スイスロールとロールケーキの違い
スイスロールとロールケーキは、厳密には明確な違いが存在しない洋菓子です。どちらも四角く薄く焼いたスポンジケーキを巻いた形状をしており、その中にクリームやジャムが入っています。ただし、日本ではそれぞれ異なるイメージが定着している場合があります。また、欧米ではロールケーキ全般をスイスロールと呼ぶことがあります。
スイスロールとは
スイスロールとは、日本では四角く焼いたスポンジケーキにジャムやバタークリームを薄く塗って巻いた洋菓子のことを指します。この菓子はヤマザキ製パンの商品名としても知られており、家庭で親しまれるおやつの一つです。スイスロールは一般的に中身のクリームが薄めであることが多く、軽い口当たりが特徴です。また、バタークリームやジャムが使用されることが多いです。
ロールケーキとは
ロールケーキとは、スポンジケーキで生クリームやフルーツを厚めに巻き込んだ洋菓子を指します。中身には生クリームが主流で、フルーツやチョコレート、抹茶など多彩なフレーバーが楽しめます。クリームが厚くたっぷりと使用されているため、ボリューム感のある仕上がりが特徴です。近年では専門店が登場し、ロールケーキは高級感のあるスイーツとして進化を遂げています。
欧米におけるスイスロールとロールケーキ
欧米では、スイスロールという名称がロールケーキ全般を指す場合があります。さらに、ジャムを塗ったものは“ジェリーロール”とも呼ばれます。スイスロールは1880年代から1890年代にかけてヨーロッパの料理本に登場しており、その名の由来はスイスの“ルーラード”にあるとされています。また、ヴィクトリア女王がスイス旅行中にこの菓子を気に入り、イギリスに持ち帰ったという逸話も伝わっています。
スイスロールはその後アメリカに渡り、ジェリーロールとして広まりました。アメリカでの人気がヨーロッパにも再び影響を与え、スイスロールは世界的な洋菓子として定着していきました。
日本におけるスイスロールとロールケーキの歴史
日本でスイスロールが普及し始めたのは1950年代のことです。当時、ある製パン会社が販売したスイスロールが話題となり、家庭のおやつとして広く親しまれるようになりました。このスイスロールは、厚めにカットされたスポンジケーキにバタークリームを薄く塗り、巻き上げたシンプルなものでした。
その後、2000年代になるとロールケーキ専門店が登場し、全国的に人気が高まりました。生クリームをたっぷり使用した贅沢なロールケーキが登場し、家庭で楽しむスイーツとしての地位を確立しました。さらに、6月6日はロールケーキの日として認定されており、その由来は6という数字が巻いたロールケーキの形に似ていることにあります。

まとめ
スイスロールとロールケーキには明確な違いがないものの、歴史や文化、地域によってその呼び方や特徴が異なります。スイスロールは軽めのクリームやジャムを使用するのに対し、ロールケーキは生クリームやフルーツをたっぷりと使うことが多いです。また、欧米ではロールケーキ全般をスイスロールと呼ぶ傾向があり、ジェリーロールという別名も見られます。これらの違いを知ることで、日常的に親しまれている洋菓子への興味や理解が深まるでしょう。