パウンドケーキとは|名前の由来や作り方を解説

目次

パウンドケーキとは?

パウンドケーキは、イギリス生まれの伝統的な焼き菓子です。

18世紀頃から作られており、長い歴史のあるお菓子として知られています。

基本の材料は4つだけ

パウンドケーキは、次の4つの材料だけで作るシンプルなケーキです。

材料特徴
生地にボリュームを与える
砂糖甘さとしっとり感を出す
バターコクと風味を加える
小麦粉ケーキの形を作る土台になる

これらはすべて、家庭でも手に入りやすい材料です。

味付けはとてもシンプルです。そのぶん、使う素材の味がダイレクトに伝わります。

バターの香ばしさや、卵のやさしい甘みが際立ちます。

香りづけにバニラエッセンスを加えることもありますが、派手さのない上品な味わいが特徴です。

発酵はしないけれど、ふんわり仕上がる

一般的なケーキには、ベーキングパウダーやイーストのような「膨らませるための材料(=膨張剤)」を使うことがあります。

しかし、パウンドケーキでは基本的に使いません。

代わりに、卵をしっかり泡立てて生地に空気を含ませることで、ふんわりとした食感に仕上げます。

見た目はずっしりとしていて重厚感がありますが、口に入れると軽やかさも感じられる、不思議なバランスのお菓子です。

パウンドケーキの魅力

パウンドケーキは、古くから多くの人に親しまれてきた焼き菓子です。

その理由は、シンプルな材料で作れる手軽さだけでなく、奥深い味わいやアレンジのしやすさにあります。

ここでは、パウンドケーキが長年愛されてきた魅力を、わかりやすく紹介します。

しっとりとした独特の食感

パウンドケーキのいちばんの特徴は、しっとりとした口当たりです。切ったときにはずっしりしていますが、食べるとやわらかく、なめらか。バターの風味が生地全体に行きわたり、口に入れた瞬間にふわっと広がります。

この食感は、泡立てた卵が生地に空気を含ませることで実現しています。発酵を必要としない焼き菓子でありながら、ふんわり感が出せるのは、この作り方のおかげです。

また、切り分けやすく、日持ちもしやすいため、ギフトや手土産としても重宝されています。焼いた当日より、1〜2日後のほうが味がなじみ、さらにおいしく感じられることもあります。

素朴でありながら上品な味わい

パパウンドケーキの味の基本はとてもシンプルです。主に卵のまろやかさバターの香ばしさが味の中心になります。甘さは控えめで、何度食べても飽きがこない味に仕上がっています。

このシンプルさのなかにある「上品さ」は、材料の質の高さ丁寧な作り方によって生まれます。特にバターや卵は、質が味に大きく影響するため、新鮮で良質なものを選ぶことが大切です。

ときにはバニラビーンズやバニラエッセンスを加えることで、さらに香り高くなります。コーヒーや紅茶との相性も良く、ティータイムをちょっと特別にしてくれるお菓子です。。

アレンジで広がる楽しみ

パウンドケーキは、もともとがシンプルなつくりのため、さまざまなアレンジがしやすいという特長があります。家庭でも、好みに合わせて自由にアレンジを楽しむことができます。

フルーツ系のアレンジ

季節の果物や自然な甘さを生かした素材を加えることで、爽やかさややさしい風味が楽しめます。

  • さつまいも:ホクホクした食感と優しい甘み
  • レモン・オレンジ:皮や果汁を加えて爽やかな香りに
  • ゆず茶:和の香りが加わり、落ち着いた味わい

リッチ系のアレンジ

濃厚な素材を使うことで、深みのある味わいになります。特別な日の一品にもぴったりです。

  • チョコレート・ココア:見た目も風味も濃厚に
  • キャラメル:香ばしさと甘さが絶妙なバランス
  • 栗きんとん・栗の甘露煮:和の素材を活かした贅沢な仕上がり

さまざまな形で楽しめる

昔ながらのパウンドケーキは、長方形の「パウンド型」で焼かれるのが一般的でした。しかし、最近ではさまざまな型が使われるようになっています。

  • 丸型:ホールケーキのように見た目も華やか
  • ハート型:贈り物や記念日にぴったり
  • マフィン型:一人分ずつで食べやすく、お弁当やピクニックにも便利

形を変えるだけで、印象も大きく変わります。プレゼントやイベントのテーマに合わせて、自由に選ぶ楽しさもあります。

パウンドケーキという名前の由来

「パウンドケーキ(pound cake)」の「パウンド」とは、重さの単位「ポンド(pound)」を指します。

このケーキは、もともと次のようなレシピで作られていました。

  • 卵:1ポンド(約450g)
  • 砂糖:1ポンド
  • バター:1ポンド
  • 小麦粉:1ポンド

つまり、「4つの材料をそれぞれ1ポンドずつ使うケーキ」=「パウンドケーキ」という名前になったのです。

1ポンドの重さは?

