香水アトマイザーとは
香水アトマイザーは、香水を持ち運ぶための便利なアイテムです。
「atomize(細かく分ける)」という言葉から名付けられました。
香水を細かい霧状にして吹きかけることができるので、「霧吹き」や「香水吹き」とも呼ばれます。
アトマイザーの歴史
香水アトマイザーは、意外にも古い歴史を持っています。
1850年代の終わり頃に、病気の治療のために薬の液体を霧状にして患部に吹きかける医療器具として開発されました。
その後、1870年代の終わり頃から、フランスの香水メーカーが香りを吹きかける道具として使い始めました。
こうして、現在の香水アトマイザーの基礎が築かれ、世界中で使われるようになったのです。
アトマイザーのメリット
手軽な持ち運び
香水アトマイザーの最大のメリットは、お気に入りの香水をどこにでも持ち運べることです。
通常の香水ボトルは、50mlから100mlと容量が大きく、ガラスでできているため重さもあります。
しかし、アトマイザーは5mlほどの小さなサイズで、軽いため、普段の持ち歩きに最適です。
香りのリフレッシュ
アトマイザーがあれば、外出先でも簡単に香水をつけ直すことができます。
朝つけた香りが時間が経って薄れてしまっても、すぐにリフレッシュできます。
その他のメリット
アトマイザーは、液漏れしにくいように作られているものが多いです。
そのため、カバンの中で他の荷物が汚れてしまう心配が少ないのも良い点です。
また、デザインも豊富で、仕事用にはシンプルなもの、普段用にはかわいいデザインのものなど、使い分けを楽しむこともできます。
アトマイザーの2つのタイプ
香水アトマイザーには、主に2つのタイプがあります。
スプレータイプ
これは、香水がミスト状になって出てくる、一番よく見かけるタイプです。
通常の香水ボトルと同じように使うことができ、香りがふわっと広がるため、自然に香りをまとうことができます。
ロールオンタイプ
こちらは、先端に小さなボールが付いていて、肌に当てて転がすことで香水を塗るタイプです。
少しずつ香水をつけられるので、つけすぎるのを防ぐことができます。
また、香りが周りに広がりにくいため、電車の中や職場など、人が多い場所でも使いやすいです。
香水のタイプに合わせた選び方
香りが飛びやすい柑橘系の香水や、軽やかな香りの「オーデコロン」「オーデトワレ」には、スプレータイプがおすすめです。
一方、香りが強い「オードパルファム」「パルファム」のような香水には、量を調整しやすいロールオンタイプが向いています。
アトマイザーの選び方
密閉性
アトマイザーを選ぶ上で、最も重要なポイントは密閉性の高さです。
なぜなら、アトマイザーはカバンやポーチに入れて持ち運ぶことが多いため、液漏れが起きると他の持ち物を汚してしまったり、大切な香水が無駄になってしまったりするからです。
購入する際には、キャップがカチッと音を立ててしっかりと閉まるか、ポンプ部分とボトルのつなぎ目がしっかりしているかなどを確認しましょう。
密閉性が高い製品を選ぶことで、安心して持ち運びができ、液漏れの心配をぐっと減らすことができます。
サイズ
アトマイザーのサイズ選びも大切なポイントです。
持ち運びやすさを考えると、軽くてコンパクトなものがおすすめです。
一般的に、3mlから10ml程度の容量が携帯用として適しています。
小さめのサイズを選ぶことには、もう一つメリットがあります。
それは、アトマイザーの中の香水をこまめに補充する習慣がつき、香りが劣化するのを防げることです。
また、残りの量がすぐにわかるように、透明なボトルや小窓が付いているものを選ぶと、香水を補充するタイミングがわかりやすくて便利です。
素材の種類
アトマイザーの素材には、主にガラス製とプラスチック製があります。
ガラス製
アトマイザーの素材は、ガラス製を選ぶとより安心です。
香水にはアルコールなど、化学的な成分が含まれています。
そのため、プラスチック製のボトルだと、これらの成分によって容器が変形したり、溶けたりする可能性があります。
ガラスは化学的に安定しているため、香水本来の品質を保つことができます。
