間は2025年6月20日から7月31日までの約40日間でした。

季節のコロネ（ドバイチョコレート）

三つ目の商品は「季節のコロネ（ドバイチョコレート）」で、価格は507円に設定されました。

この商品は、ゴディバが展開するベーカリーブランド「ゴディパン」で販売されました。

ゴディパンは「町のパン屋さん meets ゴディバ」をコンセプトに、日本で親しまれているパン商品をショコラティエの視点で再解釈した商品を提供しています。

このコロネでは、ピスタチオの風味を活かしたクリームをブリオッシュ生地と組み合わせ、内部にミルクチョコレート ピスタチオ クランチバーとフライヌードルを組み込みました。

フライヌードルは、カダイフと同様のザクザクした食感を再現するために選択された材料でした。

販売期間は6月4日から7月3日までと、他の二商品よりも短期間に設定されていました。

開発の動機

ゴディバがドバイチョコレート風商品を開発した動機について、同社の広報担当者は次のように説明しています。

ドバイチョコレートは、まずSNSなどで注目を集めた後、テレビや雑誌などの従来メディアでも取り上げられるようになり、同社でも注視していたトレンドでした。

話題性のあるチョコレートをシーズナル商品として展開することで、さらに話題を広げ、新しい顧客層にもアプローチしたいと考えたのです。

市場の反応

実際の市場での反応は、ゴディバの予想を上回るものでした。

発売後の売上は期待以上で、特にトレンドに敏感な20代から30代の消費者を中心に好調な売れ行きを示しました。

ショコリキサーについては、従来のゴディバの主要顧客層とは異なる男性客からの支持も得ることができました。

発売初日から人気が高く、一部の店舗では完売する事態も発生しました。

再販と今後の予定

この成功を受けて、ゴディバは2025年10月にドバイチョコレート ショコリキサーの再販を決定し、さらに近い将来に新しいドバイチョコレート関連商品を投入する予定であることを発表しています。

この一連の動きは、ドバイチョコレートトレンドが一時的なブームではなく、継続的な需要が見込める市場であることを示しています。

ドバイチョコレートとは何か

ゴディバが商品を開発するきっかけとなったドバイチョコレートについて、その起源と特徴を解説します。

従来のチョコレートとの違い

一般的な板チョコレートは、チョコレート生地の中に何も入っていないか、ナッツやキャラメルといった比較的シンプルな具材が入っているものが主流でした。

しかし、ドバイチョコレートは、板チョコレートの内部に特別なフィリングを組み合わせることで、これまでにない体験を提供します。

ドバイチョコレートを構成する要素

フィリングには、ピスタチオクリームとカダイフという二つの主要な材料が使われています。

ピスタチオクリームは、ピスタチオという緑色のナッツを細かく砕いてペースト状にしたものです。

濃厚な風味と鮮やかな緑色が特徴として挙げられます。

一方、カダイフは日本ではあまり馴染みのない食材です。

小麦粉やトウモロコシ粉で作られた極細の麺状の食品で、調理すると独特のザクザクした食感を生み出します。

ドバイチョコレートの起源

ドバイにあるFIX Dessert Chocolatierという小規模なチョコレート製造会社が、2022年に「Can’t Get Knafeh of It」という名前のチョコレートバーを開発したことが起源です。

この商品は、中東の伝統的なデザートであるクナーファの魅力をチョコレートで再現できないかという発想から生まれました。

クナーファは、カダイフとクリームの食感の組み合わせが特徴的なお菓子です。

世界的なトレンドの拡大

ドバイチョコレートは、当初は地域的な商品に留まっていました。

しかし、2023年末にドバイのインフルエンサーがこのチョコレートを紹介するTikTok動画を投稿したことで状況が変わります。

SNSでの拡散

この動画では、チョコレートを手で割る音や、割れた断面から見える鮮やかな緑色のピスタチオクリーム、そして実際に食べたときに聞こえるザクザクとした咀嚼音が強調されていました。

この投稿がASMR（Autonomous Sensory Meridian Response）と呼ばれる特定の音や刺激を好むSNS文化と結びつき、世界的な注目を集めることとなりました。

各国への波及

2024年に入ると、ドバイチョコレートへの関心は世界各国に広がりました。

特にトレンドに敏感とされる韓国では、オリジナルのチョコレートバーだけでなく、ドバイチョコレートの要素を取り入れたクッキー、クロワッサン、餅菓子など、様々な応用商品が開発され市場に登場しました。

日本においても、2024年夏頃からドバイチョコレートに対する認知度が徐々に高まり始めました。

まとめ

ゴディバのドバイチョコレート関連商品への取り組みは、国際的なトレンドを日本市場に適応させる際の一つの成功例として位置づけることができます。

オリジナルの要素を尊重しながらも、日本の消費者の嗜好や既存の商品ラインとの整合性を図りながら商品を開発しました。

そして、その商品が市場で受け入れられたことは、グローバル化が進む食品業界において参考となる事例といえるでしょう。