ココナッツサブレとは|歴史(発祥起源・パッケージと価格の変化・キャンペーンなど)【商品の種類も紹介】
ココナッツサブレとは
ココナッツサブレは、日清シスコが1965年7月2日から製造・販売しているビスケット菓子です。2025年7月2日で発売60周年を迎える計算になります。
商品名の「サブレ」とは、フランス発祥の焼き菓子の一種で、バターの風味が強くサクサクした食感を持つクッキーの一つです。この伝統的な焼き菓子にココナッツの風味を加えた日本独自のビスケットとして開発されました。
発祥起源
| 年 | 会社名・状況 |
|---|---|
| 1965年 | シスコ株式会社が熊谷市妻沼で製造開始 |
| 1991年1月21日 | 日清食品グループ傘下となり日清シスコへ社名変更 |
| 現在 | 熊谷市にある東京工場のみで生産し全国へ出荷 |
ココナッツサブレは1965年に埼玉県熊谷市妻沼で誕生しました。現在も熊谷市にある日清シスコの東京工場のみで生産され、熊谷市から全国に出荷されています。日清シスコは国内2か所に工場を持ち、東京工場は生産規模の大きな拠点となっています。
1991年1月21日に日清食品が株式の60パーセントを取得して日清食品グループ傘下となり、日清シスコへ社名変更されました。シスコーンなどのシリアル食品やチョコフレークなどのチョコレート菓子も製造しており、ビスケットやシリアルを中心とした菓子メーカーとして知られています。
会社の成り立ち
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1924年 | 大阪府堺市に播磨屋製菓所として創業 |
| 1934年 | 工場増設、チョコレート製造開始 |
| 1948年 | ビスケット生産開始、播磨屋製菓株式会社設立 |
| 1955年 | シスコ製菓株式会社へ社名変更 |
| 1991年 | 日清シスコ株式会社へ社名変更 |
| 2024年 | 創業100周年を迎える |
日清シスコは1924年に大阪府堺市で播磨屋製菓所として創業し、2024年に創業100周年を迎えた歴史ある企業です。「もっと楽しく、健やかに。」をスローガンに掲げ、お菓子の「楽しさ」、シリアルの「健やかさ」、さらに未来感や探求心、チャレンジ精神を意味する「もっと」の言葉を組み合わせた企業理念を持っています。
ココナッツサブレの特徴
| 食感 | サクサクした軽い食感 |
|---|---|
| 風味の由来 | ココナッツ・ココナッツオイル(実原料) |
| 表面加工 | シュガーコート |
| 製法 | ココナッツオイル練り込み製法 |
生地にココナッツオイルを練り込む製法で作られており、ココナッツの風味が内側からしっかりと感じられる仕上がりになっています。表面には砂糖がコーティングされており、この糖衣が独特の食感と甘みを生み出しています。
主なココナッツの風味は実原料由来である点が特徴です。ココナッツとココナッツオイルという天然の材料を使用することで、自然なココナッツの風味が味わえる商品になっています。
原材料
小麦粉(国内製造)、砂糖、ショートニング、ココナッツ、ココナッツオイル、食塩、脱脂粉乳、膨張剤、乳化剤(大豆由来)、香料
製品は、卵、落花生を含む製品と共通の設備で製造しています。アレルギーをお持ちの方は、購入時に商品パッケージでご確認ください。
栄養成分(4枚当たり)
| エネルギー | 110kcal |
|---|---|
| たんぱく質 | 1.5g |
| 脂質 | 4.4g |
| 炭水化物 | 16.0g |
| 食塩相当量 | 0.22g |
主成分は炭水化物で、ビスケット類として一般的な構成です。4枚でおよそ110kcalという数値は、間食としては標準的なカロリー量といえます。
ココナッツサブレの商品ラインナップ
令和5年下半期より、内容量が5枚×4パックから4枚×4袋へと変更されています。発売当初は22枚が1つのトレーに入っており、数枚ごとに小分けされていませんでした。2016年10月17日にリニューアルが行われ、それまでの連結プラスチックパックから個別包装へと変更されました。
定番のフレーバー
| 商品名 | 発売・定番化時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| ココナッツサブレ トリプルナッツ | 定番商品 | ココナッツ・アーモンド・ヘーゼルナッツの3種ブレンド |
