チェルシーとは
チェルシーは1971年に明治製菓(現在の明治)から発売されたキャンディーです。そのルーツはスコットランドの伝統的なスカッチキャンディーにあります。このキャンディーを日本人の味覚に合うようアレンジし、新たに開発されました。
当時の技術では、バターを大量に含むキャンディーを作ることは困難でした。通常のキャンディーにおけるバターの含有量はわずか5〜6%が限界でした。しかし、チェルシーはこの技術的な壁を克服し、大幅にバターの含有量を引き上げました。その結果、チェルシーは滑らかな食感と深いコクを持つキャンディーとして登場し、当時の消費者を驚かせました。
チェルシーの名前の由来
「チェルシー」という名称は、約3000もの候補の中から選ばれました。ちなみに最終候補には、ロンドンの地区名である「チェルシー」と「キングスロード」がありました。
チェルシーが人気の理由
テレビCM
「あなたにも、チェルシー、あげたい」というキャッチフレーズは、当時の消費者の心を掴みました。このフレーズは、少し舌足らずな日本語を話す外国人の女の子が口にしたもので、多くの人に親しまれました。
多彩なフレーバー
- バタースカッチ
- ヨーグルトスカッチ
- コーヒースカッチ
これらのフレーバーは「スカッチアソート」として詰め合わせ販売され、多くの人に愛されました。
チェルシーの評価
チェルシーの開発は、日本菓子業界全体に大きな影響を与えました。従来の製造技術を大きく進化させ、バターの高含有量を実現したことは、他の商品との差別化を可能にしました。
その滑らかで濃厚な味わいは、それまでのキャンディーのイメージを覆し、高品質な商品を求める消費者のニーズに応えました。また、スコットランドの伝統を日本独自の技術と感性で再解釈するという手法は、異文化の融合を象徴する成功例として高く評価されています。
チェルシーの現在
チェルシーは発売から50年以上が経過した今でも、多くの人々に愛されています。その独特な味わいと長い歴史は、懐かしさを感じる世代から新たに魅了される世代まで、幅広い層に支持されています。
2023年末には、明治からチェルシーの販売終了が発表されました。このニュースは、多くのファンにとって衝撃的なものでした。2024年春に販売終了となった明治のキャンディー「チェルシー」ですが、同年9月3日から「生食感チェルシー」として北海道限定で再登場しました。
この新しいチェルシーは、明治のグループ会社である函館市の道南食品が開発し、北海道産の発酵バターと生クリームを使用した、やわらかくとろける食感が特徴です。販売開始当初から人気が高く、札幌市内の土産店では入荷した150個が約2時間で完売するなど、予想以上の売れ行きを見せています。