ゴディバとは|世界が愛する高級チョコレートブランド

  • URLをコピーしました!

ゴディバという名前を知らない人は、ほとんどいないでしょう。百貨店の一角に構えるゴールドのロゴ、贈り物として手渡された瞬間に伝わる特別感。チョコレートを「食べ物」から「贈り物」へと格上げしたブランドとして、ゴディバは日本でも半世紀以上にわたって愛され続けています。

この記事では、ゴディバ公式サイトが発信している情報をもとに、ブランドの成り立ちから日本での展開、商品の特徴、そして2026年の100周年に至るまでを体系的に解説します。


目次

ゴディバとは

ブランド名GODIVAゴディバ
創業年1926年
発祥国・都市ベルギー・ブリュッセル
ミッション「私たちは記憶に残る幸せな時を届けます」
ベルギー王室御用達1968年12月20日認定
日本初出店1972年(東京・日本橋)
国内店舗数300店舗以上

ゴディバは、ベルギー・ブリュッセルで1926年に創業したプレミアムチョコレートブランドです。ブリュッセルは古くからチョコレート作りの中心地として名を馳せてきた都市で、その地でドラップス一家がチョコレートを作り始めたことがゴディバの歴史の幕開けです。

参考:ゴディバの歴史|ゴディバ公式
参考:ブリュッセル本店|ゴディバ公式


ゴディバの歴史

1926年:ドラップス一家のチョコレート作り

創業場所自宅の地下室
工房名ショコラトリー・ドラップス
製造方法すべて手作業
事業体制家族全員が役割を分担

ゴディバの物語は、1926年にベルギーの首都ブリュッセルで始まりました。創業者は、マスターショコラティエのピエール・シニア・ドラップスです。

マスターショコラティエとは

チョコレート製造の全工程を熟知し、高い技術を持つ職人のこと

彼は自宅の地下室を使い「ショコラトリー・ドラップス」としてチョコレートを作り始めました。

ショコラトリーとは

フランス語でチョコレート工房を意味する言葉

当時のチョコレート作りはすべてが手作業で、一人でこなすのは困難でした。ドラップス氏の妻と4人の子どもたちが、製造・仕上げ・箱詰め・配送とそれぞれの役割を担い、家業を営んでいたのです。

ベルギーチョコレート大国である背景
ベルギーの強み内容
地理的優位性ヨーロッパの中心に位置
貿易の利便性良質なカカオ豆の調達が容易
職人文化精密な手工業の伝統
製造技術代々受け継がれる高度な技術

ベルギーは、地理的にヨーロッパの中心に位置し、古くから貿易の要衝として栄えてきました。世界各地から良質なカカオ豆を調達しやすい環境に加え、精密な手工業を得意とする職人文化が育まれており、高品質なチョコレートを作るための技術が代々受け継がれてきたのです。

なお、1912年にはスイス系ベルギー人のジャン・ノイハウスがブリュッセルで「プラリネ」(モールドで型どったシェルにクリームやナッツペーストを詰めた一粒チョコレート)を生み出しており、ドラップス一家が工房を立ち上げた頃のブリュッセルは、すでにチョコレートの聖地としての風格を備えていました。

参考:ノイハウスについて|Neuhaus公式

参考:チョコレートの文化と歴史|ゴディバ公


ドラップス氏の死後:4人の子どもたちが家業を守る

子ども担当分野
長男ジョセフ顧客の心を理解する営業・接客
次男ピエール・ジュニア新しいチョコレートの開発
三男フランソワ滑らかなマジパンゼリーの製造
長女イヴォンヌ包装紙やリボンなど美しいパッケージの開発

創業者ピエール・シニア・ドラップス氏が亡くなり、その数ヶ月後にドラップス夫人も亡くなります。残された4人の子どもたちは、自分たちの力で家業を守り続けました。

ゴディバ公式サイトはその4人の役割についてこう伝えています。長男ジョセフは顧客の心を理解する才能、次男ピエール・ジュニアは絶えず新しいチョコレートを開発する創造力、三男フランソワは滑らかなマジパンゼリーの技術、長女イヴォンヌは包装紙やリボンなど美しいパッケージを開発する力——それぞれが異なる才能を持ち寄って事業を継続させたのです。

「幸せの象徴」として語り継がれるピンクのバン

第二次世界大戦後、悲しみの中にあったブリュッセル市民に何ができるかを考えた次男ピエール・ジュニアは、チョコレートとともに幸せと喜びを届けたいという想いを込めて、デリバリー用のバンを愛らしいピンク色に塗装しました。この行動は後に「幸せの象徴」として語り継がれることになります。


