カールとは?
カールは、1968年に明治製菓(現在の明治)によって発売されたスナック菓子の一つです。サクサクとした食感に豊かな風味、その特徴的な形状と独特の味わいで、長年日本の菓子市場で愛されていました。
カールの最大の特徴は、その独特のカール状の形状と軽い食感です。主にコーンスナックの一種で、ポップコーンからヒントを得て開発されました。
時代とともに味のバリエーションを拡大し、最終的には約70種類もの味を展開しましたが、2017年にデジタル時代の生活スタイルの変化(パソコン作業中に指が汚れる)を理由に、販路を縮小することになりました。
カールの製造方法
カールの製造工程は当時として画期的なものでした。大きな円形の鋼板に開いた穴から生地が押し出され、超高速で切り落とされます。その過程で味付けが行われ、空中で味が均一に付けられます。工場見学では、子供たちが実際にボタンを押して出来たてのカールを体験できる仕組みも用意されていました。
カールの発祥起源と名前の由来
昭和46年(1968年)、明治製菓(現・明治)は日本のスナック菓子市場に革新をもたらす「カール」を誕生させました。カールの名前は、昭和30年代に流行した「カール人形」から取られたと言われています。
カールが誕生した経緯
当時の製菓会社は、一年を通じて楽しめる新しいおやつの開発に熱心に取り組んでいました。アメリカへの出張から帰国した社員がスナック菓子の可能性を伝え、ポップコーンからヒントを得て、カールは生み出されたのです。
カールの最初の味
最初の味は「チーズ味」と「チキンスープ味」の2種類でした。チーズ味は子供向け、チキンスープ味は大人向けと、異なる世代を意識した戦略でした。特にチーズ味は当時としては斬新な味わいで、多くの人々に受け入れられました。
カールを人気にしたテレビCM
カールの人気を決定づけたのは、印象的なテレビコマーシャルでした。
「♪ハァ~、おらがの山にいもお、桜が咲いたぁ〜…………それにつけてもおやつはカール」
この歌詞とともに、カールおじさんと三橋美智也の歌による柔らかく温かみのあるコマーシャルソングは、日本中の視聴者の心に深く刻まれました。
カールの販路縮小
カールの成功は、日本のスナック菓子市場に大きな影響を与え、約70種類もの味のバリエーションを生み出し、長年にわたり日本のスナック菓子業界をリードしてきました。
しかし2017年、カールは販路を縮小することを発表しました。その主な理由は、デジタル時代の生活スタイルの変化でした。パソコン作業中に指が汚れるという理由から、消費者のニーズに合わなくなったと判断されたのです。
まとめ
カールは単なるスナック菓子以上の存在でした。世代を超えて愛された日本の食文化の象徴的な存在であり、多くの人々の思い出と結びついています。製造技術、マーケティング戦略、そして文化的な影響力において、カールは日本のお菓子の歴史に大きな足跡を残しました。現在も、懐かしさとともに多くの人々に記憶されている伝説的なスナック菓子なのです。