ただし、ガラス製は割れやすいというデメリットもあるため、落としたりぶつけたりしないように、丁寧に扱う必要があります。
プラスチック製
一方、プラスチック製のアトマイザーは、軽くて割れにくいという大きな利点があります。
そのため、アウトドアや旅行など、荷物を軽くしたい場面や、破損が心配な場面で活躍します。
しかし、先ほど説明したように、香水の種類によっては容器が劣化する可能性があることを頭に入れておきましょう。
香水の移し替え方法
香水をアトマイザーに移す方法は、香水ボトルの形によって使い分けます。
詰め替えノズルタイプ
香水のスプレー部分が外せる場合、これが一番便利です。
香水のスプレー部分を取り外し、代わりに詰め替えノズルを取り付けます。
ノズルをアトマイザーに入れて、ノズルを数回プッシュすると香水が移っていきます。
ジョウゴ(漏斗)タイプ
香水のスプレー部分が外せない場合は、ジョウゴを使います。
ジョウゴをアトマイザーに差し込み、そこに向かって香水を吹きかけます。
何回か吹きかけることで、ジョウゴを伝って香水がアトマイザーに入っていきます。
シリンジ(注射器)タイプ
スプレー部分がキャップごと外せる香水などに使います。
シリンジやスポイトの先を香水の液体に直接入れて吸い上げ、アトマイザーに移し替えます。
この方法は、一度にたくさんの量を移すことができ効率的です。
移し替えの注意点
香水を入れすぎないように、容器の8分目くらいにしておきましょう。
いっぱいまで入れると、スプレー部分を付けたときに香水があふれてしまう可能性があります。
また、服や家具に香水がかからないよう、注意して作業しましょう。
アトマイザーは同じ香水のみ入れよう
アトマイザーを使う際は、できるだけ同じ香水を補充して使うようにしましょう。
一度香水を詰めたアトマイザーは、きれいに洗ったつもりでも、前の香りがわずかに残ってしまうことがあります。
もし違う香水を詰め替えると、香りが混ざり合ってしまい、本来の香りが楽しめなくなってしまう可能性があります。
そのため、お気に入りの香水を純粋に楽しむためには、1つの香水に対して1本のアトマイザーを用意することをおすすめします。
アトマイザーの洗浄方法
アトマイザーを洗いたい場合には、用途に合わせて2つの方法があります。
無水エタノールを使った洗浄方法
まず、ドラッグストアなどで手に入る無水エタノールを使った方法です。
アトマイザーの中に無水エタノールを少量入れ、スプレー部分を繰り返しプッシュして内部を洗浄します。
その後、アトマイザーの8〜9分目まで無水エタノールを入れ、数日間置いておきます。
最後に残ったエタノールを捨てて、自然乾燥させましょう。
この方法は、香りの成分をしっかりと洗い流すことができるため、効果的です。
お酢を使った洗浄方法
化学洗剤を使うことに抵抗がある方には、お酢を使った方法がおすすめです。
お酢を水で3倍に薄めた液を作り、アトマイザーのスプレー部分を一晩つけ置きします。
ボトル部分にはお酢をそのまま入れ、1週間程度置いておきましょう。
最後に、流水でしっかりとすすぎ、自然乾燥させます。
お酢は食品にも使われているため、安心して使うことができます。
アトマイザーの保管方法
長期保存には向かない
アトマイザーは、香水の長期保存には向きません。
あくまで持ち運び用の容器として使いましょう。
香水は、空気や光、温度の変化にとても弱く、劣化しやすい性質を持っています。
そのため、アトマイザーに入れた香水は、なるべく早く使い切るようにしてください。
長い間そのままにしておくと、香りが変わってしまう可能性があることを覚えておきましょう。
デザインの選び方
アトマイザーを選ぶ際には、デザインも重要なポイントです。
毎日持ち歩くものだからこそ、自分の気分が上がるようなお気に入りのデザインを選びましょう。
シンプルで上品なものや、華やかなもの、カジュアルなものなど、たくさんの種類があります。
用途に合わせて、いくつかのアトマイザーを使い分けるのも良いでしょう。
香水アトマイザーは、香水をより身近で便利なものにしてくれる素晴らしいアイテムです。
正しい選び方と使い方を理解することで、お気に入りの香りをいつでもどこでも楽しめるようになり、日常生活がより豊かになります。