食育白書に出てくるお菓子の話題。スナック菓子メーカーの出張授業から生菓子の文化財まで
国の「食育」と聞くと、栄養バランスや朝ごはんの話を思い浮かべる方が多いかもしれません。じつは、農林水産省が2026年6月に公表した「令和7年度 食育白書」には、お菓子にまつわる取り組みもいくつか登場します。この記事では、白書に出てくるお菓子の話題を、関係する企業や機関の発表とあわせて紹介します。
お菓子メーカーの食育
カルビーは2003年から、小学校で「おやつの楽しい食べ方」を伝えている
| プログラム | 学ぶこと |
|---|---|
| おやつの必要性 | ポテトチップスを使ったゲームで、1日のおやつの目安量と食べる時間を学ぶ |
| ポテトチップスが届くまで | 映像を見て、食べ物を届ける人たちの仕事を知る |
| パッケージ表示の見方 | 原材料名や賞味期限などの表示を、実物を見ながら学ぶ |
| 体験活動 | 学んだことを生活に生かすグループワーク |
食育白書は、カルビーが2003年から全国の小学校で続けている食育の出張授業を、第9回食育活動表彰の受賞事例として紹介しました。カルビーの公式サイトによると、出張授業「カルビー・スナックスクール」は小学3~6年生が対象です。自分でおやつを選び、食べる量が増えてくる時期の子どもに向けて、おやつと上手に付き合う方法を伝えています。
※表は、カルビーの公式サイトに掲載されている2026年度のプログラムをまとめたものです。同じサイトでは、キッズデザイン賞を受賞した2012年当時の評価として、「3000校を超える実績」があったことも紹介されています。
参考:令和7年度 食育白書(第1部 特集 食育基本法のあゆみ)|農林水産省
参考:カルビー・スナックスクール出張授業|カルビー
参考:「カルビーの食育」とは?|カルビー
ポテトチップス発売50周年に合わせて、じゃがいもを育てる「ポテトバッグ部」も始まった
食育白書によると、カルビーはポテトチップス発売50周年を迎えた2025年に、新しい教育プログラム「ポテトバッグ部」を開発しました。じゃがいもを育てる土が入ったバッグを使い、植え付けから収穫、ポテトチップス作りまでを約4か月かけて体験する内容です。2026年2月から本格的に始まりました。
※ポテトバッグ部の内容は、食育白書の事例紹介にもとづいています。
参考:令和7年度 食育白書(第1部 特集 食育基本法のあゆみ)|農林水産省
和菓子の文化を伝える取り組み
煉切やこなしの生菓子は、国の登録無形文化財になっている
文化庁の文化遺産オンラインによると、この生菓子づくりは、こし餡づくり、加工した餡づくり、形をつくる作業の3つの工程からなります。生菓子につける名前である「菓銘」は、古典文学や季節の移ろいをふまえて決められ、春の「東風(こち)」や秋の「竜田川」などが代表例として挙げられています。
参考:菓銘をもつ生菓子(煉切・こなし)|文化遺産オンライン(文化庁)
大阪・関西万博では、職人による煉切の実演と試食が行われた
食育白書によると、2025年6月の大阪・関西万博で、この生菓子をテーマにした展示が行われました。職人が煉切を作る様子を実演し、試食品も配られています。和菓子の技を、国内外から訪れた人が間近に見る機会になったといえるでしょう。
※最後の一文は当サイトの読み方です。
参考:令和7年度 食育白書(第2部第6章 食文化の継承のための活動の支援等)|農林水産省
砂糖とスイーツの情報発信
農林水産省の「ありが糖運動」は、砂糖や郷土菓子・スイーツの情報を発信している
「ありが糖運動」は、農林水産省で砂糖を担当する若手職員が中心になって進めている運動です。砂糖の良さを身近な人と分かち合い、日頃の感謝をスイーツにのせて届けることを呼びかけています。X、Facebook、Instagramで、砂糖を使った郷土料理や郷土菓子、スイーツの情報を発信し、2025年3月には公式マスコットキャラクター「かんみぃ」も決まりました。
※食育白書によると、2025年度の「こども霞が関見学デー」では、親子で参加できる綿菓子作り体験や、砂糖について学べるクイズも行われました。
参考:「ありが糖運動」~大切な人への「ありがとう」をスイーツで|農林水産省
参考:令和7年度 食育白書(第2部第6章 食文化の継承のための活動の支援等)|農林水産省
長崎街道「シュガーロード」の砂糖菓子が、国民文化祭で紹介された
長崎から佐賀を経て小倉へ続く長崎街道は、「シュガーロード」として日本遺産になっています。食育白書によると、江戸時代の鎖国のもとで、この街道沿いにはいち早く砂糖の文化が広まり、各地の文化を取り入れた個性的な砂糖菓子が生まれました。2025年11月9日には、第40回国民文化祭の一環として、諫早市で砂糖菓子などを紹介する物産展「あま~い★文化祭」が開かれています。
参考:令和7年度 食育白書(第2部第6章 食文化の継承のための活動の支援等)|農林水産省
お茶を使った食育「茶育」も進められている
和菓子と一緒に楽しまれることの多いお茶についても、食育白書は「茶育」として取り上げています。2025年4月に農林水産省が定めた基本方針にもとづき、お茶のいれ方教室や飲み比べ、茶摘み体験などが行われました。参加した子どもの家庭では、家でお茶をいれるようになり、親子の会話が増えたという声も紹介されています。
※「和菓子と一緒に楽しまれることの多い」は当サイトの説明です。
参考:令和7年度 食育白書(第2部第6章 食文化の継承のための活動の支援等)|農林水産省
地域の食育とスイーツ
地域の食育の事例にも、スイーツやおやつが登場する
| 取り組み | 白書で紹介されている内容 |
|---|---|
| 高校生レストラン「まごの店」(三重県立相可高等学校) | 製菓コースが「まごの店スイーツ」を販売している |
| C’s kitchen(新潟県) | 地元の農産物を使ったスイーツなどを調理・販売し、農業・福祉・食をつなぐプロジェクト「rucoto」を進めている |
| 弘前市食生活改善推進員会(青森県) | レシピ集で、りんごを使った料理や津軽地方の郷土料理、懐かしい郷土のおやつなどを紹介している |
食育白書が紹介する地域の事例の中にも、スイーツやおやつに関わる取り組みがあります。障がいのある人たちが福祉事業所の調理設備を使い、規格外の農産物をジャムやシロップに加工しているのが「rucoto」です。地元の食材の魅力を、スイーツを通して伝える方法の一つといえるでしょう。
※いずれも、白書の事例紹介の中で取り組みの一部として書かれている内容です。最後の一文は当サイトの読み方です。
参考:令和7年度 食育白書(第2部第3章 地域における食育の推進)|農林水産省
参考:令和7年度 食育白書(第2部第5章 生産者と消費者との交流の促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化等)|農林水産省
データを読むときに気をつけたい3つの点
まとめ
この記事で使った資料
資料の一覧と、数字の数え方を見る
| 資料名 | 菓銘をもつ生菓子(煉切・こなし) |
|---|---|
| 発信元 | 文化遺産オンライン(文化庁) |
| 公表日 | 2026年10月13日に確認 |
| 集計の対象 | 登録無形文化財の名称、登録日、解説 |
| 集計の単位 | ― |
| 資料名 | 「ありが糖運動」~大切な人への「ありがとう」をスイーツで |
|---|---|
| 発信元 | 農林水産省 |
| 公表日 | 2026年10月13日に確認 |
| 集計の対象 | 「ありが糖運動」の内容と発信の方法 |
| 集計の単位 | ― |