1945年:「ゴディバ」誕生と第1号店オープン

名前の由来11世紀のイギリスの伯爵夫人レディ・ゴディバの伝説
伝説の舞台イギリス・コベントリー(1043年)
命名者創業2代目ジョセフ・ドラップスと妻ガブリエル
シンボルマーク馬に跨る裸婦——レディ・ゴディバの姿がモチーフ

「ショコラトリー・ドラップス」から「ゴディバ」へと社名を変更し、ブリュッセルのレオポルド2世通りに第1号店をオープンしました。命名したのは、長男ジョセフ・ドラップスと妻ガブリエルです。

ゴディバの名前の由来:レディ・ゴディバの伝説

ゴディバの名前は、11世紀のイギリスの伯爵夫人レディ・ゴディバの伝説に由来します。

領主レオフリック伯爵の妻レディ・ゴディバは、重税に苦しむ領民を救うために、伯爵に何度も税の引き下げを願い出ました。伯爵はついに「一糸まとわぬ姿で馬に乗り、コベントリーの町中を廻れたなら税を引き下げよう」と告げます。翌朝、彼女は約束通りに馬で町を巡りました。領民たちは彼女の姿を見ないように窓を閉ざして敬意を表し、伯爵は約束を守りました。

この伝説に描かれた勇気と深い愛に感銘を受けたジョセフと妻ガブリエルが、ブランド名を「ゴディバ」と冠したのです。ゴディバのシンボルマークとして使われる「馬に跨る裸婦」の姿は、まさにこのレディ・ゴディバをモチーフにしています。

以来、その愛の精神をチョコレートに込め続けており、現在も「私たちは記憶に残る幸せな時を届けます」というミッションとして引き継がれています。

参考:ゴディバの由来「レディ・ゴディバ」|ゴディバ公式


1948年:グラン・プラス旗艦店のオープン

ブリュッセル市内にある「世界一美しい広場」と呼ばれるグラン・プラスに旗艦店をオープンしました。季節のテーマや折々の出来事に題材を得た創造性豊かなチョコレートを次々と発表し、美しいディスプレイとラッピングで飾られたウインドウとともに、ゴディバの名はベルギー中に広まりました。この時期に、チョコレートが個性的で高級なギフトとして認識される契機が生まれました。

なお、ゴディバを代表するアソートメント「グランプラス」という商品名は、この旗艦店が面するグラン・プラス広場に由来しています。

旗艦店とは

多店舗展開するブランドにおいて、コンセプトや世界観を最大規模で体現し、情報発信の核となる中心的な店舗のこと


1958年:パリへ——最初の海外進出

パリのサントノーレ通りに、初の海外ショップをオープンしました。ファッションや食の中心地であるパリへの出店は、ゴディバが単なるベルギーのショコラティエから世界のブランドへと飛躍する転換点となりました。以来、ヨーロッパ・北米・アジア・中東へと展開を広げ、国際的なプレミアムチョコレートブランドとしての地位を固めていきます。


1968年:ベルギー王室御用達に認定

認定日1968年12月20日
認定機関アソシエーション・オブ・ザ・ベルジアン・ワラント・ホルダーズ
審査サイクル5年ごとに再審査
ゴディバの保持期間1968年以来、半世紀以上

ベルギー王室御用達(ワラント)は、ベルギー王室に長年高品質な商品・サービスを納入してきた企業に贈られる、名誉ある認定制度です。非常に厳しい審査を経て得られるこの称号は、5年ごとに再審査が行われます。毎回選ばれるチョコレートブランドはひと握りにすぎず、ゴディバは半世紀以上もの間その称号を保持し続けています。

参考:ベルギー王室御用達、ゴディバが「プレミアムチョコレート」と呼ばれる理由|ゴディバ公式


1972年:日本とニューヨークへ

年代展開地域内容
1958年パリサントノーレ通りに初の海外店舗
1972年ニューヨーク・日本アメリカとアジア市場への進出
現在世界各国100カ国以上に展開

プレミアムチョコレートの先駆けとして、1972年に日本へ出店しました。ニューヨーク(マンハッタンの五番街)と日本(東京・日本橋)への進出はほぼ同時期で、国際的なプレミアムチョコレートブランドとしての歩みをさらに加速させました。現在、国内では百貨店やショッピングモールを中心に300店舗以上を展開しています。

参考:ゴディバの歴史|ゴディバ公式


ゴディバが「プレミアム」と呼ばれる理由

カカオ豆の厳選

ゴディバは、産地ごとに厳選したカカオ豆のみを使用してチョコレートを作り上げています。カカオ豆は産地によって風味が大きく異なり、同じ品種でも土壌や気候・収穫のタイミングで味に差が出るため、調達段階からの管理が品質を左右します。

また、カカオ農家の持続可能な農業を支援する「サステナビリティ」への取り組みも公式サイトで発信されています。カカオ産地の農家が安定した収益を得られる環境を守ることが、長期的な品質の確保にもつながるという考え方です。

