おやつカンパニーと山芳製菓が提携|「ベビースター」と「わさビーフ」
2025年12月26日、スナック菓子業界に大きなニュースが飛び込んできました。おやつカンパニーが山芳製菓の全株式を取得し、資本業務提携を結んだのです。「ベビースターラーメン」と「わさビーフ」という、それぞれのジャンルで独自の地位を築いてきた2つのブランドが、これから一緒に歩んでいくことになります。
この提携は単なる企業同士の結びつきではなく、長年愛されてきた商品たちの新しい可能性を広げるものとなりそうです。では、この提携で何が変わり、私たち消費者にどんな影響があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
おやつカンパニーと山芳製菓が提携しました
| 発表日 | 2025年12月26日 |
|---|---|
| 提携の形 | 全株式取得による資本業務提携 |
| 取得側 | おやつカンパニー |
| 被取得側 | 山芳製菓 |
今回の提携では、おやつカンパニーが山芳製菓の全株式を取得しました。
全株式取得という形を取ることで、両社は経営判断から商品開発、販売戦略まで、あらゆる面で連携しやすくなります。
この提携では、両社が長年培ってきた様々な資産を相互に活用していくことが計画されています。
商品開発力やブランド力、製造ノウハウ、販売ネットワークといった経営資源を共有し、それぞれが持つ強みを融合させていく方針です。
おやつカンパニーとは
| 創業年 | 1948年 |
|---|---|
| 創業時の業態 | 製麺業 |
| 代表商品誕生 | 1959年(ベビースターラーメン) |
| 企業理念 | たっぷり、たのしい |
おやつカンパニーは1948年に製麺業として創業した企業です。その歴史は戦後間もない時期から始まり、70年以上にわたって日本の食文化に寄り添ってきました。転機となったのは1959年のこと。「ラーメンをそのまま食べる」という当時としては画期的な発想から、「ベビースターラーメン」が誕生しました。
お湯で戻さずに、袋から出してそのまま食べられるラーメン菓子は、子どもたちの間で広まっていきます。現在、同社は「たっぷり、たのしい」という理念を掲げ、ただお腹を満たすだけでなく、食べる楽しさや遊び心を大切にする姿勢を示しています。
代表商品|ベビースター
ベビースターラーメンは駄菓子とラーメンスナックという独自のカテゴリーを確立しました。「おやつ」と「ラーメン」という異なるカテゴリーを結びつけた発想力が、この商品の基盤となっています。子どもから大人まで幅広い年齢層に親しまれており、懐かしさと新しさの両方を感じさせる商品展開を続けてきました。
山芳製菓とは
| 創業年 | 1953年 |
|---|---|
| 企業理念 | 自然の恵みを通じて「おいしい!」「楽しい!」に貢献 |
| 代表商品誕生 | 1987年(わさビーフ) |
| 販売年数 | 約40年(2025年時点) |
山芳製菓は1953年創業。自然の恵みを活かし、「おいしい!」「楽しい!」という体験を提供することを目指してきた企業です。同社の看板商品である「わさビーフ」は1987年に発売されました。それから約40年、ポテトチップス市場において他に類を見ない個性を持つ商品として、多くのファンに支持され続けています。
山芳製菓が大切にしているのは、安全・安心という価値です。流行や新しさを追い求めるだけでなく、消費者が安心して口にできる商品づくりを何十年も守り続けてきました。
代表商品|わさビーフ
わさビーフは、わさびの刺激とビーフの旨みという、一見すると合わないように思える要素を調和させました。ポテトチップスという激戦区において、わさびとビーフという独特の組み合わせで差別化に成功しています。この大胆な味づくりが、40年近くファンを魅了し続けている背景です。
この提携で活用される資産
相互に活用する4つの資産
| 資産の種類 | おやつカンパニーの強み | 山芳製菓の強み |
|---|---|---|
| 商品開発力 | ラーメンスナックという新ジャンル創出 | わさびとビーフの組み合わせ成功 |
