スイーツの心理効果を解明!|甘いものによる気分の変化
株式会社モンテールが実施した「スーパー・コンビニ スイーツ白書2025」では、スイーツを食べることによる気分の変化を科学的に測定しました。この調査では、立命館大学食マネジメント学部の和田有史教授の監修のもと、心理学で広く使われている「二次元気分尺度」という測定手法を用いて分析が行われています。
この調査結果からは、スイーツを食べることで心の安定度が大きく上昇し、約9割以上の人がリラックスした状態になることが科学的に証明されました。イライラが34.9%減少、無気力が26.4%減少、ピリピリが26.9%減少するなど、ネガティブな心理状態が大幅に改善されることも確認されています。これらの変化は、すべての性年代で同様に見られることから、スイーツが人間に普遍的な心理効果をもたらす存在であることが明らかになりました。スイーツは単なる嗜好品ではなく、現代人の心の健康を支える「心の安定剤」として機能しているといえます。
調査対象は、月に1回以上スーパー・コンビニのスイーツを購入する20代から60代までの男女2,000人です。それぞれの人に、日常生活においてスイーツを食べていないときと、スイーツを食べたときの心理状態について回答してもらいました。この比較によって、スイーツを食べることが実際にどのような心理的変化をもたらすのかが数値化されました。
二次元気分尺度による測定方法
二次元気分尺度とは、人の気分を2つの軸で測定する心理学的な手法です。この尺度では、気分を「快適度」(快適か不快か)と「覚醒度」(興奮しているか沈静しているか)という2つの次元で捉えます。この2つの軸を組み合わせることで、人の心理状態をより正確に把握することができます。
快適度の軸は、気分が良いか悪いかを表します。快適な方向に行けば行くほど、心地よい気分であることを示します。覚醒度の軸は、気分が高ぶっているか落ち着いているかを表します。興奮の方向に行けば活動的で高揚した状態、沈静の方向に行けば穏やかで落ち着いた状態を示します。
この2つの軸から、さらに「活性度」と「安定度」という2つの指標が導き出されます。活性度は、どれだけ活動的でイキイキした気分かを示します。安定度は、どれだけ落ち着いてリラックスしているかを示します。これら4つの指標を総合的に見ることで、スイーツを食べる前後での気分の変化を多角的に分析することができます。
4つの指標の計算方法と意味
二次元気分尺度では、4つの指標がそれぞれ特定の計算式で算出されます。これらの計算方法を理解することで、数値が何を意味しているのかがより明確になります。
活性度(V)の計算方法
活性度は、「活気にあふれた」の回答+「イキイキした」の回答−「無気力な」の回答−「だらけた」の回答によって計算されます。プラスの得点が高いほど、イキイキして活気がある状態を示します。マイナスの得点になると、だるくて気力が出ない状態を表します。この指標によって、人がどれだけ活動的で前向きな気分でいるかを測定できます。
安定度(S)の計算方法
快適度は、活性度+安定度によって計算されます。プラスの得点が高いほど、快適で明るい気分の状態を示します。マイナスの得点になると、不快で暗い気分の状態を表します。この指標は、総合的な心理的満足度を表すもので、活性度と安定度の両方が高いほど、快適度も高くなります。
覚醒度(A)の計算方法
覚醒度は、活性度−安定度によって計算されます。プラスの得点が高いほど、興奮して活発な状態を示します。マイナスの得点になると、眠くて不活発な状態を表します。この指標によって、気分が高ぶっているか落ち着いているかを測定できます。マイナスの値が大きいほど、沈静した状態であることを意味します。
8つの心理状態で具体的に測定
この調査では、二次元気分尺度を用いて8つの具体的な心理状態について測定しています。
ポジティブな心理状態として「リラックスした」「落ち着いた」「イキイキした」「活気にあふれた」の4項目、ネガティブな心理状態として「だらけた」「無気力な」「イライラした」「ピリピリした」の4項目が使用されました。
回答者は、それぞれの心理状態について0(全くそうではない)から5(非常にそう)までの6段階で評価しました。スイーツを食べていないときと食べたときの両方について回答することで、スイーツがもたらす心理的変化を測定できる仕組みになっています。
この測定方法の利点は、主観的な感想ではなく、数値として気分の変化を把握できる点です。何となく「気分が良くなった」というだけでなく、どの心理状態がどれだけ変化したのかを具体的に示すことができます。
セルフモニタリングによる測定の特徴
この調査では、調査対象者によるセルフモニタリングを通して心理状態を測定しています。セルフモニタリングとは、自分自身の状態を観察して報告する方法です。専門家が外から観察するのではなく、本人が自分の気分を評価することで、より正確な内面の状態を把握できます。
今回の調査では、「日常生活において、スイーツを食べたとき」と「スイーツを食べていないとき」の気分について回答してもらいました。この比較により、スイーツを食べることが実際にどのような心理的変化をもたらすのかを、数値として明確に示すことができました。
スイーツを食べることで上昇する指標
| 指標 | スイーツを食べていないとき | スイーツを食べたとき | 変化量 |
|---|---|---|---|
| 安定度 | 0.65 | 4.01 | +3.36 |