プラリネの自社製造

ゴディバチョコレート工場は現在も創業の地ブリュッセルにあり、プラリネを自社厨房で作っている数少ないショコラティエのひとつです。

ゴディバチョコレートフィリングの代表格「ヘーゼルナッツプラリネ」は、創業時からブリュッセルの工房で作られてきた自家製です。

プラリネの味を決める重要な工程は、今でも熟練のチョコレート職人のみが担当し、積み上げてきた経験と感覚を頼りに作業を進めています。機械では再現しにくい、人の手によるさじ加減が風味の核心にあります。

プラリネとは

ローストしたナッツに砂糖を加えてキャラメリゼし、すり潰してペースト状にしたもの。

職人の手作業を続ける姿勢

新しい技術を取り入れながらも、すべてをオートメーション化せず、熟練職人の手作業も続けています。たとえばチョコレート「シグネチャーブロンド」の羽根をイメージした繊細なデコレーションは、ひとつひとつ職人の手で丁寧に仕上げられています。工場に機械が並ぶ一方で、そこに職人の目と手が入り続けているのがゴディバの製造現場の特徴です。

ベルギー産ならではの品質管理

チョコレートの外側のパリッとした食べ応えと内側の柔らかなフィリングという組み合わせは、ベルギーチョコレートの代名詞でもあります。ゴディバはブリュッセルの工場で一元的に製造し、そこから世界各地へ届けることで品質の一貫性を保っています。日本で買っても、ヨーロッパで買っても、同じ味であることが保証されている背景には、この製造・供給体制があるのです。

参考:ベルギー王室御用達、ゴディバが「プレミアムチョコレート」と呼ばれる理由|ゴディバ公式


ゴディバの日本における事業展開

日本参入時の市場環境

日本市場の特徴(1972年当時)状況
チョコレートの位置づけ子ども向けの安価な菓子
贈答文化主に和菓子が中心
市場の可能性未開拓の高級チョコレート市場

1972年、ゴディバが日本市場に参入した当時、チョコレートは子ども向けの安価な菓子というイメージが強く、大人が購入する高級品としての概念はまだ一般的ではありませんでした。ゴディバは百貨店を中心とした出店戦略をとることで、高級品や贈り物にふさわしい場でブランドの価値を適切に伝え、「特別な日に贈る高級チョコレート」という新しいカテゴリーを確立していきました。

全国47都道府県への出店達成

2014年には、日本全国47都道府県すべてに出店するという目標を達成しました。地域格差なくゴディバの商品を提供するというその姿勢が、真の全国ブランドとしての地位を確立しています。現在、国内では百貨店やショッピングモールを中心に300店舗以上を展開しています。

経営体制の変遷

時期体制特徴
1994年〜2015年片岡物産との販売契約代理店方式
2015年4月1日〜現在全店舗直営化ブランド統一管理

1994年、ゴディバ ジャパン株式会社が設立された当初は、日本の商社である片岡物産との販売契約により日本市場での展開が行われていました。2015年4月1日、ゴディバ ジャパンは片岡物産との販売契約を終了し、全国の店舗を直営化しました。直営化によって、店舗の内装や接客、品揃えまですべてを統一した基準で管理することが可能になりました。

現在のゴディバ ジャパンの本社は東京都港区六本木にあり、菓子・乳製品飲料等の輸出入・製造・販売を手がけています。ヤニック・シュヴォロー氏がエグゼクティブシェフ・ショコラティエ/パティシエとして在籍し、日本独自の食文化を取り入れた商品開発も行っています。

参考:会社概要|ゴディバ公式
参考:シェフ・ショコラティエについて|ゴディバ公式


ゴディバの新業態展開

スクロールできます
業態名開始年特徴
ATELIER de GODIVA2017年〜エグゼクティブシェフが手がける限定スイーツ。製造工程を見られる店舗もある
GODIVA café2020年〜「毎日をちょっと良く」がコンセプトのセルフサービス型カフェ
GODIVA dessert2022年〜オリジナルクレープやショコリキサーを提供
GODIVA GO!2023年〜駅ナカや改札近くで立ち寄れるテイクアウト業態
GODIVA Bakery ゴディパン2023年〜世界初のゴディバベーカリー

近年のゴディバは、消費者のライフスタイルや購買行動の変化に対応して、多様な新業態を展開しています。チョコレートを売るだけでなく、食べて・飲んで・体験する場としての店舗が各地に登場しています。

ATELIER de GODIVA(アトリエ ドゥ ゴディバ)

ゴディバ ジャパンのエグゼクティブシェフ・ショコラティエ/パティシエが生み出した、ここでしか味わえない限定スイーツを提供するコンセプトストアです。シェフが手作りをしている様子を見られる店舗もあり、チョコレートが完成するまでの工程を間近に体験できます。

