日本デリカフーズ協同組合(NDF)とは|セブンイレブンを支える食品メーカー達

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目次

日本デリカフーズ協同組合(NDF)とは

組織名日本デリカフーズ協同組合(NDF)
設立年1979年
設立目的デイリーメーカーの品質管理・衛生管理レベルの向上
加盟企業数62社〜65社(時期により変動)
工場数175〜176工場
主な取引先セブンイレブン・ジャパン
製造品目おにぎり、弁当、惣菜、調理パン、調理麺、サンドイッチ、サラダ、デザートなどのデイリー商品

日本デリカフーズ協同組合は、セブンイレブンで販売されるデイリー商品を製造する企業によって構成された協同組合です。1979年にデイリーメーカー24社によって設立され、全国の加盟工場でセブンイレブン向けの商品を製造しています。

相互扶助の考えに基づき、衛生基準の整備や生産技術・品質管理を全国で同一レベルに高めることを目的としています。セブンイレブン第1号店の開店から5年を迎えた頃、工場の品質管理・衛生管理レベルの向上のために発足しました。

NDFが設立された背景

出来事
1974年セブンイレブン1号店開店(東京都江東区)
1979年日本デリカフーズ協同組合設立(24社で発足)

セブンイレブンは1974年に東京都江東区に1号店を開店しました。店舗数の拡大に伴い、フレッシュフードを製造する工場も全国各地に増加しました。製造を担当するメーカーが増えると、各工場で品質管理のレベルに差が生じる可能性がありました。

この課題に対応するため、1979年に日本デリカフーズ協同組合が設立されました。発足時は24社が参加し、衛生基準の統一や品質管理の標準化に取り組み始めました。

NDFの加盟企業の構成

企業タイ割合特徴
大手5社約50%複数の工場を運営
中小企業約50%地域密着型の製造拠点

NDFに加盟する企業は、大手企業と中小企業が混在しています。大手5社が加盟企業全体の約半数を占め、残りは中小企業で構成されています。この構造により、大規模な製造能力と地域密着型の柔軟な生産体制の両方を組み合わせた製造ネットワークが形成されています。

セブンイレブン専用工場の比率約92%
専用工場の特徴セブンイレブン向け商品のみを製造

セブンイレブンのデイリー商品を製造する工場のうち、約92パーセントがセブンイレブン向けの商品のみを扱う専用工場です。この専用化により、セブンイレブンの品質基準に特化した製造体制が構築されています。

専用工場は他社の商品を製造しないため、セブンイレブンの要求に合わせた設備投資や製造工程の最適化が可能になります。

NDFが製造するデイリー商品の種類

おにぎり各種具材のおにぎり
弁当幕の内弁当、専門店監修弁当など
惣菜サラダ、煮物、揚げ物など
調理パンサンドイッチ、ハンバーガー、カレーパンなど
調理麺パスタ、焼きそば、冷やし中華など
デザートプリンケーキゼリーなど

セブンイレブンでは年間約2000アイテムのデイリー商品が開発されており、NDFはこの開発を支えています。

NDFの加盟工場は、おにぎりや弁当だけでなく、調理パン、調理麺、サラダ、デザートなどのデイリー商品全般を製造しています。これらは総称して「フレッシュフード」や「デイリー商品」と呼ばれており、賞味期限が短いことが特徴です。

賞味期限短期間(当日〜翌日程度)
製造頻度日々製造・配送
品質管理製造から提供まで高レベルの管理が必要

デイリー商品は賞味期限が短いため、製造から店舗への配送、陳列までの時間が厳密に管理されています。工場は店舗に近い場所に配置され、製造後すぐに配送できる体制が整えられています。

NDFの主な役割

品質管理と衛生管理

衛生基準の統一全国で同じ品質水準の実現
製造手順の標準化地域による品質差の解消
定期的な品質チェック基準の維持と改善

NDFは加盟工場における品質管理と衛生管理のレベルを全国で統一するための基準を設定しています。全国どこのセブンイレブンで購入しても同じ品質の商品を提供するため、工場ごとの製造基準を揃えています。

セブンイレブンとNDFは協力して、各工場が同一の衛生基準と製造手順を守るための仕組みを整備しました。これにより、北海道から沖縄まで、どの地域の工場で製造された商品も同じ品質水準を満たすようになりました。