| 快適度 | 0.74 | 6.10 | +5.36 |
| 活性度 | 0.09 | 2.09 | +2.00 |
| 覚醒度 | -0.57 | -1.91 | -1.34 |
「安定度」が0.65から4.01へ大幅に上昇
二次元気分尺度の4つの指標について、スイーツを食べる前後での変化を見ていきます。まず「安定度」は、スイーツを食べていないときの0.65から、食べたときの4.01へと大幅に上昇しました。変化量は3.36となっており、スイーツを食べることで心の安定度が大きく高まることが数値として示されています。
安定度の上昇は、気分が落ち着いてリラックスした状態になることを意味します。日常生活で感じる緊張やストレスが和らぎ、穏やかな心理状態になることを表しています。この変化の大きさは、スイーツが心を落ち着かせる効果を持つことを明確に示しています。
「快適度」が0.74から6.10へ最も大きく上昇
「快適度」は、スイーツを食べていないときの0.74から、食べたときの6.10へと上昇しました。変化量は5.36となっており、4つの指標の中で最も大きな変化を示しています。快適度の上昇は、気分が不快な状態から快適な状態へと移行することを意味します。
スイーツを食べることで、心地よさや満足感が大きく高まることがわかります。この変化の大きさは、スイーツが単に美味しいというだけでなく、総合的な心理的満足をもたらす存在であることを示しています。甘味による味覚的な満足に加えて、心理的な充足感も得られることが、この数値から読み取れます。
「活性度」が0.09から2.09へ上昇
「活性度」は、スイーツを食べていないときの0.09から、食べたときの2.09へと上昇しました。変化量は2.00となっています。活性度の上昇は、イキイキとした活動的な気分になることを意味します。
スイーツを食べることで、ただ落ち着くだけでなく、前向きで活力のある心理状態にもなることがわかります。これは、スイーツに含まれる糖分が脳のエネルギー源となることや、美味しいものを食べることで気分が明るくなることが影響していると考えられます。
「覚醒度」が低下して沈静状態に
「覚醒度」は、スイーツを食べていないときの-0.57から、食べたときの-1.91へと低下しました。変化量は-1.34となっています。覚醒度が低下することは、興奮した状態から落ち着いた沈静状態へと移行することを意味します。
この変化は、スイーツを食べることで過度な緊張や高ぶりが収まり、適度にリラックスした状態になることを示しています。安定度の上昇と覚醒度の低下が同時に起こることで、心が穏やかで落ち着いた状態になるのです。
ポジティブな心理状態の上昇
| 心理状態 | スイーツを食べていないとき | スイーツを食べたとき | 変化 |
|---|---|---|---|
| リラックスした | 72.8% | 94.7% | +21.9% |
| 落ち着いた | 75.2% | 93.2% | +18.0% |
| イキイキした | 64.6% | 82.2% | +17.6% |
| 活気にあふれた | 64.3% | 79.2% | +14.9% |
94.7%が「リラックスした」と実感
8つの具体的な心理状態について、スイーツを食べる前後での変化を見ていきます。まず「リラックスした」という心理状態は、スイーツを食べていないときは72.8%でしたが、食べたときには94.7%まで上昇しました。変化量は21.9%となっており、約9割以上の人がスイーツを食べることでリラックスした状態になることが確認されました。
この結果は、スイーツが持つリラックス効果の大きさを示しています。スイーツを食べていない状態でも7割以上の人がリラックスしていると感じていますが、スイーツを食べることでその割合がさらに高まり、ほぼすべての人がリラックス状態を実感するようになります。
「落ち着いた」が75.2%から93.2%に上昇
「落ち着いた」という心理状態は、スイーツを食べていないときは75.2%でしたが、食べたときには93.2%まで上昇しました。変化量は18.0%となっています。この変化も、スイーツが心を落ち着かせる効果を持つことを明確に示しています。
リラックスと落ち着きは似た概念ですが、微妙に異なります。リラックスは緊張がほぐれた状態を指し、落ち着きは心が乱れず安定している状態を指します。スイーツを食べることで、この両方の状態が同時に高まることがわかります。
「イキイキした」が64.6%から82.2%に上昇
「イキイキした」という心理状態は、スイーツを食べていないときは64.6%でしたが、食べたときには82.2%まで上昇しました。変化量は17.6%となっています。スイーツを食べることで、活力や生き生きとした気分が高まることがわかります。
この結果は、スイーツが単に心を落ち着かせるだけでなく、前向きで積極的な気分も引き出すことを示しています。落ち着きと活力という一見矛盾するような心理状態が、どちらも向上することが、スイーツの心理効果の特徴といえます。
「活気にあふれた」が64.3%から79.2%に上昇
「活気にあふれた」という心理状態は、スイーツを食べていないときは64.3%でしたが、食べたときには79.2%まで上昇しました。変化量は14.9%となっています。この変化も、スイーツが活動的で元気な気分をもたらすことを示しています。
4つのポジティブな心理状態すべてにおいて、スイーツを食べることで14.9%から21.9%の上昇が見られました。この結果から、スイーツが心理的な満足感や活力を総合的に高める効果を持つことが確認されました。
