サーティワンアイスクリームの歴史|名前の由来と発祥起源

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サーティワンアイスクリームとは

サーティワンアイスクリームは、世界中で店舗を展開しているアイスクリームの専門店チェーンです。

日本では「サーティワン」という名前で広く親しまれていますが、これは英語で31を意味する「Thirty-One」に由来しています。

1か月(最大31日)毎日違う味を楽しめるように、常時31種類のフレーバーを店頭に揃えるというコンセプトを掲げています。

英語圏での正式名称は、創業者の名前に由来する「Baskin-Robbins」(バスキン・ロビンス)といいます。


Baskin-Robbinsの名前の由来

サーティワンアイスクリームの英語での正式名称である「Baskin-Robbins」は、創業者の二人の名前からつけられました。

創業者がアイスクリーム店を開業した経緯

この会社の始まりは、1945年のアメリカ合衆国での出来事まで遡ります。

アーヴ・ロビンス氏

アーヴ・ロビンス(Irv Robbins)という人物が、1945年にカリフォルニア州グレンデールでアイスクリーム店を開業しました。

バート・バスキン氏

同じ1945年に、バート・バスキン(Burt Baskin)という人物も別の場所でアイスクリーム店を始めています。

この二人は、家族を通じてつながりがあり、義理の兄弟という関係でもありました。

ブランド名Baskin-Robbinsの誕生

それぞれが独立して店を経営していましたが、1953年に二人は自分たちの事業を一つに統合することを決めました。

創業者の苗字を結合した名称

事業統合の際、二人はそれぞれの苗字を組み合わせ、「Baskin-Robbins」という新しいブランド名を作りました。

これは、二人の創業者が協力して新しい事業をスタートさせたことを示しています。

創業者がブランドに込めた思い

創業者であるバスキン氏とロビンス氏は、多くのアイスクリームを試してもらい、お客さんが自分だけの好きな味を選べるようにしたいと考えていました。

日本での名称「サーティワン」が定着した理由

世界的には「Baskin-Robbins」という名前で知られていますが、日本では「サーティワン」という呼び方が定着しました。

31種類のフレーバーを提供する基本コンセプト

サーティワン」という名前は、この会社が掲げた31種類のフレーバーを常時提供するという基本コンセプトからきています。

31という数字に込められた意味

31という数字は、1か月が持つ最大の日の数(31日)と同じです。

お客さんが毎日店に来ても、31日間は違う味を楽しめるという考えを表現するために、この数が選ばれました。

日本で名称が採用された理由

この「1か月毎日違う味が楽しめる」という特徴を分かりやすく日本のお客さんに伝えるために、英語で31を意味する「サーティワン」という名前が採用されました。

日本におけるサーティワンアイスクリームの進出の歴史

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年代出来事
1973年ビーアールジャパン設立(不二家が設立)
1974年アメリカのバスキン・ロビンス社と合弁会社設立
1974年東京目黒に直営店オープン
1974年東京港区にフランチャイズ1号店オープン

サーティワンアイスクリームが日本に上陸し、歴史を始めるまでの経緯を説明します。

不二家による子会社ビーアールジャパンの設立

日本でサーティワンアイスクリームの歴史が始まったのは、昭和48年(1973年)のことでした。

菓子メーカーである不二家が、ビーアールジャパンという子会社を設立したことが、日本進出のきっかけです。

ビーアールという名前は、Baskin-Robbinsの頭文字から取られています。

アメリカ法人との合弁会社の設立

翌年の昭和49年(1974年)には、このビーアールジャパンアメリカのバスキン・ロビンス社と正式に合弁会社を設立しました。

合弁会社とは、複数の企業がお金や技術などを出し合って、新しい会社を一緒に設立することです。

これにより、アメリカで成功していたアイスクリームチェーンの経営方法やノウハウを日本に導入する体制が整いました。

日本国内での店舗展開の始まり

体制が整ったのと同じ1974年に、日本での実際の店舗展開が始まりました。

最初の直営店の開店場所

まず、会社が直接運営する直営店が、東京の目黒区に開店しました。

この目黒区に開店した店舗が、日本におけるサーティワンアイスクリームの最初の店舗となりました。

フランチャイズ1号店の開設場所

直営店に続いて同年、フランチャイズ方式による1号店が開設されました。

フランチャイズ1号店は、東京港区にあったナショナル麻布スーパーマーケットという外国人向けのスーパーマーケット内に開設されました。

フランチャイズとは、本部が持つブランドや経営ノウハウを、契約した個人や企業に提供して店舗を運営してもらう仕組みのことです。

この二つの店舗が日本におけるサーティワンの発祥地となり、ここから全国各地へと展開が進んでいくことになります。

サーティワンが日本で広く受け入れられた要因

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項目詳細
多彩なフレーバー31種類の豊富なフレーバー
自由な組み合わせシングル、ダブル、トリプルで選べる量や組み合わせ
巧みな話題作り季節ごとに新しいフレーバーを提供