商品開発の協力体制

参加主体役割
セブンイレブン商品企画・品質基準の設定
NDF加盟の食品製造会社製造技術の提供・試作
原材料メーカー原材料の開発・供給
パッケージメーカー容器・包装の開発

商品開発は、セブンイレブン、NDF加盟の食品製造会社、原材料メーカー、パッケージメーカーが共同で行っています。会社や業界の枠を超えて、それぞれの知見を活用した協力体制により、商品が開発されています。

新商品を発売する前には、各工場で製造する商品が同じ品質に達するまで繰り返し確認が行われます。試作を重ね、味や見た目、製造手順を調整し、全国の工場で同じ品質の商品を作れるようになってから販売が開始されます。

原材料の共同購入

複数工場での共同購入仕入れコストの削減
品質保証された原材料の確保品質の安定化
温度管理の徹底鮮度の維持

NDFは加盟企業間での原材料の共同購入を行っています。複数の工場が同じ原材料を使用することで、仕入れコストの削減と品質の安定化を図っています。

共同購入により、原材料メーカーとの交渉力が高まり、品質が保証された原材料を安定的に確保できるようになりました。数千点にも上る原材料について、品質保証と温度管理が厳格に行われています。

環境対策

取り組み内容実施主体
環境対策会議の開催NDF・セブンイレブン
エコアクション21認証の推進NDF加盟企業
省エネ活動の実施各工場
廃棄物の管理・リサイクル各工場

NDFは環境対策会議を開催し、セブンイレブン本部と加盟企業との情報共有や共同施策を推進しています。全国工場における省エネの取り組みや廃棄物の管理・リサイクルに取り組んでいます。

環境省が制定したエコアクション21の認証取得を通じた省エネ活動に取り組んでおり、認証を取得した工場では、エネルギー、食品残渣、電気使用量の削減効果が認められています。これらの取り組みにより、セブンイレブンとNDFは2020年に省エネ大賞を受賞しました。

NDFの品質管理システム

NDF-HACCPの構築

年次取り組み内容
2000年NDF-HACCP構築、全工場で認定取得
2018年NDF-FSMS認証制度への改正開始
2021年3月全工場でNDF-FSMS認証取得完了

NDFは2000年に独自の品質管理システムである「NDF-HACCP」を構築しました。このシステムは多品種少量生産、労働集約型産業に適した内容で設計され、全工場で認定を取得しました。

HACCPは食品衛生管理の国際的な手法ですが、NDFはコンビニエンスストア向けのデイリー商品という特殊な製造形態に合わせて、独自の基準を設けました。

NDF-FSMS認証制度への移行

改正開始2018年10月
基準JFS-B規格の内容を取り込んだ内容
全工場取得完了2021年3月末

2018年からは、HACCPの制度化に対応するため、食品安全マネジメント協会が定めるJFS-B規格の内容を取り込んだ「NDF-FSMS認証制度」へ改正されました。2021年3月末には全工場での取得が完了しています。

FSMS(Food Safety Management System)は食品安全マネジメントシステムの略称で、包括的な食品安全管理の仕組みです。NDF-FSMS認証制度は国際規格の要素を取り入れながら、NDFの実情に合わせた内容になっています。

品質管理活動のデジタル化

連携開始2020年4月
連携企業セブンイレブン、NDF、株式会社カミナシ
導入システム現場DXプラットフォーム「カミナシ」
導入完了工場数139工場(2023年3月時点)

2020年4月から、セブンイレブン、NDF、株式会社カミナシの3社は、品質管理活動におけるデジタル化推進を目的に連携を開始しました。現場DXプラットフォーム「カミナシ」が導入され、2023年3月時点で139工場が導入を完了しています。

従来は紙帳票を用いて行われていた衛生・品質管理の記録が、デジタル化されました。これにより、記録の形骸化や回収、保管などの業務負荷が軽減され、セブンイレブンが全国の工場の情報を把握するまでの時間も短縮されました。

NDFとセブンイレブンの連携

セブンミールへの対応

サービス名セブンミール
サービス内容栄養バランスと健康に配慮した食事の配達
主な利用者外出しにくい高齢者など
NDFの役割商品開発と製造

セブンイレブンは「セブンミール」というサービスを提供しています。これは美味しさと健康に配慮した食事を届けるサービスで、外出しにくい高齢者にも利用されています。NDFはこの商品開発と製造に関わっています。

