ナショナルブランド(NB商品)とは|メーカーが全国展開する信頼のブランド
スーパーやコンビニで買い物をしていると、見慣れたロゴやパッケージの商品を多く目にするでしょう。コカ・コーラ、キリン一番搾り、カルビーポテトチップス――。これらはすべてナショナルブランド(NB)と呼ばれる商品です。
私たちの日常生活に深く根付いているナショナルブランドですが、その仕組みや特徴を詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。この記事では、ナショナルブランドとは何か、どのような特徴があるのかを分かりやすく解説していきます。
ナショナルブランドとは
| 正式名称 | National Brand(ナショナルブランド) |
|---|---|
| 略称 | NB |
| 開発・製造 | メーカー(製造業者) |
| 販売範囲 | 全国規模 |
| 広告主体 | メーカー自身 |
ナショナルブランドは、メーカーが企画・開発・製造を行い、全国規模で展開する商品ブランドです。メーカー自身がブランド名を付け、テレビCMやインターネット広告などを通じて全国的に宣伝活動を行っています。そのため、地域や店舗を問わず、多くの場所で同じ商品を目にすることができます。
日本コカ・コーラの「コカ・コーラ」や、アサヒビールの「アサヒスーパードライ」などがよく知られています。企業名や商品名が広く認知されており、消費者からの信頼度が高いのが特徴といえます。
ナショナルブランドが生まれる流れ
商品開発から販売までの流れ
- メーカーが市場調査を実施し、消費者のニーズを把握する
- 調査結果をもとに商品を企画・開発する
- 自社工場や提携工場で製造を行う
- 完成した商品を卸売業者や商社に卸す
- 卸売業者・商社を経由して各地の小売店に届けられる
- 小売店の店頭に並び、消費者が購入する
ナショナルブランド商品は、メーカーが主体となって市場に送り出されます。商品の企画から消費者の手に渡るまで、上記のような段階を経ています。
この過程で、メーカーは商品の品質管理や広告宣伝活動を担当します。商品に何か問題があった場合の対応も、基本的にはメーカーが行います。
ナショナルブランドの定義
| 明確な定義 | 存在しない |
|---|---|
| 一般的な理解 | 全国規模のメーカーが製造し、高い認知度を獲得している商品ブランド |
| 生産体制 | 大量生産・大量消費を前提 |
| 流通量 | 多い |
ナショナルブランドには、実は明確な定義が存在しません。一般的には、全国規模のメーカーが製造し、高い認知度を獲得している商品ブランドを指します。
大量生産・大量消費を前提としており、流通量が多いのも特徴です。多くの人が目にする機会があるため、ブランドへの信頼や需要も自然と高まっていきます。企業名を冠した商品も数多くあり、企業のイメージがそのまま商品の信頼性につながることもあります。
ナショナルブランドの特徴
全国どこでも買える
販売場所の例
- 全国のスーパーマーケット
- コンビニエンスストア
- ドラッグストア
- ディスカウントストア
- オンラインショップ
ナショナルブランドの特徴は、販売場所を問わないことです。
北海道から沖縄まで、日本全国のさまざまな小売店で同じ商品を購入できます。これは、メーカーが複数の流通業者や小売業者と取引を行っているためです。特定の店舗だけで販売するのではなく、幅広い販売網を確保することで、より多くの消費者に商品を届けられます。
旅行先や引っ越し先でも、いつもと同じ商品を手に取れる安心感があります。
高い認知度と信頼性
| 広告手段 | テレビCM、インターネット広告、雑誌広告など |
|---|---|
| 認知度 | 全国的に高い |
| 信頼性 | 長年の実績により消費者からの信頼が厚い |
| 新商品展開 | 既存ブランドの力を活用できる |
ナショナルブランドは、テレビCMやインターネット広告などを活用した大規模な宣伝活動を行っています。豊富な資金力を生かした広告展開により、消費者の間で高い認知度を獲得しています。
長年にわたって生産・販売が続けられているブランドであれば、消費者からの信頼も厚くなります。「この会社の商品なら安心」という気持ちが、購入の決め手になることもあります。新商品を開発する場合も、既存のナショナルブランドの一種として販売することで、消費者に受け入れられやすくなります。
メーカー主導の広告活動
メーカーが活用する広告媒体
- テレビCM
- 雑誌広告
- 交通広告(電車・バスなど)
- インターネット広告
- SNS広告
- 店頭プロモーション
ナショナルブランド商品の広告宣伝は、基本的にメーカー自身が行います。小売業者は商品を販売する役割を担うだけで、広告活動には関与しません。
メーカーは商品の魅力を伝えるため、さまざまな媒体を使った宣伝を展開します。有名タレントを起用したCMや、印象に残るキャッチフレーズなど、メーカーならではの工夫が凝らされています。これらの広告活動が、ブランドの認知度向上に貢献しています。
品質の一貫性
| 品質管理 | メーカーによる厳格な管理 |
|---|---|
| 地域差 | なし(全国どこでも同じ品質) |
| 製造技術 | 長年培ってきたノウハウを保有 |