正確には1ポンド=約453.6グラムです。

4つの材料をそれぞれ1ポンドずつ使うと、合計で約1.8kgにもなります。

これは家庭で焼くにはかなり大きなサイズです。

昔はなぜ、こんなに大きく作られていたの?

結婚式のためのケーキだった

パウンドケーキがこれほど大きかった理由のひとつは、「ウェディングケーキ」として使われていたからです。

18世紀のイギリスでは、結婚式は多くの人を招く一大イベントでした。

そのため、ゲスト全員に行き渡るよう、大きなケーキを用意する必要があったのです。

計量器がなかった時代の工夫

当時は、現代のような精密なキッチンスケールが家庭にある時代ではありませんでした。

そこで、「1ポンドずつ」という分量は、覚えやすく、誰でも簡単に作れるレシピとして重宝されていたのです。

世界で異なるパウンドケーキの呼び名

パウンドケーキは世界中で親しまれている焼き菓子です。

しかし、その呼び方や材料の配合には、国ごとの特色が見られます。

以下では、代表的な例を紹介し、それぞれの名前の意味や背景を丁寧に解説します。

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国名呼び方特徴・意味
イギリスパウンドケーキ材料を1ポンド(約450g)ずつ使うというシンプルな計量方法から名付けられた
フランスカトル・カール「1/4が4つ」という意味。全材料を同じ割合で使うという配合法を表している
イタリアプルーム・ケイクドライプルーン入りケーキに由来するが、現在ではパウンドケーキ全般に使われることも

フランス:カトル・カール(quatre-quarts)

フランスでは、パウンドケーキのことを「カトル・カール」と呼びます。

これはフランス語で「4分の1が4つ」という意味です。

なぜこの名前なのか

フランスのレシピでは、小麦粉砂糖・バター・卵の4つの材料をすべて同じ割合(1/4ずつ)で配合します。

つまり、全体の重さを4等分し、それぞれの材料がそのうちの1つを占めるという考え方です。

この等しい配合比率を名前にしたのが「カトル・カール」です。

英語との違い

イギリスでは「1ポンドずつ」という重さの単位で材料を量っていましたが、フランスでは割合で考える点が大きな違いです。

発想は異なりますが、どちらも「材料を等しく使う」という基本は同じです。

イタリア:プルーム・ケイク(plum cake)

イタリアでは、パウンドケーキに似た焼き菓子を「プルーム・ケイク」と呼びます。

直訳すると「プラム(すもも)のケーキ」という意味になります。

名前の由来と実際の違い

本来の「プルーム・ケイク」は、干したプラム(=ドライプルーン)を使ったケーキを指していました。

しかし、現在のイタリアではプラムが入っていなくても、同じような形や食感のケーキをすべて「プルーム・ケイク」と呼ぶ傾向があります。

この背景には、昔ながらのレシピでドライフルーツ、特にプラムをよく使っていたという食文化があります。

その名残で、名前だけが残り、現代では広く焼き菓子の総称のようになっています。

パウンドケーキの発祥起源・歴史

現在では身近な焼き菓子となっているパウンドケーキですが、その誕生には長い歴史があります。ここでは、ヨーロッパにおける甘いお菓子の発展とともに、パウンドケーキの起源や変化をわかりやすく解説します。

甘いお菓子のはじまり(10世紀頃〜)

ヨーロッパで「甘いお菓子」が広まり始めたのは、10世紀以降のことです。それ以前、ヨーロッパでは甘味料といえば蜂蜜が一般的でした。

ところが、10世紀頃からアラブ諸国を通じてサトウキビ由来の砂糖がヨーロッパに伝わり、徐々に広まっていきます。

砂糖はそれまでにない強い甘みと保存性を持っており、砂糖の普及するにつれておこる下記の変化は、お菓子作りは一気に発展させました。

  • 蜂蜜では難しかった細かい甘さの調整ができるようになる
  • 保存性の高い焼き菓子飴細工が発展する
  • 宗教行事や祭礼に合わせた特別なお菓子文化の形成される

