第5位:想定以上の出費
塾に通わせるとお金がかかる
塾に通わせると毎月の月謝以外にも下記のような追加の支払いが発生します。
例えば、大人でも下記のような課題をこなすのは大変ですよね。
- 春季報酬獲得講習などの季節講習費
- 特区日曜特訓
- 夏季合宿
- 正月特訓
- テキスト購入費
- 対策講座などのオプション講座 など
カリキュラムの速さと宿題の多さ
大手学習塾の「カリキュラムの速さ・内容の深さ・宿題の多さ」は小学校の比ではありません。
特にサピックスやグローバルのように熟成のフォローがほとんどない塾では、塾の授業の復習や宿題を進めるために個別指導塾や家庭教師に頼ることが多くなります。
その費用はまちまちですが、要するに塾の月謝以外にも多くのお金がかかるのです。
トーマスのような完全マンツーマンの指導の塾はその指導に見合った額になります。
家庭教師も社会人プロ家庭教師にお願いすると1時間5000円から1万円くらいかかります。
受験と入学にかかる費用
人気漫画「2月の勝者」にもある通り、中学受験は父親の経済力だけでなく母親や祖父母の経済力も総動員して教育費を捻出している家庭が多いのが現状です。
受験費用
例えば関東で1校あたりの受験料は約2万5千円、関西では約2万円かかります。
5校受験すると軽く10万円を超えます。
入学金
第二志望以下の学校に入学金を納めた後に第一志望校の合格が出た場合、すでに払った入学金を捨てて第一志望校の入学金を払う必要があります。
さらに、私立中に入学しても高校に内部進学する際に再度入学金を払う必要があります。
教育費のシミュレーションしよう
多くの保護者は予想以上に教育費がかかったと感じています。
教育費は想定額の1.5倍かかると念頭に置き、シミュレーションしておくことが必要です。
しかし、どんなにシミュレーションをしても予算がないものはないので、どこまで塾に付き合うかを冷静に見極める必要があります。
ただ、塾にはその冷静さを失わせる仕組みがあるのです。
それについては、この後お伝えします。
第4位:通塾し始めたらやめられなくなる
軽い気持ちでの入塾
うちは何が何でも偏差値の高い学校を目指しているわけじゃないから、とりあえず入塾させてみて、無理そうだったらやめてもいいから。
こんな風に考える親も多いでしょう。
家にいても自分では勉強しないから、とりあえず塾に行かせておけば、行っている間くらいは勉強するだろうと。
共働きで子供の勉強を見る余裕がない、勉強に夢中になっている様子もない、そんな軽い気持ちでとりあえず入塾テストを受けさせてみるというのはよくあることです。
先生からの期待させる言葉
しかし、そのテストの結果を返される際、塾の先生からこんな言葉をかけられます。
学校の勉強以外にも何か他の勉強をやっていますか?
特にやっていないんですね。
それなのにこんなに漢字もちゃんとかけて、計算問題もできているんですね。
もう志望校は決まっていますか?
御三家とか早慶附属とか。そうなんですね。まだこれからですよね。
でも今学校の勉強だけでこれくらいできているんだったら、これからもっと勉強していけばどこでも目指せそうですね。
こう言われると、親としては嬉しくないわけがありません。
自分の子供がそこまで勉強していないことをわかっている親でも、こう言われると希望を抱きます。
先生の言葉の真実
しかし「これからもっと勉強していけば」という言葉の裏には大変な努力が必要です。
学年が上がるほど勉強内容のレベルが上がり、宿題の量も増えていきます。
小4から小5になると余裕のある子供はほぼいなくなります。
例えば、大人でも下記のような課題をこなすのは大変ですよね。
- 来週までにブラジルの州の名前を全部場所と合わせて覚えてくる
- 複素数平面を理解する
- 7つの習慣を読んでレポートをまとめる
- 熱を微視的視点で要素分解して有機集団の全体的な変化傾向をイメージする
このような難易度のことを子供が毎週こなすのです。
辞めることの難しさ
宿題をやりきれず、確認テストや模試で偏差値が下がると子供は辛くなります。
もう塾に行きたくない。
と言い出すこともあります。
こんなに辛い思いをさせるならやめさせようかな。
親もこのように思うでしょう。
しかし、ある日子供がいい成績を取ってくると塾の先生から褒められます。
子供は嬉しくて親に報告します。親も喜びます。
そしてこのように思うのです。
やっぱりもう少しだけ続けさせよう。
辞めることへの恐怖
塾での人間関係もできた子供にとって塾を辞めるのは大変な決断です。
物事を始めるよりも辞めることの方がエネルギーがいります。
所属しているところを失うことに対する恐怖心もあります。
「塾やめる?」と聞くと「やめない」と答えるのです。
受験沼にはまってしまう
そうしているうちに受験が近づきます。そしてこう思います。
ここまで来たらせっかくだからどこか受験して合格をもらわないと!
