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大正時代の菓子の歴史!輸入品と大量生産技術の普及
大正時代の菓子業界
大正時代(1912年-1926年)は明治時代と昭和時代の間に位置する時期です。
この時代は、非常に短い期間ながらも歴史的に重要な転換点となりました。
一般的には「大正ロマン」と呼ばれて文化的にも華やかな時代として認識されています。
しかし、その背景には社会や経済の変動、そして戦争を経た激しい変化がありました。
この時代の特徴を掘り下げると洋菓子業界をはじめとするさまざまな分野で急速な発展と変革が見られました。
洋菓子の消費増加
大正時代の初め、洋菓子は日本人の嗜好に徐々に定着し、その消費は急増しました。
明治時代には洋菓子がまだ珍しい存在であったものの、大正時代には人々の生活の一部として広がりを見せます。
特に1913年にアメリカからチューインガムが輸入されると洋菓子に対する関心は一層高まり、キャンディーやビスケット、チョコレートなどの製品も次々に市場に登場しました。
輸入品の増加
また、清日露戦争を経て日本は国際的な地位を確立し、世界との接点が増えました。
これにより輸入品の流通量も急増し、欧米からの新たな文化や商品が日本の市場に登場。これらの輸入品は洋菓子だけでなく、さまざまな産業において影響を与え、消費者の生活様式を変える一因となったのです。
外国人の影響で洋菓子が多様化
大正時代、洋菓子業界において大きな変化が起きたのは日本に定住した外国人たちの影響が大きかったことです。
特にドイツ人やロシア人が日本に住むようになり、彼らの文化や料理が日本に浸透していきました。
従来のフランス風や英米風の洋菓子に加えて、ドイツ風やロシア風のお菓子も登場するようになり、洋菓子のバリエーションが豊かになりました。
この多様化した洋菓子の世界に触発され、洋菓子店も急増。日本各地に新たな洋菓子店がオープンし、都市部では洋菓子が手軽に楽しめる存在となりました。
関東大震災の復興
1923年、関東大震災が発生して東京や横浜などの首都圏の製菓業者も多大な損害を受けました。
しかし、震災後の復興は驚異的で業界はすぐに回復して、なんとさらなる近代化が進みます。
この復興によって製菓業界はより効率的でモダンな形へと移行していったのです。
震災後、製菓業者は新たな技術を取り入れ、設備や製造プロセスの改善に力を入れるようになりました。
このことが、さらなる製品の品質向上と生産性向上に寄与し、業界全体の発展を促進しました。
菓子屋の発展
大正時代は、日本の製菓業界において、特に大企業の台頭が顕著だった時期です。
この時期、洋菓子の大量生産が可能となり、消費者の嗜好に大きな変化が生まれました。
従来の小規模な洋菓子店に代わって、大手企業が次々と登場し、市場を席巻しました。
大正時代を代表する大企業として、森永製菓、明治製菓、江崎グリコが挙げられます。
これらの企業は、製菓技術の革新を進め、効率的な生産ラインを導入しました。
これにより洋菓子はより安価で手軽に手に入るようになり、庶民の家庭の食卓にも頻繁に登場するようになりました。
洋菓子が単なる嗜好品から日常的に消費される食品へと変化したのです。
ケーキの進化
大正時代後半、洋菓子店ではケーキ類の仕上げ方法が進化しました。
特にケーキの表面を飾るために使われる「グラス・ロワイヤル」という砂糖掛けが主流でした。
しかし次第に製菓技術が向上し、1921年頃からは「バタークリーム」を使った仕上げが主流となり、現代のケーキに近いスタイルが確立されます。
この技術革新によりケーキの質が向上し、より美味しく、見た目にも華やかなケーキが登場しました。
この変化は製菓業界全体に大きな影響を与えました。バタークリームの使用により、ケーキの風味や見た目が大きく改善され、洋菓子店の競争が激化しました。
まとめ
大正時代は、日本の洋菓子業界において急速な発展が見られた時代であり、多くの新しい技術や外国文化の影響が生まれました。洋菓子の多様化、輸入品の増加、大企業の確立など、さまざまな要素がこの時期の特徴として挙げられます。そして、関東大震災後の復興によって業界は一層活気を取り戻し、現在の日本の洋菓子文化の基盤が築かれました。