「およげ!たいやきくん」とは
「およげ!たいやきくん」は、1975年にフジテレビの子供向け番組「ひらけ!ポンキッキ」で発表された童謡です。高田ひろお作詞、佐瀬寿一作曲で、子門真人が歌いました。鉄板の上で焼かれていたたい焼きが、ある日勇気を出して海へ飛び込み、自由に泳ぎだすというストーリーを描いた歌です。この曲は500万枚以上の大ヒットとなり、全日本有線放送大賞特別賞やFNS歌謡祭最優秀ヒット賞を受賞しました。また、この曲の人気は全国的なたい焼きブームを引き起こし、歌のモデルとなった麻布十番の浪花家総本店は特に注目を集めました。
「およげ!たいやきくん」の誕生
1975年の年末、フジテレビの子供向け番組「ひらけ!ポンキッキ」で、「およげ!たいやきくん」が発表されました。この曲は作詞を高田ひろおさん、作曲を佐瀬寿一さんが担当し、子門真人さんが歌いました。子門さんの独特な歌い方と、たい焼きを主人公にしたユーモラスなストーリー性のある歌詞が、多くの子供たちの心をつかみました。
「およげ!たいやきくん」の大ヒット
番組内で放送された直後から大きな話題となり、1976年にはレコードとして発売されます。発売前の予約だけで30万枚を超え、年明けには100万枚を突破。その後も売れ続け、最終的に500万枚以上を売り上げる空前の大ヒットを記録しました。
「およげ!たいやきくん」の影響
「およげ!たいやきくん」の大ヒットにより、日本全国でたい焼きブームが巻き起こりました。それまでたい焼きに特別な関心を持たなかった人々も、この曲の影響でたい焼きを求めるようになり、各地のたい焼き屋は大繁盛しました。
「およげ!たいやきくん」と浪花家総本店
特に話題になったのが「浪花家総本店」のたい焼きです。このお店は、東京都港区麻布十番にある老舗で、1909年(明治42年)創業のたい焼きの元祖とも言われる存在です。この店のたい焼きが「およげ!たいやきくん」のモデルになったと言われ、全国から多くの人が訪れました。
浪花家総本店のたい焼きの魅力
浪花家総本店のたい焼きは、薄皮でありながらしっかりとした食感が特徴で、パリッとした皮の中にたっぷりのあんこが詰まっています。このあんこは、8時間かけて練り上げられるこだわりの逸品で、甘さのバランスが絶妙だと評判です。
また、浪花家総本店のたい焼きは「1個2個」ではなく「1匹2匹」と数えるのが伝統となっています。この数え方も、たい焼きをただのお菓子ではなく、まるで生き物のように愛おしく思わせる要因の一つでしょう。
「およげ!たいやきくん」の評価
「およげ!たいやきくん」は、音楽界でも高く評価されました。1976年には第9回全日本有線放送大賞特別賞、さらに第5回FNS歌謡祭最優秀ヒット賞を受賞し、名実ともにその年の代表曲となりました。
また、楽曲の人気はレコードだけにとどまらず、関連グッズも多数販売されました。絵本やおとぎ話としても展開され、2000年には「20世紀デザイン切手」第15集の題材に選ばれるほどの文化的影響を与えました。
「およげ!たいやきくん」によるブームのその後
「およげ!たいやきくん」によるたい焼きブームは、その後も続きました。多くの人がたい焼きの魅力を再発見し、たい焼き専門店が全国各地で増えていきました。また、たい焼きのバリエーションも豊かになり、クリーム入りやチョコレート味など、新しい味が次々と登場しました。
さらに、1999年には「だんご3兄弟」が大ヒットし、お菓子と音楽のコラボレーションが再び注目されました。このように、日本の音楽とお菓子は密接に関わりながら、世代を超えて親しまれています。
まとめ
「およげ!たいやきくん」は、日本の音楽史において特別な存在であり、単なる子供向けの曲にとどまらず、社会現象を巻き起こしました。この楽曲の影響で、たい焼きが全国的に注目され、多くの人に愛される存在となったことは間違いありません。
現在でも、浪花家総本店のたい焼きは変わらぬ人気を誇り、多くの人々がその味を求めて訪れています。そして、「およげ!たいやきくん」のメロディーは、世代を超えて日本人の心に残り続けています。