かりんとうとは|作り方や味わい方まで徹底的に紹介

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かりんとうとは

かりんとうは、小麦粉を主な材料とし、これに水とを加えて作った生地を油で揚げ、最後に砂糖の蜜をからめて作る日本の伝統的な和菓子です。

完成したかりんとうは、細長い棒状や不規則な塊状をしており、表面には独特なシワや凹凸があるのが特徴です。

かりんとうの材料

かりんとうは、主に小麦粉を主な材料としています。

この小麦粉には、パンやうどんにも使われる強力粉や中力粉が使われることが一般的です。

さらに、製品によっては、卵や牛乳、バターなどを加えることもあります。

かりんとうの製法

小麦粉に水とを加えて作った生地を油で揚げ、最後に砂糖の蜜をからめて作られます。

完成したかりんとうは、細長い棒状や不規則な塊状をしており、表面には独特なシワや凹凸があるのが特徴です。

かりんとうの食感

かりんとうの表面にある凹凸が、食べた時に「カリカリ」という食感を生み出します。

この食感は、かりんとうの美味しさにとって重要な要素です。

生地をしっかりとこね、硬めに仕上げることで、この独特な食感が生まれます。

かりんとうの名前の由来

「カリカリ」という音

かりんとうという名前は、食べるときの「カリカリ」という音から名付けられたという説があります。

この説は、お菓子の食感がそのまま名前になったというものです。

花梨の木が由来の説

花梨(カリン)の木や実に似ていることから、「花梨糖」と名付けられたという説もあります。

花梨の木には「花梨瘤(かりんこぶ)」と呼ばれるコブができ、その複雑な模様がかりんとうの表面に似ているとされています。

「火輪船」が由来の説

江戸時代に蒸気船を「火輪船(かりんせん)」と呼んでいたことから、当時珍しかった油で揚げるお菓子を、新しい時代の象徴である黒船になぞらえて名付けられたという説も存在します。