| ブランド力 | 世代を超えた認知度 | 独特の味わいによる熱心なファン |
| 製造 ノウハウ | 麺を揚げる技術 | ポテトチップス製造の技術 |
| 販売 ノウハウ | 国内外とECの販売網 | 店舗展開の知見 |
商品開発力は、この提携の中心となる要素です。おやつカンパニーはラーメンスナックという新ジャンルを生み出した実績があり、山芳製菓はわさびとビーフという意外な組み合わせを成功させてきました。この2つの発想力が融合すれば、今まで誰も思いつかなかった商品が生まれる可能性があります。
ブランド力も重要な資産です。ベビースターラーメンは世代を超えて認知されており、わさビーフは独特の味わいで熱心なファンを獲得しています。これらのブランドが持つ信頼感や親しみやすさは、新商品の展開においても役立ちます。
製造と販売の連携
製造面では、それぞれの工場が持つ技術や設備を活かし合うことができます。おやつカンパニーは麺を揚げる技術に長けており、山芳製菓はポテトチップスの製造で蓄積したノウハウを持っています。どちらも揚げ菓子という共通点があり、技術面での親和性があります。
販売ノウハウの共有も見逃せません。どの店舗にどう商品を並べるか、どんなタイミングで販促活動を行うかといった知見を交換することで、双方の商品がより多くの消費者に届くようになります。
この提携による効果
ベビースターは駄菓子とラーメンスナックという、他に競合がほとんどいないジャンルを築いてきました。一方、わさビーフはポテトチップスという激戦区において、わさびとビーフという独特の組み合わせで差別化に成功しています。両ブランドに共通しているのは、「他にはない」という特徴です。
この提携では、「ベビースター」と「わさビーフ」という2つのブランドが持つ価値を掛け合わせることが期待されています。ベビースターの麺とわさビーフの味つけを組み合わせた商品が考えられるほか、両社の開発チームが協力することで、今までどちらも手がけていなかった全く新しいタイプのスナック菓子が生まれる可能性もあります。
販売網の広げ方
国内と海外の販売網
おやつカンパニーが持つ販売ネットワークを活用し、山芳製菓の商品展開を広げることも、この提携の目的の一つです。おやつカンパニーは国内だけでなく、海外にも販売チャネルを持っています。ベビースターラーメンは日本国内で培った人気を基盤に、アジアを中心とした海外市場でも存在感を示してきました。
山芳製菓のわさビーフは、日本国内では一定の知名度がありますが、海外での展開は限定的でした。おやつカンパニーのネットワークを使うことで、これまで届かなかった地域の消費者にも商品を届けられるようになります。
ECでの販売強化
インターネット販売、いわゆるECチャネルの活用も戦略の一つです。近年、スナック菓子の購入方法は変化しています。従来は店舗で手に取って買うのが一般的でしたが、今ではオンラインで購入する消費者も増えてきました。
おやつカンパニーは既にEC販売の経験を積んでおり、どのように商品を見せれば購入につながるか、どんな配送方法が好まれるかといった知見を持っています。EC展開には実店舗にはない利点があります。まず、販売地域の制限がありません。実店舗では配送範囲や棚のスペースに限りがありますが、ECなら全国どこからでも注文を受けられます。
販売先の種類と特徴
販売チャネルの拡大とは、単に販売場所を増やすだけではありません。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストア、EC、自動販売機など、それぞれのチャネルには特徴があります。
コンビニなら小容量で手軽に買える商品が向いており、スーパーならファミリーサイズが求められます。両社が協力することで、それぞれのチャネルに合った商品ラインナップを揃えることができます。
顧客の広げ方
2つの商品の顧客層
| 商品 | 主な顧客層 | 購入シーン | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| ベビースター | 子どもと家族、懐かしさを求める大人 | おやつ、駄菓子屋 | 手頃 |