| ココナッツサブレ 発酵バター | 定番商品 | 発酵バターを使用したコクのある味わい |
| ココナッツサブレ 濃厚ベイクドチーズ | 2025年6月30日定番化 | チェダーチーズと発酵バターを使用したコク深い味わい |
濃厚ベイクドチーズは、2023年と2024年に期間限定商品として販売されていたものが、発売60周年記念として2025年6月30日に定番商品となりました。販売終了後には復活を望む声が多数寄せられ、約8年ぶりに登場する新たな定番商品として発売されています。
トリプルナッツは、オリジナルのココナッツサブレにアーモンドとヘーゼルナッツを加えることで、より複雑で深みのある風味になっています。発酵バターは、バターのコクが加わることで、よりリッチな味わいを楽しめる商品です。
濃厚ベイクドチーズは、チェダーチーズと発酵バターを組み合わせて焼き上げており、ひと口目からチーズの香りがしっかりと立ち上がる商品です。ベイクドチーズケーキを思わせる濃厚さとほのかな塩気がアクセントとなり、サブレの甘さと調和して奥深い味わいを生み出しています。
コラボレーション商品
シュークリーム味 ビアードパパとのコラボ
ビアードパパとのコラボレーションで登場したシュークリーム風味は、2025年11月から発売されています。シュークリーム専門店として知られるビアードパパの味わいを再現した商品です。
ぎゅうにゅう味 大ピンチずかんとのコラボ
| 商品名 | 発売日 | 内容 |
|---|---|---|
| ココナッツサブレ 大ピンチ ぎゅうにゅう味 | 2025年3月17日 | 人気児童書「大ピンチずかん」とのコラボ商品 |
人気児童書とのコラボレーション商品として、ぎゅうにゅう味が展開されました。子どもたちに親しまれているキャラクターとのコラボにより、若年層への訴求を図っています。
ミネラル塩サブレ 熊谷市とのコラボ
製造所がある埼玉県熊谷市の公式マスコットキャラクター「ニャオざね」とコラボレーションしてパッケージと包装にイラストを記しています。熊谷市は暑さ対策日本一としても知られており、その地域性を活かした商品展開です。販売期間は毎夏季のみとなっています。
コラボレーションアイス
お菓子のココナッツサブレとのコラボレーションで生まれたファミリーアイスです。天然ココナッツとシュガーコートのあきないおいしさのココナッツサブレと、バニラアイスの香ばしい組み合わせが楽しめます。ご家族やお友達といっしょに食べられる7コ入りとなっています。
期間限定商品
まろやかコーヒー牛乳味 ニューレトロシリーズ
| 商品名 | 発売日 | コンセプト |
|---|---|---|
| ココナッツサブレ まろやかコーヒー牛乳味 | 2021年2月8日 | ニューレトロをテーマにした企画第一弾 |
この商品は、銭湯で販売されているコーヒー牛乳の味わいを再現するために、ミルクのコクとコーヒーのほどよい苦みに着眼して開発されました。開発担当者は、銭湯で販売されているコーヒー牛乳のほか、スーパーやコンビニで販売されている複数のコーヒー牛乳を飲み比べて、ミルクのコクとコーヒーの苦みのバランス調整に取り組みました。
前年同時期に発売した期間限定商品と比べて好調な売れ行きを記録しており、発売後、SNS等での評判は上々でした。「パッケージがかわいい」とパッケージ買いが発生したのとともに、今まで「ココナッツサブレ」を食べる機会が少なかった若い世代の人たちにも食べてもらうことができ、「おいしい」という声も多く寄せられています。
その他の期間限定フレーバー
| 商品名 | 発売時期 | 備考 |
|---|---|---|
| ココナッツサブレ あんバター | 2021年、2023年、2025年 | 複数年にわたり期間限定で発売 |
| ココナッツサブレ 島パインココナッツ味 | 2024年6月17日 | フォーモスト ブルーシールとのコラボレーション |
あんバター味は、あんことバターが加わった期間限定商品で、2021年、2023年に続き2025年も新発売され、スイーツ好きを中心に話題を集めています。サクサクのココナッツサブレの食感に、あんこの甘さとバターのコクが絶妙にマッチした商品です。
島パインココナッツ味は、フォーモスト ブルーシールとのコラボレーションによる期間限定商品として2024年6月17日に発売されました。