サーティワンアイスクリームが日本に登場した当時、日本のアイスクリーム市場は、現在とはかなり異なる状況でした。

サーティワンは、新しい考え方や仕組みを持ち込むことで、日本の消費者に受け入れられ、広まっていきました。

31種類もの多彩なフレーバー

1970年代前半の日本では、アイスクリームといえば、バニラ、ストロベリー、チョコレートの3種類が主流でした。

スーパーマーケットなどで手に入るアイスクリームの選択肢は限られていたのです。

このような状況の中に、サーティワンは31種類ものフレーバーを揃えて登場しました。

日本の消費者は、それまで経験したことのない、アイスクリームの多様な選択肢を目の当たりにしました。

当時珍しかったフレーバーの数々

サーティワンが提供したフレーバーの中には、当時の日本人にとって珍しいものが数多く含まれていました。

例えば、チョコレートミントは、清涼感のあるミントと甘いチョコレートが組み合わされたフレーバーです。

また、ラムレーズンは、ラム酒に漬けたレーズンをアイスクリームに混ぜ込んだもので、大人の味わいとして受け入れられました。

クッキーやフルーツ、マシュマロなどを混ぜ込んだ、食感の変化も楽しめるフレーバーもありました。

こうした多様なフレーバーの存在により、人々は「アイスクリームを選ぶ」という行為自体を楽しむようになりました。

自由な組み合わせが可能な注文システム

サーティワンが採用した注文システムも、当時の日本にとっては新しいものでした。

シングル・ダブル・トリプルの量の選択

お客さんは、まずシングル、ダブル、トリプルという三つの量から選ぶことができます。

それぞれ、一つのスクープ(一すくい分)、二つのスクープ、三つのスクープという意味です。

異なるフレーバーを組み合わせる自由度

この注文システムで特に受け入れられたのは、ダブルやトリプルを注文する際、異なる味を自由に組み合わせられる点です。

例えば、ダブルを注文するときに、バニラとチョコレートチップなど、まったく異なる二つの味を一つのカップやコーンに盛り付けてもらうことができました。

家族連れへのマッチ

この自由度の高い注文システムは、特に家族連れにとって便利でした。

家族それぞれが異なる味を楽しめるだけでなく、ダブルなどで違う味を選んでおけば、家族同士で味を分け合って試すこともできました。

サーティワンの店舗は、家族や友人と一緒に過ごす時間の中で、それぞれの好みについて話し合う場としても機能するようになりました。

巧みな販売戦略による話題づくり

サーティワンは、お客さんを飽きさせないための販売戦略も持っていました。

フレーバーの定期的な入れ替え

常時31種類のフレーバーを揃えるという基本方針は守りつつも、その31種類の内容は固定されていません。

定期的に新しいフレーバーが導入され、古いフレーバーとの入れ替わりが行われます。

季節限定やイベント限定商品の提供

春には桜、夏にはやかな柑橘系など、季節に合わせた限定フレーバーも定期的に登場しました。

さらに、クリスマスなどの特定のイベントに合わせた期間限定商品も販売されます。

こうした入れ替わりや限定商品の存在により、お客さんは「この機会にしか食べられないかもしれない」と感じ、店舗を訪れるきっかけが生まれました。

口コミによる販売促進

新しいフレーバーを試した人が、その感想を家族や友人に話すことで、自然と宣伝効果が生まれました。

話題のフレーバーを試してみたいという人が増えることで、売り上げが伸びていったのです。

一方で、あまり注文が集中しないフレーバーであっても、「どんな味なのだろう」という好奇心から注文する人が現れ、売り上げが伸びるケースもありました。

まとめ

サーティワンアイスクリームは、日本に登場した際、それまで選択肢が少なかったアイスクリーム市場に多様性をもたらしました。

アイスクリームを食べるという行為を、単に甘いものを食べる以上の、多様な味から選ぶ体験へと変えました。

日本で歴史が始まってから50年以上が経過した現在でも、全国に多くの店舗があり、世代を超えて利用され続けています。

サーティワンは、日本の食文化の中に定着し、人々の日常生活の一部として、アイスクリームを通じて思い出を作る場としての役割も果たしているのです。

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