花畑牧場とは|生キャラメルブームとチーズでの再起の物語

花畑牧場(はなばたけぼくじょう)とは、北海道・十勝の中札内村(なかさつないむら)に本社を置く、牧場発の食品メーカーです。2008年前後に日本中を席巻した「生キャラメル」ブームの仕掛け人であり、牧場長はタレントとしても知られる田中義剛さん。口に入れた瞬間にとろけるあのキャラメルは、芸能人の道楽ではなく、酪農と手作りに本気で向き合った末の発明でした。ブームの熱狂と、その後の再起まで——このページでは、花畑牧場の物語を掘り下げて紹介します。
花畑牧場の基本情報
| 会社名 | 株式会社花畑牧場 |
|---|---|
| 設立 | 1992年(平成4年)5月7日 |
| 代表者 | 代表取締役 田中義剛(牧場長) |
| 本社所在地 | 北海道河西郡中札内村元札内東4線311-6 |
| 資本金 | 2,000万円 |
| 従業員数 | 280名(2024年12月現在) |
| 事業内容 | 自社ブランド製品の開発、販売企画、牧場運営 |
| 製造施設 | 十勝第1〜3工場、十勝エゾ鹿工房 |
| 直営店 | 牧場ショップ・カフェ、新千歳空港店、ラクレットチーズ専門店 など |
| 主な商品 | 生キャラメル、ラクレットチーズ、スイーツ ほか |
牧場の敷地は23ヘクタール、およそ東京ドーム5個分。始まりはジャージー牛1頭からだったといいますから、規模の変わりようには驚かされます。じつは初代の看板商品は生キャラメルではなく、ひょうたん形のチーズ「カチョカヴァロ」。もともとチーズの牧場だったことが、のちの再起の伏線になりました。
参考:会社概要と沿革|花畑牧場
花畑牧場の始まり|タレントが本気で酪農家に
花畑牧場は、1992年、タレントの田中義剛さんが十勝の中札内村に開いた牧場から始まりました。芸能活動のかたわらの「趣味の牧場」と見られがちでしたが、本人は酪農学園大学で学んだ酪農の専門家。生乳の生産から、チーズやスイーツの製造まで、「機械に頼らず、手で造る」ことにこだわった六次産業化の先駆けでした。
参考:会社概要と沿革|花畑牧場
花畑牧場のあゆみ年表
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1992年 | 田中義剛が中札内村に株式会社花畑牧場を設立。ジャージー牛1頭から |
| 1990年代後半 | 約3年の開発を経て、初代看板商品のチーズ「カチョカヴァロ」を発売 |
| 2007〜2008年 | 「生キャラメル」が全国的な大ブームに |
| 2011年 | 「ラクレット」がALL JAPANナチュラルチーズコンテストで農林水産大臣賞を受賞 |
チーズに始まり、キャラメルで沸き、チーズで立て直す。年表を眺めると、この牧場の主役がずっと「乳」だったことがよく分かります。
生キャラメル|日本中を並ばせたとろける一粒
銅鍋で手炊きする贅沢
花畑牧場の生キャラメルは、十勝の生乳と生クリームを、職人が銅鍋でじっくり炊き上げて作られます。一般のキャラメルより水分を多く残した柔らかな仕上がりで、口に入れると体温でとろりと溶けていく——「噛むキャラメル」の常識を覆す食感が、最大の売りでした。日持ちが短く大量生産に向かない「生」であることが、かえって特別感を生んだのです。
2008年前後の社会現象
2007〜2008年ごろ、生キャラメルは爆発的なブームになります。北海道土産の定番が揺らいだ時期と重なったことも追い風となり、空港や物産展には長蛇の列、「幻のキャラメル」としてメディアを連日にぎわせました。全国の菓子メーカーが追随し、「生○○」ブームの火付け役にもなった、平成スイーツ史に残る現象です。ブームの詳しい背景は、生キャラメルの記事で紹介しています。
ブームの後、チーズで立て直す
ブームはいつか終わるもの。熱狂が去った後、花畑牧場は苦しい時期を経験します。そこで支えになったのが、原点の酪農から生まれたチーズでした。とろけるチーズの「ラクレット」は、2011年のALL JAPANナチュラルチーズコンテストで農林水産大臣賞を受賞。以後、スイーツ・チーズ・養豚を柱に事業を立て直し、チーズを使ったポップコーンなどの新ヒットも生まれました。一発屋で終わらず、牧場の実力で生き残った——それが花畑牧場の本当の物語です。
まとめ
花畑牧場は、タレント牧場長・田中義剛さんが十勝で育てた、手作りにこだわる牧場発メーカーです。日本中を並ばせた生キャラメルの熱狂も、その後のチーズでの再起も、根っこにあるのは「十勝の生乳を、手間ひまかけて届ける」という一本の筋。とろける一粒には、北の大地の底力が詰まっています。
生キャラメルブームの詳しい話は、本文中の記事で紹介しています。