GODIVA café(ゴディバカフェ)

2020年11月に誕生したセルフサービス型のカフェ業態で、「Elevating my everyday ~毎日をちょっと良く~」をコンセプトにしています。ゴディバを代表するフローズンドリンク「ショコリキサー」をはじめ、カフェ限定のフードメニューやチョコレートスイーツを提供しています。

GODIVA dessert(ゴディバ デザート)

2022年に展開を始めたデザート専門の業態です。ゴディバチョコレートを使用したオリジナルクレープやショコリキサーを楽しめる店舗で、プレミアムなクレープを中心に種類豊富なトッピングを使用したメニューが揃っています。ゴディバ独自の濃厚なチョコレートと、焼きたての生地やトッピングが織りなす組み合わせを気軽に味わえるのが特徴です。

GODIVA GO!(ゴディバ ゴー!)

2023年に登場した、駅ナカや改札付近などに出店するテイクアウト専門の業態です。通勤・通学・おでかけの途中に立ち寄れる立地にこだわり、ゴディバチョコレートをさまざまな形で楽しめるドリンクやワンハンドフーズを提供しています。忙しい日常の中でも、ゴディバをより身近に・より手軽に楽しんでもらうことを目指した業態です。

GODIVA Bakery ゴディパン

2023年8月4日に東京交通会館1階(千代田区)に本店をオープンした、世界初のゴディバベーカリーです。「日本で進化を遂げた菓子パン・惣菜パンをショコラティエの新たな発想で再解釈し、なつかしさと新しさの融合を提案する」ことをコンセプトにしています。

参考:GODIVA Bakery ゴディパン|ゴディバ公式

ゴディバ マルシェ

数量限定で展開される「ゴディバ マルシェ」シリーズは、日本各地の菓子メーカーとのコラボで生まれた商品群です。ショコラふろらんたん・ベビー母恵夢 チョコレート・ショコラ カヌレ・鈴カステラ・一六タルト チョコレート・かげろうチョコレートといった地域銘菓にゴディバのショコラを組み合わせたものや、ポテトチップス・ポップコーン・わたあめ・海苔ショコラクランチなど、ユニークな組み合わせの商品も展開されています。

商品ラインナップの広がり

公式サイトの商品一覧を確認すると、ラインナップはチョコレートや焼き菓子にとどまりません。ケーキアイスドリンク・Eギフト・ギフトカード・サブスクリプションサービスにまで広がっており、チョコレートブランドとしての枠を越えた品揃えが揃っています。


ゴディバ創業100周年(2026年)

100周年記念コレクションと展覧会

2026年、ゴディバは創業100周年を迎えました。公式サイトは「その歩みは、ただの歴史ではなく、ひと粒ひと粒に込めた”想い”の積み重ねでもある」と伝えています。チョコレート作りへの情熱、美味しさや美しさへのこだわり、素材選びや職人技に裏打ちされた品質——これらは時代が変わっても変わらないブランドの原点です。

100周年を記念して、ゴディバが生み出してきた名作チョコレートのアーカイブコレクションが展開されています。また、「人々を魅了してきた”ゴディバを象徴する100の言葉”」をテーマにした展覧会「100 Words of GODIVA〜ブランドを紡ぐ言葉たちの展覧会〜」も、2026年1月15日から17日まで渋谷スクランブルスクエアにて開催されました。

ベルギー王室御用達ブランドとして次の100年へ

チョコレートやカカオを通じて幸せを届けたい」という想いを持ち続けて100年。積み重ねてきた伝統を大切にしながら、その時代にあった幸せを届けるために新しい挑戦を続けていくと、ゴディバ公式は表明しています。

参考:ゴディバ 100周年|ゴディバ公式


まとめ

ゴディバは、1926年にベルギーのブリュッセルで小さな家族経営の工房として始まりました。創業者ピエール・シニア・ドラップスの情熱と、4人の子どもたちの努力により、ベルギー王室御用達のグローバルブランドへと成長してきた歴史があります。

ブランド名の由来となったレディ・ゴディバの伝説に描かれた勇気と愛の精神は、「私たちは記憶に残る幸せな時を届けます」というミッションとして今も受け継がれています。商品を販売するだけでなく、人々の人生に幸せな瞬間を創り出すことがゴディバの変わらぬ使命です。

日本市場では1972年の参入以来、高級チョコレートという新しいカテゴリーを確立し、2014年には全国47都道府県への出店を達成。現在は300店舗以上を展開するとともに、カフェやベーカリーなど多様な業態への挑戦も続けています。

伝統を守りながら時代に合わせた変化を続ける姿勢——それがゴディバが世界中で長く愛され続ける理由ではないでしょうか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!