ロングセラーの菓子ブランドでは、基幹商品の売り上げの底上げや、ブランド鮮度維持、情報発信策として期間限定商品を企画することが多く、ココナッツサブレもそのひとつです。様々なフレーバーの期間限定商品が展開されてきました。
ココナッツサブレの歴史
発売当初の時代背景
| 発売年 | 1965年(高度経済成長期) |
|---|---|
| 発売当初の価格 | 50円と120円の2種類 |
| 現在価値換算 | 約215円と約516円相当 |
| 発売当初の内容量 | 22枚(小分けなし) |
高度経済成長期の1965年に発売されました。当時の1万円は、現在の約4.3万円ほどに相当するため、当時のココナッツサブレは、現代で言うところの215円と516円ぐらいだったという計算になります。
1960年代当時の日本では、まだ珍しかったココナッツを使用した洋風のビスケットとして販売されました。高度経済成長期という時代背景もあり、新しい食文化への関心が高まっていた時期でした。
パッケージと商品形態の変遷
| 年代 | 内容 | 内容量 |
|---|---|---|
| 1965年 | 発売開始(小分けなし) | 22枚 |
| 2016年10月17日 | 小分けパッケージへリニューアル | 20枚(5枚×4袋) |
| 2022年6月 | 57周年誕生日パッケージ発売(復刻デザイン) | 20枚(5枚×4袋) |
| 2022年秋頃〜 | 段階的に内容量変更 | 16枚(4枚×4袋) |
| 令和5年下半期 | 現行の形態 | 16枚(4枚×4袋) |
2016年10月17日の小分けパッケージへのリニューアルは、51年間続いた従来の形状からの変化でした。この変更により、サクサクの食感を長期間保つことができ、バッグの中に入れていつでも食べられるようになりました。モバイルしやすく、シェアしやすい、いつでもサクサクした食感が楽しめる小分け包装として、持ち運びに便利になりました。
2022年6月中旬より「ココナッツサブレ 57周年誕生日パッケージ」を発売し、発売当時のデザインを再現した復刻版パッケージが展開されました。内袋には発売当時から現在にいたる歴代のパッケージをプリントしており、ココナッツサブレの歴史を振り返ることができる特別なパッケージでした。昭和レトロな復刻版デザインで、懐かしい雰囲気を感じられる商品として販売されています。
2022年秋頃から段階的に内容量が減少し、20枚(5枚×4袋)から16枚(4枚×4袋)となりました。一袋あたりの枚数が減少し、実質的な値上げとなっています。
50周年キャンペーン
| 開始時期 | 2015年3月20日(サブレの日) |
|---|---|
| イメージキャラクター | 私立恵比寿中学 |
| テーマ | おかしなイメチェン |
| コンセプト | 変わらなさすぎた過去と別れを告げ、「ココから変わろう。」 |
発売50周年を迎えた2015年3月20日から、人気アイドルグループの私立恵比寿中学をイメージキャラクターに起用してキャンペーンを展開しました。「昔懐かしい、昭和のお菓子」というイメージからの脱却を目指し、50周年にあたる2015年から若年層開拓に向けた商品づくりや、プロモーションに取り組んできました。WEBなどを使った積極的なPRで大胆なイメージチェンジを図り、10代から20代の若年層のファン獲得を狙う戦略です。
50周年記念キャラクター
| キャラクター名 | 登場時期 | 活動内容 |
|---|---|---|
| ココ夏三郎 | 2015年夏 | 8月4日に全日本プロレス入団、8月29日にプロレスラーとしてデビュー |
ココナッツサブレ50周年を記念したキャラクター「ココ夏三郎」が2015年夏に登場しました。8月4日に全日本プロレス入団し、8月29日にプロレスラーとしてデビューするという、ユニークなプロモーション活動を展開しています。
ココナッツサブレの用途と活用法
日常のおやつとして
| 場面 | メリット | 詳細 |
|---|---|---|
| 外出時の携帯 | 小分け包装で持ち運びやすい | バッグに入れても崩れにくい |
| 職場でのコーヒータイム | 個包装で衛生的 | デスクに常備しやすい |
| 学校のおやつ | 4枚ずつで適量 | 食べ過ぎを防げる |
| 自宅での保存 | 湿気を防ぐ個別包装 | いつでも新鮮な食感を楽しめる |