ケーキの原型が誕生(1200年頃)

12世紀ごろのイギリスでは、現在のケーキの原型といえるような焼き菓子が登場します。

ただし、当時のケーキはふんわりと軽いスポンジ状のものではなく、パンのようにどっしりと重みのある生地でした。見た目や食感は、現代でいう菓子パンやフルーツブレッドに近かったと考えられています。

こうした初期のケーキは、次のような特別な場で用いられていました。

  • 宗教行事
  • 王族や貴族の祝い事
  • 収穫祭や婚礼などの村の行事

材料が高価だったため、一般家庭ではなく、一部の裕福な層に限られた「ハレの日のお菓子」でした。

パウンドケーキの誕生(18世紀後半)

現在の「パウンドケーキ」と呼ばれる形が生まれたのは、18世紀後半のイギリスです。

当時のパウンドケーキは、結婚式やクリスマスなど、特別な祝いの席で食べられることが多く、現在よりも格式の高いお菓子とされていました。

また、レーズンやオレンジピールなどの砂糖漬けフルーツ(ピール)を加えて作られることが一般的で、フルーツケーキに近い形だった点も特徴です。

日常のお菓子として広まる(20世紀前半)

20世紀に入ると、パウンドケーキは特別なお菓子から、日常的に楽しめる家庭のお菓子へと変化していきます。

この変化の背景には、次のような社会的要因がありました。

1. 砂糖の価格が下がった

製糖技術が進歩し、砂糖がより安く手に入るようになりました。一般家庭でもたくさん使えるようになったのです。

2. 家庭用オーブンの普及

それまでの家庭にはなかった電気オーブンやガスオーブンが、都市部を中心に普及しました。これにより、家庭でも焼き菓子を簡単に作れるようになります。

3. 日持ちのよさ

パウンドケーキは水分が少なく、比較的長期間保存が可能です。この特性により、贈答用のお菓子としても重宝されました。

たとえば、以下のような用途で使われるようになります。

  • 季節の贈り物
  • 手土産やお中元・お歳暮
  • 遠く離れた親戚・友人への発送

こうして、パウンドケーキは「特別な日のもの」から、「誰でも気軽に楽しめるお菓子」へと進化していきました。

パウンドケーキの各国への広がり

パウンドケーキは18世紀のイギリスで誕生したあと、ヨーロッパ各国やアメリカに広まりました。その過程で、各地域の食文化や好みに合わせて少しずつ形を変え、独自のアレンジが加えられていきます。

フランスでの発展

フランスでは、パウンドケーキは「ケーク(cake)」という名前で親しまれています。もともとの素朴なレシピに、フランスならではの工夫が加えられ、より洗練されたスタイルへと進化しました。

たとえば、次のような工夫が加えられています。

  • 洋酒(リキュール)を生地に加えて香りを引き立てる
  • ドライフルーツやナッツを混ぜ込んで風味に深みを出す
  • 焼き上がりにシロップを染み込ませ、しっとりとした食感を保つ

これにより、見た目も味も美しく仕上げられた「フランス流パウンドケーキ」が生まれました。ティータイムや贈り物など、さまざまな場面で楽しまれています。

アメリカでの発展

アメリカに渡ったパウンドケーキは、より手軽で家庭的なお菓子として広まりました。分量の柔軟な調整や、ベーキングパウダーの使用などにより、軽やかでふんわりとした食感が特徴となります。

アメリカでの主な特徴は以下の通りです。

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ベーキングパウダーの使用発酵力を加えることで、よりふくらみやすく軽い仕上がりに
分量の柔軟な調整材料をきっちり1ポンドにこだわらず、好みで調整
甘さや香りのバリエーションバニラエッセンスやレモンの皮など、家庭ごとの工夫が豊富

アメリカではパウンドケーキは日常的なおやつとして定着し、家庭ごとの「ママの味」として親しまれています。大量に作って保存できるため、ピクニックやホームパーティーなどにも重宝される存在です。

パウンドケーキの5つの製法とその特徴

同じ材料と分量を使っても、混ぜる順番や方法によって、食感や風味が大きく変わります。これは、生地の構造に違いが生まれるためです。

ここでは、代表的な5つの製法を取り上げ、それぞれの特徴と作り方、仕上がりの違いを分かりやすく解説します。

それぞれの製法には個性があり、仕上がりの食感や風味に違いが生まれます。作る目的や好みに合わせて、製法を使い分けてみましょう。

1. シュガーバッター法(全卵式)