セブンミールの商品は、栄養バランスや食べやすさに配慮して設計されており、NDFの製造技術と品質管理が活用されています。

配送の効率化

共同配送の実施配送車両の削減
複数温度帯対応トラックの導入さらなる車両削減の見込み
CO2排出量削減環境負荷の低減

セブンイレブンとNDFは、メーカーの枠を超えて共同配送を実施することで、配送車両を削減しています。常温・チルド・冷凍の異なる温度帯の商品を1台のトラックで配送できる取り組みも進められており、さらなる配送車両削減が目指されています。

この取り組みはCO2排出量の削減にも寄与しており、環境負荷低減の一環として位置づけられています。

CSR推進会議

会議名NDF-CSR推進会議
参加組織セブンイレブン・ジャパン、NDF
主な議題労働条件、働く環境の改善

セブンイレブン・ジャパンとNDFは「NDF-CSR推進会議」を設置し、労働条件など従業員の働く環境改善を行っています。持続可能で責任あるサプライチェーンの構築に向けて、連携を強化しています。

この会議では、関係法令の遵守、人権、労働環境、労働安全衛生、環境、情報セキュリティ、商品の安全確保、地域社会の便益などが議題として扱われています。

NDFの持続可能な取り組み

セルフチェックシートの運用

運用内容セブン&アイグループお取引先サステナブル行動指針のセルフチェック
実施対象NDF加盟62社・工場175カ所(2023年度)

NDFは「セブン&アイグループお取引先サステナブル行動指針」の推進を支援するため、お取引先様セルフチェックシートを運用しています。2023年度は、NDF加盟62社・工場175カ所で実施されました。

チェック項目には、関係法令の遵守、人権、労働環境、労働安全衛生、環境、情報セキュリティ、商品の安全確保、地域社会の便益などが含まれています。

エコアクション21の活用

制度名エコアクション21
制定機関環境省
NDFでの活用理由中小企業でも取り組みやすい内容

NDFは環境対策の取り組みとして、環境省が制定したエコアクション21の認証取得を推進しています。この制度はシンプルで取り組みやすいEMS(環境マネジメントシステム)として評価されており、加盟企業が取り組みやすい内容になっています。

加盟企業には大手5社と中小企業が混在しているため、中小企業でも導入しやすいシステムが求められていました。ISO規格では対応が難しい企業も出てくる可能性があったため、エコアクション21が選択されました。

環境活動の可視化

環境活動の数値化客観的な評価
原単位での分析相対的な位置の把握
情報の開示改善点の明確化

NDFは個別に数値化された環境活動を、製品カテゴリや工場規模などを考慮した原単位で分析し、相対的な自社の位置がわかるような情報に加工して開示しています。各工場は自社の環境活動の成果を客観的に把握できるようになりました。

この仕組みにより、工場間での比較や改善点の把握が容易になり、全体としての環境負荷低減が進められています。

NDFの組織構造

協同組合としての性質

組織形態協同組合
運営原則相互扶助の精神
加盟企業の関係対等な立場での参加

NDFは協同組合という組織形態をとっています。協同組合は、相互扶助の精神に基づき、組合員が協力して共通の目的を達成するための組織です。

加盟企業は対等な立場で参加し、情報共有や共同購入、品質管理の標準化などに取り組んでいます。組合という形態により、大手企業と中小企業が平等に意見を出し合い、協力できる体制が整えられています。

理事長の役割

NDFには理事長が置かれており、組合全体の方針決定や運営を担当しています。理事長はプライムデリカ株式会社の社長が務めていることが確認されています。

理事長は加盟企業の代表として、セブンイレブン本部との交渉や調整も行っています。加盟企業の収益改善や労働環境の向上についても、セブンイレブンに対して意見を伝える役割を担っています。

加盟企業間の情報共有

共有される情報目的
品質管理・衛生管理全体レベルの向上
環境対策環境負荷の低減
労働環境働きやすい職場の実現
製造技術・設備生産性の向上

NDFは定期的に会議を開催し、加盟企業間での情報共有を行っています。品質管理、衛生管理、環境対策、労働環境など、様々なテーマについて情報交換が行われています。

他の工場での成功事例や改善事例を共有することで、組合全体のレベル向上が図られています。新しい製造技術や設備に関する情報も共有され、各工場が最新の技術を導入しやすくなっています。

