アイスクリームとは
アイスクリームは、乳固形分15.0%以上、そのうち乳脂肪分8.0%以上を含む冷凍デザートです。
乳固形分とは牛乳から水分を除いた全栄養成分のことを指します。
アイスクリームは他の冷菓と比べて最も乳成分が多く含まれており、濃厚なミルクの風味とコクのある味わいが特徴です。
原料として植物性油脂を添加することは禁止されており、乳由来の原料のみを使用することが定められています。
他のアイスとの違い
| 種類 | 乳固形分 | 乳脂肪分 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| アイスクリーム | 15.0%以上 | 8.0%以上 | 濃厚なミルク風味、乳成分が豊富 |
| アイスミルク | 10.0%以上 | 3.0%以上 | アイスクリームよりさっぱりした口当たり |
| ラクトアイス | 3.0%以上 | 規定なし | アイスミルクよりさっぱりした口当たり 植物性油脂使用により価格が安価な場合が多い |
| 氷菓 | 3.0%未満 | なし | ミルク感なし、果汁や清涼感が特徴 |
| ソフトクリーム | 乳固形分と乳脂肪分により、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓に分類される | ||
| ジェラート | アイスミルクの一種 | ||
| シャーベット | 氷菓の一種 | ||
アイスミルクとの違い
アイスミルクは、乳固形分10.0%以上、乳脂肪分3.0%以上を含む冷凍デザートです。
アイスクリームと比較すると乳成分の含有量が少なく、さっぱりとした味わいが特徴です。
アイスクリームは植物性油脂の使用が禁止されていますが、アイスミルクは商品によって植物性油脂が使用されている場合があります。
乳脂肪分が少ないため、アイスクリームよりもさっぱりとした口当たりを好む方に適しています。
ラクトアイスとの違い
ラクトアイスは乳固形分3.0%以上を含む冷凍デザートで、乳脂肪分の規定はありません。
アイスクリームと比べると乳成分が大幅に少なく、乳脂肪分の代わりにパーム油などの植物性油脂を使用することが一般的です。そういった商品はアイスクリームより安価になる傾向があります。
植物性油脂によってなめらかな食感は保たれていますが、ミルクの風味は控えめで、すっきりとした味わいになっています。
氷菓との違い
氷菓は乳固形分が3.0%未満の冷凍デザートです。アイスキャンディーやかき氷、シャーベットなどが該当します。
アイスクリームのようなミルク感はほとんどありませんが、さっぱりとした味わいと清涼感が特徴です。
果汁を使用した商品が多く、暑い季節にぴったりの冷たさを楽しむことができます。
価格帯も比較的リーズナブルで、気軽に楽しめる商品が多くなっています。
ソフトクリームとの違い
ソフトクリームとアイスクリームの最大の違いは、製造から提供までの過程にあります。
アイスクリームは工場で製造され、-30℃以下で急速冷凍された後、-18℃以下で保管されます。
一方、ソフトクリームは販売店で注文を受けてから作られ、提供時の温度は-5～-7℃と比較的高めです。
ソフトクリームは「出来たてのアイスクリーム」とも呼ばれ、柔らかな食感が特徴です。
なお、ソフトクリームも乳固形分の含有量によってアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓に分類されます。
ジェラートとの違い
ジェラートはイタリア発祥の冷菓で、アイスクリームと比べて乳脂肪分が少なく、空気の含有量（オーバーラン）も低いのが特徴です。
アイスクリームは一般的にオーバーランが60～100%であるのに対し、ジェラートは20～30%程度と言われています。
そのため、ジェラートはアイスクリームより密度が高く、濃厚な味わいを感じることができます。
また、提供時の温度もアイスクリームより高めで、なめらかな食感を楽しむことができます。
シャーベットとの違い
シャーベットは氷菓に分類される冷菓で、アイスクリームとは原料や製法が大きく異なります。
シャーベットは果汁や果肉を主原料とし、糖分と水分を凍らせて作られます。
乳固形分は3.0%未満で、ミルクの風味はほとんどありません。
その代わり、果物本来の風味と爽やかな酸味を楽しむことができます。
食感は氷の粒子が感じられるさっぱりとしたものになっています。
シャーベットは暑い季節に特に人気が高く、清涼感のある味わいが特徴です。
他のアイスとの見分け方
アイスクリームと他の冷菓を見分けるポイントは、パッケージに記載されている「種類別名称」を確認することです。
食品表示法により、アイスクリーム類は必ず「種類別名称」を表示することが義務付けられています。
アイスクリームは「種類別名称：アイスクリーム」と表示されており、これは乳固形分15.0%以上、乳脂肪分8.0%以上を含むことを意味します。
価格帯も他の冷菓と比べて比較的高めに設定されているため、これも見分けるポイントの一つとなります。
