ブラウニーとは|ガトーショコラとの違いや誕生から普及までの歴史

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ブラウニーとは

ブラウニーは、チョコレートやココアパウダーを使って作るアメリカ生まれの焼き菓子のことです。

その名前は、焼き上がりの生地が茶色になることから、英語の「brown」(茶色)に由来しています。

このお菓子は、ケーキクッキーの中間のような、独特の重厚でしっとりとした食感が特徴です。

ブラウニーとガトーショコラの違い

ブラウニーとよく比較されるお菓子に、フランス発祥の「ガトーショコラ」があります。

ガトーショコラフランス語で「焼いたチョコレート菓子」という意味を持ちます。

両者の主な違いは、卵の使い方と薄力粉の量にあります。

卵の使い方

ガトーショコラでは、卵黄と卵白を分けて使います。

泡立てて作ったメレンゲを生地に混ぜ込むため、空気を含んだふんわりとした食感が生まれます。

一方、ブラウニーでは卵黄と卵白を分けずに、全卵をそのまま生地に混ぜ込みます。

この作り方により、生地の密度が高くなり、重厚でずっしりとした食感に仕上がります。

薄力粉の使用量

ガトーショコラは薄力粉の使用量が少なく、口の中で溶けるような、よりしっとりとした食感になります。

ブラウニーは薄力粉とチョコレートの分量が多いため、サクッとしたクッキーのような食感も楽しめます。

このような材料や製法の違いが、それぞれの食感や風味に影響を与えています。

ブラウニーの歴史

ブラウニーの誕生

ブラウニーが誕生したのは1890年代のアメリカです。

その誕生には複数の説が伝えられています。

シカゴ万国博覧会での考案説

一つの説として、1893年のシカゴ万国博覧会が誕生のきっかけとなったというものがあります。

この博覧会で、パルマーハウスホテルのオーナー夫人が、女性が手軽に食べられるように、手で持って食べやすいサイズの焼き菓子として、考案したとされています。

このお菓子は、フェアで配布するために作られたとも言われています。

ベーキングパウダー入れ忘れ説

もう一つの説は、チョコレートケーキを焼く際に、膨らませるためのベーキングパウダーを入れ忘れてしまった結果、偶然できあがったというものです。

この偶然の失敗から、通常のケーキのように膨らまない、平たくて密度の高いお菓子が生まれたとされています。

ブラウニーの普及

当初、ブラウニーはごく一部の人々に知られるお菓子でした。

しかし、20世紀に入ると、その状況は変化していきます。

料理本への掲載

1904年に発行された料理学校の教科書や、1906年に発行された「ボストン・クッキング・スクール・クックブック」などの料理本に、ブラウニーのレシピが掲載されました。