| わさビーフ | 大人、個性的な味を好む層 | おつまみ、わざわざ選んで購入 | 一般的 |
この提携では、両社の顧客層を相互に拡大することも目指しています。ベビースターラーメンと山芳製菓のわさビーフは、どちらもファンが多い商品ですが、その顧客層には違いがあります。
ベビースターは子どもの頃から慣れ親しんでいる人が多く、家族で楽しむお菓子というイメージがあります。駄菓子屋やスーパーで子どものおやつとして買われることが多く、懐かしさを求める大人が購入するケースもあります。価格帯も手頃で、気軽に買える商品です。
わさビーフは大人の味覚に訴える商品で、お酒のおつまみとして選ぶ人も少なくありません。その独特の味わいから「わざわざ選んで買う」商品という側面があります。わさびの刺激を求める人、ポテトチップスの中でも個性的な味を好む人が主な顧客となっています。
顧客を増やす仕組み
顧客層を相互に拡大するとは、具体的にどういうことでしょうか。たとえば、ベビースターを買いに来た家族に対して、わさビーフという選択肢を提示します。「いつものベビースターに加えて、大人向けのスナックも試してみませんか」という提案ができれば、これまでわさビーフを知らなかった層にアプローチできます。
逆に、わさビーフを好む大人の消費者に対して、「懐かしいベビースターも手に取ってみてください」という訴求をすることで、久しぶりにベビースターを買ってもらうきっかけを作れます。両社の商品は味わいやコンセプトが異なるため、「いつもベビースターしか買わない」「わさビーフ以外は興味ない」という人たちにとって、新しい発見の機会となります。
店頭での陳列を工夫したり、セット商品を作ったりすることで、自然な形で相互の顧客へのアプローチが実現します。
2社のキャラクターの活用方法
2つのキャラクター
| キャラクター | 所属ブランド | 役割 |
|---|---|---|
| ホシオくん | ベビースター | パッケージやプロモーションでの活用 |
| わさモー | わさビーフ | 商品の個性的な味わいを視覚的に表現 |
両社は、それぞれ親しみやすい公式キャラクターを持っています。ベビースターの「ホシオくん」と、わさビーフの「わさモー」です。ホシオくんは、ベビースターラーメンのパッケージに描かれている星形のキャラクターです。長年にわたって商品の顔として活躍しており、多くの人にとって馴染み深い存在となっています。
わさモーは、わさびの刺激を表現した牛のキャラクターです。わさビーフの個性的な味わいを視覚的に伝える役割を果たしており、パッケージやプロモーション活動で活用されています。
キャラクターの今後の使い方
提携後も、これらのキャラクターは引き続き活用されていく方針です。ただ別々に使うのではなく、IP戦略において連携していくことが発表されています。IPとは「知的財産」を意味し、ここではキャラクターが持つブランド価値や認知度を指します。
2つのキャラクターが共演するような展開も考えられます。たとえば、ホシオくんとわさモーが一緒に登場するパッケージデザインや、両者が協力したキャンペーンを実施すれば、それぞれのファンが互いのブランドに興味を持つきっかけになります。子ども向けのイベントで両キャラクターが共演したり、SNSでやり取りをしたりといった活動を通じて、2つのブランドが協力関係にあることを楽しく伝えることができます。
両社がキャラクターを引き続き活用すると明言している点は、既存ファンにとって安心材料となります。企業の提携や買収が行われると、これまで親しんできたキャラクターやブランドイメージが変わってしまうのではないかという不安が生じることがあります。しかし、今回の発表ではホシオくんとわさモーの継続活用が明確にされており、両ブランドのアイデンティティが大切にされることが示されています。
提携後の変化
消費者への影響
| 変化の種類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 商品の種類 | 新しいコンセプトの商品登場の可能性 |
| 入手しやすさ | 販売店舗の増加、ECでの購入機会拡大 |
| 選択肢 | スナック菓子売り場での個性的な商品の増加 |