| 生産体制 | 専門的な設備と熟練した技術者 |
ナショナルブランドは、全国どこで購入しても同じ品質の商品を提供しています。メーカーが厳格な品質管理を行っているため、地域による品質のばらつきがありません。
大手メーカーは、長年培ってきた製造技術やノウハウを持っています。専門的な設備や熟練した技術者による生産体制が整っており、安定した品質の商品を作り出せます。消費者にとっては、どこで買っても変わらない品質が保証されているという安心感があります。
ナショナルブランドのメリット
小売業者にとってのメリット
| 売上の予測しやすさ | 認知度が高く需要が安定しているため、ある程度の販売数を見込める |
|---|---|
| 責任対応の軽減 | 商品トラブルへの対応はメーカーが行うため、事務負担が少ない |
| 在庫リスクの低さ | 売れ残った場合でも返品や転売ができることがある |
| 集客力 | 有名ブランドの取り扱いにより顧客を呼び込める |
ナショナルブランド商品を取り扱うことは、小売業者にとって複数のメリットがあります。
まず、商品の信用力が高いため、売上を計算しやすい点が挙げられます。消費者からの認知度が高く、商品への信頼や需要も安定しているため、ある程度の販売数を見込めます。
次に、商品に対する責任対応が軽減される点もメリットです。小売業者は販売の役割を担うだけで、商品そのものに問題が見つかった場合の対応はメーカーが行います。クレーム処理や品質問題への対応に伴う事務負担が少なく、対応ミスによるブランド棄損のリスクも小さいです。
さらに、在庫リスクが低いという利点もあります。万が一売れ残った場合でも、返品や他社への転売ができることがあります。常に思い通りの条件で処分できるとは限りませんが、プライベートブランド商品と比べれば、リスクは低いといえるでしょう。
消費者にとってのメリット
| 品質への信頼感 | 大手メーカーの製造という安心材料がある |
|---|---|
| 購入の利便性 | 全国どこでも同じ商品を購入できる |
| 情報の豊富さ | 公式サイトやSNSで詳しい商品説明を確認できる |
| 使い慣れた安心感 | いつもと同じ商品を選べる |
消費者の立場から見ても、ナショナルブランドには魅力があります。
何より、品質への信頼感が大きいです。大手メーカーが製造しているという事実そのものが、安心材料になります。購入前から一定の品質が保証されているため、初めて買う商品でも安心して選べます。
また、全国どこでも同じ商品を購入できる利便性も見逃せません。引っ越しや旅行の際にも、使い慣れた商品を手に入れられます。商品情報が豊富に提供されているのも、消費者にとっては助かります。メーカーの公式サイトやSNSで詳しい商品説明を確認でき、使い方や活用法なども簡単に調べられます。
ナショナルブランドのデメリット
小売業者にとってのデメリット
| 仕入れコストの高さ | 仲介業者を経由するため、マージンが価格に転嫁される |
|---|---|
| 利益率の低さ | 販売数は見込めるが、一つ一つの商品から得られる利益は限られる |
| 自社コントロールの低さ | 価格や販売方法についてメーカーの意向を尊重する必要がある |
| 差別化の困難さ | どの店でも同じ商品を扱っているため独自性を出しにくい |
ナショナルブランドには、小売業者にとっていくつかの課題もあります。
最も大きな問題は、仕入れコストの高さです。ナショナルブランド商品は、企画から販売に至るまでの工程で複数の業者が関わります。商社などの仲介業者を経由するため、そのマージンが価格に転嫁され、仕入れに必要な金額が高くなってしまいます。
この高い仕入れコストは、利益率の低さにもつながります。消費者に人気があり販売数は見込めるものの、一つ一つの商品から得られる利益は限られています。たくさん売れたとしても、小売業者が大きな利益を上げられるとは限りません。
商品に対する自社コントロールの低さも、課題の一つです。国内有数のメーカーが取引相手となるため、交渉において小売業者が不利な立場に立たされることがあります。思い通りの価格で仕入れることが難しかったり、販売方法についてもメーカーの希望を尊重せざるを得なかったりします。
さらに、流通性の高さゆえに他社との差別化が困難という側面もあります。どの店でも同じナショナルブランド商品を扱っているため、商品だけでは自店の独自性を打ち出せません。とはいえ、ナショナルブランド商品の取り扱いがなければ顧客が来店しない可能性も高く、取り扱いをやめるわけにもいかないのが実情です。
メーカーにとっての課題
| 競合との競争 | 同じ業界に複数のブランドが存在し、売り場での競争が激しい |
|---|---|
| 投資の継続 | 効果的な広告宣伝や販売促進のため、常に経営資源を投入する必要がある |
| 売り場確保の難しさ | 競合ブランドの方が売れれば、売り場スペースを奪われる |
| 自社商品との競合 | プライベートブランド商品の製造受託により、自社商品と競合する場合がある |
メーカー側にも、ナショナルブランドを展開するうえでの課題があります。
一つの業界には複数のナショナルブランドが存在するため、売り場での激しい競争は避けられません。ライバルブランドとの競争に打ち勝つには、効果的な広告宣伝や販売促進活動が不可欠で、そのために多くの経営資源を投入し続けなければなりません。