外出先でも気軽に食べられる小分け包装により、様々な場面で食べられるビスケットになっています。4枚ずつ小分けされているため、食べ過ぎを防ぎながら適度な量を楽しめます。
個別包装により、開封後も残りのビスケットが湿気を吸いにくくなり、いつでも新鮮なサクサク感を楽しめる状態が保たれます。
長期保存食品として
| 賞味期限 | 製造日から13ヶ月 |
|---|---|
| 保存方法 | 常温保存可能 |
| 主要栄養素 | 炭水化物(エネルギー源) |
| 利用例 | 個人の備蓄用途 |
賞味期限は製造日から13ヶ月あり、長期保存が可能な食品です。この特性から、個人の備蓄用途として選ばれるケースもあります。常温で保存でき、エネルギー補給ができる炭水化物を多く含む点が特徴です。ただし、日清シスコ公式が非常食用途として明示的に謳っているわけではありません。
お菓子作りへの応用
SNSで話題のアレンジ方法 ヨーグルトとの組み合わせ
| 組み合わせ例 | 手順 | 仕上がり | 適量の目安 |
|---|---|---|---|
| リッチザヨーグルト×ココナッツサブレ | 11枚を突き刺して一晩寝かせる | レアチーズケーキのような味わい | 400g前後のヨーグルトに8〜16枚 |
| バニラヨーグルト×シュークリーム味 | 夕方に仕込み翌朝15時間後に混ぜる | ベイクドチーズケーキ風の味わい | 400g前後のヨーグルトに8〜16枚 |
2025年12月頃からSNS上で、ヨーグルトに入れて一晩寝かせることで、レアチーズケーキのような味わいになるというアレンジレシピが投稿されるようになりました。あるXユーザーがヨーグルトにココナッツサブレを突き刺して一晩寝かせた写真を投稿したことが始まりです。
共進牧場の「リッチザヨーグルト(400グラム)」にココナッツサブレ11枚を突き刺して一晩寝かせた写真が投稿され、翌日には「正真正銘のレアチーズケーキになっていました」と報告されています。トップバリュの「バニラヨーグルト」と「ココナッツサブレ シュークリーム味」の組み合わせを紹介する投稿も見られます。
このアレンジは、ココナッツサブレがヨーグルトの水分を吸収することで、チーズケーキのような食感と風味になる現象を利用したものです。ビスケットの甘みとヨーグルトの酸味が調和することで、まるでチーズケーキのような味わいが生まれます。
ヨーグルトの量に対してサブレの枚数が少ないと、水分を吸ってふやけたサブレとヨーグルトを食べている感じになり、レアチーズケーキ化としては失敗する場合があります。400グラム前後のヨーグルトに対して、8枚では少なく、16枚程度が適量とされています。
その他のお菓子作りでの活用
クッキークラストとして砕いて使用することで、タルトやチーズケーキの土台にすることができます。バターと混ぜて型に敷き詰めることで、簡単にクッキー生地を作ることが可能です。
チョコレートと組み合わせてクランチバーを作ったり、アイスクリームのトッピングとして使用したりするなど、様々な活用方法があります。ココナッツの風味が他の材料と調和しやすいため、幅広いお菓子作りに適しています。
ココナッツサブレの製造工程
生地作りの段階
| 段階 | 作業内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 計量 | 小麦粉、砂糖、ショートニング、ココナッツなどを計量 | 正確な配合比率の管理 |
| 混合 | ココナッツオイルを練り込む | 油脂の温度や混ぜる順番が重要 |
| 調整 | なめらかな生地になるまで混ぜ合わせる | 焼き上がりの食感を均一にする |
小麦粉、砂糖、ショートニング、ココナッツなどの原材料を計量し、混ぜ合わせて生地を作ります。ココナッツオイルを練り込む工程では、油脂の温度や混ぜる順番が製品の品質に影響します。
生地がなめらかになるまで混ぜ合わせることで、焼き上がりの食感が均一になります。この段階で生地の状態をしっかりと確認することが、サクサクした食感を生み出すポイントです。
成形と加熱処理
| 段階 | 内容 | 重要性 |
|---|---|---|
| 成形 | 生地を薄く伸ばし型で抜く | 厚みが食感に影響 |
| 表面加工 | 砂糖加工を施す | シュガーコートの形成 |
| 焼成 | オーブンで焼き上げる | 温度と時間の管理が重要 |