最初にバターと砂糖を混ぜるため、「シュガーバッター法」と呼ばれます。バターに空気を含ませる「クリーミング性」を活かした方法で、しっとり重厚な生地に仕上がります。

作り方の手順

  1. 室温に戻した柔らかいバターに砂糖を加え、白っぽくなるまでハンドミキサーで混ぜます。
  2. 卵(人肌程度に温めたもの)を少しずつ加えて乳化させます。
  3. 最後に薄力粉をふるい入れ、ゴムベラで切るように混ぜます。

卵とバターの温度差が大きいと分離しやすくなります。バターが溶けすぎると空気を抱き込めず、ふくらみに影響します。

メリット完成品の特徴
少ない器具で作業できるしっとり、どっしり。バターの風味が強く出る

2. シュガーバッター法(別立て)

卵を卵黄と卵白に分け、卵白でメレンゲを作って混ぜ込む方法です。卵白の泡立ち(起泡性)を活かし、軽やかな食感に仕上げます。

作り方の手順

  1. 柔らかいバターに砂糖の半量を加えてすり混ぜ、卵黄を加えます。
  2. 別のボウルで卵白を泡立て、残りの砂糖を3回に分けて加えながらメレンゲを作ります。
  3. バター生地にメレンゲの半量を加え、薄力粉をふるって混ぜ、残りのメレンゲをさっくりと合わせます。
メリット完成品の特徴
分離しにくく、軽やかな食感になるふんわりと軽い口当たり

3. フラワーバッター法

最初にバターと薄力粉を混ぜる製法です。粉が水分を吸収することで分離を防ぎ、安定した生地になります。

作り方の手順

  1. 柔らかくしたバターにふるった薄力粉を加え、空気を含ませるように混ぜます。
  2. 別のボウルで卵と砂糖を人肌まで温め、泡立てます。
  3. 粉とバターの生地に、卵と砂糖の生地を3回に分けて加えて混ぜます。
メリット完成品の特徴
初心者でも扱いやすく失敗が少ないきめが細かく、ふんわりとした仕上がり

4. ジェノワーズ法(共立て法)

スポンジケーキと同じ製法で、全卵と砂糖を泡立ててふんわりとした生地を作ります。泡立てることで生地に空気を含ませます。最も軽くふんわりとした食感。バターカステラのような口当たりになります。

作り方の手順

  1. 全卵と砂糖を人肌まで温めてから、ハンドミキサーでリボン状になるまで泡立てます。
  2. 薄力粉をふるって加え、ゴムベラでやさしく混ぜます。
  3. 60℃に溶かしたバターを加えて手早く混ぜます。

ふくらみが強いため、材料は少なめ(120g→90g)で調整します。バターは最後に加えますが、しっかり混ぜるのがコツです。

5. オールインワン法(マドレーヌ法)

すべての材料を一つのボウルで順番に混ぜる方法です。作業がシンプルで時短にもなります。

作り方の手順

  1. 全卵に砂糖を加え、約30℃に温めながら泡だて器で混ぜます。
  2. ふるった薄力粉とベーキングパウダーを加えて混ぜます。
  3. 40℃に溶かしたバターを3回に分けて加え、その都度よく混ぜます。

卵やバターの泡立てを行わないため、自然に膨らむ力が弱くなります。必ずベーキングパウダー(粉の1〜2%)を加えてください。

メリット完成品の特徴
手順が簡単で初心者にもおすすめふんわり感は控えめだが、素朴で優しい味わい

家庭で作れる基本のパウンドケーキレシピ

お菓子作りに不慣れな方でも失敗しにくく、材料も手に入りやすい「ホットケーキミックス」を使った基本のパウンドケーキレシピをご紹介します。家庭にある道具と材料で、ふんわり香ばしいケーキを焼き上げましょう。

材料(18cmパウンド型1本分)

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ホットケーキミックス200gベーキングパウダー入りが便利
3個常温に戻しておくと混ざりやすい
砂糖100gお好みで減らしてもOK
無塩バター100g室温に戻す(やわらかくする)
アーモンドスライス10gトッピング用(省略可)

作り方:6つのステップでやさしく解説

【事前準備】

オーブンは必ず180℃に予熱しておく

オーブンを使う際は、あらかじめ設定した温度までしっかり温めておくことが大切です。
予熱が不十分だと、焼き始めたときに生地がうまく膨らまず、中心が生焼けになったり、表面だけ焦げたりすることがあります。