競合ブランドの方が売れる可能性が高ければ、売り場のスペースを奪われてしまいます。常にブランドへの投資が必要で、その負担は決して小さくありません。また、プライベートブランド商品の製造を受託している場合、自社のナショナルブランド商品との競合が生じることもあります。受託して生産しているプライベートブランド商品が、価格面で有利になり、自社商品の売上に影響を与えるケースもあるのです。
ナショナルブランドの具体例
飲料分野の例
飲料業界には、誰もが知るナショナルブランドが数多く存在します。
日本コカ・コーラの「コカ・コーラ」は、世界的にも有名なブランドです。独特の味わいと赤いパッケージは、世代を超えて愛され続けています。伊藤園の「お~いお茶」は、緑茶飲料のナショナルブランドとして確固たる地位を築いています。健康志向の高まりとともに、幅広い年齢層から支持を得ています。
アサヒビールの「アサヒスーパードライ」は、ビール市場を代表するブランドの一つです。キレのある味わいで、多くのファンを獲得してきました。これらの商品は、長年の広告活動と品質へのこだわりにより、消費者の心をつかんでいます。
食品分野の例
食品分野でも、ナショナルブランドは私たちの食卓に欠かせない存在です。
カルビーの「ポテトチップス」は、スナック菓子の定番として長く親しまれています。さまざまなフレーバーを展開し、常に新しい驚きを提供し続けています。明治の「明治ミルクチョコレート」は、チョコレートの代名詞ともいえる商品です。シンプルながら飽きのこない味わいで、世代を問わず愛されています。
日清食品の「カップヌードル」は、インスタント食品のナショナルブランドとして世界中で知られています。手軽さと美味しさを両立させた商品として、多くの人々の生活を支えています。
日用品分野の例
| ブランド名 | メーカー | 商品の特徴 |
|---|---|---|
| アタック | 花王 | 洗浄力の高い洗濯用洗剤 |
| クリニカ | ライオン | オーラルケア商品シリーズ |
日用品分野においても、ナショナルブランドは重要な位置を占めています。
花王の「アタック」は、洗濯用洗剤のナショナルブランドとして高いシェアを誇ります。洗浄力の高さと使いやすさで、多くの家庭で選ばれ続けています。ライオンの「クリニカ」は、オーラルケア商品のブランドとして確立されています。歯の健康を守る製品群を展開し、消費者の信頼を得ています。
これらの商品は、日々の生活に深く根付いており、ブランドへの忠誠心を持つ消費者も少なくありません。
ナショナルブランドの今後
消費者ニーズの変化への対応
| ニーズの変化 | 対応例 |
|---|---|
| 健康志向 | 低糖質、減塩などの商品開発 |
| 環境意識 | 環境に配慮したパッケージの採用 |
| 個人の好みの多様化 | きめ細かなバリエーション展開 |
消費者のニーズや価値観は、時代とともに変化していきます。ナショナルブランドを展開するメーカーは、こうした変化を敏感に捉え、商品開発に反映させる必要があります。
近年では、健康志向や環境意識の高まりが顕著です。低糖質や減塩といった健康に配慮した商品、環境に配慮したパッケージを採用した商品など、時代の要請に応える製品が求められています。また、個人の好みやライフスタイルの多様化も進んでいます。一つの商品で全ての人を満足させることは難しく、きめ細かなバリエーション展開が重要になってきています。
プライベートブランドとの関係
近年、小売業者が独自に開発するプライベートブランド商品の存在感が増しています。ナショナルブランドは、こうした競合商品との差別化を図りながら、市場での地位を維持していく必要があります。
ただし、ナショナルブランドとプライベートブランドは、必ずしも対立する関係ではありません。それぞれの強みを生かし、補完し合う関係を築くことも可能です。メーカーの中には、プライベートブランド商品の製造を受託することで、生産設備の稼働率を高めている企業もあります。自社のナショナルブランドを展開しながら、他社のプライベートブランド商品も製造するという、柔軟な事業展開が見られます。
ブランド力の維持と強化
| 取り組み | 内容 |
|---|---|
| 品質の維持 | 継続的な品質管理と改善 |
| 商品開発 | 時代に合わせた改良や新製品の開発 |
| コミュニケーション | SNSなど新しい手段を活用した消費者との対話 |
| 消費者の声の反映 | 消費者の声を商品開発に生かす |
ナショナルブランドにとって、ブランド力の維持と強化は永遠のテーマです。一度築いた信頼やイメージを守り続けることは、決して簡単ではありません。
品質の維持はもちろん、時代に合わせた商品の改良や新製品の開発が求められます。消費者の期待を裏切らず、むしろそれを上回る価値を提供し続けることが、ブランドの存続につながります。また、SNSなど新しいコミュニケーション手段を活用し、消費者との対話を深めることも重要です。消費者の声に耳を傾け、それを商品開発に反映させる姿勢が、ブランドへの共感を生み出します。
ナショナルブランドは、長年培ってきた認知度や信頼性を基盤としながらも、常に進化を続けていく必要があるのです。