ネガティブな心理状態の減少
| 心理状態 | スイーツを食べていないとき | スイーツを食べたとき | 変化 |
|---|---|---|---|
| イライラした | 60.5% | 25.6% | -34.9% |
| 無気力な | 57.2% | 30.8% | -26.4% |
| ピリピリした | 52.5% | 25.6% | -26.9% |
| だらけた | 59.8% | 49.4% | -10.4% |
「イライラした」が60.5%から25.6%へ大幅に減少
ネガティブな心理状態についても、スイーツを食べる前後で大きな変化が見られました。「イライラした」という心理状態は、スイーツを食べていないときは60.5%でしたが、食べたときには25.6%まで減少しました。変化量は-34.9%となっており、ネガティブな心理状態の中で最も大きな減少を示しています。
この結果は、スイーツがイライラを解消する効果を持つことを明確に示しています。スイーツを食べる前は6割の人がイライラを感じていましたが、食べた後は4分の1程度まで減少します。日常生活で感じる苛立ちや不快感を、スイーツが和らげる役割を果たしているといえます。
「無気力な」が57.2%から30.8%へ減少
「無気力な」という心理状態は、スイーツを食べていないときは57.2%でしたが、食べたときには30.8%まで減少しました。変化量は-26.4%となっています。スイーツを食べることで、やる気が出ない状態から脱却できることがわかります。
無気力感の減少は、スイーツが持つ活力回復効果を示しています。疲れているときや気分が沈んでいるときに、スイーツを食べることで気分が持ち直し、行動する意欲が湧いてくる人が多いことが、この数値から読み取れます。
「ピリピリした」が52.5%から25.6%へ減少
「ピリピリした」という心理状態は、スイーツを食べていないときは52.5%でしたが、食べたときには25.6%まで減少しました。変化量は-26.9%となっています。この変化も、スイーツが神経の高ぶりを鎮める効果を持つことを示しています。
ピリピリした状態は、神経が過敏になっていたり、緊張が高まっていたりする心理状態です。スイーツを食べることで、こうした神経の張り詰めた状態が緩和され、より穏やかな心理状態になることがわかります。これは、安定度の上昇や覚醒度の低下と連動した変化といえます。
「だらけた」が59.8%から49.4%へ減少
「だらけた」という心理状態は、スイーツを食べていないときは59.8%でしたが、食べたときには49.4%まで減少しました。変化量は-10.4%となっています。他のネガティブな心理状態と比べると減少幅は小さいものの、スイーツを食べることで、ダラダラとした気分が改善されることがわかります。
だらけた状態の減少は、スイーツが適度な活力をもたらすことを示しています。完全にリラックスしすぎて無気力になるのではなく、落ち着きながらも適度な活動性を保った状態になることが、この数値から読み取れます。
スイーツの心理効果
心の安定剤としての役割
調査結果から、スイーツが現代人の「心の安定剤」として機能していることが明らかになりました。イライラ、無気力、ピリピリといったネガティブな心理状態が大幅に減少し、同時にリラックスや落ち着きといったポジティブな心理状態が増加することで、心の安定度が大きく向上します。
この効果は、スイーツが単なる嗜好品ではなく、現代人のメンタルヘルスを支える重要な存在であることを示しています。日常生活で感じるストレスや不安を和らげる手段として、多くの人がスイーツを活用していることがわかります。
快適度と安定度の同時上昇
スイーツを食べることの心理効果の特徴は、快適度と安定度の両方が同時に上昇する点です。快適度の上昇は気分が良くなることを意味し、安定度の上昇は心が落ち着くことを意味します。この2つが同時に起こることで、心地よくリラックスした理想的な心理状態が実現されます。
また、覚醒度が低下することで、過度な興奮や緊張が収まり、沈静した状態になります。しかし同時に活性度も上昇するため、ただ落ち着くだけでなく、前向きで活力のある気分にもなります。この複合的な変化が、スイーツの心理効果を特徴づけています。
すべての性年代で同様の傾向
この調査で明らかになった心理効果は、すべての性年代において同様の傾向が見られました。20代から60代まで、男性も女性も、スイーツを食べることで同じような心理的変化を経験していることがわかります。
この普遍性は、スイーツの心理効果が特定の年代や性別に限定されたものではなく、人間に共通する現象であることを示しています。年齢や性別に関わらず、スイーツが心の健康を支える存在として機能していることが確認されました。
日常的なストレス対処法としての位置づけ
これらの結果から、スイーツが日常的なストレス対処法として広く活用されていることがわかります。大きなストレスや深刻な心理的問題に対しては専門的な対処が必要ですが、日々の生活で感じる小さなイライラや疲れ、緊張といった心理的負担を軽減する手段として、スイーツが有効に機能しているといえます。
スイーツを食べることは、特別な準備や時間を必要としない、手軽なセルフケアの方法です。仕事の合間や家事の後、就寝前など、日常のさまざまな場面で取り入れることができます。この手軽さと効果の大きさが、スイーツが多くの人に支持される理由の一つとなっているようです。