生地を薄く伸ばし、型で抜いて成形します。ビスケットの厚みは、食感に直接影響するため管理されています。
焼成工程では、表面に砂糖加工が施されることで、シュガーコートが形成されます。この工程により、表面の独特な食感と甘みが生まれます。詳細な工程は公開されていませんが、加熱処理によって糖衣を形成しています。
オーブンで焼き上げる際の温度と時間も、サクサクした食感を生み出すための要素です。焼き過ぎると硬くなり、焼きが足りないと湿気を含みやすくなるため、適切な焼き加減の見極めが必要になります。
包装工程
| 段階 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 冷却 | 焼き上がり後に冷ます | 品質の安定化 |
| 個別包装 | 4枚ずつ袋に入れる | 湿気防止 |
| 外装 | 個別包装を外袋にまとめる | 商品として完成 |
焼き上がったビスケットは、冷却された後に包装されます。小分けパッケージの場合は、4枚ずつ個別の袋に入れられ、さらにそれらを外袋にまとめて入れる形式です。
個別包装により、開封後も残りのビスケットが湿気を吸いにくくなり、いつでも新鮮なサクサク感を楽しめる状態が保たれます。
ココナッツサブレと類似商品
バターココナツとの比較
| 項目 | ココナッツサブレ | バターココナツ |
|---|---|---|
| メーカー | 日清シスコ | 日清製菓(現在は海外生産・輸入品) |
| 発売年 | 1965年 | 1966年 |
| 製造場所 | 埼玉県熊谷市(東京工場) | 海外(詳細不明) |
| 現状 | 国内で継続販売 | 2002年以降海外生産に移行 |
| 資本関係 | 日清食品グループ | グループ外 |
バターココナツは、1966年に日清製菓が発売したビスケット菓子で、ココナッツサブレとは別の会社の製品です。2002年に日清製菓が倒産して日本市場から消えましたが、現在は海外で生産され、日本では輸入品として流通しています。
ココナッツサブレを製造する日清シスコと、バターココナツを製造していた日清製菓は、関わりがない別の会社です。両社とも社名に「日清」が付いていますが、これは小麦粉の仕入れ先が同じだったことに由来するものであり、資本関係はありません。
発売年が1年違いで、どちらもココナッツを使用したビスケットであるため、消費者から混同されることがありますが、製造会社も製法も異なる別の商品です。
サブレという菓子カテゴリー
サブレとは、フランスのサブレ地方が発祥とされる焼き菓子で、バターの配合が多くサクサクした食感が特徴です。日本では、この伝統的なサブレに様々なアレンジを加えた商品が展開されています。
ココナッツサブレは、このフランスの伝統的なサブレの製法を基本としながら、ココナッツという素材を加えることで独自の風味を生み出した商品です。表面のシュガーコートも、オリジナルのサブレにはない日本独自のアレンジです。
ココナッツサブレとブランド戦略
日清シスコが2022年に実施した調査によると、「ビスケット」と聞いて思い浮かぶブランド(純粋想起)について、ココナッツサブレが1位を獲得しました。これは、長年にわたる販売実績と認知度の高さを示す指標となっています。
ビスケット・クッキー・クラッカー類の中で、ブランドとしての想起率が高いことは、消費者の記憶に深く刻まれている証拠です。
ココナッツサブレの販売チャネル
実店舗
| 店舗タイプ | 取り扱い状況 | 特徴 |
|---|---|---|
| スーパーマーケット | 定番商品として常時取り扱い | 最も入手しやすい |
| コンビニエンスストア | 定番商品として常時取り扱い | 24時間購入可能 |
| ドラッグストア | 取り扱いあり | まとめ買いに対応 |
| 専門店 | 店舗によって異なる | 限定商品の取り扱いも |
スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアなど、全国の小売店で広く販売されています。定番商品として常時取り扱っている店舗が多く、入手しやすい商品です。
バリエーション商品については、店舗によって取り扱いが異なる場合があります。期間限定商品は、発売期間中のみの取り扱いとなり、終了後は入手が難しくなります。
オンライン
| 購入先 | 特徴 | メリット |
|---|---|---|
