ファミリーマートは、グミ市場の急成長と多様化に対応するため、9月3日の「グミの日」を機に、新たな挑戦を仕掛けます。2025年8月26日より、全国の約16,300店舗で「これまでにない新食感」をコンセプトとしたグミ5種類を順次発売します。これらの商品は、各メーカーとの共同開発により実現した、ファミリーマート限定または先行発売の特別なラインナップです。今回の集中展開は、急拡大するグミ市場での存在感を高めるとともに、消費者の細分化されたニーズに応えることを目的としています。
ファミリーマートで5種のグミ商品が誕生
カンロ とろみ~グミ ぶどう味
このグミは、ファミリーマート限定商品として開発されました。価格は198円(税込)です。製造元のカンロ株式会社は、1950年創業の老舗菓子メーカーで、「カンロ飴」や「ピュレグミ」など、長年にわたり多くの人気商品を世に送り出してきました。最大の特徴は、従来のグミの常識を覆す「じゅわっととろける新レア食感」です。弾力や硬さを持つ従来のグミとは異なり、口の中でなめらかに溶けていくテクスチャーを実現しました。ぶどうのジューシーな風味と相まって、消費者にこれまでにない新しい味覚体験を提供します。
UHA味覚糖 ググッタ シャインマスカット味
ファミリーマート先行発売となるこのグミは、その名の通り「ググっと噛み応え抜群の高弾力食感」が特徴です。価格は214円(税込)です。製造元のUHA味覚糖株式会社は、1949年創業で、「ぷっちょ」や「さけるグミ」など、ユニークな商品開発に定評があります。長年の知見と技術が凝縮されたこの商品は、噛むたびにシャインマスカットの芳醇な香りと上品な甘みが広がるよう設計されています。
不二家 むちもっちバナナグミ
このファミリーマート限定商品は、「まるでバナナを食べているようなむっちりもっちりの新食感」を追求しています。価格は194円(税込)です。製造元の株式会社不二家は、1910年創業の老舗洋菓子メーカーで、洋菓子だけでなく「ミルキー」などのキャンディ類も手掛けています。実際の果物であるバナナの自然な食感と風味をグミで忠実に再現しようと開発した、意欲的な商品です。
マイナット もちゅグミ 温州みかん味
ファミリーマート限定のこのグミは、「おもちのようなもちゅぷる食感」を特徴としています。価格は198円(税込)です。製造元のマイナット株式会社は、お菓子や食品の企画・販売を手掛ける企業です。和菓子の「もち」を思わせるユニークな食感と、温州みかん果汁の爽やかな酸味が融合した、ジューシーで新しいタイプのグミです。
クリート しゃりぷにょ梅グミ
ファミリーマート限定商品の中でも、特に独創的な構造を持つのがこのグミです。価格は183円(税込)です。製造元のクリート株式会社は、主に菓子や食品の企画・販売を手掛けています。この商品は「外側はしゃりっとしたコーティング、内側はジュレのぷにょっとした食感」という二層構造により、一つのグミで異なる食感の変化を楽しむことができます。見た目も梅干しを模しており、香料で表現された梅の風味が特徴的です。
これらの商品名には、食感を直感的に伝える「とろみ~」や「しゃりぷにょ」といった擬音語が効果的に用いられています。
グミ市場の成長と背景
市場拡大の現状
ファミリーマートがグミの新商品を集中展開する背景には、国内グミ市場の目覚ましい成長があります。調査会社インテージによると、グミ市場は2024年に前年比17%増の1138億円に達し、初めて1000億円の大台を超えました。この規模は、7年前と比較して約2倍に拡大しており、600億円規模で横ばい傾向にあるチューインガム市場との差を大きく広げています。
成長を牽引する消費トレンド
グミ市場の成長要因としては、消費者のライフスタイルの変化が挙げられます。グミはガムと異なり、噛んだ後にそのまま飲み込むことができるため、場所や状況を選ばずに手軽に楽しむことができます。また、在宅勤務の増加に伴い、適度な咀嚼がもたらす集中力向上やストレス軽減といった効果への関心が高まり、仕事の合間にグミを摂取する習慣も定着しつつあります。
日本のグミの歴史
グミの起源は、1922年にドイツのハリボー社が発売したものが最初とされています。当時のドイツでは、子どもの噛む力を強くするという医学的配慮から、硬い菓子として開発されました。一方、日本では1980年に明治製菓から『コーラアップ』が発売されたのが国内初のグミとされており、約40年の歴史があります。
ファミリーマートの戦略と今後の展望
限定商品で顧客の来店を促進
小売業界において、グミは価格が手頃でありながら利益率が高く、消費者が衝動買いしやすい特性を持つ商品です。ファミリーマートは、今回の限定商品や先行発売商品を通じて、他社との差別化を図り、消費者が「このグミを買うためにファミリーマートに行こう」と感じる来店動機の創出を狙っています。すべての商品が数量限定である点も、希少性を高め、消費者の購買意欲を刺激する戦略の一環です。
市場のさらなる成長に貢献
グミ市場では、特定のヒット商品の売上規模も拡大しています。2024年度には『タフグミ』が売上金額34億円を達成し、2年連続でグミ市場単品売上No.1となりました。市場全体でも新商品の開発が活発に行われており、多様なアイテムが次々と登場し、カテゴリー全体の成長を牽引しています。
ファミリーマートの今回の取り組みは、「『あなた』のうれしい」という同社の継続的なキーワードの一環です。多様な食感とフレーバーを揃えることで、消費者の好みや気分に応える商品展開を実現し、グミの日を盛り上げることが期待されます。これらの新食感グミは、日本のグミ市場の技術力と創造性を示す商品群として、今後の市場の発展に大きく貢献するでしょう。