甘味処の読み方|「あまみどころ」「かんみどころ」

  • URLをコピーしました!

日本語の中には、時代の移り変わりとともに読み方が変化した言葉があります。

中には、複数の読み方が共存し続けているものも少なくありません。

「甘味処(かんみどころ/あまみどころ)」も、その代表的な例といえるでしょう。

この記事では、「甘味処」という言葉の読み方について、歴史的な背景から現代での使われ方までを順に見ていきます。

目次

甘味処の読み方

もともと「甘味処」は「あまみどころ」と読まれていました。

「甘み(あまみ)」という日本語に漢字を当てたのが始まりで、元々あった言葉に後から文字をあてはめた当て字の形です。

そのため、本来の読み方は「訓読み」である「あまみ」が正しいとされてきました。

慣用的な読み方

一方で、現代では「かんみどころ」という読み方も広く定着しています。

これは「甘味料(かんみりょう)」など、音読みの言葉が日常的に使われていることから生まれた読み方と考えられています。

当初は誤読とされていましたが、使用が広がった結果、今では辞書でも正式な読み方として認められています。

どちらが正解?「あまみどころ」「かんみどころ」

辞書での扱い

現在、goo辞書などの主要な辞書では「あまみどころ」と「かんみどころ」のどちらも正しい読み方として掲載されています。

つまり、どちらの読み方を使っても誤りではありません。

読み方位置づけ
あまみどころ本来の読み方
かんみどころ慣用的に定着した読み方

ちなみにそもそも「甘味処」とは、あんみつやだんごなど、甘い和菓子を提供する飲食店を指します。読み方に違いはあっても、言葉が指す意味は同じです。

また、実用日本語表現辞典によれば、地域によって使われる読み方に傾向の違いがあることが指摘されています。

  • 関東地方: 「かんみどころ」が主流
  • 関西地方: 「あまみどころ」が多く使われる

ただし、これはあくまで傾向であり、どちらの地域でも両方の読み方が使用されています。

読み方を誤解されやすいポイント

新しい読み方を正しいと誤解するケース

近年では、「かんみどころ」の方が正しいと思い込む人も少なくありません。

「あまみどころ」と読むと「間違いでは?」と感じる人もいるようです。

こうした誤解が生まれる背景には、「甘味料(かんみりょう)」の存在があります。

この言葉が日常的に使われるため、「甘味=かんみ」と読む習慣が定着したのです。

そのため、若い世代ほど「かんみどころ」を自然な読み方と感じやすくなっています。

音読みと訓読みの違いで誤解するケース

「甘味」という言葉自体、読み方によって意味合いが異なります。

  • あまみ: 「甘み」という和語に漢字を当てた訓読み
  • かんみ: 漢字の音読みを組み合わせた読み方

「あまみ」は和語の訓読みで、「かんみ」は漢字の音読みです。

たとえば、「甘味料」は音読みを組み合わせた言葉ですが、「甘味処」はもともと訓読みの「あまみどころ」として使われていました。

どちらも正解という事実を理解する

言葉は生き物のように変化し続けます。

「甘味処」もその一つで、本来の「あまみどころ」に加え、「かんみどころ」も社会的に定着し、どちらも正しい読み方として認められるようになりました。

読み方の違いをめぐる議論は、「どちらが正しいか」に偏りがちです。

しかし現代では、どちらも誤りではないという事実の存在を理解しておくことが大切です。

どちらが正しいの?と聞かれたら

相手がどちらの読み方を使っていても、それを否定する必要はありません。

もし会話の中で「どちらが正しいの?」という話題が出たら、「どちらも辞書に載っている正しい読み方ですよ」と伝えるとスムーズです。

歴史的な経緯を詳しく説明するよりも、両方が認められているという事実をまず共有することのほうが、聞いた方も混乱せず、理解しやすいでしょう。

まとめ

「甘味処」は、もともと「あまみどころ」と読まれていた言葉ですが、「甘味料(かんみりょう)」の影響を受けて「かんみどころ」という読み方も広まりました。

現在では、辞書でも両方が正式な読み方として掲載されています。

地域によって読み方の傾向に違いはあるものの、どちらを使っても問題はありません。

言葉は時代とともに変化するもの。多様な読み方を受け入れる柔軟な姿勢こそが、豊かな日本語文化を支えています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次