この提携は、私たち消費者にどんな影響をもたらすでしょうか。期待できるのは、新しい商品の登場です。両社の技術やアイデアが融合することで、これまでになかったタイプのスナック菓子が生まれる可能性があります。ベビースターとわさビーフを組み合わせた商品はもちろん、まったく新しいコンセプトの商品も考えられます。
商品の入手しやすさも向上する可能性があります。販売ネットワークの拡大により、これまで近所の店では買えなかった商品が手に入るようになったり、ECで簡単に購入できるようになったりする可能性があります。スナック菓子売り場での選択肢が広がることも期待できます。
業界への影響
スナック菓子業界全体にとっても、この提携は一つの転換点となる可能性があります。近年、大手メーカーの寡占化が進む一方で、中堅メーカーは厳しい競争にさらされています。そんな中、独自の強みを持つ企業同士が手を組むという今回の動きは、新しい成長モデルを示すものといえます。
他のメーカーにとっても、この提携は参考になる事例です。単独での成長が難しい環境において、補完関係にある企業と協力することで新たな道を切り開けることを示しているからです。これまで、規模の経済を武器にする大手に対して、中堅メーカーは個性や専門性で対抗してきました。今回のような提携により、中堅メーカーでも規模のメリットを享受しながら個性を保つという、新しい競争の形が見えてきます。
これからの取り組み
すぐに始まる取り組み
| 取り組みの種類 | 内容 |
|---|---|
| 経営資源の統合 | 販売ネットワークの共有、製造面での協力体制構築 |
| 商品展開 | 取引先への相互商品紹介、共同販促キャンペーン |
| 商品改良 | 既存商品の強化、新フレーバー投入 |
提携後すぐに取り組まれるのは、両社の経営資源の統合です。販売ネットワークの共有や、製造面での協力体制の構築など、比較的早く効果が出やすい施策から着手されると考えられます。たとえば、おやつカンパニーの取引先に山芳製菓の商品を紹介したり、共同での販促キャンペーンを実施したりといった動きが予想されます。
既存商品のラインナップ強化もすぐに始まる課題です。それぞれのブランドを維持しながら、相互の強みを活かした商品改良や新フレーバーの投入が進められるでしょう。
時間をかけて進む取り組み
本格的な商品開発や、新しいカテゴリーの創出には時間がかかります。両社の開発チームが協力し、これまでにない商品を生み出すには、試行錯誤が必要です。原料の選定、製法の確立、味の調整、パッケージデザインなど、多くの工程を経て商品は完成します。消費者の手元に届くまでには、提携から数年かかる可能性もあります。
ブランドの融合についても、慎重な検討が求められます。それぞれのブランドが築いてきた価値を損なわずに、新しい価値を加えていくバランス感覚が重要になります。時間をかけた取り組みとしては、海外市場での存在感を高めることも視野に入っています。
日本のスナック菓子は、アジアを中心に人気が高まっています。ベビースターラーメンとわさビーフという個性的な商品を組み合わせることで、日本ならではの魅力を海外にアピールできます。現地の嗜好に合わせた商品開発や、文化的背景を考慮したマーケティングを通じて、海外市場での地位確立を目指すことになるでしょう。
まとめ
おやつカンパニーと山芳製菓の提携は、長年愛されてきた2つのブランドが新しい一歩を踏み出す転機となります。ベビースターラーメンが切り開いた独自のジャンルと、わさビーフが確立した唯一無二の個性が融合することで、スナック菓子市場に新しい風が吹き込むことが期待されます。
販売ネットワークの拡大やキャラクター戦略での連携など、具体的な施策も示されており、消費者にとっては商品の選択肢が広がる可能性があります。両社が培ってきた商品開発力や製造ノウハウを相互に活用することで、これまでになかった価値を持つ商品が生まれるかもしれません。
スナック菓子という身近な商品だからこそ、この提携がもたらす変化を楽しみに待ちたいところです。ホシオくんとわさモーがどんな形で共演するのか、どんな新商品が登場するのか、今後の展開に注目していきましょう。