最初から受験に対して真剣な姿勢で塾に入れる親は少数派です。
ほとんどの親は軽い気持ちで入塾テストを受けるところから始まり、いつのまにか受験沼にはまっているのです。
もちろん、塾で同じ成績の子供たちと切磋琢磨して、学校では教えられない深くて広い知識を学ぶのは良いことです。
しかし、その一方で思うような結果が出ずに辛くなる子供も少なくありません。
第3位:頑張っても成績は上がらない
成績が上がらない理由
塾に通い始めて一生懸命勉強しても成績が上がらないことはよくあります。
これは当たり前のことなので忘れないでください。
成績は点数と偏差値で表されます。
点数が上がらない理由
カリキュラムが進むに従ってテストで点数を取るのは難しくなります。
カリキュラムは簡単な内容から複雑な内容に進んでいくからです。
点数が下がらないということは、カリキュラムの進行に合わせて学力がついているということです。
点数を上げるにはカリキュラムの進行を上回る学力をつける必要があります。
偏差値が上がらない理由
偏差値は他の塾生たちとの比較で相対的に算出されます。
学年が進むごとに他の塾生たちの学力も上がるので偏差値が上がりづらくなります。
自分だけが頑張っているわけではなく、他の塾生も同じように努力しているからです。
これはマラソン大会でみんなが同じスピードで走っていると順位が変わらないのと同じです。
偏差値が下がらないということは、他の塾生たちと同じくらい学力が上がっているということです。
偏差値を上げるには他の塾生を上回る学力をつける必要があります。
無力感に負けないために
塾に通い始めると、成績の上がり下がりで今やっている勉強の成果を判断しがちです。
しかし「こんなに勉強しているのに成績が上がらない」と無力感を味わうこともあります。
同じ塾で同じカリキュラム、同じテキストで勉強しているため、成績は上がりにくいのです。
最近では参考書も多く出回っており、不特定多数に無料で授業動画を配信している人もいるので情報の差もほとんどありません。
成績よりも各科目の単元の基本を理解できているかを判断基準にすると良いでしょう。
子どもに合った勉強法を見つけようPART1
成績を上げたいと思うなら、我が子に合った勉強の仕方を一緒に試行錯誤することが大切です。
ゲームの世界で戦士は近接攻撃、魔法使いは遠距離攻撃が得意であるように、みんなそれぞれ向いている勉強の仕方があります。
その勉強法が見つかれば成績は上がっていきます。
第2位:批判される
子供を塾に通わせることでの批判
塾に通うと、知人や親戚からこう思われることがあります。
そんな小さいうちから塾通いをさせてかわいそうに。
塾なんてまだ早いんじゃないか。
塾の先生からこのように注意されることもあります。
授業中集中できていない。
宿題もできていないことが多い。
成績を上げたいなら本気になってくれないと。
さらに、子供から・・・
塾なんて行きたくなかったんだよ
と言われたという親も多くいらっしゃるでしょう。
塾に通わせるための親の負担
子供を塾に通わせるのはお金がかかるだけでなく様々な負担があります。
例えば、大人でも下記のような課題をこなすのは大変ですよね。
- 塾からの配布物に目を通す
- 保護者会や保護者面談に参加
- 学校情報を調べて学校見学に行く
- 子供の勉強を見てあげる
- 子供の宿題をチェック
- 講習会のスケジュールを把握する
- 塾から配られるテキストやプリント類の整理管理
- 模試の付き添い
- お弁当の用意
- 雨が降った時の送り迎え など
これらの必要なことは多岐にわたります。
お金だけ払えば成績が上がるわけではなく、大変な努力が求められます。
それにも関わらず、周囲から認められたり感謝されたりするよりも、批判されることが多いのです。