かりんとうの歴史

中国から日本への伝来

かりんとうの歴史は、現在確認できる記録によると奈良時代までさかのぼることができます。

この時代に遣唐使によって中国から日本に伝えられた「唐菓子(とうがし)」が、かりんとうの起源とされています。

唐菓子は、もち米や小麦粉などをこねて油で揚げて作られていました。

このお菓子の作り方は、主に九州や四国地方に伝わり、そこから日本各地に広がっていきました。

江戸時代までの変化

当時の日本では、砂糖が極めて貴重な品物でした。

日本にまだ精糖技術がなく、砂糖は薬として扱われるほど高価だったため、一般の人々は口にできませんでした。

そのため、甘味には「甘葛(あまづら)」というつる草の液汁が使われていました。

清少納言の『枕草子』にも甘葛の記述があり、当時の甘味料として使われていたことが分かります。

庶民に広まった江戸時代

一般の人々がかりんとうを楽しめるようになったのは、江戸時代に入ってからです。

この時代に、現在のかりんとうに近い素朴な菓子が生まれました。

小麦粉をこね、板状にして油で揚げるという基本的な製法は、この時代に確立されたとされています。

明治時代の発展

明治8年(1875年)には、浅草仲見世の飯田屋という店が、棒状のかりんとうに黒砂糖の蜜をからめて売り出しました。

これが評判となり、下町で広く知られるようになりました。

当時は白砂糖がまだ高価だったため、庶民的なお菓子には黒砂糖が使われました。

結果として、この黒砂糖がかりんとうに独特の風味を与えることになりました。

黒砂糖がかりんとうに使われた理由

経済的な理由

当時、白砂糖は非常に高価であり、庶民のお菓子には手が出しにくいものでした。

そのため、比較的安価で手に入りやすい黒砂糖が使用されました。

保存性

砂糖には、「コクトオリゴ」という成分が含まれており、酸化を抑える働きがあります。

この成分が油で揚げたお菓子の日持ちを良くする効果がありました。

冷蔵技術や現代の包装技術がなかった時代にとって、この保存性の高さは実用的な利点でした。

かりんとうの製造方法

かりんとうは、生地作りから成形、揚げ、蜜がけまで、複数の工程を経て作られます。

これらの工程は、それぞれがシンプルに見えますが、どの段階にも細かな技術が必要です。

生地の発酵具合、成形の仕方、揚げ油の温度と時間の調整、蜜の濃度など、わずかな違いが製品の品質に影響を与えます。

これらの要素を適切に管理することで、理想的なかりんとうが生まれます。

ここでは、その一連の流れを詳しく説明します。

生地作り

かりんとうの最初の工程は生地作りです。

まず、主な材料である小麦粉に、水とを加えて混ぜ合わせます。

生地の硬さは、出来上がりの食感を左右するため、職人の経験と技術が求められます。

成形

次に、作った生地をかりんとうの形に整えていきます。

生地をしっかりとこねて、適度な硬さに調整します。

その後、棒状や板状など、製品ごとに適した形に切って成形します。

この段階で生地の密度が決まり、食感の基礎が作られます。

油で揚げる

成形した生地を油で揚げて、かりんとう特有の食感を生み出します。

生地を180度程度に熱した油で揚げます。

揚げ油の温度や時間によって、かりんとうの硬さや風味に違いが出ます。

生地の内部までしっかりと火を通し、外側はカリッとした食感になるように調整します。

蜜がけ

揚げた生地に蜜をからめて、かりんとうの甘みを加えます。

揚げ上がった生地を、砂糖と醤油で作った蜜にからめます。

蜜の濃度や温度によって、かりんとうの表面にできるシワや凹凸の付き方が変わります。

最後に、蜜をからめたかりんとうを冷まし、蜜を固めて完成です。

かりんとうの種類

ここでは、代表的な「黒かりんとう」と「白かりんとう」について詳しく説明します。

黒かりんとう

黒かりんとうは、最も一般的に知られているかりんとうです。

黒かりんとうは、揚げた生地に黒砂糖を使った蜜をからめて作られます。

砂糖は、サトウキビの搾り汁を煮詰めて作るため、特有の風味とコクがあります。

この蜜が、かりんとうに濃厚で深みのある甘さを与えます。

白かりんとう

白かりんとうは、黒かりんとうとは異なる風味を持っています。

白かりんとうは、揚げた生地に白砂糖を使った蜜をからめて作られます。

砂糖は、黒砂糖に比べて精製度が高く、クセのない甘さが特徴です。

そのため、白かりんとうはさっぱりとした、上品な甘さを楽しめます。

かりんとうとドーナツとの違い

かりんとうとドーナツは、どちらも小麦粉を使い、油で揚げて作られます。

しかし、ドーナツには生地に卵を使用するのに対し、かりんとうは卵を使いません。

この違いが、ドーナツのふんわりとした食感と、かりんとうのカリッとした食感の違いを生み出しています。

かりんとうと似ているお菓子

かりんとうに似たお菓子は、海外にも存在します。

イタリアの「キアッケレ」や、スペインの「ペスティーニョ」などがその例です。

ペスティーニョは、かりんとうと同じように油で揚げた生地に、蜂蜜をからめて作られます。

このような類似点から、油で揚げて甘味をつけるという菓子の作り方が、世界各地で独自に発展したことが分かります。

現代のかりんとう

現代のかりんとうは、様々な新しい味が登場しています。

野菜を練り込んだものや、ごま、味噌で味付けしたものなどがあります。

健康志向に合わせて、全粒粉や雑穀を使ったもの、オリーブオイルで揚げたものなども開発されています。

地域ごとの特産品

各地で、その土地の特産品を活かしたかりんとうが作られています。

沖縄県では沖縄産の黒糖を使用した黒糖かりんとう、北海道では地元産のじゃがいもを使ったじゃがいもかりんとう、長野県では信州産のりんごを使ったりんごかりんとうなど、その土地の特産品を活かしたかりんとうが存在します。

これらは観光土産としての役割を果たすとともに、地域の食文化を表現する存在となっています。

季節のかりんとう

日本の四季に合わせて、季節限定のかりんとうも販売されています。

春には桜味、夏にはレモン味、秋にはさつまいもや栗味、冬にはチョコレートやゆず味などがあります。

このような商品は、日本人の季節感を大切にする文化を反映しています。

「かりんとうの日」の制定

毎年11月10日は、「かりんとうの日」として制定されています。

これは、「11」を棒状のかりんとうに見立て、「10」を砂糖の「糖(とう)」と読む語呂合わせによるものです。

この日には、全国油菓工業協同組合を通じて各メーカーが全国の子ども食堂へかりんとうを寄付する活動が行われており、社会貢献活動の一環としても機能しています。

かりんとうの栄養

かりんとうは、高カロリーな食品です。

100グラムあたりの栄養価を見ると、エネルギーは約450キロカロリー、たんぱく質5グラム、脂質20グラム、炭水化物60グラム、食物繊維2グラムとなっています。

しかし、食物繊維、鉄分、ビタミンB1などの栄養素も含まれています。

食物繊維は整腸作用やコレステロール低下の効果が期待でき、鉄分は貧血予防に役立ちます。

高カロリーであることから、適量を守って楽しむことが大切です。

かりんとうの食べ方

そのまま食べるのが一般的ですが、飲み物と組み合わせることで異なる味わいが楽しめます。

冷たい牛乳と一緒に食べると、かりんとうの甘さと牛乳のまろやかさが調和します。

コーヒーとの組み合わせでは、ビターな味わいと甘いかりんとうの対比が楽しめます。

日本茶と合わせれば、伝統的な和のおやつとして味わうことができます。

まとめ

かりんとうは、1200年以上の歴史を持つ日本の伝統菓子です。

その基本的な製法と味わいは受け継がれつつ、現代のニーズに合わせて新しい商品が開発されています。

シンプルな材料から生まれる奥深い味わいと食感、そして日本の食文化と密接に結びついた歴史的背景を持つかりんとうは、今後も親しまれ続けるでしょう。

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