NDFが直面する課題

収益性の改善

NDF加盟社の利益率は、他の製造業より低い水準にあると指摘されています。設備投資によって生産性を高めるためにも、経常利益率で5パーセントが必要とされていますが、この水準を達成している企業は限られています。

原材料費や電気代の上昇、労働力確保のためのコスト増加などが経営を圧迫しています。加盟企業は価格転嫁や収益改善をセブンイレブンに求めていますが、実現には時間がかかっています。

設備投資とコスト負担

課題背景
設備投資の資金確保収益性の低さ
リスク分散の困難セブンイレブン専用工場としての運営

品質向上や生産性向上のためには設備投資が必要ですが、収益性が低い状態では投資余力が限られます。新しい製造設備やデジタル化のためのシステム導入には多額の費用がかかります。

セブンイレブン専用工場として運営している加盟企業は、他社の商品を製造して収益源を多様化することが難しい状況にあります。セブンイレブンとの取引に特化することで品質は向上しましたが、リスク分散が難しくなっています。

労働力の確保

課題対策
人材確保と定着労働条件の改善
働きやすい環境の整備継続的な取り組み

食品製造業全般に言えることですが、労働力の確保が課題となっています。NDFの加盟工場でも、人材確保と労働環境の改善が求められています。

労働集約型産業であるため、従業員の確保と定着は事業継続の鍵となります。労働条件の改善や働きやすい環境の整備が進められていますが、継続的な取り組みが必要です。

NDFの今後の展開

デジタル化の推進

現状の取り組み今後の方向性
カミナシによる記録業務の効率化さらなるITソリューションの活用
品質管理活動のデジタル化サプライチェーン全体のデジタル化

品質管理活動のデジタル化は今後も進められる見込みです。カミナシの導入により、記録業務の効率化と管理状況の可視化が実現されましたが、さらなるITソリューションの活用も検討されています。

製造現場だけでなく、サプライチェーン全体のデジタル化に取り組む方針が示されており、原材料の調達から配送まで、一連の流れをデジタルで管理する仕組みの構築が目指されています。

環境負荷低減の継続

取り組み内容目標
CO2排出量削減環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」に基づく
食品ロス削減廃棄物の削減
エネルギー使用量削減省エネ活動の継続

環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」に基づき、環境負荷低減の取り組みは継続されます。CO2排出量削減、食品ロスの削減、エネルギー使用量の削減など、様々な側面から環境への影響を減らす努力が続けられます。

太陽光パネルの設置やLED照明への切り替え、共同配送による配送車両の削減など、具体的な施策が実施されています。

持続可能なサプライチェーンの構築

取り組み内容目的
労働環境の改善従業員が安心して働ける環境
人権尊重サプライチェーン全体での取り組み
長期的な製造体制の維持安定した商品供給

労働環境の改善や人権尊重の取り組みは、今後も強化される見込みです。サプライチェーン全体で持続可能な体制を構築することが求められており、NDFはその中核的な役割を担っています。

従業員が安心して働ける環境を整備し、長期的に安定した製造体制を維持することが目指されています。

まとめ

日本デリカフーズ協同組合(NDF)は、1979年にセブンイレブンのデイリー商品を製造するメーカー24社によって設立された協同組合です。現在は62社から65社、175工場から176工場が加盟し、全国のセブンイレブンで販売されるおにぎり、弁当、惣菜、調理パン、調理麺、サンドイッチ、サラダ、デザートなどを製造しています。

NDFの役割は、品質管理と衛生管理の統一、商品開発における協力体制の構築、原材料の共同購入、環境対策への取り組みです。独自の品質管理システムであるNDF-FSMSを全工場で導入し、品質管理活動のデジタル化も進めています。

組合は相互扶助の精神に基づき、大手企業と中小企業が協力して運営されています。セブンイレブンとの密接な連携により、全国どこでも同じ品質の商品を提供する体制が構築されています。

収益性の改善や労働力の確保といった課題に直面していますが、デジタル化の推進や環境負荷低減、持続可能なサプライチェーンの構築に向けた取り組みを継続しています。セブンイレブンの商品を通じて、日常生活を支える役割を担っている組織です。

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