受験勉強はいつから初めても良いはず
考えてみれば、小さなうちからスポーツや楽器などの習い事に通わせるのは良くて、学習塾に通わせるのを批判されるのはおかしな話です。
勉強で才能を発揮できる子もいますし、勉強は入試を通過するための手段ではなく、今まで知らなかった世界を知る手段でもあります。
勉強することで日常をより深く知ることができます。
心身に異常をきたすまで勉強するのは本末転倒ですが、受験勉強はいつから始めても良いと思います。
批判に対する対応
塾の講師から「授業に集中していない」「宿題をやりきれていない」と言われることがあります。
しかし子供が授業に集中しないのは集中できない授業をする先生の責任であり、宿題をやりきれないのはやりきりたい気持ちにさせられない先生の責任です。
自分の力量不足を生徒のせいにする先生は、先生失格ではありませんか。
批判する側は相手の一生に責任を持っていません。
我が子の受験サポートは基本的に報われないものと覚悟を決めて、周囲の批判は聞き流すしかありません。
すべての批判を受け入れようとすると、ロバを売りに行く親子のイソップ物語のように、周囲の批判に従った結果、失敗することになりかねません。
子どもに合った勉強法を見つけようPART2
塾の先生から「お子さんが集中できていない」「宿題をやりきれていない」と言われた場合、もっとお子さんに合った塾に変えるか、授業に集中するために子供に合った家庭学習のやり方をいろいろ試すしかありません。
お子さんに合う塾、合う勉強の仕方は必ずあります。
第1位:視野が狭くなる
塾内の考え方に染まる狭く
勉強することで新しいことを知り、日常を深く理解することができます。
これは勉強の最大のメリットです。
しかし、塾に通うと視野が狭くなることがあります。
塾では成績競争にさらされ、親子共に偏差値が高い人が頭が良く、低い人が頭が悪いと感じさせられるからです。
自己肯定感が下がっていく
塾に入ると偏差値が頭の良さを表す絶対的な物差しであるかのように感じさせられます。
偏差値で測れるのは頭の良さのほんの一要素だけです。
それにも関わらず、塾では偏差値が高ければ上クラス、低ければ下クラスと呼ばれるクラスに振り分けられます。
これは自己肯定感を下げる要因となります。
自己肯定感を下げる塾
私は「下クラス」とは言わず、「基礎クラス」と呼んでいました。
基礎クラスの生徒たちには「基本の理解に関してはどこのクラスにも負けない」と伝えていました。
しかし、一部の塾では成績によって座席の序列をつけることがあります。
競争心を煽って生徒たちが頑張れば合格実績につながり、親は講座に申し込んでくれるので、塾にとって都合がいいのです。
これも自己肯定感を下げる原因になります。
学力という言葉の意味
「学力」という言葉も視野を狭めるものです。
ある大手学習塾は「全国最大の小学生テストなので、多くの小学生と比較して自分の学力レベルを客観的に把握でき、自信をつけることができます」と言っています。
しかし、学力とはテストに出題されない知識や、興味を持って調べる姿勢、じっくりと考える力も含まれます。
これらの学力はテストの点数や偏差値には反映されません。
テストの成績=学力ではない
良い点数や偏差値を取った子は自信をつけることができますが、受験者の約半数は偏差値50未満になります。
これらの子供たちは自信を失う可能性があります。
学力とは本当はとても広い意味の言葉ですが、テストの成績が学力だと思い込んでしまうことが問題です。
塾通いが長いほど思考が塾基準になる
塾通いが長くなるほど、受験業界の価値観に染まり、塾の物差しで自分を評価するようになります。
受験する上での学力はテストで測れますが、もっと広い意味での学力は測れません。
このことをテストを受ける子や塾に通う子には伝えたいです。
コメント