| 日清食品グループオンラインストア | 公式直販サイト | 新商品情報が早い |
| Amazon | まとめ買いに対応 | 配送が早い |
| 楽天市場 | 複数店舗から選択可能 | ポイント還元あり |
| Yahoo!ショッピング | まとめ買いに対応 | PayPay決済対応 |
日清食品グループのオンラインストアでは、ココナッツサブレを直接購入することができます。まとめ買いや、店頭では見つけにくいバリエーション商品の購入にも対応しています。
Amazonや楽天などの大手通販サイトでも取り扱いがあり、複数パックをまとめて購入する際に便利です。送料を考慮すると、ある程度まとめて購入する方が経済的です。
ココナッツサブレの価格推移
希望小売価格の変遷
| 時期 | 希望小売価格 | 内容量 | 1枚あたり価格 |
|---|---|---|---|
| 2016年頃 | 195円 | 20枚(5枚×4袋) | 約9.75円 |
| 2022年秋〜 | 195円 | 16枚(4枚×4袋) | 約12.2円 |
2022年秋頃から段階的に内容量が減少し、20枚(5枚×4袋)から16枚(4枚×4袋)となりました。希望小売価格は据え置きのまま内容量が減少したため、実質的な値上げとなっています。1枚あたりの価格は約9.75円から約12.2円に上昇し、約25%の価格上昇となります。
この内容量変更は、原材料費や物流費の高騰に対応するための措置と考えられます。多くの菓子メーカーが同様の対応を取っており、業界全体の傾向となっています。
ココナッツサブレの文化的側面
「サブレの日」の制定
| 日付 | 3月20日 |
|---|---|
| 制定者 | 日清シスコ株式会社 |
| 制定年 | 2015年 |
| 由来 | 「3」「2」「0」の語呂合わせで「サ・ブ・レ」 |
日清シスコは、3月20日を「サブレの日」として制定しました。「3」「2」「0」の語呂合わせで「サ・ブ・レ」と読めることが由来です。2015年の50周年キャンペーンの開始日もこの日に設定されており、ブランドにとって記念すべき日となっています。
SNSでの反応
| 話題 | 時期 | 内容 |
|---|---|---|
| ヨーグルトアレンジ | 2025年12月〜 | レアチーズケーキ化が話題に |
| まろやかコーヒー牛乳味 | 2021年2月〜 | パッケージ買いが発生 |
| 57周年誕生日パッケージ | 2022年6月〜 | 昭和レトロなデザインが評判に |
近年、SNSを通じて消費者が独自のアレンジ方法を共有し、それが新たな楽しみ方として広まる現象が起きています。特に2025年12月頃から広まったヨーグルトアレンジは、従来の食べ方とは異なる新しい楽しみ方として注目を集めています。
メーカー側も、このような消費者の創意工夫を歓迎しており、SNSでの話題化がブランドの活性化につながっています。
まとめ
ココナッツサブレは、1965年の発売以来60年近く続いているロングセラービスケットです。埼玉県熊谷市にある日清シスコの東京工場で一貫して製造され、全国に出荷されています。サクサクした食感と天然ココナッツの風味、表面のシュガーコートによる甘みが特徴です。
2016年の小分けパッケージへのリニューアルにより、持ち運びやすさと保存性が向上しました。トリプルナッツや発酵バター、濃厚ベイクドチーズなどのバリエーション展開や、ビアードパパとのコラボレーションによるシュークリーム味、大ピンチずかんとのコラボによるぎゅうにゅう味など、時代に合わせた商品展開も続けています。
2015年の50周年には私立恵比寿中学をイメージキャラクターに起用し、若年層へのアプローチを強化しました。期間限定商品も積極的に展開し、まろやかコーヒー牛乳味やあんバター味など、様々なフレーバーで話題を集めています。
日常のおやつとしてだけでなく、長期保存が可能な食品として備蓄用途で選ばれるケースもあり、お菓子作りの材料としても使用されています。2025年12月頃からは、ヨーグルトと組み合わせてレアチーズケーキ風にするアレンジがSNSで投稿されるなど、消費者による新しい楽しみ方も生まれています。
ビスケット類のブランド純粋想起率で1位を獲得するなど、高い認知度を誇るココナッツサブレは、昭和、平成、令和と時代を超えて販売が続いている商品です。これからも多くの人々のおやつタイムを支えていく商品でしょう。