これらの料理本は、ブラウニーの存在をアメリカ全土の家庭に広める大きなきっかけとなりました。

家庭での定着

レシピが広まるにつれて、ブラウニーは20世紀初頭から、アメリカの家庭で日常的に作られる身近なおやつとして定着しました。

手軽に作れることや、材料がシンプルであることも普及を後押ししました。

世界への広がり

第二次世界大戦後、アメリカ文化が世界各地に広まるにつれて、ブラウニーアメリカを飛び出し、様々な国で親しまれるようになりました。

現在では、世界中のカフェや家庭で目にすることができるお菓子です。

ブラウニーの形状

ブラウニーは、一般的なケーキのように丸い型で焼くのではなく、大きな天板に平たく広げて焼くのが特徴です。

焼き上がった後、四角形や長方形に切り分けて提供されます。

この平たい形状と切り分け方が、他のケーキ類との外見上の違いを明確にしています。

ブラウニーの食感

ブラウニーの表面には、焼くことでできる薄い膜があり、軽くカリッとした歯ざわりです。

一方、内部はしっとりとしていて、重みのある食感です。

一口で、異なる食感の組み合わせを楽しむことができます。

また、ブラウニーには、大きく分けて2つの食感タイプがあります。

ファッジタイプ

このタイプは、まるで生チョコレートのようにねっとりとした濃厚な食感が特徴です。

生地の目が非常に詰まっており、重厚感のあるずっしりとした仕上がりになります。

濃厚なチョコレートの風味をしっかりと味わいたい場合に適しています。

ケーキタイプ

こちらはファッジタイプよりも軽やかで、一般的なケーキに近い、少しふんわりとした食感を持っています。

ふっくらと焼き上げることで、より軽やかな口当たりになります。

ブラウニーの材料

ブラウニーに使われる材料は、基本的にシンプルです。

主な材料は、チョコレートまたはココアパウダーバター砂糖薄力粉です。

これらの材料をバランス良く組み合わせることで、ブラウニー特有の風味と食感が生まれます。

多くの場合、くるみなどのナッツ類が加えられます。

ナッツは食感にアクセントを加えるだけでなく、チョコレートの甘さを引き立てる役割も果たします。

好みに応じて、チョコレートチップやドライフルーツを加えて風味や食感に変化をつけたり、クリームチーズを混ぜ込んでマーブル模様に仕上げたりすることもあります。

ブラウニーの作り方

ブラウニーの作り方は、比較的簡単で、専門的な技術を必要としません。

まず、チョコレートとバターを湯煎でゆっくりと溶かします。

湯煎にすることで、材料が焦げ付かず、なめらかに混ざり合います。

次に、砂糖と卵を加えて、生地全体が均一になるまでしっかりと混ぜ合わせます。

最後に、薄力粉とナッツを加えて、粉っぽさがなくなる程度に軽く混ぜます。

混ぜ方のポイント

薄力粉を加えた後は、混ぜすぎないように注意が必要です。

混ぜすぎると、小麦粉に含まれるグルテンが発達し、生地が硬くなります。

これにより、ブラウニー特有の重厚でしっとりとした食感が損なわれてしまいます。

焼き方のポイント

ブラウニーは、170℃程度のオーブンで30~40分ほど焼くのが一般的です。

焼きすぎるとパサパサになってしまうため、火を通しすぎないことが重要です。

表面に薄い膜ができ、中心に竹串を刺したときに少し生地がついてくる程度が、適切な焼き加減の目安です。

竹串に完全に生地がつかなくなるまで焼いてしまうと、焼きすぎになります。

仕上げのポイント

焼き上がった直後のブラウニーは非常に柔らかいため、すぐに切り分けると形が崩れやすいです。

天板に入れたまま粗熱を取り、しっかりと冷めてから四角形や長方形に切り分けることで、きれいな形を保てます。。

各国のブラウニー

ブラウニーは世界中で親しまれており、各国で様々なアレンジが生まれています。

イギリスでの好み

イギリスでは、軽めの食感のケーキタイプが好まれる傾向があります。

これは、イギリスの伝統的なケーキ文化の影響を受けていると考えられます。

フランスでのスタイル

フランスでは、フォンダン・ショコラの影響を受けて、中心部をとろりとした生チョコレートのような食感に仕上げるスタイルも見られます。

日本での展開

日本では、抹茶やきなこなどの和の素材を取り入れたブラウニーや、個包装された一口サイズのブラウニーも作られています。

また、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどでも手軽に購入できるようになり、身近なお菓子として定着しています。

ブロンディとは|チョコレートを使わないブラウニー

チョコレートを使わないブラウニーとして「ブロンディ」というお菓子もあります。

これはチョコレートの代わりに、ブラウンシュガーやバニラエッセンスを使って作られます。

生地の色が金髪を意味する「ブロンド」のような色合いになることから、この名前がつけられました。

ブロンディは、ブラウニーケーキタイプのように、やや軽めでケーキのような食感が特徴です。

アーモンドプードルやドライフルーツなどを加えて、風味や食感を加えることも多く行われています。

現代のブラウニー

近年では、食の多様性に対応した様々なバリエーションも登場しています。

動物性食品を使わないヴィーガン向けのブラウニーや、小麦粉を使わないグルテンフリーのブラウニーなどです。

これらは伝統的な作り方を基本としながらも、現代の食生活や健康志向に合わせて工夫されたものです。

まとめ

ブラウニーは、シンプルな材料と基本的な調理法でありながら、様々な食感や味わいを楽しめる焼き菓子として、世界中で親しまれています。手軽さと美味しさ、そして多様なアレンジの可能性が、多くの人々に愛され続ける理由となっています。

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