バターと卵は室温に戻す

冷蔵庫から出したばかりのバターや卵は冷たいため、他の材料と混ざりにくく、生地が分離してしまう原因になります。
作り始める30分ほど前には取り出し、室温(20〜25℃前後)に戻しておきましょう。

手順①:卵をといておく

ボウルに卵を割り入れ、泡立て器でよくほぐしておきます。
この工程は、あとで生地に卵を加える際にムラなくなじませるために必要です。
※卵は冷たいままだとバターと混ざりにくく、分離しやすくなります。必ず室温に戻してから使いましょう。

手順②:バターと砂糖をすり混ぜる(クリーミング)

別のボウルにやわらかくした無塩バターと砂糖を入れます。
ハンドミキサーを使い、白っぽくなるまでよく混ぜます。この状態を「クリーミング」と呼びます。

  • バターに空気を含ませることで、焼き上がりがふっくら軽い食感になります。
  • 混ぜが足りないと、密度が高く、重たい仕上がりになってしまいます。
  • 逆に混ぜすぎるとバターが溶けすぎて分離しやすくなるため、見た目が白くふんわりしたタイミングでやめましょう。

手順③:卵液を少しずつ加える

溶いておいた卵を数回に分けて、バターと砂糖のボウルに加えていきます。
加えるたびにしっかり混ぜ、全体がなじんだことを確認してから次を加えましょう。

  • 一度にたくさん加えると、バターと卵が分離して油っぽくなってしまいます。
  • 分離しそうな場合は、少量のホットケーキミックス(小さじ1程度)を加えて一緒に混ぜると安定します。

手順④:ホットケーキミックスを加える

ホットケーキミックスを一度に加え、ゴムベラに持ち替えて混ぜます。
粉っぽさがなくなるまで、底からすくい上げるように「切るように」混ぜましょう。

  • 粉が見えなくなったら、それ以上は混ぜすぎないようにしましょう。
  • 混ぜすぎると生地に粘りが出て、焼き上がりが固くなってしまいます。

手順⑤:型に入れて下焼きする

パウンド型にクッキングシートを敷き、生地を流し入れます。
表面をゴムベラで軽くならし、180℃に予熱したオーブンでまず10分間焼きます。

最初に少しだけ焼くことで、生地の表面にうっすらと膜ができ、後の工程で切り込みを入れやすくなります。この一手間で、きれいな割れ目のある仕上がりになります。

手順⑥:切り込みを入れて仕上げ焼き

10分後にオーブンから取り出し、生地の中央に縦に一本、包丁などで切り込みを入れます。
この切り込みがあることで、焼成中に生地が均等に膨らみ、美しい割れ目になります。

切り込みを入れたら、再びオーブンに戻し、さらに30〜35分焼きます。
焼き時間はオーブンによって若干前後するため、竹串を刺して中まで火が通っているか確認しましょう。
竹串に生地がついてこなければ完成です。

伝統的な基本配合のパウンドケーキ作り

ホットケーキミックスを使わず、材料をすべて自分で計量して作る本格的なレシピもご紹介します。こちらは洋菓子店でも基本とされる配合です。

材料(18cmパウンド型1本分)

無塩バター120g
砂糖120g
全卵120g
薄力粉120g

すべての材料が「同量(1:1:1:1)」となっているのが特徴です。これが「パウンドケーキ(=1ポンドずつ)」の名前の由来でもあります。

焼き方の目安

  1. 170〜180℃のオーブンで約15分焼く
  2. 表面が乾いてきたら、中央にナイフで切り込みを入れる
  3. さらに30〜40分焼く

焦げやすいので、途中でアルミホイルをかぶせて様子を見ると安心です。

まとめ

パウンドケーキは、卵・砂糖・バター・小麦粉のたった4つの材料で作る、イギリス発祥のシンプルな焼き菓子です。泡立てた卵でふんわりと仕上げるため、発酵なしでも軽やかな食感が楽しめます。素材本来の味が引き立つ上品な甘さが魅力で、日が経つほどにしっとりと味がなじみます。アレンジも豊富で、果物やチョコレートを加えることで、季節や好みに合わせた楽しみ方ができます。形やサイズも自由自在で、家庭用から贈り物まで幅広く活躍する、長く愛されてきたお菓子です。

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